第122話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 6
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前15時00分頃・マギアンティア世界・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸北西部地方・スノーランド部族国・スノーランド半島地方・部族首長都・ストックブルムズ市・同市内中央区・ストックブルムズ・エルフ部族族長・シルファー・ストックブルムズ屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スノーランド部族国の首都である部族首長都・ストックブルムズ市内の町並みは、全てユグドラシル大樹木の原生林地帯を切り開き、開拓地を利用して造られた町並みを持った森林都市とでも言うべき様相を呈して居た。
午前中のスノーランド部族国・エルフ族の鎖国主義者や排斥主義者から成るナデシコ自治統合陸軍・第三師団・スノーランド部族国派遣教導師団・スノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部への異国人国外追放運動は、ナデシコ自治統合陸軍・第三師団の司令官である高梨智秋大佐と副司令官である若林直美大佐の両名により、あっという間に解決されてしまった。
その騒動の陰にはゲルニアン帝国軍・密偵工作員の扇動が有った事も発覚し、スノーランド部族国内の異国人排斥主義者反主流派と鎖国主義者から成る派閥派の者たちは、人物たちが踊らされて居た事に気が付き、不安の余り騒然と成ってしまう。
この事からエルフ族至上主義派は、スノーランド部族国・部族議会政府に対して、大きな発言をする事が出来なく成ってしまった事により、次第に勢力を弱まってしまう事にも成った。
その騒動の神輿にも使われそうに成って居たストックブルムズ・エルフ部族族長のシルファンの娘であるシルヴィは、午前中に格下だと思って居た、ナデシコ陸軍人である智秋からの渾身の拳を腹部に喰らい、一撃でノックアウト。
気絶をした状態で、母親であるシルファンに率いられて居た、護衛戦士たちらに、同じく騒ぎを起こした者たちと供に連行されてしまった。
そして、ストックブルムズ・エルフ部族族長・シルファー・ストックブルムズ屋敷・・・・詰まりは、自宅に在る自室で寝かされ居た。
昼下がりに成るとシルヴィはベットから起き上がり、自室からリビングルームへと出て行くと、待って居たのは母からお説教であり、こっぴどく怒られ、彼女と同じく騒動を起こした者たちと同じ扱いの処分を言い渡された。
「・・・・と言う訳で、貴女たちには、キリヤ公国連合国内の各地域に在る首都と地方主要都市に、留学して貰う事にしました。拒否権はありませんっ!!」
「はい・・・・・」としょんぼりするシルヴィ。
それも、そうである。
ゲルニアン帝国軍・密偵工作員の扇動が有ったとは言え、不信感と見識不足などから、単なる外国では無く、親切でお友達に成りたいと接触を図って来た友好国との外交関係を破談にし兼ねない事を親しい知人・友人らの同胞達と供に、大問題をしでかしたからだ。
しかしながら、母親であるシルファンは、娘たちが騒動を起こしてしまったそもそもの原因が、スノーランドエルフ部族が引き篭もり世間知らずだったからだと、理解をして居たので、必要以上に責め怒る事を避けたが、このままでは良くない考え、とある処罰を決断する事にした。
それがキリヤ公国連合国のキリヤ公国本国の公王都、地方自治州区の主都、連合加盟自治諸国の首都や地方主要都市への留学であった。
その処分を受けさせられる事に成ったシルヴィは、自分に取って一番に嫌な処罰を受けさせられる事に愕然としてしまった。
しょんぼりと落ち込む娘に、優しく語り掛けるシルファン。
「はぁ~、これは貴女の為であり、我が国の民達に取っても必要不可欠な事なのよ。」
「何時までも部族同士で、国内に引き篭もって居ては、外での大河の流れに乗り遅れるのよっ!!今こそ、スノーランド部族国は変わらなければ為らないわっ!!」
「それにキリヤ公国連合国と言う国は、たった半年間の月日で、ゲルニアン帝国を戦争で打ち負かし、数多の国々と連合体制国家を造り上げ、反ゲルニアン帝国諸国と戦う姿勢を取って居るキリヤ公国連合国と桐谷勇治大王陛下を見習ければならないわっ!!」
「彼の国家を手本とすれば、必ずや我らスノーランド部族人も、列強国や大国を相手取って渡り合える国家を造れる様に成れるわ。」
「それには貴女様な若者たちが、進んで外国と交流し、勉学に励む事が一番の近道なの。」
「・・・・母さん、でも・・・分かりません。踊らされて居たと言われても、その昔、我らが祖先は異国人に酷い目に遭わされたのも事実。」
「そんなのは何所の国でも同じ事よ。遠くの国も近くの国も本音で言い争いをし、時折り喧嘩をする事で互いを理解しあう。だけど・・・・・その中には話に為らない相手も居るのは確かなの。」
「だからキリヤ公国連合国中央政府と我が国は、対ゲルニアン帝国を含めた対峙する国々への対策として、遠近外交政策を取って、大きな戦争に為らない様に、互いに連携して、その対処をする事に決め合ったのよ。」
「その成果が、今回の一件。確かに中身は敗戦して居るけれど、これはナデシコ軍の失態では無いわ。」
「問題なのは、敵対勢力にキリヤ公国連合国と同じ力を持ってしまったと言う事実が原因で、それに対して、これから如何やって対処をして行くのかが大事なのよ。」
「その為には、貴女を含めた若者たちには、優れた知識と技術、それに進んだ国政体制をして居る国々の知識や技術力を学んで、持ち帰って来る留学をして来る事が必要よ。」
「だからこそ、貴女たちには、何年掛かっても構わないから、先進的な国々で勉学に励み、それらをたくさん吸収して、故郷を発展させられる様な人物に成って、帰ってらっしゃい。」
「・・・・分かりました。留学して頭を養ってくれば、自分が何がしたいのかが、自ずと見えて来るかも知れません。」と言ったシルヴィは、キリヤ公国連合国の中心地であるキリヤ公国本国の公王都キリヤ市に、留学する事に成ったのだった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午後15時50分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領・公王都・メイル市・公王都・メイル市駅前にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勇治を始めとするキリヤ公国連合国・夏休み旅行御一行らが、公王専用お召列車キリヤ号一号列車で、メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領・公王都・メイル市へとやって来てから2時間後のことである。
ガリアナ王国のテレジア侯爵領・主都・テレジカ―ラ市駅からキリヤ公国連合国・北西部鉄道株式会社を使って公王都・メイル市駅へと降り立つ人物が居た。
キリヤ公国連合国・北西部鉄道株式会社
キリヤ公国本国とメイルシュルフラッド独立自治公国とフェリス侯爵独立自治領国の連合加盟国3カ国共同出資による半官半民の北西部鉄道ルート会社。
キリヤ公国本国とメイルシュルフラッド独立自治公国とフェリス侯爵独立自治領の首都と主都、それら地方市町村に駅舎を造り、ぐるりと線路設置して、貨物列車と客車列車を走らせるローカル路線と成って居る。
平原地域と高原盆地に山野を一周するが故に、一周する時間は4時半は掛かるが、各方面の首都・主都へと出かけるのには、2時間程度で済むので、近隣地域に住まう人々の重要な交通路線と成って居る。
ガリアナ王国・ガリアナ王国東部地方領主・テレジア侯爵家領は、ガリアナ王国の地方貴族諸侯の一人であるスコット・テレジア侯爵の領地の事である。
さて、公王都・メイル市駅へと降り立つ人物とは?
その人物の風貌はと言うと、艶やかなウェーブが掛かって居る金髪ロングヘアースタイルで、爆乳ボデイスタイルを持った母性愛が溢れ出る雰囲気を醸し出し、服装は青色と白を基調とする農婦の格好をして居た、人間族の熟年女性であった。
「ふぅ、今年の残暑は長く成りそうね。少しだけ暑いわ。」と呟くのは、女性の正体はと言うと、女神アルテジアにして、彼女がマギアンティア世界へと降り立つ為に作った分身体擬態たるアルテナ・テルシーアであった。
世界神とは言え、今は新米神として地上世界で修行の日々を送って居るユイと、災難に遭わせてしまった勇治との縁故が有るので、彼女は人間族の女性であり、ユイの母親として、キリヤ公国連合国中央政府から、夏休み旅行の招待状を受けていた。
そんな彼女は、ユイたちと合流する為に、わざわざ分身体擬態たるアルテナ・テルシーアを保管して居るロカルノ山の中腹にある古代の神殿・・・聖地ロカルノ・アルテジア神殿から徒歩と馬車で、ガリアナ王国のテレジア侯爵領・主都・テレジカ―ラ市駅まで行き。
其処から電車を乗り継いで、公王都・メイル市駅へとやって来て居た。
「さてと、また地上世界へと来たのは良いけれど、公王都キリヤ市とは違う土地の町だから、気を付け無いと・・・確か、ユイのお手紙では、迎えが間に合わなかったら、お城に行けば良かったのよね。」と駅構内のホームから歩き出すと、出入口と書かれた看板を頼りに北口へと向かう。
すると其処には、やや装飾の良い馬車と身なりがとても良いメイドたちが待ち受けていた。
「暫く振りで御座います。アルテナ・テルシーアさま。勇治陛下並びにセレジアさまのご命令により、貴女さまの事をお待ちして居りました。」と述べるのは、キリヤ公国公王室宮内庁の総侍従長官のベルファ・ファーストこと、ベルである。
「まぁまぁ、ベルさん。お迎えありがとう。」
「お荷物をお預かりを致します。」と言いながら近付くベル。
アルティに近付く際に手荷物を受け取る際に小声で、小さく呟く。
(お久しぶりです。女神アルテジアさま。勇治陛下並びにセレジアさまに成り代わり、ようこそ。夏休み旅行へのご招待を受けて頂きまして、誠にありがとうございます。心より歓迎を申し上げます。)
(勇治くんと貴女のご招待、心から感謝を致します。)とアルティも、ベルからの女神への挨拶を軽く受け流す。
「さぁ、アルティさま。こちらの馬車へとお乗り下さいませ。本日はメイル城で、晩餐会と成って居ます。」
「開催されるパーティーは、陛下と中央政府に招待されたお客ならば、如何なるお方で有っても、ご参加が可能と成って居ますので、宜しければ、ご参照くださいませ。」
「そうね・・・折角のご招待ですもの。是非とも参加させて頂くわ。」
「有り難う御座います。そうなれば、その前にパーティー用のお召し物へのお着替えを宿舎でして頂かなければ成りませんね。」
「早速、参りましょう。」
「ええ、楽しみね。」と言いながらアルティは、馬車へと乗り込み、勇治とユイたちが待って居るメイル城へと向かうのであった。