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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第11章 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!!
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第124話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 8

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前10時12分頃・マギアンティア世界・マギアンティア世界・第二文明圏・アメリナ大陸・北アメリナ大陸地方・オーストレリアーン帝国・オーストレリアーン帝国中央地域・ウィークリーン地方・オーストレリアーン帝国帝都・帝都・ウィークリーン市・ウィークリーン市内官庁街及び貴族諸侯邸宅市街地区・中央王侯貴族専用直轄領区・ジェーンブルン宮殿城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ミーン、ミーン、ミーン、ミーン、ミイイィィィィンと蝉しぐれが鳴り響く夏のマギアンティア世界の季節は、夏の終わりを迎えようとして居る時期なにのに、ますます夏真っ盛りで、ジリジリと来る夏の暑さが厳しく成って来て居た。


 もう直ぐ涼しい秋を迎える時期に差し掛かって居るが、今年は残暑が厳しくなりそうだと、天候に関する研究をして居る知識人達の間では、囁かれて居た。


その理由として、異世界から転移して来た転移地域の影響も在るのでは無いかとされて居るが、その検証と実証に結果が出るには、今しばらくの時間が掛かるだろう。


 今年のキリヤ公国連合国を含めた、マギアンティア世界各国では、様々な要因から夏休み期間が遅れていた。


 と言っても、庶民たちらはごく普通の夏休み期間中で、特に仕事に付いて居ない未成年者や学生らは、8月半ばから9月・10月・11月までが夏休み期間とされて居るので、アルバイトや勉学に旅行にとへ忙しい日々を送って居る。


 また、就業者たちの間では、8月半ばから9月・10月・11月までの間に、就業時間を交代で夏休み期間を取り、最低でも一月は取るようにとされて居るのが法令と慣例と成って居る。


 これは夏の暑さを避けるための処置であり、戦争や紛争でも余程の事が無い限りは、夏季期間だけは戦争をしないし、やらないとされ、既に開戦と成って居る物に関しては、夏季・冬季期間の休暇期間だけは休戦にすると言う暗黙の了解が有ったからである。


 誰だって、暑さと寒さは嫌いだし、特に我慢が出来ない猛暑と極寒の季節だけは避けようと言う思惑が有った事も付け加えて置く。



 そんな最中の世界情勢に在って、キリヤ公国連合国から7500キロ北東部一帯に位置するオーストレリアーン帝国。


 マギウス・ギアース王国の北部に位置し、彼の王国とはアメリナ大陸を二分をしつつ、北部の大半3割を支配する列強国の一つで、フランク王国の国王ルイジェルド・オーギュースト・フランク(ルイジェルド16世)に嫁ぎ、後にフランク王国革命に巻き込まれ、挙句の果てには、命からがらゲルニアン帝国へと落ち延び、ヒットラン・アドルフラー皇帝の庇護下に措かれる事に成るマリーア・アントワークネットこと、マリの祖国である。



 現在はオーストレリアーン帝国の女帝であるマルジェリータ・アントワークネット・オーストレリアーンが治め、ゲルニアン帝国・マギウス・ギアース王国と言った国々を相手に全方位外交を展開をしながら、どの勢力圏にも呑まれない様に努めている。


 代々周辺国家にアントワークネット家一族の者を送り込んで、バランス外交を展開をして居るが、キリヤ公国連合国の出現によって、その均衡が崩されてしまう事に成る。


 広大な田畑の穀倉地帯と豊富な資源の埋蔵量を誇る鉱山地域に加えて、北部一帯の海を使っての海外貿易のお陰で、侮れない国力と軍事力を有して居るマギアンティア世界でも指折りの列強国帝国の一つとして知られて居る大国でもあった。



 そんな列強大国であるオーストレリアーン帝国の中心地・・・・帝都・ウィークリーン市のど真ん中に在る国務政治と儀式儀礼の中心地にして、全ての帝室アントワークネット・オーストレリアーン皇帝家。


 因みにオーストレリアーン帝国の帝室では、家名ファミリーネームがアントワークネットで、オーストレリアーンが土地を指す地名にして皇帝として苗字エンペラーネームと成って居る。



 そのアントワークネット・オーストレリアーン皇帝家一族が住まうジェーンブルン宮殿城は、帝都・ウィークリーン市のど真ん中に在って、広大な敷地内から更に広大な帝都を見渡せる中心地に在った。


 その広さは、東西約1.2km、南北約1kmという広大な規模のオーストレリアーン式庭園・・・・地球世界で言えばフランス式庭園で、幅約175メートル、奥行き55メートルのバロック様式の外観の宮殿の中に、全部で1441室の部屋があり、約1000人もの侍従や使用人が住んで居る。


 彼らの為に、139もの調理場が点在して居て、その部屋の多くは、ロココ様式で装飾されて居る。


 2正面右側翼には宮廷劇場が在って、国王や来賓を楽しませる為に使用されて居ると言う。


 そんなジェーンブルン宮殿城の皇帝執務室では、マルジェリータ・アントワークネット・オーストレリアーン女皇帝が、随分と前に隣国へと嫁に出され、革命運動により亡国の王妃と成り、マギアンティア世界各国内外からは敗戦王妃と揶揄されて居る愛娘。


 マリーア・アントワークネットこと、マリからフランク王国のオーギュースト・フランク王朝を復興するべく、アーラスカン共和国のストラトス・ブール州・州都ストラトス市の占拠を皮切りにして、挙兵するとの報せを寄こして来た。


 娘からは事が成った暁には、新生フランク王国の国家の再承認と支援をお願いしますと書かれた手紙を読んで居た。


 その手紙が届けられた、その日のうちに、アーラスカン共和国のストラトス・ブール州・州都ストラトス市をマリと新生フランク王国政府軍が陥落させ、新生フランク王国の復興と王政府の樹立を宣言するとの報せが届いた。


「・・・・全くっ!誰に似たのかしらね。はぁ~、そうよ、母親である妾に似て居るのよ。全くもって、困ったものだわ。」と愚痴るマルジェリータ女皇帝こと、通称・ルジェリーは、困り顔の溜息混じりに言う。


 オーストレリアーン帝国の女皇帝で、8人の子供を産み、政治・外交・軍事を全てやってのける手腕を持つと言われる女傑皇帝で、フランク王国へと嫁ぎ、後に桐谷勇治の伽役妃とぎやくひと成ったマリーア・アントワークネットの母親。 


 オーストレリアーン帝国の事を第一に考え、その為ならば何でもやってのけると言う非常な人物だが、全ては祖国の為であると割り切ってる豪快な性格。


 其れとは別にプライベートでは、子供達の事をとても気に駆けて居り、フランク王国の内戦状態に成った時は、援軍を出しては居るが、娘と娘婿側に強く肩入れはして居なかった。


 娘であるマリを助ける為でもあったが、フランク王国の崩壊は秒読み状態であった為に、王都・パリティ市をフランク王国改革・国民派閥軍側に占拠されてしまった時には、渋々自国軍を撤退させて行く決断をした。


 この時に、マリの夫であるルイジェルドは、ギロチン処刑にされ、死別。


 マリは命からがらゲルニアン帝国へと落ち延び、ヒットラン・アドルフラー皇帝の庇護下に措かれる。


「あれ程までにヒットラン皇帝には、関わるなと釘を指して居たのに、あのチョビ髭皇帝は、自分自身の栄達にしか興味が無い俗物な中年チョビ髭オヤジに過ぎない。」


「はぁ~、まぁ・・・あの娘も、亡き夫と息子の為に、その力を利用する気で居るのでしょうけど・・・・逆に利用されて居るのを分かって居るのかしら?」



「いいや、それを分かって居て、挙兵を決意したのよね。」と締め括りながら、オーストレリアーン帝国の外務省と軍務省の二省から、一番に厄介な外交安全保障問題の上申書が挙げられ、ルジェリーの執務机に置かれ、それに目を通して居た。



 それはキリヤ公国連合国と友好・同盟諸国の動きに付いての調査報告と対策に付いて書かれて居る上申書であった。


「はぁ~、だから問題なのよね。この報告書と上申書に書かれて居る事がね。」


「それなのに・・・・・・あの子は、ゲルニアン帝国とアーラスカン共和国の近くに非常に厄介な勢力が、何だか良く分からない力と未知の技術力を駆使して拡大の一途を辿って居る事を分かって居るのかしら?」


 ルジェリーは、皇帝執務室の壁際に掛けられた額縁に入れられ飾られて居るマギアンティア世界の世界地図へと目をやった。


 そのマギアンティア世界地図は、キリヤ公国本国から輸入された物で、詳細な印刷技術と測量技術により造られ、その気に成れば、誰でも購入する事が可能である絵地図と成って居た。


「キリヤ公国連合国・・・・・建国して、たった半年間の間に、10カ国の連合加盟諸国を取り込み。3カ国の同盟諸国と供に巨大な経済軍事同盟勢力圏を作り上げた異質な国家。」


「それを打ち立てのが、僅か13歳の少年王と言うではありませんか。」


「ゲルニアン帝国のヒットラン。マギウス・ギアース王国のシェニッアー、それにドラリュウス帝国の竜人皇帝のバラン。何れも彼の国と武力衝突をして、敗戦してしまって居る。」


「まぁ、その原因は相手の力量も図らずに攻め入った事や異世界から転移して来た異物や超技術力に由って打ち負かされた事に由るもの。」


「その様な敗因が有るのだから、彼らが負けたのは、自業自得と言えるでしょうね。」とルジェリーは、一連の騒動に関わる中心地。


 そう、勇治とキリヤ公国連合国に関わる出来事での顛末に付いては、報告書や上申書に書かれて居る事を読んで知って居たので、下手に関わるのは危険であると結論付けていたのである。 


 ジェリーは、キリヤ公国連合国に付いての報告書を読み進めて行くと、トンデモナイ事だらけで、非常識なこと、この上ない事柄ばかりが書かれて居た。


「初期の国土は、ユーラシアン大陸南東部のガリアナ王国・東部領イーステァ地方とイーステァ列島をガリアナ国王であるジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王からも是非とも勇治を婿にする際に、彼の市井出身だった事から、貴族または諸侯王に格上げにした婿にする方便の国家の建国させるのが目的だった。」


「その地位を向上させるさせ、彼の地の国王にして、国土を分割譲した形で、キリヤ公国とキリヤ公国連合国が建国されたののが、彼の少年王とキリヤ公国の始まりであった。」


「その馴れ初めとは、王宮での貴族内で権力争いに巻き込まれる形で国王暗殺事件を解決し、セレジアーナ・ユリテリア・ガリアナ王女に婚約して欲しいと告白されて、娘が見込んだ男で自国の危機を救った勇治なら安心だと言う事に成り、ガリアナ国王であるジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王からも是非とも勇治を婿にしたいとお願いされたと言うが・・・・・そんな話は、何処までが本当の話なのでしょうね。」とジェリーは、勇治とキリヤ公国連合国の成り立ちに付いて読み聞きした事柄に付いて、改めて呆れ顔に成る。


 偉人や勇者、それに栄達者たちの英雄譚と言うのは、事に市井の噂話や吟遊詩人の歌と言うの尾ひれが付き易いと言うのがお約束。


 しかしながら、勇治とキリヤ公国連合国の成り立ちと言うのは、その殆んどが作り話や偽りの作り話と言うのが無いから笑えない上に苦笑するしかない。



「キリヤ公国連合国の総人口の内訳は、キリヤ公国本国・2500万人。ナデシコ地方自治州区・4070万人。新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区5500万人。メイルシュルフラッド公国独立自治国・1100万人。」



「奥州独立自治王国・350万人。アマテラス織田自治神皇国・7200万人。ビクトリナ共和独立自治国・3200万人。」


「竜珠独立自治王国・270万人。上杉独立自治北陸藩王国・120万人。毛利安芸藩王独立自治国・423万人と、それらを合わせるとキリヤ公国連合国の総人口は2億2483万人と成る。」



「ユーラシアン大陸の約7割を支配する大国であり、国内総人口が100億人で、保有兵力は2千万人のゲルニアン帝国と比べると、マギアンティア世界内では、中堅クラスの国家くらいの総人口と国力と軍事力を持って居るのに過ぎないわ。」



「それでもキリヤ公国連合国は、様々な試練を乗り越えて、周辺地域を融和政策により取り込み、それらの地域に在る農業・経済・軍事の関連する技術力を惜しみなく分け与え、国力の倍増に成功し、国力の拡大の一途を進めて行く事に成功して居る。」


「その切っ掛けに成ったのは、建国して間も無くこと、初の対外戦争であり、その直接的な戦争の原因とも成った、ナデシコ地方自治州区の国土を巡ってのゲルニアン帝国ちの戦争である公帝戦争。」


「転移災害に遭ったビクトリナ共和独立自治国の利権を巡って、ビクトリナ南洋大戦と呼ばれる戦争に措いて、マギウス・ギアース王国とドラリュウス帝国を相手取って戦いに勝利したのも納得が出来るわ。」 



「それに我が国の南方に位置するマギウス・ギアース王国は、キリヤ公国連合国から見れば、遥か東の果てに存在する第二文明圏の中心たるアメリナ大陸の6割五部を制して居る大国で、魔導技術がとても高い国と言われて居る、マギアンティア世界の中で、列強文明圏と呼称される大国の一つ。」


「北アメリナ大陸地方内では、我がオーストレリアーン帝国と複数の小国と接して居り、先代王の頃を含めて戦争へと突入する事は度々有ったが、現在は均衡状態を保ちつつ、南方のドラゴ大陸に在るドラリュウス帝国と属国諸国を警戒して居る為、滅多な事では、我が国と戦争へと突入する事を避けて居る外交政策を取って居る。」


「また先代国王の頃より魔導技術力の発展する事に心血を注いで居た為、科学技術力に匹敵する魔導技術力文明を築く事に成功を収め、その魔導技術力を駆使して魔導機械化兵器軍を保有する事で、南北の国々に対抗して居るのは周知の事実。」 



「その人口総数が57億人で、常備兵力が970万人と人口総数に比べて兵力が少ないのは、魔道技術者と魔導機械化兵器を操る操縦士の育成に努める政策を取って居る事から、必要が有る分の兵力しか徴兵を取って居ないからである。」


「ドラリュウス帝国。第二文明圏の中心たるアメリナ大陸から凡そ5千キロメートルほどの南方方向に位置するドラゴ大陸に在る第四文明圏と言う、マギアンティア世界の中で、列強文明圏と呼称される大国の一つで竜人族が支配する大陸国家。」




「そのドラリュウス帝国が在るのは、巨大な山脈と河川に、様々な地形や厳しい気候を有すし、東西南北に点在する様々な国土を有する数百の属国と数百の部族と人種を従える龍人族の頂点に立って居る火炎龍族が中心の竜人族の第四文明圏を築いた強国。」


「それに加えて、マギアンティア世界中から畏怖の意味を込めて第四列強国と呼ばれる大帝国。」


「その総人口は竜人族75億人で、それ以外の属国種族の10億人を合わせると90億人と成るが、竜人族の殆んどが武闘略奪狩猟種族なので、国内総生産の殆んどが属国種族の10億人で賄われて居るわ。」


「その為、税収入は低く、代わりに屈強な龍人騎士がマギアンティア世界の各大陸や各国に攻め入り戦争を吹っ掛け、略奪をして来る事で日々の糧や道具類を手に入れて居る国家体制と成って居る。」



「これが今、分かって居るキリヤ公国連合国と敵対して居る国々の全容。」


「この勢力図を見ると、とても不味いのが良く分かるわ。」


「キリヤ公国連合国は、望む望まないに関わらず、四方からの刺激をチョッと受けるだけで、その反発力が半端では無い跳ね返りをして来るの良く分かるわ。」


「これらの事を踏まえて、これからの方針を考えて見ると成ると・・・・彼の国とは、付かず離れずの外交関係を築く事が、寛容みたいね。」


「マリ、本当に敵に回しては行けない怪物が直ぐ近くに居るわ。それはとても大人しい臆病な性格をして居る獣の群れ。」


「その群衆のボスは、家族や仲間を絶対に見捨てず、助け合いを是とする手強い相手よ。」


「陰謀と見栄っ張りのチョビ髭皇帝であるヒットラン。虚栄心の塊たるシェニッアー、それに暴れ竜の竜人皇帝のバラン等と言った、覇権主義列強国の軍隊が束に成って攻め掛かっても倒せないほどの強敵よ。」



「それに早く気付いて、マリ。可愛い息子の為を想うならばね・・・・・・・・・・・・・・・・」


 ジェリーは、キリヤ公国連合国に付いての報告書を読み終え、娘であるマリに最早、息子であるシャルル・オーギュースト・フランクの為にと、亡き夫・・・ルイジェルド・オーギュースト・フランクの王国であるフランク王国の復権を目指す事を止めるべきだと諭したいが、自分自身に似て頑固者な性格の持ち主である為。


 本当に敗北を目の前にしないと、こうと決め、決意した事を諦めてはくれないだろうと溜息混じりに呟きながら、娘の事を想うのであった。


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