第128話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 12
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午後17時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領ローザンヌ地方・公王都・メイル市・公王都・メイル市中央区官庁街地区・メイル城・メイル城迎賓館・迎賓大広間・メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府主催・キリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
メイルシュルフラッド独立自治公国の公王室の居城であるメイル城は、公王都・メイル市の中心地に在る小高い丘に建てられた洋風建築様式の城の事で、塔は青色で真っ白な大理石様式を用いて造られた建物は、金細工で煌びやかに色度られて居る。
その城塞の縄張り敷地面積は、日本国の彦根城と同格と言った所である。
そんなメイルシュルフラッド独立自治公国の首都に在るメイル城・メイル城迎賓館・迎賓大広間では、勇治と供にやって来た、キリヤ公国連合国の加盟諸国の元首・首脳閣僚幹部を含め、供に夏休み旅行にやって来た仲間たちを歓迎するべく。
メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府が主催するキリヤ公国連合国夏休み旅行御一行様歓迎パーティー会場が開かれる事に成った。
今宵のパーティーの主催者は、メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府と王族にして、摂政として必要な裁可の吟味を取り仕切る公王代理を務めて居るフィーゼ・メイルシュルフラッドである。
リィーゼの母親であり、メイルシュルフラッド公王であるシュタイン・メイルシュルフラッド公王の公王妃で、セレジアの母親とは姉妹で姉に当たる人物のテレジア・ユリテリア・ガリアナの妹でもある人物。
リィーゼがキリヤ公国連合国・中央政府と公王都・キリヤ市に宰相として政務に赴いて居るので、母親であるフィーゼは公王都・メイル市にて、摂政として必要な裁可の吟味を取り仕切る公王代理を務めて居ると言う事は、以前にも既に説明した通り。
既に引退して居る先代公王が摂取を務める事は、世代交代を為されて居ないと見られ兼ねないので、リィーゼの母親であり、メイルシュルフラッド公王であるシュタイン・メイルシュルフラッド公王の公王妃であるフィーゼが摂政と成る事に成った。
先代公王であるシュタイン自身の方はと言うと、アドバイザー程度の助言はするが、リィーゼの留守を預かるのは、ガリアナ王国本家から嫁いで来て居るフィーゼが、メイルシュルフラッド独立自治公国の政務一切を取り仕切って居るので、パーティーの主催も同じ理由で主催者と成って居た。
そして、パーティーの出迎え主催の取り仕切りを手伝う夫であり、先代公王であるシュタイン・メイルシュルフラッド。
彼は先代のメイルシュルフラッド公王にして、リィーゼの父親で、その容姿は、口回りに無精ひげを生やした精気の薄そうな人物だが、国民達の事を良く想い、民達の為に良く働く人物として知られて居る。
後はリィーゼにキチンとした跡取りが出来る事で、国家存続の為とは言え、変わった体制と成ってしまったメイルシュルフラッド独立自治公国の政権体制を何とかして、ごく普通の政権体制へと移行する事を願って居た。
最後に、二人の娘であるリィーゼ・メイルシュルフラッドも、久しぶりの実家であり、生家たるメイル城のメイル城迎賓館の入り口で、来客たちを出迎えて居た。
宗主国王・桐谷勇治主催によるキリヤ公国連合国夏休み旅行の最初のファースト・パーティーである。
此処での失敗は、本国と加盟諸国への恥さらしと成ってしまう為、リィーゼたち一家は気合いを入れて望んで居た。
最初にやって来たのは、勿論、勇治とセレジアの二人と特別自治州区・新トウキョウ湾岸海洋都市地方自治州区の旧日本大皇族家唯一の親族にして、朝陽宮皇族家の当主と成った朝陽宮瑞樹と、その娘である朝陽宮翠の二人。
これらの二人は、勇治の直属親族として扱われ事に成って居り、今の勇治は、両親達と離れ離れに成った為、両親が居ない為に、瑞樹は勇治の後見人の座に付くのと同時に、娘である翠を勇治の義理の妹にする事で、義母と言う事に成ったのである。
これで少しは国外から、根無し草の流浪人の成り上がり者等と言う、風当たりも良く成るだろうとしたいが、そう簡単には行かないのも事実なので、少しでも体裁を整える事が、キリヤ公国連合国の中央政府たるキリヤ公国本国政府の狙いでもあるのだ。
それら4人を乗せた、黒塗りの高級車が現れると、メイル城迎賓館の入口付近で停車し、4人は出迎えの執事たちらにドアを開かられながら降り立った。
「ようこそ、本日は我が国主催の夏休みパーティーにお越しくださって、誠に有り難う御座います。」とフィーゼは、来客である勇治たちへの出迎えの挨拶を述べた。
「わざわざパーティーの開催とご招待を有り難う御座います。お義母さん。」
「まぁ、そう言う風に改まって聞くと、リィーゼも結婚を控えて居ると実感するわね。」
「フィーゼさん。パーティーに呼んでくれて、どうもありがとうっ!!」
「まぁまぁ、本当に可愛いわね。いっそのこと、この子をリィーゼの養子に・・・・いいえ、私の養子にしたいわ。良いかしら、瑞樹さん?」
「うふふ、嬉しいけど、ダメです。」
「幾ら義理とは言え、勇治くんと婚約関係で、何れは親戚同士に成る建前は有るけれど、この子が何をしたいかは、もう少し大きくなってからにしたいわね。」
「あら、残念だわ。こんなにも可愛いのにっ!!」と、義理の親戚同士で、桐谷公王家の家族に成ったばかりの翠を猫可愛がりするお母さんたち。
「フィーゼ伯母様。翠ちゃんは、私たちの妹なんですから、上げませんっ!!」と言い切るセレジア。
「まぁ、良いわ。どの道、リィーゼが嫁入りすれば、自動的にうちの子にも成るから、娘も同然よね。」と言い切るフィーゼであった。
続いて黒塗りの高級車が入って来ると、其処から降り立ったのは、青色と白を基調とした農婦の格好をして居た人間族の熟年女性であった。
その人物の風貌はと言うと、艶やかなウェーブが掛かって居る金髪ロングヘアースタイルで、爆乳ボデイスタイルを持った母性愛が溢れ出る雰囲気を醸し出して居た。
その人物が降り立つと、フィーゼ達らは王族や国家元首を出迎える以上の最敬礼を取って出迎えた。
「「「女神アルテジアさま。ようこそお出で下さいました。我が国主催の夏休みパーティーにお越しくださって、有り難う御座います。我が国に取ってこれほど迄の栄誉はありません。」」」との賛辞を贈る。
「メイルシュルフラッド独立自治公国・公王政府とメイルシュルフラッド公王家の心から歓迎を感謝致して居ります。」
「それと・・・改めてまして、わたくしは、アルテナ・テルシーアと申します。娘であるユイン・テルシーアを通じてのご招待に、深く感謝を致しますわ。メイルシュルフラッド公王家の皆様。」
「恐れ多くも、この様な一介の田舎司祭に過ぎない私をご招待をして抱き、心より御礼申し上げますわ。」と、女神アルテジアは、神として、そして地上世界でくらす一介の人間としての挨拶を交わす。
これは一部の者達しか知らない事で在り、聞かれたくない事は、適当な会話に成って居るので、近くで公務に従事して居る執事や近衛兵達らには、差し障りのない、ごく普通の挨拶に聞こえて居た。
「司祭・アルティ様のお噂は、勇治くんから伺って居りました。是非とも我が国でもアルテジア神教の神殿が、5つほどポツンと忘れ去られ様にして、街角に残って在った事が分かりました。」
「我が国では、キリヤ公国連合国中央政府に倣い、アルテジア神殿とアルテジア神教復興も考え居ります。」とフィーゼは、自国の宗教の改宗と神殿の廃止を決めたと伝え、新たな目の前に居わす、女神アルテジアを崇め奉ると国家レベルで決めた事を表明した。
実はマギアンティア世界には、アルテジア神殿とアルテジア神教が栄えた後に、絶対神アルテッツァとアルテッツァ神殿と言うのが急速に勢力を伸ばし、何時しかアルテジア神殿とアルテジア神教に取って代わってしまい。
気が付いた時には、女神アルテジアを知って居るのは、ごくわずかな地域だけに成って居た。
絶対神アルテッツァとアルテッツァ神殿とは?
元々マギアンティア世界には、女神アルテジアが降臨し、地上世界を創ったとされて居た。
そして、女神アルテジアが地上世界でヒト族たちらはを導いて世界を創って行く姿と教えを説いて居たのが、アルテジア神教だった。
これはガリアナ王国東部地方領主・テレジア侯爵家領・北東部・メイルシュル山脈連峰南東部地方に在るロカルノ村の山奥に在る神殿が発祥地であったが、女神アルテジアが、この地上世界を去って以降は、その教えと主神像が形骸化をして行き、遂には似ても似つかない想像神が、この世界の主神として祀り上げられてしまった。
それが絶対神アルテッツァ神と言って、男装の麗人風の顔付きと身のこなしをして居るが、女性では無く男性神と言う設定で、そんな石像が造られて、各地の神殿祀られて居る。
何でも女神アルテジアに破門された信徒たちが、仕返しをする為にでっち上げた偽神と偽宗教が、長い年月の果てに本物と成ってしまったらしく。
女神を嫌った破門信徒たちは、女神アルテジアの事を男だったと言う嘘を言いふらして嫌がらせ行為をして居たのだと言う。
その事が発覚したのは、キリヤ公国の建国・・・・キリヤ公国連合国への躍進する過程で、再び地上世界へとやって来た女神アルテジア本人の証言から聞いた為であった。
キリヤ公国連合国のマギアンティア世界系加盟諸国では、大急ぎで絶対神アルテッツァとアルテッツァ神殿を廃止し、アルテジア神殿の復興とアルテジア神教への改宗をする事に成った。
「わざわざ、そんな事を為さらなくても構いませんのに、マギアンティア世界に措いて、わたくし自身への信仰が廃れ、名すら忘れ去られてしまって居るのは、わたくしの不徳の致す所ですわ。」
「そして、若気の至りが招いてしまったからなのです。」
「今更ながら、今までのアルテッツァ神教と神殿への信仰と関係を断ってまで、わたくしへの信仰心を求めて頂かなくても、構いません。」
「いいえっ!!勇治くんと貴女さまから、この世界の真実の一つでもあるアルテジア神教の繫栄と衰退に付いてを知ったのですから、本来あるべき姿に戻すのが道理。」
「何れは国教にする事も視野に入れて居ります。」と言い切ったフィーゼ。
この動きは、キリヤ公国連合国内に措いて、宗教改革の一助と成って居る事を付け加え置く。
「ですが、それを差し引いて、司祭・アルティ様とは、ごく普通のお付き合いをお願いしたいと思って居りますわ。」
「それならば、わたくしからは、これ以上は何も言う事ありませんわ。フィーゼさま、仲良くして下さませ。」
「ええ、ママ友は多い方が楽しいですもの。」
(はぁ~、アルティ(アルテジア)さまと、お友達に成るお母様・・・・我が母ながら、どんだけ肝が据わって居るのよっ!!とツッコミたくなるわ。)と呆れてしまうリィーゼであった。
「フィーゼさま。アルティさま。話し込んでいらっしゃる所を恐縮ですが、後がつっかえて居ります。」とキリヤ公国公王室宮内庁の総侍従長官を務めるベルファ・ファーストこと、ベルがさり気なく言う。
ベルは、ガリアナ王国の王室侍女庁と言う侍女隊専門省庁からキリヤ公国へと移籍し、元々は王女公邸侍女長をしていた人物で、セレジアーナ・ユリテリア・ガリアナの専属メイド長(侍女長)を務めて居る人物。
そんなベルの正体は、セレジアの父であるジンバル国王から密かに護衛として派遣された凄腕のガリアナ王国王室護衛庁に所属するメイドSP護衛官と言われる陰の護衛官であった。
ガリアナ王国の王室侍女庁と言う侍女隊専門省庁からキリヤ公国へと移籍した1500名ものメイド達は、その身分はカモフラージュで、その内500名がガリアナ王国王室護衛庁に所属するメイドSP護衛官が変装して居る姿でも在るのだ。
セレジアの父であるジンバル国王は、何か在れば二人を守れと命じられて居たが、キリヤ公国秘密工作諜報情報部局の局長として雇入れたくノ一である服部楓に正体を看破され居た。
するとベルは素直に正体を明かして、経緯を説明し、勇治とセレジアの二人への忠義は変わらないとして、ベルとその配下達は引き続き侍女隊兼メイドSP護衛官として働く事が認められた。
普段は白いエプロンを身に付けたワンピース姿の巨乳メイドで、碧眼の銀髪ロングストレートヘアーの女性の姿を取って居る。
主の身の回り世話から夜伽の相手まで多岐に渡るお世話役を嫌な顔をせずにしてくれるメイド長としての才女で、その声色は著名な声優として知られて居る堀〇由〇さん瓜二つかも知れない。
その直属の部下と成るまでに出世をしつつある新米世界神ユイテルシアが、地上世界の一つたるマギアンティア世界での仮初めの擬態した姿、金髪のツインテールの人間に変身し、名をユイン・テルシーアと名乗って、キリヤ公国王宮侍女として働いて居る。
その後輩として新たに入って来たトゥクル・コシャン
彼女は、北アマテラス北方三方列島地方内・北海島国州・海中央地方・シャッコロ平原・アイヌル民族集落のシャッコロ集落村に住まう少女で、背丈は156センチ程度で、ボデイスタイルは平均的なごく普通なボデイスタイルと言った所。
ツリ目上の気の強い感じの顔立ちで、髪型はセミロングヘアーの藍染めの布を帽子として巻いて居る。
北海島の最も古いアイヌル民族の族長の血統を持ったアイヌル民族、シャッコロ平原に住まうシャッコロ族の族長シャマラン・コシャンの一人娘で、アイヌル民族伝統の弓術と武術長けて居り、狩りが得意として居る。
アイヌル・シャッコロ・北地の反乱で、同胞達を守るべく、シャッコロ族の族長シャマラン・コシャンは、ワザと汚名と言う泥を被って、反乱軍を率いると言う大罪を犯して居た。
その事を如何にかしようと、トゥクルは勇治を襲撃しようとするが、失敗に終わる。
その際に、父親であるシャマランは、何れは恩赦の予定を考えて居ると聞かされ、トゥクルは安堵するが、自身が犯した盟主王襲撃事件の償いとして、キリヤ城内の宮中公王居公邸の女従者として召し抱えてる形で、20年間の間キリヤ公国に奉仕して仕える事を釈放の条件を受け入れる事に成った。
それ以来、トゥクルは、先輩メイドのユイに付き従って、早くメイド仕事に慣れようと努力して居た。
それと同時に、アイヌル民族のメイド隊の一部隊を任される事に成ったユイは、部下が出来たのと同時に、直属の後輩が出来た事で、責任感を持つ自覚が出て来たのであった。
しかしながら、そんなメイドたちも今宵は、パーティーの招待客である。
出来る限り着飾って、パーティー会場へとやって来ていた。
ベルとユイの二人は、セレジアから送られた水色と桃色のワンピースドレスを着こなし、トゥクルは、故郷のアイヌ民族風の衣装で着飾って居た。
彼女の同郷のメイドたちも同じく、その衣装でやって来たと言う事は、故郷を代表して居る事に等しいので、トゥクルたちに取って初めて公式の場でアイヌル民族が公の場でパーティーに参加する事を意味して居た。
「あら、そうだったわね。さぁ、お入りに成って下さい」
「ありがとう。」とアルティ(アルテジア)は、勇治たちと供にパーティー会場の中へと入って行く。
「トゥクル、行くよ。」
「はい。ユイ先輩。(うう・・・・とても緊張するわ。アイヌル民族が公の場で、故郷の外で、初めてパーティーに参加する。これは凄い事に成ってしまったわ。)」
(まさか刑罰が軽減された罪人と成った私が、このような名誉を得る事態に成ってしまうとは、勇治さまは・・・何とお優しいお方なのだろう・・・・)とトゥクルは、勇治の後ろ姿をみながら、チラッと見えた横顔をマジマジと見つめてしてまう。
(はっ!!いけないっ!!いけないっ!!勇治さまは、私やお父さん、それに同胞達の未来を考えて下さって居る高貴なお方なのよ。)
(それをジロジロと見つめるなんて・・・・・はぁ~・・・・・)と此処にも勇治の魅了に中てられ掛けてしまう女性が、また一人増えるのであった。