第121話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 5
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前10時38分頃・マギアンティア世界・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸北西部地方・スノーランド部族国・スノーランド半島地方・部族首長都・ストックブルムズ市・同市内・ストックブルムズ湾港・キリヤ公国連合国キリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍・アセアニア地方・ナデシコ地方自治州管区・ナデシコ第三地方地域・アセアニア地方自治州区管区・第二方面軍・ポートリカ・モレスビバー市・ナデシコ自治統合陸軍駐屯地・ナデシコ自治統合陸軍・第三師団総司令部庁駐屯師団軍・ナデシコ自治統合陸軍・第三師団・スノーランド部族国派遣教導師団・スノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ナデシコ自治統合陸軍・第三師団の司令官である高梨智秋大佐と副司令官である若林直美大佐の二人は、スノーランド部族国で起こった出来事に付いてを国防大臣である足柄・一輝と外務大臣である結城・梅晴の二人に向けて、電文による緊急連絡を送り終え、更なる今後の対策と情報収集に努めて居た時である。
そんな中で、スノーランド平原地域の東部地域、ゲルニアン帝国と接して居る三地方部族領有地がゲルニアン帝国軍に攻め取られ、前線でキリヤ国際平和維持活動派遣法を元に、現地軍に当たるスノーランド部族戦士軍団と供に駐留して居たスノーランド部族国派遣教導師団の中隊300人と撫子皇国式機甲師団が惨敗してしまったと言う情報が、ストックブルムズ市内にも噂に成り、エルフ族達は不安感から騒ぎ出し始めたのだった。
ナデシコ自治統合陸軍・第三師団の智秋と直美の二人は、スノーランド部族国の近代化軍の創設を手助けするべく。
その立ち上げの為に、スノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部に派遣され滞在をして居た。
その二人が居るスノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部に、ストックブルムズ市内と国内から集まって来たエルフ族たちは、ゲルニアン帝国軍に攻められた事により、スノーランド部族戦士軍団と供に駐留して居たスノーランド部族国派遣教導師団の中隊300人と撫子皇国式機甲師団が、惨敗してしまったと言う話は本当なのかと詰め寄って来たのである。
その中でも、排他的な考えを持って居たのは、スノーランド部族国の中心地にして、同部族国の発祥地でもあるストックブルムズ部族集落都市のストックブルムズ市を治めて居る部族長で、スノーランド部族国を纏め役を担う部族連合総長を代々に成って来た家柄ストックブルムズ家の当主でもあるシルファー・ストックブルムズこと、愛称・シルファンの娘であった。
シルヴィア・ストックブルムズこと、愛称・シルヴィは、ストックブルムズ市内南部に在る。
ストックブルムズ湾港を拠点として建てられた、スノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部へと詰め寄って来て居た。
「おいっ!!如何してくれるんだっ!!今回の不始末っ!!」と行き成り押し掛けやって来たシルヴィは、受付業務を担当する男性曹長が困り顔で応対をしていた。
「すみません。苦情やご意見、上層部への面会などの申し入れは、外務省の管轄でして、我々は中央政府の命令が無いと、何も言えなし、何も出来ないんです。」
「スノーランド部族国派遣教導師団の統括管轄は、高梨智秋大佐と若林直美大佐のお二人ですが、これも国防大臣の足柄・一輝大臣のご命令がないと、どの国のご要人や関係者であっても、会わせられないんです。」
「言い訳をして、このわたしを煙に巻こうと言うのかっ!!」と受付曹長を困らせて居るシルヴィ。
「ですから、それが法治国家政府と独立国家軍部としての法律としての決まりが・・・・・」と言い掛けた時であった。
「ギャーギャー、うっせーぞっ!!騒いで居るのはっ!!何所のどいつだっ!!」と、怒鳴り散らす様に、上層階から降りて出て来たのは、ナデシコ自治統合陸軍・第三師団の司令官である高梨智秋大佐だった。
「こっ、これは高梨智秋師団長殿っ!!」と敬礼する受付曹長。
「師団長?ナデシコ軍とか言う戦士団長の事か?」
「んんっ!?何だ、青臭いガキか?」
「わたしは27歳だっ!!」
「あー、エルフ族だと成長し立てのガキだと聞いて居るが、そもそも種族間の身体能力の能力差が有るエルフ族と人間族の年齢間を比べてもしゃーない。」
「それに、気に入らない事で、手始めに失態した組織に真っ先に乗り込んで来るのは、世間知らずの輩か他国の工作員だと相場が決まって居る。」
「何だとっ!!これだから、異国と異国人は信用が出来ないっ!!」
「他人任せにして居たから、大事な同胞達と領有地が奪われてしまったんだっ!!」
「此処はやはり、昔ながら方法とやり方で、今すぐにでも奪われた土地を取り戻し、従来通りに外国人を部族国領内には入れない鎖国体制に戻すべきだっ!!」と言い放ったシルヴィ。
「チョッと智秋。幾ら受付ロビーがうるさいからって、ストックブルムズ市の民衆や地方エルフ族の部族の人達と揉めるのは・・・って、その子は確か・・・・」と直美が言い掛けた時である。」
「何を騒いで居るのですかっ!!」と駆け付けて来たのは、ストックブルムズ・エルフ部族族長であり、スノーランド部族国・部族連合総長も兼務して居るシルファー・ストックブルムズこと、愛称・シルファンが、騒ぎを聞き付けて、止めに入ろうと、スノーランド部族国派遣教導師団駐屯地司令部庁舎へと現れたのであった。
「母さんっ!!直ぐにでも、この様な異国人でも即刻っ!!国外追放に処するべきですっ!!」
「智秋殿。直美殿。申し訳ありません。聞き分けの悪く、世間知らずの娘が、ご迷惑をお掛けして・・・・」と頭を下げるシルファン。
「やっぱり、その子は、シルファンさんに、最初の挨拶をしに行った日に、すれ違った、娘さんでしたか?」
「はい。この子は外の世界は危険だと言う典型的な鎖国主義者の友達と、その一家・親族が多い家に属する人達に、兼ねてから色々と吹き込まれて居まして、何かと言うと、エルフ族はエルフ族だけで生きて行けば良いと言うばかりで、広い世界を知ろうと言う考え持とうと言う処か、引き篭もりが正しいと言うばかり。」
「なるほど、それで怒鳴り込んで来たと言う訳か?世間知らずのガキと言う見立ては、間違って無かったな。」と、呆れる智秋。
「何だとっ!!さっきから聞いて居れば、ひ弱で短命な人間族の癖にいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーっ!!」とシルヴィは、智秋に殴り掛かる。
「ふっ!!おらああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
智秋は、シルヴィの拳を軽く避けると、腹部に重い一撃の拳を入れて、気絶させてやった。
「すまねぇな、シルファン。大事な娘だろう?」
「いいえ、良い薬でしょう。それとお見事な一撃でした。流石は武術に優れた智秋殿ですね。」
「それに・・・私たちと貴女たちとの歳月は、ホンの一瞬に過ぎませんが、例え数十年の付き合いしか無いです。それがどれ程の貴重な価値なのかを教える良い機会かも知れない。」
「それに・・・・直美殿も、武術が一つも出来なさそうに見えて、身体強化魔法付加が掛かったエルフ族、20人を相手にたった一人で、制圧為されるとは、お人がお悪い。」
「あら?私だって、軍人の端くれよ。身を守るくらいの鍛え方はして居るわ。」
「とか言って、師範クラスの腕前だろうがっ!!コイツはよう、こう見えても合気道と柔道の腕前は国内大会でも10位内に入るほどの傑物だ。ひ弱に見えるから、時より喧嘩を吹っ掛ける輩どもが、痛い目に遭う事に成るぜっ!!」
「なるほど、何事も見た目通りとは限らないと言う訳ですね。」
「おや・・・・これは・・・」と、直美が投げ飛ばした一人の男が、気絶して居るのに気が付き、その様子が・・・やや可笑しい事に気が付くシルファン。
「この者は・・・我らが同胞では無い様ですね。」
「ほう・・・・ゲルニアン帝国の密偵工作員か?それも・・・・7人。」
智秋は、辺り一面を見回すと、倒れて居るエルフ族と思わしき者たちの中の幾人に、鬘を被り、何らかの素材で造形されたエルフ耳の付け耳が、倒れた衝撃でずれ落ちて倒れて居る姿を晒して居た。
「七人では無い筈よ。」と直美は、倒れて居る者たちを見て、大方の予想を察する。
すると直美は、パンパンッ!!と手を叩く。
「居るわね?」
「はっ!!此処に・・・・ナデシコ自治統合陸軍・第三師団。副団長、若林直美大佐殿。」
其処に現れたのは、織田家旗下の姫武将から、キリヤ公国の勇治直属の近習衆として家臣と成った松永・真澄・久秀が就任し、統括する事に成った。
キリヤ公国連合国軍・秘密工作防諜情報庁旗下に在るキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の忍び衆たちである。
キリヤ公国秘密工作諜報情報部局とは?
公帝戦争前にキリヤ公国を攻める策の一環として、アマテラス神皇国の忍者なるアサシン集団を雇い勇治を暗殺しようと企んだヒットラン皇帝。
だが、侵入先である横須賀市内で視察中だった勇治は、ヒットラン皇帝に雇われ差し向けられた楓達忍び集達の変装を看破し、あっと言う間に制圧する。
其処で勇治は楓たちに問い質す、このまま死ぬか、生きてキリヤ公国に仕えるかとね。
序で言うとキリヤ公国で雇うと月給20万イエンで漏れなくボーナスも支給すると言ったら、あっさりと降伏して勇治に不滅の服従を誓うのであった。
そんな提案をした勇治の方も、実はアマテラスの忍者達を面白半分で雇いたかっただけだが、思わぬ拾い物をしたと後に語って居た。
そんな経緯で作られたキリヤ公国軍内に席を置く秘密工作諜報情報部局は、伊賀栗衆の現棟梁にして、キリヤ公国秘密工作諜報情報部局の局長である服部楓に率いられて居る。
アマテラス皇国の忍者達を中心に、裏工作に暗殺、情報収集等のスペシャリスト集団で構成されている秘密諜報工作活動組織である。
そんなアマテラス神皇国地方の各忍び衆たちは、ナデシコ自治統合陸軍・軍制服を身に纏い、ナデシコ自治統合陸軍の一員に変装して階級もバラバラな集団として現れたのだった。
「この者たちの処遇をお願いするわ。そ・れ・と、絶対に死なせてダメよ。」
「死なない程度に痛め付けて、知って居る事を根こそぎ吐かせる様にっ!!後は一輝さんの判断に任せる事にするから、本国の捕虜収容所に移送してね。」
「ははっ!!承知いたしましたっ!!」と言うと一部の者たちは、気絶して伸びて居るゲルニアン帝国の密偵工作員に、特殊に捕縛道具を用いて連行して行く。
「秘密工作諜報情報部局では、こいつ等の事をどれくらいの数を把握して居る?」と智秋は、忍びの一人に問い質す。
「さぁて、どれくらい居るのかは判り兼ねますが、少なくとも300人くらいはコソコソと活動して居る事を、秘密工作諜報情報部局の密偵網で把握して居ります。」
「ご命令と在らば、直ぐにでもひっ捕らえる事も可能ですが?」
「何故、今までアタシたちに黙って居た。」
「それは秘密工作諜報情報部局の局長権限とキリヤ公国連合国軍・秘密工作防諜情報庁の長官権限。」
「それに国防大臣の権限で、我々の活動行動権が保障されて居りますので、その権限の範囲内に措いて、密偵工作員どもは泳がせて居りました。」
「ちぃっ!!一輝の奴と真澄、それに楓の奴らがか?」
「いいえ、知って居るお方は、真澄様くらいでしょう。楓殿は、基本的には、現場判断を尊重して下さって居りますので、今回の一件は知りません。」
「そして、真澄様は、キリヤ公国連合国軍・秘密工作防諜情報庁長官にご就任したばかりですので、報告書をお読みに成って居るだけに御座います。」
「詰まりは、事が起こるまでは手出しが出来なかった。そして、事が起きても直ぐには如何にも成らなかったと言う事だな?」
「ご明察の通りです。」と、此処を執り仕切って居る部隊長は答える。
「それじゃ、仕方が無いわ。どの道、ゲルニアン帝国が動かなければ、裏工作も紛争侵攻も止めようがない物ね。それじゃ、必要最低限の工作員以外は、排除をお願い」と締め括る直美。
「はっ!!」と言うと、部隊長を始めとする忍び衆たちは、何処へと向かうのであった。
「さぁてと、家の子たちの後始末はお任せください。ゲルニアン帝国の密偵工作員の方は、皆さんにお任せ致しますので、それと、この子たちの処分に付いても、良い考えが在ります。」と、シルファンは、この場の後始末に取り掛かる。
「如何する積りですか?」と直美が聞く。
「まぁまぁ、慌てないで下さい。それとゲルニアン帝国の一件ですが、貴女たち・・・・が、完全に負けたと言うのでは無いのですね?」
「当然だっ!!ゲルニアン帝国と接して居る三地方部族領有地がゲルニアン帝国軍に攻め取られのは、失態だっが、それにはゲルニアン帝国の連中が転移物を拾った可能性を含んで居る。」と智秋は、キリヤ公国本国政府が絶対の国是方針として居る事に付いての説明をする。
「転移物?確か貴国が徹底して扱いに気を付けて居ると言う異世界の文物や土地や国家などを含む異物でしたね?」
「ああ、その通りだ。今回の一件では、どうもゲルニアン帝国側に、撫子皇国軍装備品よりも攻守に優れた機械兵器を使って居るとの未確認情報が有る。」
「別にアタシたちナデシコ自治統合軍やキリヤ公国連合国中央政府が、アンタらに旧式装備品を押し付ける様な真似をして居る訳じゃ、ねぇんだよ。」
「それは理解して居ります。どの国も古い武具を後進国に払い下げて、それに使い慣れてから、次の武具を譲って貰うのが当たり前の事です。」
「行き成り見ず知らずの使い慣れない新式の武具・兵器を手渡されて、戦って見ろと言われても、それは無理と言う物です。」
「それに撫子皇国軍の装備品以外に優れた兵器を保有して居るのは、キリヤ公国連合国だけです。」
「その通りだ。だから今回の事は、寝耳に水だった。まさかゲルニアン帝国の連中が、払い下げ装備品よりも上の兵器を生産して、投入をして来るとは想定外だった。」
「それで・・・キリヤ公国連合国の・・・・キリヤ公国中央政府として、この失態をどう責任を取って貰えるのでしょうか?」
「悪いが、それは本国の・・・中央政府の領分だ。」
「はい。申し訳ありませんが、私たちは一介の地方師団を仕切る軍人に過ぎません。軍幹部として中央政府会議に顔を出して、意見や方針を聞いたり述べたりは出来ますが、中央政権の権限に関わる様な決定権を持って居ないのです。」
「ですが、この事は必ずや上層部に上申をしますので、暫くの間お待ち下さい。」
「分かりました。全てに準備と段取りが必要なのは、どの国でも同じですからね。」と言うと、シルファンは、護衛戦士たちに命じて、騒ぎを起こした者たちを連行して行くのであった。