第127話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 11
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月23日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・東方世界地域・第二文明圏・アメリナ大陸・マギウス・ギアース王国・王都マギナス市・マ・ギアース城・シェニッアー・ギアース・国王執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ユーラシアン大陸・・・・・・それは異世界マギアンティア世界の中心地と呼ばれる中央世界最大の大陸で東西南北に広がる大陸の事。
異世界マギアンティア世界は、互いに国交を持って居るか、確認をされて居る20の独立国が乱立して居る世界である。。
そんな世界に措いて、勇治達のキリヤ公国や敵対国家である列強国のゲルニアン帝国も、このユーラシアン大陸の東西と南に延び跨る形で、北部一帯を支配して居る。
ゲルニアン帝国以外では、北西部のスノーランド部族国と北東部のアーラスカン共和国に加え、日本列島に似た形をしたアマテラス神皇国が南東に800キロ沖合に位置して居る。
そんなユーラシアン大陸から遥か10万3千キロメートルの位置に在るのが、アメリナ大陸である。
アメリナ大陸とは?
アメリナ大陸は、ユーラシアン大陸から遥か10万3千キロメートルの位置に在る大陸の事で、北アメリナ大陸地方のオーストレリアーン帝国と南アメリナ大陸地方のマギウス・ギアース王国。
その他、ナポリタン王国の在るナポリタン半島や後にキリヤ公国連合国に加盟国と成るアーラスカン共和国の東部地方たるアメリナ大陸北西部のアーラスカン地方などを含めた大陸のこと。
南方地方は、亜熱帯気候も在り、ドラリュウス帝国のドラゴ大陸とはドラゴ海龍海峡を隔て接して居る。
その中でも東方世界地域・第二文明圏・アメリナ大陸の覇者たるマギウス・ギアース王国は、ビクトリナ南洋大戦にて、キリヤ公国連合国に散々に、ボコボコ打ちのめされた挙句に惨敗して以来、総兵力の3割の消失と言う大失態を晒し、その再建に苦慮して居た。
マギウス・ギアース王国の国王であるシェニッアー・ギアースは、 若き野心家であり、自らも魔導騎兵マギゥスナイトを操り、戦地に赴く武闘派としても知られて居る男である。
彼は勇治とキリヤ公国連合国にリベンジをしたいと考えて居るが、前回のビクトリナ南洋大戦時に怠って居た、キリヤ公国連合国に関する内部情報を目を皿の様にして調べた結果、トンデモない国力と軍事力を有する大国へと変貌して居る事が分かったのである。
しかしながら、勇治へのリベンジに向けて道のりは遠く険しい物に成ってしまった。
ビクトリナ南洋大戦で国軍兵力の5割を失った事で、国防危機状態に陥ってしまって居るからであった。
若き野心家であり、自らも魔導騎兵マギゥスナイトを操り、戦地に赴く武闘派としても知られている人物。
見た目は好青年に見えるが、性格はとても我がままで野心家の国王であるシェニッアー・ギアース国王は、ビクトリナ南洋大戦で国軍兵力の5割と壊滅的な被害を被った魔導騎兵マギゥスナイト軍団を何とかして、再建させようとして居た。
「くそっ!!何時に成った魔導騎兵マギゥスナイト軍団は、元に戻るの・・・いいや、かつて以上の軍団と成るのだ?」
「陛下のお怒りと彼の少年王にリベンジを成し遂げたいのは、このヒューズも痛いほどに承知をして居ります。」
「ですが、一度失ってしまい。それに伴う増産を見越した、兵器と兵力の再建と増強と言う物は、一朝一夕では成しえないもの。」
「単に金と材料と人が集まれば良いと言うものでは有りませんっ!!!」
「それは分かって居るが、本当に何とかならんのか?このままでは、万が一の時に、我が国は戦争で負けてしまい兼ねんっ!!」
「はっ!!しかしながら、キリヤ公国連合国に対抗しようとすると成ると、キリヤ公国連合国・先進4ヵ地方地域領の工業力に、大きく離された現状では、如何ともし難いものであるのです。」
「我がマギウス・ギアース王国の魔導工業力は、マギアンティア世界随一の筈だぞっ!!」
「それは間違いなく。ですが、異世界での発達基準と、それを保持したまま、この世界に来られてしまった相手と見比べると成ると・・・如何しても、その差が目に見えてしまう物なのです。」
「これは異界との歴史的な技術力の格差と、発達速度の違いから来る物なのです。こればかりは如何にも為りません。」
「うぐぐぐっ!!!」
シェニッアーは、成り上がり者に過ぎない勇治に、コテンパンのボコボコの、ズタズタのボロボロにされて、バットでホームランの如く投げ飛ばされてしまった為に、何としても仕返しをと、思って居るが、それは金と物資と時間が、更に掛かる為に、今直ぐには不可能な事であった。
「くっくっくっくっくっ・・・・・・・」
「ぐはははははははははははははっ!!」
不気味な笑い声が、シェニッアーとヒューズ・ガンドラー元帥だけしか居ない筈のシェニッアー・ギアース・国王執務室内に響き渡る。
「何奴だっ!!!」
「陛下っ!!!近衛兵っ!!衛兵っ!!!陛下を御守りするのだっ!!出合えっ!!出合えっ!!」とヒューズ元帥が叫ぶが、執務室の外に居る筈の近衛兵が中心と成って居る近衛兵と警備隊の衛兵はおろか、近くで詰めて居る駆け付けてくれそうな守備隊は、誰も居なかった。
「何っ!!如何いう事だっ!!何故、近衛兵も衛兵どもが出て来ない?」
「我らの手に掛かれば、文明の遅れた王政国家の守備兵や警備兵なんぞ、赤子の手を捻るよりも、簡単な事だ。」
「アレが警備をして居るだと?ガハハハッ!!笑わせるなっ!!アレが吾輩の配下であったの為らば、即刻死刑を言い渡すものだぞっ!!」
何所に隠れて居たかは分からないが、突如として醜い悪魔の様な男の顔と女性の様な身体を持った悪魔の身体をして居る怪人と左目に眼帯をし、顎髭を尖らせる様に生やした40代のソビエト連邦時代の将校服を着こなした男と言う物たちが現れた。
「化け物と・・・・・人間だと?」
「如何やって、この厳重な警備体制を敷いて居るマ・ギアース城に入り込んで来たのだっ!?」
「だから言って居るであろう。そんな事は造作も無いとな?」
「それよりも、貴様らは困って居ると聞かせて貰った。」
「だから如何したと言うのだっ!?」とシェニッアーは、開き直って聞き返す。
もう、こうなったら何が起きても驚かないと言う事なのだろう。
「ほほう、肝だけは据わって居るな。」
「そんな生意気な小僧に、良い話を聞かせてやろう。」
「良い話だと?」
「陛下っ!!」
「黙って居ろっ!!此処まで入り込まれたら、ジタバタをしても意味が無い。」
「しかしっ!!」
「くどいっ!!この化け物染みた連中が此処に居ると言う事は、少なくとも腕前は立って居ると言う事だろう?」
「それに俺の事を如何こうすると言うならば、当の昔にやって居る。違うか?」とシェニッアーは聞くと、怪物達は頷いて見せた。
「先ずは、我らが主っ!!」
「プロフェッサー・ギルさまと映像通信をさせて貰うっ!!」
怪物達は、持って居た小型映像東映型長距離通信装置で、シェニッアーとヒューズらに、プロフェッサー・ギルなる人物と引き合わせた。
「わしの名は、ギル・ドレルっ!! またの名をプロフェッサー・ギルと言う。」
「異界国家の王よ。先ずは、我が配下たちに土足で、城内に踏み込んだ無礼を詫びよう。」
「ほう、無礼な振る舞いをする割には、殊勝な物言いだな。」
「ふっ!!これから頼み事をする相手に選んだのだっ!多少なりとも礼儀を弁えておる。」
「まぁ、良いだろう。土足で部下ども送り込んだ無礼を許してやろう。」
「王の寛大な慈悲に感謝する。さて、わしが其処に居るアスモデウス男爵とグロッケン伯爵を貴国に向かわせたのは、偵察の為である。」
「偵察?まさか・・・我が国を侵略する気か?」とヒューズ元帥は、ギルを睨みつけた。
「待て待て、其処まで露骨な事はする必要が何所に有るのだ?わしは王に話し合いを持ち掛けて居るのだぞ?」
「それに行き成り戦を仕掛けるのは愚者のする事だ。それはさて置き、本題は此処からだ。」
「本題?」
「うむ。実はわしらは・・・・この世界に迷い込んだ異界人なのだ。」
「・・・そう言えば、俺の事を異界国家の王と呼んで居たな?」
「如何にも。」
「・・・・と言う事は、貴様らは異界から来た、異界人なのか?」
「現状では、わしらはそう見て居る。」
「ふっ!!面白い。では貴様らの頼み事を聞こうでは無いか?」
「へっ!!陛下っ!!」
「ヒューズ、そう慌てふためくのでは無いっ!!要するに、我らにも、ようやくツキが回って来たと言う事には為らないか?」
「ですが・・・・・・」と、ヒューズは何が言いたいのかと言うと、目の前に居る連中は、怪しく危険な者達では無いのか?と思ったからだった。
「なぁに、そう悪い事ばかりでは無いぞっ!わしらはジャバリュウム鉱石で動く兵器と対峙して居てな。」
「その厄介な連中を排除し、わしらに都合の良い世界にしたいと考えて居るのだ。」
「それは世界を我が物にする事か?」
「くっくっくっくっくっ・・・・かつてはそう考えて居たが、この世界で、それをやるのは不可能な事だろう。」
「何せ、以前に居た世界である地球世界よりも、遥かに広く大きな世界で在るからな。」
「我が手に収めるのは不可能と言う物。それにわしも分不相応と言う考えくらいは持って居るつもりだ。」
「ならば、手を組めそうな相手と共闘して、自分の安全を確保しつつ、自分たちの利益になりそう事をして行こうと言う考えに至ったと言う訳なのだ。」
「それで、貴様らの都合の悪い者たちは、何所のどいつなんだ?」とシェニッアーは聞く。
「ブレイブ・ガード・フォース隊とジャバリュウム鉱石で動く兵器の全てだっ!!」
「奴らが居る限り、わしらに安寧の時は無いっ!!わしらが、このマギアンティア世界で情報収集をして行く過程で、見聞きした結果。」
「ブレイブ・ガード・フォース隊とジャバリュウム鉱石で動く兵器が、キリヤ公国連合国とか言う国家に組み込まれ、敵対勢力と対峙して居る聞いた。」
「其処でわしらは、本拠地から程近いマギウス・ギアース王国に目を付けたと言う訳だ。」
「なるほど、貴様らキリヤ公国連合国に属するブレイブ・ガード・フォース隊とか言う連中が邪魔なので、この俺と手を組みたいと言うのだな。」
「ヒューズ。ブレイブ・ガード・フォース隊とか言う組織に、聞き覚えは有るか?」
「はっ!!確か最近に成って、キリヤ公国連合国に編入された異界地域、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区の特別防衛軍の事では無いかと、思われまする。」
「聞くところに由れば、新トウキョウには、ブレイブ・ガード・フォース隊を始めとする組織機構には、巨大でパワーを有する魔導騎兵を幾つも有して居るとか?」
「そのせいでゲルニアン帝国のヒットラン・アドルフラー皇帝も、益々南下政策が取れなくなったとも耳に致します。」
「・・・だ、そうだ、それならば手を組むのもやぶさかでないぞっ!!」
「だからと言って、見返りが無いのは、この俺と我が国に取っても不都合だ。だから何某かの見返りは有るのだろう?」
「無論だ。わしらから貴国に求める事は、食料から資材・燃料・医療品を含めて、我らが活動する為の資金や物質を求めて居る。」
「その見返りに、貴国の産業と軍事力を強化する手助けをしてやろう。」
「詰まりは、俺たちが貴様らの後ろ盾と成る代わりに、貴様らは俺たちの敵と戦う手助けをする訳だな?」
「その通りだ。それとわしらが、貴様らと組んで居る事は、来るべき時が来るまでは、素知らぬふりをして居て欲しい。」
「確かにな。キリヤの小僧に貴様らの存在を知られると、速攻で大軍勢を率いて、攻め込んで来ないとも限らない。」
「それに付いては、承知した。」
「感謝する。シェニッアー・ギアース国王よ。」
「それではプロフェッサー・ギルっ!!早速、これからの事を話そうじゃないか?」と、悪巧みを始めるシェニッアーとプロフェッサー・ギルらは、マギアンティア世界で、一番の仇敵である桐谷勇治とキリヤ公国連合国を倒そうと、供に行動を開始するのであった。