第168話 少年王と夏休み旅行はまだまだこれからっ!! 14
マギアンティア世界統一暦・1555年・12月7日・午後17時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・オルトランタ商業連合国・首都・ロッテルダム市・ロッテルダム市官庁街地区・1丁目・2番地・オルトランタ商業連合国迎賓館・迎賓大広間・オルトランタ商業連合国・大統領府及びオルトランタ政府主催・キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行が乗り込む、公王専用お召列車キリヤ号・一号列車は、オルトランタ商業連合国・首都・ロッテルダム市・ロッテルダム市駅へと到着。
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行らは、オルトランタ商業連合国政府と外務省が用意して居た宿泊施設へと移動して行き、一行ら各々が市内散策の観光や夕方の歓迎会パーティーに備えて、軽く休みを取って行く。
そんな休息時間が過ぎ去り、太陽が西へと沈む水平線が見える夕方に成ると、オルトランタ商業連合国大統領府近くに在るオルトランタ商業連合国迎賓館に続々とキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行とオルトランタ商業連合国政府や議会議員に、国内の有力者達らが集まって来て居た。
その中で目を引く人物が、勇治とキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行らを出迎えていた。
その名もヤエス・ヨーデル。
年齢は40歳で、今日から勇治たちが滞在するオルトランタ商業連合国大統領で、国内最大の貿易商会であるヨーデル貿易商会の商会長をも務めて居るベテラン政治家。
強面で縦長の顔立ち、これまた赤茶色の顎髭を端から端まで蓄えた人相に加えて、170センチ前後のガッチリとした身体付きをしたおじ様であった。
マギアンティア世界各地に店舗や出張所を構え、手広く商いをやって居る凄腕でもある人物。
その性格は商人らしくリアリズムに基づく判断を下す事を信条として居る為に、中立に近い発言と言動が多いが、キリヤ公国連合国の力を前にした彼は、その他の他国はキリヤ公国連合国に比べたら神と蚊ほど差に等しいと言い切って、キリヤに傾く政策を取る様に成って行く。
「ヤエス大統領閣下っ!!」
「おおっ!!勇治陛下っ!!」
「初めまして、キリヤ公国連合国の宗主国王の桐谷勇治です。今宵は歓迎パーティーに御招き頂き、有り難う御座います。」
「此方は婚約者のセレジアとリィーゼです。宜しくお願い・・・」と言い掛けた時である。
セレジアとリィーゼの二人は、その言葉を遮る様にして挨拶を交わす。
「お久しぶりです、ヤエスおじ様。」
「大人びて来たわね。セレジア殿下。」
「私もお久しぶりですわ。ヤエスおじ様。」
「リィーゼで・・・おっと、もう女公王陛下に成ったのだったね。」
「嫌ですわ。今更でしょう。」
「はっはっはっ!!では非公式の場手は今まで通りとさせて頂こう。」
「何だ、二人は顔見知りだったんだ。」
「はぁ~、勇治。こう見えても私もセレジアも、王族よ。お披露目会とかで一度は誰かと会うのが当たり前なの。」
「・・・・と言っても、僕からみればお転婆な所しか・・・・」
「何か言ったかしら婿殿?」とセレジアは、ジト目で揶揄う。
「何でもありません。」と黙ってしまう勇治。
「はっはっはっはっはっ!!勇治くんっ!!奥さんたちの機嫌を損ねたら大変だよ。今からお嫁さんと上手い付き合い方を押して・・・」と言い掛けた時である。
「おじ様、勇治に悪い事を教えないで下さるかしら?」
「リィーゼの言う通りよっ!!おじ様っ!!勇治はこれから何だから、悪い大人のやり方を教えないで下さるかしら?」と詰め寄るセレジアたちであった。
「おっと、くわばらっ!!くわばらっ!!余計な事を言わないのがコツだよ。」と言うヤエスは、別の一行らが来たと見ると、話を早々に切り上げて、そそくさと別れ行くのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・12月7日・午後17時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・オルトランタ商業連合国・首都・ロッテルダム市・ロッテルダム市官庁街地区・1丁目・2番地・オルトランタ商業連合国迎賓館・迎賓大広間・オルトランタ商業連合国・大統領府及びオルトランタ政府主催・キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オルトランタ商業連合国大統領府近くに在るオルトランタ商業連合国迎賓館に続々とキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行とオルトランタ商業連合国政府や議会議員に、国内の有力者達らが集まって来て居り、その目的はオルトランタ商業連合国・大統領府及びオルトランタ政府主催のキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティーへの出席をする為である。
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティーは、多くの出荷者たちがやって来て、会場で談笑しつつ、大いに賑わって居た。
その中でもアマテラス神皇国地方の有力者・・・・隠居や引退と言う形で国外へと・・・・キリヤ公国本国に移住した者達やキリヤ公国連合国へと加盟諸国と成った国家元首や有力者たちらが、オルトランタ商業連合国政府や議会議員に、国内の有力者達らに囲まれて居た。
その中でアマテラス神皇国地方の新将軍王陛下たる織田・和紗・信長こと、和紗は、キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行に参加する自治国家元首の一人にすぎないが、同時にアマテラス神皇国地方の歴史史上初めて国外へと出かけた将軍王と成って居た。
その為に、オルトランタ商業連合国政府や議会議員に、国内の有力者達から声を掛けられて居り、ヤエス・ヨーデルオルトランタ商業連合国大統領も挨拶にやって来て居た。
「これはこれは東の果ての神秘の太陽神の島国たるアマテラス神皇国地方の新将軍王陛下たる織田・和紗・信長殿を我がオルトランタ商業連合国歴史上初めてお迎えする栄誉と新たな時代以前の到来をお祝いすると共に歓迎を致しますぞっ!!」
「ふっ!!オルトランタ商業連合国内最大の貿易商会であるヨーデル貿易商会の商会長をも務めて居る大統領閣下殿だ。世辞が巧いな。」
「はっはっはっ!!流石に商業と軍事を両立させて居られる武家国家の代表は違いますな。お世辞如きでは心が動きませんのう。」
「それで何が目的だ?」
「貴国の独立自治特権の名に措いて、我が国との貿易協定の見直しや寄港地に措ける専用区画の利用権と言った所ですな。」
「分かった、良いだろう。津田港・堺港・大坂港・姫路港・四日市港・敦賀港・浦戸港・長崎港・平戸港・八代港・鹿児島港と言ったアマテラス織田自治神皇国が管理運営する港に専用区画を用意してやろう。」
「おやおや?随分と簡単に、お決められますな?」
「ふっ!!その代わりにだっ!!こっちも似たような特権を寄こせっ!!一部輸出入の免税率の割り合いを低めにするのもなっ!?」
「では、此方も要求しても?」
「構わんっ!!こっちも代わりに、オルトランタ木工細工の加工品に使う金銀銅に税金を課すが、家で輸出した材料で作った物や委託品を逆輸入する時は、少し目溢しをしてやる。」
「まっ、それが落とし所でしょうな。」と商談が決まった所で締め括るヤエス。
「オルトランタ木工細工とは、日本で言えば寄木細工や漆塗り細工や家具細工と言った物に当たる。」
その原材料は、世界中から掻き集められた木材を使用して、加工しつつ、付加価値を付けて輸出されて居る品物なのである。
今年からキリヤ公国連合国が台頭し、オルトランタ商業連合国もキリヤ国内はマギアンティア世界のどんな国々よりも優れた国家であると知って居るので、経済・軍事同盟を締結して、ユーラシアン大陸南部地方西部の経済市場の安定と独占をしつつ、ハブ港を目指し居ると言う事情と打算があるだ。
そんな訳で本来ならば風見鶏をして居ても可笑しく無いオルトランタ商業連合国が、キリヤ公国連合国に肩入れするのは、キリヤが世界的に有利であると言う理由から来ているからであった。
「近代化が進んだお陰で、以前よりも輸送コストが下がりましたからな。ですが、少々面倒な事をお願いするかも知れませんがな?」
「オルトランタ木工細工の原材料であるスノーランド部族国のユグドラシル大樹木の件か?」
「はい。他にも輸入先が有りますが、庶民向けの主力商品ですので格安で輸入できる先がスノーランド部族国なのです。」
「それにオルトランタ金物加工業も、多くの国々からの輸入に頼って居ます。我が国は多国間貿易で成り立って居り、それと同時に輸入素材を使った伝統工芸加工品商会が軒を連ねつつ、主力商品ですので、何所かの国が倒れると言うのは困るんですな。」
「其処でなのですが、ゲルニアン帝国への出兵とまでは申しませんが、今現在のアマテラス織田自治神皇国が余剰兵を抱えて困って居る聞き及びます。出来ましたらキリヤ公国本国中央政府の許可を得ての、何処への派兵は可能でしょうか?」
「そう来るか?全くっ!!ゲルニアン帝国のチョビ髭オヤジのヒットランめがっ!!この時期に面倒くさい戦を仕掛けて、巻き込まれる身にも成って欲しい物だ。」
「まぁ、キリヤに加盟したお陰て、アマテラス神皇国地方の木材も仕入先に加えて貰って居る誼だ。直接的な織田軍の派遣に付いては、今はまだ何とも言えんが、アーラスカン共和国・・・・レオーネの手伝い戦をする積りで居るから、これを以って良い返事としたいが、如何だろうか?ヤエス殿?」
「それは有難いっ!!彼のチョビ髭オヤジのせいで木材やら、鉱物資源などが少しばかり値上げするのではないかと、取引先が騒いで居りましてな。アーラスカン共和国軍の失地回復を目的とした、織田軍の出兵は、取引先に取っては非常に良い知らせと成り、ゲルニアン帝国への牽制にもなるでしょうな。」
「我が国は伝統工芸加工品商会が多く、それと同じく外国伝統工芸加工品商会を集積地でも有るので、それらに関する株取り引きが昨今は騒がしい限りでしてな。」
「其処までの事を言うからには、主な理由は・・・・西側諸国の取引先の信用か?」
「東は安泰ですが、商業国である以上は、過度に傾くような真似は出来ません。ですが同盟諸国の一国としては別儀ですので、ご心配には及びません。」
「だから商人は食わせ者だと言うのだ。油断ならんっ!!」
「それを仰るならば、千利休今井宗薫 今井宗久等々と言った堺市の商人の何れの方々も食わせ者ですがな?」と皮肉っったブラックジョークを言うと互いに笑い合ったと言う顛末と成った。
「まぁ、それはともかくとして、それに付いては、このパーティーの最中に、貴国を含めた関係者を集めての安全保障と貿易経済に関する外交会議を開くと中央政府の連中は言って居る。」
「俺も出席者の一人だからな。おっと、これは俺から聞いた言うなのよな?こういった事をやるのは、外務大臣の梅晴の仕事だからな。正式な通知前に、この俺が喋ったと騒がれたら、あの腹黒女狐の事だ、面倒くさい小言を言うのに違いない。」
「何所の誰が面倒くさいお方であると仰って居ますでしょうか?」
「げっ!?梅晴?」
「げっ!!ではありませんっ!!全く、和紗様っ!!貴女と言う人はっ!!何時もっ!!何時も好き勝手に自由気ままで奔放な振る舞いがっ!!米実さんも苦労が・・・・・」とクドクドと言い始めた梅晴。
「ヤエス殿っ!!申し訳ないが、俺は失礼する。梅晴の小言は、この俺では裸足で逃げたしたいものでな。」と言って、和紗はそそくさと逃げて行くのであった。
「はっはっはっ!!彼の織田の魔王殿も裸足で逃げたしたいとは可笑しい物ですな~」
「さて・・・・結城外務大臣、余計な事を聞いてしまいましたかな?」
「まぁ、良いでしょう。あのお方も、キリヤ公国連合加盟諸国に席を置き、個人的な外交自治特権を持って居る王族ですからね。これ以上、文句を言っても柳に風でしょうし。」
「ヤエス大統領閣下、概ね和紗様が仰って居られた通りです。」
「このパーティーの最中に、貴国を含めた関係者を集めての安全保障と貿易経済に関する経済・軍事安全保障外交会議を開きたいのですが、お時間は宜しいでしょうか?」
「此方も渡りに船と言った所ですな。東と西の何方かにゲルニアン帝国を牽制して貰えば御の字でしたので・・・・・」
「それにアーラスカン共和国の一件やスノーランド部族国事も有りますしな。この辺りで、彼のチョビ髭オヤジ皇帝の尻を叩いて起きませんと、此方も商売があがったりですからのう。」
「ご了承を有難う御座います。それで後ほど、我が外務省の官僚らと其方の外務省官僚とで詰めの算段をお願い致します。」と締め切り、梅晴は他のオルトランタ商業連合国の要人たちへの挨拶周りへと向かうのであった。




