第156話 少年王と夏休み旅行はまだまだこれからっ!! 2
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月30日・午前9時40分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・旧ゲルニアン帝国との国境付近・ハイネン地方・ハイネン地方州・公王専用お召列車キリヤ号・一号列車内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行が乗り込む、公王専用お召列車キリヤ号・一号列車は、ランブック市・ランブック市駅を出発し、キリヤ公国連合国・北西部鉄道株式会社・南西中央国際鉄道線・ダンドー地方・バルサレ市行き北部迂回鉄道線を通ってフェリス侯爵独立自治領国のフェリス家の長女、ロイチェルが治めて居る内陸領地のダンドー地方自治州区の州都である州都・バルサレ市へと向かって居た。
州都・バルサレ市は、ダンドー地方自治州区の首都で、大都市と言うよりも、のんびりした田舎町で、その中心地には、商業地区の街並みとロイチェルが普段から住んで居るロイチェル・フェリス館宮殿城・バルサレ宮殿城やダンドー地方自治州区庁などの官庁街、それ以外は民家が立ち並んで居る町。
その周辺には田畑が広がり、小川が流れて居る風景が広がって居るだけの・・・のんびりした田舎町であるが、フェリス侯爵独立自治領国の需要な穀倉地帯であり、同時に輸出・備蓄倉庫も兼ねた食料庫が立ち並びつつ、今ではキリヤ公国連合諸国の食料生産自治国でもある。
ゲルニアン帝国統治下にあった頃からの大穀倉地帯の一つで、税金の一つとしてフェリス侯爵領家が中央政府へと納めて居たが、公帝戦争での敗戦により農林水産品の売買先の行き場を失ってしまう事にも陥ってしまった。
しかしながら、フェリス侯爵領家がキリヤ公国本国の直下の貴族諸侯王家及び連合国加盟国と成った事で、その状況は一気に一好転した。
今度はキリヤ公国本国と連合加盟国が公王都キリヤを経由する形で、ダンドー地方自治州区の農林水産品を大量に流通させる事に成り、一気にロイチェル・フェリスは、本家跡取り娘を辞したとは言え、一族の中でも有数の豪農貴族と成ったのである。
ガントー地方の南西に位置して居る内陸部のダンドー地方は、フェリス家の長女ロイチェルが治めて居て、肥沃な土地柄で作物と河川を利用とした漁業とシジミ漁と淡水漁業を生業として居る。
因みにフェリス侯爵地方は、畜産と農産物の生産量が6割を占めて居て、ソーセージを始めとする食肉加工品や沿岸部と湖畔周辺で獲れる淡水魚貝類加工品が多く生産されて居る為、その多くが公王都キリヤへと販売納品れされて居ると言われて居る。
中でもパン類を作るのに欠かせない小麦や常飲種と成って居るビール、それに必要なホップの生産に加えて、ブドウはワインに、蜂蜜はミード酒等と言った感じに、酒類やソース等の原材料の多くは、フェリス侯爵独立自治領国・ダンドー地方自治州区産の物が多く使われて居る。
そんな関係から食文化と言うのは、地球世界で言えばドイツ系とフランス系が合わさったかのようなお国料理で、特に内陸部はドイツ系が色濃いと言える食文化を持って居る土地柄である。
その一大生産地と関連会社を経営者なのは、フェリス家の長女ロイチェルが治めて居る土地が殆んどで、ニコニコ笑顔で彼女は、その出店先である公王都キリヤ市の5割近い住人の胃袋を掴んで居ると言う、恐ろしいお姉さんであった。
因みにロイチェルがその気に成れば、公王都キリヤ市の5割近い住人とキリヤ公国連合諸国の食料自給率の3割弱を握って居る上に、キリヤ公国本国政府の食料自給率の3割の胃袋を握って居る事から、その事を理由にした脅し文句が言えそうだと囁かれて居ると言う。
何せ、キリヤ公国連合国内の食料自給率の3割弱・・・・37パーセントを握って居ると言うのは、実に恐ろしいからだった。
それは何故かと言うと・・・・スーパーマーケットとデパートと言った生鮮食品コーナーの出荷予定分、それも輸出生産分の半分程度を握って居ると言っても過言では無く、ダンドー地方自治州区政府が出荷をやーめーたっと言えば、たちどころにスーパーマーケットとデパートでの生鮮食品が200円から800円代以上に跳ね上がるからだった。
そんなニコニコ笑顔が或る意味、怖~いロイチェルお姉ちゃんは、勇治の下へとやって来て居た。
「うふふふっ!!勇治ちゃーん。」
「ロイお姉ちゃんってば、苦しいよう。」とロイチェルは、州都・バルサレ市へと向かう列車旅で勇治と一緒に成ろうと、母と妹たちと言った面々で押し掛けやって来て居り、勇治の隣でベタベタと腕組をして居た。
それもけしからん我儘な巨乳ボディスタイルを押し付けたり、抱き付いたりして居た。
「むうっ!!ロイ姉様っ!!勇治とくっ付き過ぎですっ!!」
「まぁまぁ、セレジア。此処は抑えて、抑えて。ねっ!?貴女は何時でも勇治と会えて居るでしょう?」
「それは・・・・そうだけど・・・・」と頬をむくれされて居たセレジアは、従姉妹で、同じ正妃婚約者であるリィーゼに宥められて居た。
「ごめんなさい、セレジア。ロイ姉様が・・・・・」
「はぁ~、レイチェル。もう良いわ。ロイ姉様みたいな感じのお姉様たちが多いから、嫉妬したく成るのは我慢ならないけど・・・・言いたい事を言えば気が済むだけマシよ。」と、文句を言うだけ言ったらスッキリしたらしく、後は黙って居る事にしたセレジア。
「ねえねえ、勇治ちゃん、お姉ちゃんがおばあちゃんに成るまでには、3人くらいの赤ちゃんが欲しいわ~っ!!良いわよねぇ~?」
「ぶぅーっ!!ケホケホっ!!ゴホッゴホッ!!」と咽る勇治。
「うふふふっ!!フェリス侯爵家の娘達の事を宜しくね~、勇治く~ん~」と言う三姉妹の母親であるユイチェル・フェリスは、ニコニコ笑顔でぶっちゃけて居た。
「はぁ~、ごめんなさい。母様とロイ姉様たちが・・・・」と三女のライチェルは、呆れ顔で述べていた。
「これって、全員が僕の所にお嫁さんに来るの?」
「お父様とお母様たちが現在中央政府に申請して居るみたいです。私たちが全員女なので、跡取りを作るには旦那様が必要です。その相手に勇治をと考えて居るらしく・・・・」と現当主であるレイチェルは呆れ顔で言って居た。
「まぁ、申請をして来たって話は知っては居たけど、こうもあからさまに言って来るなんてね。」
「まぁ、私も似たような境遇だから、特に止める事は出来ないわ。勇治、良かったわね。他の娘たちは嫌がったとしても、年上のお姉様が一人は来てくれそうよ?」とリィーゼは冗談を言って揶揄う。
「そっ、そんなぁ~、只でさえ和紗ねぇの相手だけでも大変なのにぃ~」と勇治は悲鳴を上げるが、ロイチェルは安心して嫁げる勇治の事を物凄~く気に入った為、ぎゅううーーっと抱き締めて離さなかった。
「勇治ちゃ~んが、あたしの家に遊びに来てくれるなんてっ!!嬉しくて堪らないわぁ~っ!!家に付いたらっ!!早速、ベットにっ!!」
「「「「それはっ!!まだ早いっ!!」」」」と流石にツッコミを入れる婚約者と姉妹達ら一同であった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月30日・午前9時40分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・アルクス山脈麓・旧ゲルニアン帝国との国境付近・ハイネン地方・ハイネン地方州・ハイネン市・州都・城塞都市ハイネン城・公王専用お召列車キリヤ号・一号列車にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行が乗り込む、公王専用お召列車キリヤ号・一号列車は、ランブック市・ランブック市駅を出発し、キリヤ公国連合国・北西部鉄道株式会社・南西中央国際鉄道線・ダンドー地方・バルサレ市行き北部迂回鉄道線を通ってフェリス侯爵独立自治領国のフェリス家の長女、ロイチェルが治めて居る内陸領地のダンドー地方自治州区の州都である州都・バルサレ市へと向かって居た。
その通り道であるハイネン地方・ハイネン地方州の州都・城塞都市ハイネン市内を通過しようとして居た。
ハイネン地方・ハイネン地方州は、メイルシュルフラッド独立自治公国とゲルニアン帝国との国境を接して居る地方州の事で、以前は国境線を監視し、少なからずゲルニアン帝国との貿易と観光を担う玄関口の役割を担って居た。
しかしながら、公帝戦争で勝利したメイルシュルフラッド独立自治公国は、戦後処理交渉で、ランドー地方自治州区を獲得し、ゲルニアン帝国との国境が北部一帯へと押し上げられた事で安定した国土地方州と成った。
更には鉄道と自動車道路の整備により、経済発展が促され、キリヤ公国本国・フェリス侯爵独立自治領国・ガリアナ王国との直接的な経済交流が盛んに成って益々景気が良い状態を得て行く事にも成って居る。
現在は国家元首によって州長官に任命された法衣貴族が治めて居ると言う。
そんなハイネン地方・ハイネン地方州の州都・城塞都市ハイネン市に差し掛かると、キリヤ連合公国軍・第一武士団の面々が市内周辺を見て感慨深げに雑談をし始めた。
「・・・大分、復興が進んだようだな。」と、上杉・剣信は呟く。
「そうじゃのう、彼の大戦では・・・何よりも民草が大事にして居る田畑は荒れる事は無かったが、戦火で焼かれた家々も遭ったかにーらのう、それが半年も月日が経つとも成ると、見違えてしまうわい。」と言う宇佐美・宇佐・定満は、ハイネン地方・ハイネン地方州の奪還作戦にも参謀の一人として参加して居た。
州都・城塞都市ハイネン市の包囲をしつつ、伸びきった補給線を直江・秋乃・景綱と供に支えていた。
「あの時は大変だったわ。剣信様たち・・・・城塞都市ハイネン市の四方の城門を同時にぶち破るんですもの。」
「段取りが有るのに、血の気の多い貴女たちにも、ホンと困ったものね。」と苦笑交じり言うのは、直江・秋乃である。
「それにしても、疾風のシェーミッヒの異名を持って居る程に敵陣に素早く切り込む戦を得意と聞いて居たシェーミッヒ将軍を逃したのは惜しかったっすね~」と呟くのは、柿崎・咲良・影家であった。
「ああ、その通りだ。弥嶋と遊撃専門部隊・第五大隊が北門を塞ぐ一歩手前で、占拠した城塞都市ハイネン市が守り切れないと判断するな否や、疾風のシェーミッヒの異名の名に恥じぬ、実に見事な逃げっぷりだったからな。」と、当時を振り返る剛の甘粕・竹深・影持である。
「確かに、本人を目の当たりにしたアレには、私も驚きましたね。騎兵隊で囲みを築こうと駆け付けた所でしたが、寸前で、一斉にシェーミッヒ将軍の軍勢が北へと逃げ出したのですからね。」と、やや悔しそうに言う小島・弥嶋・貞興である。
遊撃専門部隊として、第五大隊長を務めて居る彼女の部隊は、城塞都市ハイネン市を奪還するべく、第一武士団の参謀の二人である宇佐美・宇佐直江・秋乃に包囲作戦を命じられていた
第一武士軍団参謀たる二人は、メイルシュルフラッド公国方面攻略軍の将軍で、ランガル城塞市を本国軍の方面軍拠点として使っていたシェーミッヒ・バンデル将軍の生け捕りを命じていたが、寸での所で獲物が逃げ出したのであった。
「まぁ、シェーミッヒ将軍の生け捕りは、オマケみたいな物じゃからのう。」
「無理をしないでと言ってあったでしょう。」
「はい。だからこそ、シェーミッヒ将軍一人をひっ捕らえ、数千人の将兵達を降伏させる積りで急ぎましたからこそ、悔しかったのですよ。」と締め括る小島・弥嶋であった。
流石は上杉家の先代武将軍団であると言った所だろうか?
世界を相手に引けを取らない実力は、その後のマギアンティア世界史とキリヤ公国連合国建国史に多大なる貢献したとされる軍団と謳われて行くのであった。