第129話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 13
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午後17時38分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領ローザンヌ地方・公王都・メイル市・公王都・メイル市中央区官庁街地区・メイル城・メイル城迎賓館・迎賓大広間・メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府主催・キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
メイルシュルフラッド独立自治公国の公王室の居城であるメイル城は、公王都・メイル市の中心地に在る小高い丘に建てられた洋風建築様式の城の事で、塔は青色で真っ白な大理石様式を用いて造られた建物は、金細工で煌びやかに色度られて居る。
その城塞の縄張り敷地面積は、日本国の彦根城と同格と言った所である。
そんなメイルシュルフラッド独立自治公国の首都に在るメイル城・メイル城迎賓館・迎賓大広間では、勇治と供にやって来たキリヤ公国連合国の加盟諸国の元首・首脳閣僚幹部を含めた夏休み旅行にやって来た仲間たちを歓迎するべく。
メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府が主催するキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場へと続々とやって来る勇治の仲間たち。
リィーゼの母親であり、メイルシュルフラッド公王であるシュタイン・メイルシュルフラッド公王の公王妃で、セレジアの母親とは姉妹で姉に当たる人物のテレジア・ユリテリア・ガリアナの妹でもある人物。
そして、メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府の摂政として、必要な裁可の吟味を取り仕切る公王代理を務めて居るフィーゼ・メイルシュルフラッドは、勇治たちを見送ると、
次なる人物たちを出迎えて行く。
アマテラス神皇国足柄幕府将軍王朝一三代目で、キリヤ公国近衛軍を統括し、近衛近習衆軍の筆頭大将と国防大臣をの3職を兼務する形で務めて居るキリヤ公国とキリヤ公国連合国の国防担う政府幹部の一人にして、アマテラス神皇国の先の将軍王だった人物。
剣聖将軍と言われる程の剣術の腕前を持って居る人物の足柄・一輝・宗輝も、夏と言う季節がら、アマテラス神皇国地方の夏服たる豪勢で煌びやかな浴衣を着こなし、黒塗りの公用車から同伴者と供に現れた。
「フィーゼ殿。この度はご招待して頂き有り難う御座います。」
「まぁまぁ、とても凛々しいわ。流石は前将軍王ね。姫侍はこうで無くてはね。」
「フィーゼさま。我らもご招待をして頂き、誠に有り難う御座います。キリヤ公国連合国閣僚幹部並びに国防総省幹部一同、心より感謝いたします。」と言うのは、戦時に措いては、キリヤ公国公王の護衛と国防大臣の命令で動く事に成って居て、近衛近習衆に所属して居る勇治専属の護衛秘書官の一人と言う立ち位置の細川・藤夜・悠斎。
しかしながら、平時は足柄・一輝の秘書をして居ると言う苦労人でもある。
その後ろでは、キリヤ公国・近衛騎士団長であるマリアナ・テレジアと文部総合魔導・科学技術省大臣と成って居るレイラ・ハルトマンらも『滞在中、お世話に成ります』と頭を下げて居た。
「塚原先生、ようこそ、お出で下さいました。我が国の将兵達も、公王都キリヤ市での滞在中にお世話に成って居る聞き及んで居ますわ。」
「くくくくくっ!!何所の国で有ろうと、出自や家柄で有ろうとも、わしに鍛えて欲しいと言う輩共は、纏めて面倒を見てやって居る。」
「お陰で、鹿島に居た頃よりも、門下生が多く成ってしまったのは、誠に皮肉なことじゃがな。」と自らを皮肉る塚原・伝江・朴伝。
「それはそれは、お疲れ様でしょう。今宵は、その日頃のお疲れを癒す場ですので、存分にお楽しみ下さいませ。」
「それでは、持て成されるかのう。」
「お師匠さま。」
「頼みますから、へべれけに成った挙句に、千鳥足には成らないで下さい。」と苦言を呈する弟子の上泉・伊澄・信綱と柳生・冬香・十兵衛達であった。
「うふふ、相変わらずですね。フィーゼさま、それで後ほど・・・・」と苦笑をしながら、フィーゼに会釈をして行く松永・真澄・久秀。
その後ろには、服部楓を筆頭にして、キリヤ公国秘密工作諜報情報部局の忍び衆たちが、浴衣姿格好で来場して来た招待客として潜り込みながらパーティーに参加する。
「普段はこんな服装をしないから、居心地が悪いなぁ~、なぁ霧奈。この服装は似合うか?」と聞くのは、 赤色の頭髪にボブショートカットヘアーで、身長175センチのがっちりし整った体系を持った侍雷夜籐歌であった。
所謂ところの格闘体型タイプの身体付きである彼女は、オシャレと言うの滅多にしない必殺仕事人であった為に、夏休み旅行とは言え、一般職員として潜り込んで居る中に措いて、自身が不自然に見えないか心配をして居た。
「緊張をし過ぎると逆に目立つぞ、自然体で居れば、格闘技好きの武官くらいには見えて居る。」
「何も知らない相手から、質問が有れば、キリヤ公国連合国の国防総省官舎の警備隊に所属する隊員と言って、休暇はスポーツクラブに通うのが趣味と言って置けば、先ずは怪しまれないさ、私も休暇はスイミングスクールに通って居るとか、陸上競技が趣味と言って居る。」
「昨今の忍びに取って、近代社会への順応が求められる中で、スポーツネタは鉄板に成りつつあるのは助かるが、霧奈と違って、私の生まれ持っての体型は、如何にもならん。」
「我が一族衆は、こう言う風に表舞台に出る事なんぞ、これまで無かったからな。顔を知られるのは出来るだけ避けたいのが本音だが、勇治陛下とキリヤ公国に仕官する事に成り、表向きの顔が必要に成ったのも事実。今の生活は戸惑ってばかりだ。」
「ふっ!!これも時代の流れと言う奴だ。早めに慣れて置けば良いと言いたいが、戸隠侍雷夜衆の連中は、身体付きがデカいのばかりが多いからな。」
「私を含めたキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の忍び衆達らは、アマテラス人と近い、撫子人や新トウキョウ人、それに日系ビクトリナ人と言った人種の戸籍を貰って勤務して居る。」
「私はこの通り、ガタイが良いからな。戦が少なく成って来てからは、本格的に国防総省官舎に勤務する必要が出て来たから、表向きは日系ビクトリナ人と言う事に成って居る。同郷の一族衆の奴らも、似たような身体付きの輩も同じと言った感じさ。」
「楓の奴と小梅の二人は撫子人。葛葉は・・・・任務に合わせて、コロコロと戸籍と見た目を変えて居るから落ち着きが無いが、今は甲斐稲荷隠密衆の者達と供に、地球世界文明に適応力が有るからと、新トウキョウ人の戸籍に切り替えて居るらしい。」
「本省にも稀に顔を出すだけだから、必要な身分は国防総省に勤務する官僚と言う身分で足柄・一輝さま専属付き添い護衛官と言う事に成って居たな。」
「あの女狐、変身したら何所に居るのかを見分けるのは至難の業だな。」
「ふっ!!そうだな。私の一族衆とは真逆の連中だ。」
「楓は、国防総省の事務官長と言う身分で庶務リーダーを担う勤務して居り、任務で省内に居ない時は、国防大臣命令で地方出張して居ると一般官僚と職員の者達には言って居るのだったな。」
「ああ、だから甲賀霧隠衆以外の何も知らない一般職員の部下達から、不自然に見える事も有るし、逆に答え辛い事も有るから、一族衆たちと口裏合わせするのが大変さ。」
「お互いに苦労が絶えんと言う訳か。」
「だったら、いっそのこと本当に公務員スポーツクラブでも作って、スポーツ選手にでも成って見るか?陛下は近々そう言った専業競技者を集めた運営法人団体の設立とスポーツ大会を幾つも開くエンターテインメント事業を奨励して行くと聞く。」
「ガテン系の忍び達が近代化社会で生きて行くのには、ピッタリの職業にも成ると思うぞ?」
「うーむ・・・・それは面白いかも知れんが、それには一つだけ、問題が有ると思うぞ。」
「問題?」
「キリヤ公国連合国・先進4ヵ地方地域領で活動をして居るスポーツ選手たちよりも、我らキリヤ公国の忍び衆の方が身体能力が高く、彼らよりも良い記録が出せてしまうから、トップアスリートのフリをするのが大変だ。」
「それもそうだ。常に一位ばかり取る選手や上位を取り捲くる同郷・同期生らが居るのも不自然だな。」と苦笑し合う二人であった。
その後ろでは、三人の忍び衆の長達が雑談をしながら歩いて居た。
「葛葉さん。相変わらず何を着ても似合いますね。」
「確かに、見事な化けっぷり。」と言うのは、服部楓と風魔小梅であった。
鎌田葛葉と甲斐稲荷隠密衆の者達は、その変身術に優れた特性を持った狐の獣人族の忍び集団である事を隠す事と決められて居る為に、普段は人間族等の他のヒト種族に化けて居る。
このパーティーでも人間の黒髪ロングストレートヘアーのクールビューティーなキャリアウーマンタイプで、国防総省に勤務する官僚と言う身分で、尚且つ足柄・一輝の付き添い護衛官の官僚ОL女性として参加をして居た。
特に目を引くのは、葛葉が着こなして居る浴衣姿であり、やや着崩した胸元は、世の男性の目を引く事だろう。
「良い、二人。くノ一は人に見せて、人に見られて、その姿を群衆に身を隠して、任務を遂行するのが基本よ。だから、堂々とした自信に満ちた表情と身のこなしをして居れば、大抵の事は押し通れるわ。」
「だから貴女たちも、頑張りなさい。」
「はいっ!!見習いますっ!!」と意気込む小梅は、葛葉の大人の色香と佇まいを尊敬の眼差して見詰めて居た。
(小梅が葛葉さんを見習って成長したら、大変な事に・・・・恐ろしい子っ!!)と言う楓で有ったが、楓も有る意味で変態さん的な天才なので、人の事は言えないだろう。