第161話 少年王と夏休み旅行はまだまだこれからっ!! 7
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月31日・午前9時35分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・フェリス侯爵独立自治領国・ダンドー山脈盆地地方・フェリス家長女・ロイチェル・フェリス統治領国・ダンドー地方自治州区・州都・バルサレ市・バルサレ市北東部一帯・ダンドー平原・ロイチェル直轄農場・ロイチェル総合農業株式会社・ロイチェル牧場株式会社直営牧場・乳牛牧場区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行は、フェリス侯爵独立自治領国のフェリス家の長女、ロイチェルが治めて居る内陸領地のダンドー地方自治州区の視察訪問を兼ねた農場・牧場体験観光にやって来て居た。
「「「「「モウオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーッ!!!!」」」」」
「「「「「モウオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーッ!!!!」」」」」
「「「「「モウオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーッ!!!!」」」」」
「うわっ!!おっきい牛さんだぁ~っ!!」と言うのは、日本大皇家の現大皇の弟の一人娘で、黒髪セミロングヘアーと幼い可愛らしい顔立ちとが際立つ、大人しく快活で明るい性格の小学生の女の子たる朝陽宮翠が、牧場体験をしにやって来て居た。
「翠さま、此方へ・・・・」と案内をするのは、実家でも領主直営農場と牧場をやって居るマリアナ・テレジアこと、マリアが牧場での立ち振る舞いを知って居るので案内役をしてくれて居た。
「うん・・・・」とトテトテと歩いて行く翠は、搾乳体験小屋にやって来ると、おっかなびっくりにメス牛に近付く。
「決して、牛の正面と背後には回らないで下さい。何かの拍子に、後ろ脚や角などをぶつけて来る事が有りますから。」
「うん、マリアお姉ちゃん。」と言って、長靴を穿いて、子供用のつなぎ風の作業服でマリアの説明に頷くと、マリアの作業を良く見守って行く。
「牛の乳首を・・・こう、優しく・・・・」とちゅうぅぅと言う感じに母乳を搾乳してみせた マリア。
「やって見て下さい。」と翠と交代するマリアは、妹を見守るが如くと言った目付きで翠を見守って居た。
「こう言うの良いわね~、娘には良い刺激に成るわ。」
「ええ、えへへ、可愛いなぁ~」
「ホンとね・・・・・」と写真を撮り捲くるセレジアとリィーゼの二人は、もう翠のことを実の妹と見て居るので、その写真が何枚有っても構わないくらいに溺愛していた。
「お兄ちゃん~っ!!お姉ちゃん~っ!!お母さ~んっ!!」と言って、絞り立てを持って来た。
「凄いね、こんなにも絞れたんだ~」
「うんっ!!それじゃ、あっちの係員の人にお願いして、下処理して貰って、何かに加工して貰おうか?何が良いかな?」
「ソフトクリームっ!!」
「はいっ!!はいっ!!食べたいっ!!」
「私もっ!!」と二人のお姉ちゃんズは、真っ先に名乗りを上げた。
翠は、係員に頼んで絞り立ての牛乳をソフトクリームに加工して貰う。
「えへへ、翠ちゃんの絞った牛乳でソフトクリームかあああぁぁぁ・・・・」とデレデレのセレジア。
「そうね~」と、こちらもニマニマが止まりませんな感じのリィーゼさん。
「あらあら、普段は凛々しく、カッコイイお姉ちゃんたちも、翠の前では形無しね。」と、微笑ましい姿に和む瑞樹さんなのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月31日・午前10時35分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・フェリス侯爵独立自治領国・ダンドー山脈盆地地方・フェリス家長女・ロイチェル・フェリス統治領国・ダンドー地方自治州区・州都・バルサレ市・バルサレ市北東部一帯・ダンドー平原・ロイチェル直轄農場・ロイチェル総合農業株式会社・ロイチェル大農園株式会社・大麦農場畑区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アーラスカン共和国大統領であるナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルトこと、レオーネは、副大統領であるエマニュエル=ジョゼッフ・シエイエリスこと、エマと供に宗主国王である勇治に会いに行くべく、キリヤ公国連合国へと訪問して居た。
メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領・ローザンヌ地方・公王都・メイル市で、勇治たちと合流し、会談交渉に漕ぎ着けだが、その一件に付いては、一旦棚上げと成った。
その理由は、ユーラシアン大陸南部諸国とキリヤ公国連合国全体に関わる重要な外交案件と成って居たからであった。
そんな理由からレオーネは、勇治たちの夏休み旅行に同行する事に成り、次なる滞在地であるフェリス家長女・ロイチェル・フェリス統治領国のダンドー地方自治州区・州都・バルサレ市にやって来た。
今は周辺地域に在るロイチェル直轄農場・ロイチェル総合農業株式会社・ロイチェル大農園株式会社・大麦農場畑区画を訪れていた。
キリっとしたツリ目に、赤みの強い茶髪色のカールが掛かったロングヘアースタイルで、そのスタイルは、168センチの背丈と整ってボデイスタイルで、和紗よりチョッと劣った凹凸だが、和紗と張り合える身体付きをして居るレオーネ。
それに同行して来て居るのは、赤毛の髪は意外と短いセミショートで、その髪の毛を赤毛の三つ編みおさげのポニーテールで結って居り、服の上からでも目立つ大きなバスト、そばかすが特徴的で、落ち着いた目付きは青く輝いて居る。
一人称は「わたし」で、常に落ち着いた口調と性格で、誰とでも話せる性格の持ち主で、その性格の為か文官向きなタイプである事から各方面との仲立ちと顔が利くと言われて居るエマニュエル=ジョゼッフ・シエイエリスこと、通称名・エマの二人らは、自由行動時間を使って、キリヤ公国連合国領内の食料事情を視察して見る事にした。
「流石は・・・・ダンドー地方自治州区・州都・バルサレ市の周辺地域に在る。ロイチェル直轄農場・ロイチェル総合農業株式会社が運営して居る大農場ですね。」
「だがしかし、半年前は公帝戦争の影響で、荒れ放題にされたと聞く。それがキリヤ公国連合国に加盟してからは、あっという間に復興して、今やキリヤ公国連合国の食料庫の一つだぞっ!!」
「当初はキリヤ公国本国内の作付けとガリア王国政府の借財と支援だけで息切れするとぼに苦しかった上に、支援で手に入れたた苗木や種を使った作物が実るまで早くて半年後で、木々に至っては数年後に成るような・・・・気の遠く成る道のりだった筈だっ!!」
「それが見て見ろっ!!自衛戦争で運よく手にした新国土と言うラッキーも有ったのだろうが、似た様な方法や偶然が有ったとしても、同じような事が出来るのか?」
「いいやっ!!アタシは出来ないと断じるぞっ!!」
「そうね、キリヤ公国連合国が成立する前は、ガリア王国が主な支援国だったらしいけど、その後にナデシコ地方が入ると、ライスの生産量が大幅に拡大し、次に麦類の大生産にも手を広げて、7割の自給率を確保する事にも成ったらしいわ。」
「今では余分な物は、ブランド農産物として、他国への輸出も始めて居るとも聞くわ。」
「アマテラス地方産のライスと清酒。特に仙台米と越後米は10キロ当たりの相場価格が、1万イエン、5キロが5500イエンと穀物にしては破格の高値よ。」
「清酒に至っては、高級大吟醸の値段は安い物で1万5千イエンで、高い物は30万イエンの値が付いて居ると聞くわね。」
「ナデシコ地方産の製鉄所で作られた鉄鋼素材は良質な物と言われ、近年では日用品素材の鉄鋼素材として、引く手数多とか?」
「ビクトリナ独立自治共和国も、第二の工業地帯として名が売れて居ますし、新トウキョウも優れた技術力を持って居る地域で、眠らない大都市では常に商取引が行われて居るみたいですね。」
「大陸と列島に離島や諸島間での船舶貿易も積極的に行って居るお陰で、税収入と経済収入が天井上りらしいです。」
「ううっ!!羨ましいっ!!そんなに潤沢な予算案を是非とも無駄遣いをしたいものだなっ!!」
「もう・・・わたしは、キリヤ国内のトンデモを見過ぎたせいで、呆れてモノが言えませんね~」
「せめて、第一産業である農林水産業の近代化による生産量の増加と初期の近代工業化の導入をしつつ、友好国の下請け産業提携・・・サプライチェーンとか言う経済市場業務提携に参加する事を目標とするしか無いですね。」
「だな・・・おおっ!!収穫をやって居るな。」
「農業用作業機械である耕運機ですね。」
「我が国もアレが欲しいが・・・・高いだろうなぁ~」
「新トウキョウ産が300万イエン。ビクトリナ産の多機能機構が入って居る耕運機が350万イエン。ナデシコ地方産の小型式手動型耕耘機が120万イエン。キリヤ公国本国産の耕運機トラクターが220万イエンで、手動式が130万イエンですね。」
「ふぅむ・・・・それを聞くと迷うな。無理をすれば買えそうな値段だけにな・・・・・・・」
「其処で、こうするのはどうでしょうか?」
「・・・・・よしっ!!エマの意見を聞こう。」
「はい、ビクトリナ産の多機能機構が入って居る耕運機が350万イエンの物を少数精鋭で重要な農場地方に配置し、新トウキョウを二番目の地域へと配置。次にナデシコ地方産のナデシコ地方産の小型式手動型耕耘機の120万イエンを各農家に配置。キリヤ公国産のトラクターや耕耘機を組合の貸し出し方式にするのはどうでしょうか?」
「名案だな。耕運機トラクターと耕耘機が一般化するまでの間だけは、その様な方式で普及させて行く事にしよう。」
「国家手動で、運転免許証制度と公共講習所の設置もお忘れなく。」
「分かって居る。運用と導入に当たって、事故の防止に努める事や万が一の為の各種保険制度と保険株式会社の設立も急いだほうが良いな。」と、たった半年間で復興し、今年の収穫も確保させたロイチェルとロイチェル直轄農場・ロイチェル総合農業株式会社の手腕に感銘をした二人は、自国に帰ってからの政策をどうするのかの参考する積りで、休暇も兼ねた視察訪問を続けて行くのであった。