第1話 少年王とキリヤ公国の建国 2
マギアンティア世界統一暦・1555年・2月7日・マギアンティア世界・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・ユリテリア平原地方・ガリアナ王国 首都・王都パリティ市・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城・城門前にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日、勇治とセレジアの二人は、セレジア付きの家臣団と共に、ガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領へと移住する事を決意したキリヤ公国建国史に書かれて居る。
「何も、そんなにも急いで行かなくて良いと言うのに、貴女って娘は・・・・」と呆れる言葉を言うのは、セレジアの母親であるテレジア・ユリテリア・ガリアナであった。
先代のガリアナ王国の国王の長女で、現国王ジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王の王妃。
金髪ボブロングヘアースタイルで、165センチの背丈と整ったボディスタイルを持って居る。
その性格はガツガツ行くタイプで、結婚相手は見合い話よりも自分の手で探すと言って居り、そんな彼女が求婚をした相手と言うのが、年上でリンバルト辺境侯爵だったジンバル・リンバルト辺境侯爵。
現在はジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王が王室へと婿入りしたのであった。
娘には結婚相手は出来れば自分で決めなさいと、常々教えて居り、その教え通りに勇治と婚約する豪胆ぶりと言うのは、正に母親譲りと言えるだろう。
「婿殿もすまんな。セレジアは言い出したら聞かない子でなぁ~。」と呆れる父親のジンバル国王。
「知ってます。暗殺事件の解決現場で、彼女から行き成り婚約を言い出した時から、彼女からは逃げられそうに無いと諦めてますから・・・・・・」
国王夫妻と勇治とセレジア達は、馬車越しに別れを惜しんで居た。
これから勇治達は、ガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領へ、新地名称たるキリヤ公国領へと移住する為に馬車行列を率いて引っ越して行く。
「何か在れば、近くに在領地を持って居るスコット・テレジア侯爵を頼れ、きっと力に成ってくれる筈じゃっ!」
「はい。マリアの実家ですね。マリア本人からも色々と聞いて居ます。それに引っ越し先の領地に向かう途中で、知り合いとも合流する予定も在りますから、丁度いい通り道ですし、その時にスコット・テレジア侯爵とも話して見ます。」
「ふむ。成らばワシから言う事は無い。暫く生活が落ち着くまでの間だけ、仕送りをして置く。何せ、近隣地域の都会からも遠く、辺鄙で何も無く、何所の誰もが欲しがらない辺鄙で辺境な土地じゃからな。」
「住まいと成る地も、テレジア侯爵領とイーステァ地方との境と成って居るイーステァ山脈を越えた先に東部領イーステァ地方を統括する代官所館が、イーステァ大河と隣接するイーステァ村に在る。」
「代官所じゃからな。王都の貴族屋敷や地方の騎士爵位館よりも手様な造りじゃからのう、向こうに付いたら先ず最初は、お主達が暮らして行く為の住まいの改築。」
「そして、建物の増築工事をせんと成らん。」
「まぁ、それを含めて何とかする積りで居ます。」と勇治とジンバル国王の二人は、話し込む。
「ユウジさま。陛下そろそろ支度が整いましたので出発の刻限と成ります。」と告げたのは、セレジア付きのメイド長をして居た人物で、ベルファ・ファースト 通称ベルである。
ガリアナ王国の王室侍女庁と言う侍女隊専門省庁からキリヤ公国へと移籍し、元々は王女公邸侍女長をしていた人物で、セレジアーナ・ユリテリア・ガリアナの専属メイド長(侍女長)を務めて居る女性。
その部下は1500名は居ると言う侍女隊で、王室のお世話係から王城から王室関連内の建物に至る迄の清掃から整備に、食堂などの福利厚生までを担当するエキスパート部隊である。
今回のキリヤ公国が建国される際に、キリヤ公国公王室侍女庁も発足し、その時にベルはジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王からセレジア専属の侍女長に推薦を受けてキリヤ公国へと国籍と所属を移籍する事と成った。
「それではお母様、行って来ます。」
「ユウジくんと仲良くね。ユウジくんもセレジアの事を・・・・・」
「はい、お義母さん。」と言い掛けた時である。
「しゅっぱああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」とマリアは先陣を切って騎馬隊を先頭に行列を引き行く。
国王夫妻は、勇治達の行列が見えなく成るまで見送り続けたとのキリヤ公国建国史の記録には書かれて居る。
後のキリヤ公国本国首都・公王都キリヤ市と成るイーステァ村と王都パリティ市との距離は馬車を使った場合は2週間ほど掛かるが、馬車行列とも成ると3週間は掛かるかも知れないと言われて居た。
キリヤ公国公王・引っ越し行列隊は、馬車・荷馬車等を含めると700台。
騎馬隊3000名・歩兵軍6000名等を含め、お世話係を含めた付く沿い人が2500名も居り、その長い行列は行きかう旅人や臣民達から、多くの人目を引き程だったと言う記録が残って居る。
マギアンティア世界統一暦・1555年・3月9日・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・旧ガリアナ王国領・東部領イーステァ地方・東部領イーステァ地方代官駐在領都村・イーステァ村・東部領イーステァ地方代官所館・現キリヤ公国・キリヤ地方・公王都キリヤ市・公王桐谷勇治居住館『仮住まい館』にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌月の3月7日。ガリアナ王国の首都である王都パリティ市を出発してから一月が経過して居た。
キリヤ公国公王・引っ越し行列隊は、馬車・荷馬車等を含めると700台。騎馬隊3000名・歩兵軍6000名等を含め、お世話係を含めた付く沿い人が2500名も居いた為、それなりに大きな街道を選んで進む必要があったと言う。
勇治達は、引っ越し先と成るキリヤ公国とは隣国領と成るテレジア侯爵領の領主、スコット・テレジア侯爵の居る主都・テレジカ―ラ市、テレジカ―ラ城へと立ち寄る。
此処はセレジアの近衛騎士隊長を務めて居るマリアナ・テレジアの実家でも在る。
勇治はキリヤ公国本国と公王都キリヤ市とはお隣同士なので今後とも宜しくお願い致しますと言う挨拶を交わす。
そんなスコット侯爵は、ニコニコ笑顔で此方こそと握手を交わすが、なにやら企んでいる様な気がしたので、勇治はこの世界で実家として居るクエルナ町へと訪問し、クエルナ町の商工協会と冒険者協会の公共庁舎であるクエルナ町商工・冒険総合協会のギルドマスターを務めて居るレイラ・ハルトマンと合流する。
レイラは勇治に乞われて、キリヤ公国の家臣の一人として取り立てるから、キリヤ公国へと一緒に移住しようと持ち掛けられて居た。
レイラも折角の誘いたがらと言う事で移住を決意、仕事の為にと住み慣れ始めたクエルナ町から、引っ越しする事にしたのであった。
しかしながら合流する予定であったレイラは、クエルナ町商工・冒険総合協会のギルドマスターの業務引き継ぎが遅れて居ると告げられ、それにキリが付いたら後を追い掛けると述べて、勇治との合流を断念する事と成ってしまう。
そんな訳でそれから二日後の3月9日の事である。
レイラとの合流を諦めてガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領へとやって来た二人は、キリヤ公国の建国に伴い統治者である勇治の名を取って、同地方の名前をキリヤ地方と改名し、名付けると共に、各地方も勇治に所縁の在る名に改名して行く事に成る。
二人が引っ越しして来た旧ガリアナ王国・東部領イーステァ地方は、東部領イーステァ地方代官駐在領都村・イーステァ村を中心としたガリアナ王国の辺境地方領で、離島列島であるイーステァ列島を合わせると、6000人程度に過ぎない過疎地域である。
その中でも東部領イーステァ地方代官駐在領都村・イーステァ村は、人口がたったの150名が暮らす辺境の過疎村で在った。
其処に勇治とセレジアの二人は、護衛兵力軍の家臣団たる9000人と供にやって来て居たので、チョッとだけ人口が増加した事に成るが、勇治の故郷である日本国で言えば、地方町くらいの人口にしか成らないだろう。
だが、その前に勇治達は、東部領イーステァ地方を統括する代官所館が置かれて居るイーステァ村へとやって来て居た。
到着した一行は、イーステァ村の中心地の西側付近に在った岡山へと馬車で登り、其処に在るのが東部領イーステァ地方代官所館だった。
「ふああぁぁぁぁーーっ!!着いたーーーっ!!」と背伸びをする勇治。
「本当に何も無いわね。」とガッカリしてしまうセレジア。
これから始まる新婚生活が、少しでもバラ色で有ったら良いなぁ~くらいには思っては居たが、初っ端から夢がガタガタと崩れ落ちて居た。
だって目の前に在るのは、200坪程度の館である。
お庭は狭いし、2階建てでは在るが、持って来た間取り図を見ると、ざっと見ても20部屋程度しか無いので、付き添いでやって来た従者。
それに護衛隊の騎士や兵士達の事を考えると成ると、とても手狭に成って仕舞う。
「ねぇ、セレジア。やっぱり、もう少しだけ家臣達の人数を減らした方が・・・・・・」
「ダメダメっ!ダメよ。そんな事をしたら、私と勇治が、この程度の人数すら養えないのかと、世界中の国々の人々から見られて、お父様達が大恥を掻いてしまうわっ!」
「そうじゃなくてさ、せめて家の家臣達の住める建物が揃うまでの間だけは、スコット侯爵にでも預かって貰おうよ。」
「それでも護衛や館の維持も在るのよ。あの距離を馬や場所で毎日、通勤通いにするのも酷だわっ!」
「・・・・・・・はぁ~、それじゃ、仕方が無いなぁ~」と呟くと、勇治はゴットタブレットを馬車に置いてあったカバンの中から取り出して、パパッとイーステァ村の地形図を作成、序で代官館を含めた行政庁舎を身綺麗に立て直し、更には王都パリティ市から連れて来たセレジア付きの家臣で在り、今はキリヤ公国の家臣1万1500人が住める官舎を立てる。
「これで良い?」
「流石は勇治ね。貴方から事前にソレに付いてに話には聞いて居たけれど、物凄ーーくっ!便利過ぎて、手にした全ての人をダメにしそうなアーティファクトだわ。」
「だからコレはダウンロードして居るゲームソフトなんかの遊び以外では、これを使いたくはないんだよ。」と勇治は言う。
彼はゴットタブレットの機能の中では、自分の居た世界からネトゲや電子データ形式ゲームをダウンロードしたり、電子書籍を読んだりする事を含めた娯楽以外に使う事を極力避けて居た。
だってゴットタブレットと言う代物は、使いかた次第では、某スーパーロボットの様に神にも悪魔にも成れる危ない代物だからだ。
「みんな、これはね。勇治が故郷で見つけた古代文明の遺産アーティファクト、タブレットよ。」
「その力は見ての通り、錬金魔術師も真っ青な力を秘めて居るけれど、使えるのはタブレットに認められし者だけ、詰まり使えるのは勇治だけよ。」
「この力のお陰で、お父様と私、そしてガリアナ王国の危機は救われたわ。お父様達もご存知でも在る勇治の力よ。」
「だけよ、今は余り他人にはペラペラと喋らないようにっ!面倒くさい事にも成るからってお父様達も言って居るからっ!」
「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」と驚愕の声を上げた家臣達。
「流石は勇治さま。」
「この様なお力をお持ちとはっ!」
「如何おりで国王陛下も一目を置かれて居る筈だっ!」等と口々にゴットタブレットと勇治に付いての感想を述べて居た。
如何やらゴットタブレットに付いては、古代遺跡から発掘される様な物凄く貴重なアーティファクト程度だと思って居るらしい。
「さぁさぁ、これから引っ越し作業を始めます。手始めに勇治様達が各建物と部屋を見回り、荷解きする荷物の割り当て、それから各侍従隊で作業を始めます。」とキリヤ公国へと移籍させられた侍従隊のメイド隊と執事隊らを率いるベルファ・ファーストは、部下達に引っ越し荷物の荷解き作業を命じる。
「我らキリヤ公国騎士団は、イーステァ村の警備体制を決めたり、騎士団の官舎への荷運びをする。」
「警備が必要なヶ所が在った場合は、私の所へと報告し、勇治さまの手によって警備隊所や警備隊詰所を設定する事に成って居る。」と騎士団長のマリアナ・テレジアも自らの作業に取り掛かる様にと部下達に命じる。
その後、勇治は率いて来た家臣達に命じて、部屋割りを決めたり、引っ越し荷物の荷解き作業を開始。
その作業は一週間は掛かったと言われて居る。
その日の夜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勇治達は、一先ず寝泊まりする程度の荷解き作業を終わらせ、それぞれの宿舎へと腰を落ち着かせた。
夕食と入浴を終わらせた勇治とセレジアの二人は、ゴットタブレットの力を使って立て直しをした代官所館の寝室部屋に居た。
日本生まれの勇治に取って、異世界での慣れない馬車での長旅と、それに伴う腰痛と筋肉痛に悩まされて居り、フカフカのベッドで眠れる有難さを噛み締めて居た。
「ふうっ~、やっと落ち着いた。」
「うふふ、そうね。」
「それでは勇治様、セレジア様。私はこれにて失礼致します。」とベルは頭を下げて居た。
侍従隊長である彼女は、主たる勇治とセレジアの二人近くに住まいたる部屋を与えられて居り、何か在れば直ぐに駆け付けた来られる様に成って居た。
これはキリヤ城に成っても変わらず続けられて居り、夫婦の営みが始まった年頃の勇治とセレジアの二人が悶える声に当てられたベルは、聞きたくも無い喘ぎ声と激しいベットの弾む音を聞かされ捲る事に成る。
そなれば如何に年上でプロのメイドであるベルであっても性欲の抑制する事は適わず、遂には勇治の御手付き成ろうと、キリヤ公国公王家に代々使える子孫を残す名目を突き付ける形で身を任せた。
そんな彼との間には密かに数名の娘達を儲けて居るが、認知はされどもキリヤの名を表立って名乗る事を控えると事にすると心に決めたと言う。
そんな普段は白いエプロンを身に付けたワンピース姿の巨乳メイドで、碧眼の銀髪ロングストレートヘアーの女性の姿を取り、主の身の回り世話から夜伽の相手まで多岐に渡るお世話役を嫌な顔をせずにしてくれるメイド長としての才女で、その声色は著名な声優として知られて居る堀〇由〇さん瓜二つかも知れない。
「ご苦労様、ベル。明日も、そしてこれからも宜しくね。」
「僕からも宜しく。長旅と引っ越し作業もご苦労様。」
「はい、此方こそ宜しくお願い致します。それでは・・・・・・・・・」と立ち去って行くベル。
「それでは姫様、勇治様。私も自室へと失礼致します。」
「マリアもご苦労様。」
「はい、失礼致します。」
「お疲れ様ーっ!」と言う勇治に見送られ、マリアも今日の業務を終わらせたので、自室へと下がって行った。
「うーんっと、取り敢えず、そろそろ寝ようよ。疲れたし、明日も早いし、これから色々とみっちりと忙しく成るしね。」
「でも・・・・その前に・・・・」
「あのー、セレジアさん?」と丁寧な口調に成る勇者は、セレジアが羽織って居たカーディガンを脱ぐと、透け透けネグリジェの格好に成る。
「折角二人切りに成ったのよ。このまま寝てしまうなんて・・・・・・・」と勇治に迫る。
「あのー、年若い年齢の子作りは、お互いの身体に重大な・・・・・」
「分かって居るわよ。貴方からそれをクドクド理由を聞かされて、納得して居るわよ。」
「私だって、後先を考えず、若さに任せて事を終えた後に成るって言う、性病と言う病気も怖いし、若年早産で股間部のアソコをダメにした挙句に、20代で失禁状態に成るのも嫌だわ。」
「でも・・・・それ以外なら良いでしょうって、お母様が・・・・・」
「あの人はっ!碌な事を娘に教え居ないって、ああっ!!そのソコはっ!わああっ嫌っ!止めてっ!うわあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
その晩、勇治は母親から仕込まれたやり方で、セレジアに凝って入りと可愛がられたと言う。
そんな感じで始まった僕のキリヤ公国は、建国当初から多くの問題を抱えている土地で、その統治をして行く公王と成った僕は、国の地方の区割りを行い、中央政府にキリヤ公国議会を設置して、国の基礎固めや国体制度を決めて行った。
そんな国体制度を組織して行く中で地方行政として、地方自治州区と言う都道府県みたいな感じの地方自治州行政府と議会を立ち上げ、更に細かく区割りした地区を設置し、その中に市町村置いて、官僚の公募試験を行い優れた人材を集め、警察や国軍を整備してから、国家運営をスタートさせた。
主なキリヤ公国の本土たる地域の全て総称の名をやっぱり自分の苗字から取って、キリヤ地方と名付ける事にした。
このキリヤ地方は、元はガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領と言う名前だったが、キリヤ公国の建国に伴い統治者である僕の名前から取って名付けられる事にした事は先に述べた通り。
そして、各地の地名を僕の故郷である日本に因んだ名前を付けて行く。
先ずは内陸中央の地方にホンシュウ地方と名付けた内陸国土、その最も東の内陸には、山と森と平原と小さな集落の村でしかない土地柄にキリヤ公国の首都を作る事にした。
序でだから、その土地の名前をキリヤ平原と名付け、近くには、東のマーリーナ海洋へと流れて居る大河の名前をキリヤ大河と悪乗りして付けた大河は、北西からキリヤ平原を霞める様にしながら海へと注いで居た。
その大河の周りに広がる様にして公王都キリヤ市を作り上げた。
更には、公王都キリヤ市の西側の山間と森林地帯を開拓し、その山に居城とするべく、姫路城を始めたとした日本の城郭を手本に作り上げた和風建築様式のキリヤ城を築城して行く。
その場所はガリアナ王国との境に在り・イーステァ地方の山だからイーステァ山脈と呼ばれていた所で、僕が改名してキリヤ山脈と名付けられた。
その山脈のもっとも東に位置して居る地点に、公王都キリヤ市を見下ろせる様にして、居城であるキリヤ城を造ったんだ。
僕が首都機能を置く事をこの地に定めたのは、セレジアの故郷であるガリアナ王国への街道か通って居る土地だったからだでも在ったんだよ。
キリヤ公国の立ち上げには、その力の強さと便利さから使う事を躊躇って居たゴットタブレットを有効に使う事を僕はこの時に決めたんだ。
だって、まともに建国をゼロから始めたら、それが終わるか有る程度の立ち上げが終わる頃には、僕は絶対におじいちゃんに成っちゃうよ。
だから世の為、人の為なら強過ぎる力を有するゴットタブレットを使っても良いかなと思ったから、自分で取り決めた封印を取り払うかのようにタブレットを使い始めたんだ。
ゴットタブレットに付いてはセレジアとそれに近しい知人友人にだけ、どんな物なのかを打ち明けて居る。
僕の素性に付いては全部は打ち明けては居ないけど、その内には打ち明けようと思って居るが、まだまだ出会ってから日が浅いから先送りにして居るけどね。
それに・・・・・何だかんだか女神様の思惑に誘導され、動かされて居る気がするが、それを気にして居たら、何も出来ないしね。
その重要な首都を作り上げて行く事や各地方地域をゴットタブレットを使って如何するのか?
そして、地方地域にどんな名前を付けたり、何を如何するのかを決めて行く。
因みに地名変更は自由で良いらしく、その変更する当たって婚約者であるセレジアの意見を求めた。
其れなんだけどね、そのセレジアが曰く「ユウジが王様に成ったのだから、その土地の新名は、貴方の好きに改名や新名なんかを好きに付けても良いのよ。」と言うので、自分で呼び易い名前に決めて行く事にした。
首都近郊のホンシュウ地方は、京都府くらいの大きさが有るので、平穏京地方自治州区と名づけた。平安京みたいな名前で中々良い名前だと僕は思う。
それにネーミングもそのまま過ぎるし、とても自分らしくて良いしね。
日々平穏と言う意味を込めて、キリヤ公国と首都の有る地域に住まう人々が平穏で在る様にとの意味を込めた形の名前だ。
其処から北西に有る地方をデワ地方自治州区とし、州都をモガミと名付ける。
その東側に有る地方には、ムツ地方自治州区と名付け、州都をセンダイとした。
その南側にある地方には、カントウ地方自治州区とし、州都をエドとして、沿岸地域でも有るので、其処に港を開いた。
其処から真南に下がる地区にトウカイ地方自治州区とし、州都スルガ名付けた。
首都の公王都キリヤ市から南西に進むと山岳地方と肥沃な平原が広がる地方が在る。
この山岳地方をシンシュウ地方自治州区として、州都マツシロと名付け、更に南へと行くとタジマ平原と名付けた広がる地方をアキ地方自治州区とし、州都をヒロシマと名付けた。
最後に公国の最南端の半島地方をカンサイ地方自治州区とし、州都をオオサカと名付けて、南方に開けた沿岸地域だったので、序でに港を開いた。
キリヤ公国の内陸本土に付いての説明は以上である。
お次は東方に在るキリヤ公国のもう一つの本国でもある離島で、キリヤ列島と名付けた4つの島と地方諸島と群島の行政割である。
北部最大の島をエゾ島地方自治州区として、州都をサッポロとするが、大きいので区都と呼ばれる地方行政支庁と支部庁所在都市を5つ設けた。
東からクシロ支庁・クシロ市。キタミ支庁・キタミ市。
アサヒカワ支庁・アサヒカワ市。ワッカナイ支庁・ワッカナイ市。ハコダテ支庁・ハコダテ市である。
エゾ島は未開の自然が溢れる島で、殆んどが手付かずである。
今後の調査次第では、僕の国に取ってのお宝が眠って居るかも知れない土地だ。
その南の島をヤマト島と名付け、ヤマト島地方自治州区とし、州都をアスカにした。
その西側に四国に似て居る島が在るので、シコク島地方自治区とし、州都をイマバリと名付けた。
此処は四国と同じくさらい結構な大きさを持った島であるので、4つの地区を設けたサヌキ・トサ・アワ・イヨとした。
州都に定めたイマバリ市の在るのは、イヨ地区である。
西側の島には、九州に似て居るからと名前をキュウシュウ島と名付け、北部と南部に地方自治区を分けて治める事にした。
北キュウシュウ島地方自治州区の州都をハカタ市とし、南キュゥシュウ島地方自治州区の州都をカゴシマと名付けた。
その島から南東方向に伸びて、200近い群島地方をリュウキュウ島諸島とし、リュウキュウ諸島地方自治州区として、最大の島であるオキナワ島に州都を取り敢えず置く。
此処は地方全体の人口が3000人程度で、オキナワ島には、たったの500人しか住んでいない過疎の離島である。
この地方の開発が進める為には、相当な時間が掛かるだろう。
暫くは自治に任せ、本土から半年交代で行政長官が、政務を取り仕切る事に成る予定だ。
最後にキリヤ列島全体には寄港する為の港が必要だったので、ゴッドタブレットを使って港を含めた都市を造って開発の足掛かりとした。
以上がキリヤ列島の区割りと足掛かりの初期開発の説明である。
さて、このキリヤ公国本土とキリヤ列島地方の基幹産業は農業と魚業が主で、ガリアナ王国の統治時代から開発されて居る鉄や金銀銅の鉱山が五つも在るが、僕はもっと国内にたくさんの鉱山が在ると踏んで居る。
だが、このキリヤ列島の調査をするには人手が足りない。
取り敢えず最初の政策としては、キリヤ公国本土とキリヤ列島の大きな島を中心に鉱山の開発を進め、州都同士の街道整備と航路制定と関税や税金の取り決めを進めるて行くしか無い。
それに殆んどの都市や町村では、生活に必要な最低限度の手工芸工房式の産業と工房しか無い長閑な田舎だったりするから、余り無理な国策を進めて行くには、とても長い時間が掛かる事に成るだろう。
それに国を良くするには人手もお金も掛かる。
お金の心配はゴッドタブレットのお陰で、食料品も金銀銅と宝石類もお取り寄せ出来るから、絶対に有り得ないが、人だけは作る事なんかは、あのタブレットには出来ない所業でも在るので、どうしても人集めだけは、時間が掛かるんだ。
其処で僕はセレジアとクエルナ町から呼び寄せたレイラさんと、呼びかけに応じてくれた様々な出自の人達と一緒に成って国作りを始めた。
先ずは、今年の冬に向けての食料や生活物資の自給自足をしながら、生産備蓄を始める事にした。
人手が無い部分を補うのに女神様から貰った万能タブレット端末である神様タブレットを用いて、古くから有る耕作道具や耕作機械を導入し、田畑を大規模に耕して行く。
夏の作付けには、大麦や小麦を中心に生産を進めて畑作で取れる種類を地域ごとに合った作物を割り振って植えた。
次に加工品用の作物を使って酒類やジュースになんかに使える果物の木々を植えたり、収穫後に必要な工場の機材と建物等をタブレットで取り寄せて、簡素だけど生産工場を立ち上げて、将来向けての準備を整えた。
余り最新機器を与え過ぎるのも国民達には良くないしね。
僕に頼り切りの生活は、国と民達に取っても、とてもダメな結果を産むからね。
だから僕は立ち上げと本当に足りない物だけをタブレットに頼って、国民達に分け与えて上げる事にしていた。
タブレットに付いての秘密は、今はセレジア達と家臣達以外のキリヤ公国国民に対して、古代の魔法技術で、造られたアーティファクトを持って居ると言って、適当に誤魔化して在るし、僕自身の出自も異世界から迷い込んでしまった不遇な人間と伝えてある。
ゴットタブレットは僕にしか仕えない様に成って居ると言ってあるしね。
女神様からこの世界の管理者の使命に付いても、今の所は、特に言う必要は無いし、それに将来の事は分からない。
次に海での事に付いての政策も考えた。
魚業で取れた魚介類を干物やその他の加工食品なんかに加工して食料の備蓄や販売の為の生産体制を整えたりした。
あっそうそう、畜産の事も忘れちゃう所だった。
牧場も多く整備して、牛・豚・鳥・羊・ヤギ・馬を育て行く。
旨くすれば、干し肉から皮製品に至るまで、色々と生産が出きる様に成る筈だ。
手付かずの土地が多いから放牧地に困らない。
特に軍馬を飼育をすれば、戦時にも役立つし、セレジアのお父さんであるガリアナ王に売りつければ儲かるし、ガリアナ王国も格安で軍馬が仕入れられるから、其れなりに損が無いしね。
予算もガリアナ王とガリアナ王国の承認から低金利で借金や融資を受けたりしながら、頑張って食べれるだけの収入を得ようと僕とセレジアとレイラさん、家臣達と国民達は必死に頑張ったんだ。
だけど・・・・・・まさかこの後に、あんなとんでもない事件が起きるとは、この時のキリヤ公国を立ち上げ、国家政策の仕事に忙殺されて居る僕達には、予想や考えすら及ばなかったんだ。




