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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第11章 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!!
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第118話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 2

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前12時10分頃・マギアンティア世界・ユーラシアン大陸から南方に千キロ地点・第三文明圏・南方地域世界・ダクラマカン大陸・クーロン地方・第三列強大国・大華天帝国・クーロン・中央部黄龍おうろん大河地方・帝都・長安市・クーロン一族が居城・金華九狐禁城・大天帝内私室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国の最南端の半島地方の地方自治州区であるカンサイ地方自治州区の州都、オオサカ市から南へと270キロもの海峡・・・・ユーロン大海峡。


 其処を含めた外洋海のことユーロン南方海峡洋海と言う。


 その海域を進んで行くとダクラマカン大陸と言う大きな大陸が在る。


 その大陸の覇者にして、第三文明圏・南方地域世界・第三列強大国であるのは、大華天帝国・クーロンと言う。


 ユーラシアン大陸から南へ南方に270キロ先に位置して居るダクラマカン大陸と言う大陸の文明圏の覇者で、第三列強国でもある。


 キリヤ列島のリュウキュウ諸島地方自治州区からもクーロン領である大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島・九龍諸島とも接して居た。



 その大陸は、主に仙獣人族と言う特殊な獣人族で構成される大陸で、中華風の文明を持った国であり、西側にモンガル大元王国という騎馬民族の王国が在り、草原地帯を有する同地の大陸第二位の大国が大陸西側を支配下に置いて居る。



その勢力から自国を守る為に、500年の歳月をかけて作り上げ、今もなお改築に改築を繰り返し続けて居る難攻不落と謳われる要塞城、その名も万里の長鉄壁城と言う城壁が在った。


 その要塞は天然の山脈地帯や渓谷地帯を利用した細長い城壁型の要塞城が築かれて居り、その長城を築いたのが九尾狐族である。


 強力な魔力を有する九つ尾を持った獣人族で、取り分け強い力を持って居るのが大天帝一族であるクーロン族であった。


 擬態変身・獣化変身・強力な魔法能力・数百年は生きると言われて居る不老長寿である事が種族としての最大の特徴的と言える。



 更にアマテラス神皇国や竜珠王国なんかの文明圏の基と成った国家で、アマテラス列島とは、ユーラシアン大陸の南部を中継地として寄港した商船が、偶々立ち寄った事に由り始まった交易が、切っ掛けと成り交流をし出したのが始まりであった。


 因みに序でに言うと、甲斐稲荷隠密衆の鎌田一族と配下の忍び衆らは、この国の出身者の子孫で、鎌田一族は大天帝一族の末裔の一派が勢力争いに破れた者達が、国外へと逃れて行った者達との言い伝えが、一族の間では伝えられて居た。


 しかしながら、どの時代辺りで国を飛び出して来たのかは定かではないので、本人達は、今の大天帝一族との交流接点が無いのだった。



 そんな国家である大華天帝国・クーロンは、異世界マギアンティアの中でも一番に古い国家であり、マギアンティア世界統一暦元年に建国がされたと伝えられて居る。


 そんな国家に列強国として認められると言う事は、一等国と成った事の認定証を貰う事と成る証と成るとされて居る。



 彼のゲルニアン帝国皇帝であるヒットラン皇帝が、クーロンとの貿易と外交政策に拘って居たのも、彼の国からの認定証と言うべき友好条約の親書が数年置きにやって来るので、二航路在るクーロンとの航路の維持し続ける事に、とても拘って居たのである。


 その内の東側航路をキリヤ公国と連合国加盟国等に乗っ取られてしまったのは皮肉としか言いようがないと言うのが、以前にも話をしたが、大華天帝国・クーロン大天帝であるリュンファー・クーロンこと、リュンは、マギアンティア世界にキリヤ公国が建国され、続いてキリヤ公国連合国と成ってからの半年間。


 一連の経緯を逐一、その報告書を含めた、あらゆる情報に付いて、見聞きをし続けて居た。



 その結果、彼女は大華天帝国・クーロン内外で問題と成って居る事に付いての解決策と成るだろうと考え付く。


 それは大華天帝国・クーロンは、今現在の国内外の問題とは、 西方と万里の鉄壁超城を壁に接して攻防戦を繰り広げて居るモンガル大元王国と事をかまえて居ること。


 そして、キリヤ公国連合国と接して居るユーロン南方海峡洋海の洋上に浮かぶユーロン南方海峡洋海諸島地方である大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島等を含めた飛び地領では、ユーロン南方海峡洋海諸島地方から東側へ、50キロ地点に在るアマゾネルス亜大陸に住まうアマゾネルス族と近隣海域を荒らし回る海賊団と抗争を何百年もの月日を続けて居た。


 それらの問題を一気に片付けてしまうと目論んで居るのであった。



 リュンは、金華九狐禁城・大天帝内私室にて、先の国交開設に向けて、自国へと招待をしたいとの申し入れに対する返答が、キリヤ公国連合国中央政府からの返書として届けられた。



「リュン大天帝さま。キリヤ公国連合国中央政府へと遣わした使者が、只今戻って参りました。」



「苦しゅうない。報告を申せっ!!」


「ははっ!!キリヤ公国連合国中央政府閣僚幹部・外務省大臣・結城・梅晴・春宗閣下からの返書に御座います。」と大華天帝国・クーロン政府・外務省に所属する外交官は、キリヤ公国連合国中央政府で、外務を担当する手渡す外務省大臣・結城・梅晴から、正式な返書を受け取った。


「何々・・・・謹んでリュンファー大天帝陛下の申し入れをお受け致します。」


「其方へは、夏季休暇期間が明けた、13月の第一週目に訪問を予定しています。」


「リュンファー大天帝陛下に措かれましては、先日のご提案の事を何卒、良しなに重ね重ね、お願い申し上げます。キリヤ公国連合国・外務省大臣・結城・梅晴・春宗。」


「くくくくくっ!!妾の申し入れを受けるか?此処までは予想通りなのじゃ、じゃがな。小僧も臣下の小娘ども、気付いて居るのかえ?」


「この妾と手を組むと言う事はっ!!貴様らの首を絞めかねない、更なる窮地へと立たされる・・・・いいや、妾と地獄の底へと転がり落ちる事にもなり兼ねない埋伏の毒を含んで居る事にのう。」


「今やキリヤ公国連合国は、マギアンティア世界に措ける騒動の中心。火種なのじゃよ。」


「この世界では、小僧とキリヤ公国連合国を利用したいと考えて居る一派と排除したいと言う一派に真っ二つに割れ始めて居おるのじゃっ!!」


「それだけ小僧と異世界地が持ち込んだ異物が、非常に厄介な物であると言う事なのじゃが・・・・・・まぁ、それは良い。」


「じゃがのう。小僧、お主と組む相手が、果たして・・・・この妾一人で済むかのう・・・・くくくくくっ!!かかかっ!!くくくくくっ!!コオオオォォォォーーーーーンッ!!」と九尾狐族独特な高笑い声が、勇治に対する様々な意味での含みに対する事を想い巡らす事に、思わず可笑しく成り、気持ちが高ぶってしまった事から、興奮する余りに笑い声を木霊させしまうリュン。



 彼女の企みが、更なる戦火をキリヤ公国連合国へと呼び込み、様々な者たちが集まろうとして居た。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前9時32分頃・マギアンティア世界・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸北東部地方・アーラスカン共和国・アーラスカン共和国東部・アーラスカン地方・首都・パリティ市・パリティ市政府官庁街地・一番地・アーラスカン共和国大統領府・大統領執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 大華天帝国・クーロン大天帝であるリュンファー・クーロンこと、リュンがキリヤ公国連合国に対して、何やら企んで策謀を巡らせて居る中で、その事が大騒動を巻き起こす波紋に成り始めた広がりつつあった中で、まだ勇治とキリヤ公国連合国と関わり合いが無いに等しい地域も巻き込み始めた。



 その一つなのが、ユーラシアン大陸北東部地方に在る国家、アーラスカン共和国も勇治とキリヤ公国連合国中央政府と加盟諸国の動きに注目して居た。


 アーラスカン共和国とは? 


 ユーラシアン大陸で最も北東部側に位置して居る元王政国家、フランク王国だったが、物語が開始される5年前は、ゲルニアン帝国の影響を受けていた王家と政府の圧政に苦しんで居たフランク王国民と、それらを如何にかしようとして居た、あらゆる階級層から勇士が集まり、フランク王国改革・国民派閥軍を結成。


 フランク王国の改革を進めようとするが、フランク王国のオーギュースト・フランク王家の威を借る者達等は、改革派閥らを邪魔をし、改革を出来ない様に妨害をしてしまう。


 その結果として、益々フランク王国の政治の腐敗と経済の破綻を進み、我慢の限界に達した国民達は、同じく決起した革命軍と供にフランク王国のオーギュースト・フランク王家の威を借る者達等を打倒すべく蜂起。


 その結果、フランク王国政府とオーギュースト・フランク王家に勝利し、それら政府関係者を打ち倒した革命軍は、それまでの支配統治を否定すると言う意味とゲルニアン帝国との関係を解消する意味を込めて、フランク王国の首都であった、王都・マルセイユ市の在るユーラシアン大陸で最も北東部地方たるフランク地方東側地方寄りから首都を移す事にした。


 その移転する先は、フランク王国の第二の都市であるアーラスカン地方は、パリティ市へと首都を移転させ、国名をアーラスカン地方から取って、アーラスカン共和国と成った。


 アーラスカン共和国と成ったフランク王国は、アメリナ大陸北西部のアーラスカン地方とユーラシアン大陸で、最も北東部に位置して居るフランク地方を含めた、北ローレライ大海洋海域とボーグリング海峡に点在する群島地域を国土とする共和制国家として新生。


 両地方の間にはボーグリング海峡海と言う海峡が在り、アーラスカン共和国の重要な洋上交通航路と成って居る。


 また、東側に目を向けると、カムチャトゥリ大河と言う大河を挟む向かい側には、ゲルニアン帝国と東部プロイゼロン地方が見えて居る。


 アーラスカン共和国の国内文化は、地球世界のフランスと良く似た文化であり、五年ほど前までは、フランク王国という王政国家で、代々オーギュースト・フランク王朝は、全方位外交を国是としながら、東のオーストレリアーン帝国のアントワークネット・オーストレリアーン皇帝一族とゲルニアン帝国の皇帝一族らの姫か婿養子を一族に迎えて、対外戦争を避ける為の政策を取って居た。


 しかしながら、何方かの勢力派閥が王室と王政府の傀儡政権の主導権を握ろうと派閥争いが絶えない。



 そして、その派閥争いによってフランク王国は、長きに渡ってオーストレリアーン帝国とゲルニアン帝国と言った、二大大国に飲み込まれる事を避け、外敵からもも王国をの安泰を図っても居たのである。


 それはボーグリング海峡海と言う海峡を挟んだ国土を持った地政学上の仕方が無い戦略政策上の苦肉の策でも有るのだ。


 その事が、アーラスカン共和国と言う民政国家の誕生を産み出す事に成るのは、皮肉としか言いようが無いだろう。


 物語開始前の5年前には、ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルト将軍を中心とした革命軍が、国の実権を国民達に取り戻そうと革命戦争を王政府に仕掛ける。


 革命戦争は、フランク王国改革・国民派閥軍側の勝利で終わり、革命派はアーラスカン共和国と言う共和国を立ち上げ、ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルト将軍をアーラスカン共和国大統領に指名して治めて居るが、後にキリヤ公国連合国へと加盟する事に成るが、その時にはアーラスカン独立自治共和国大統領にも就任して居た。




 そのナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルトこと、通称名はレオーネは、今年に入って当年で25歳の才女とでも言うべき人物であった。



 アタシの辞書に不可能等と言う言葉は無いと言う名言が有名な人物で、元はフランク王国の地方のコルシカ島レオンハルト侯爵家の出身者で、相次いで跡取り後継者が病死した事に由り、当主を18歳で継ぐ事に成る。


 軍事・外交・政治に措いて卓越した才能をフランク王国のエリート士官学校であったパリティ市・フランク王国士官学校を飛び級で卒業し、僅か17歳後半からフランク王国・フランク南部地方面軍の第一師団長に任命され、階級は大佐で任官。


 その後も出世をし続ける様な意見書を上層部へと具申したり、海賊団の討伐で手柄を上げたりとして居た為。


 その天才ぶりからレオーネは、陸軍大将に上り詰め、遂にはフランク王国・フランク南部地方面将軍の地位に任官されたのだった。




 そんなレオーネが表舞台で本格的に名前が知れ渡る様になったのは、19歳の時事であった。


 ユーラシアン大陸東側の対岸向こうに在るアメリナ大陸の北部のナポリタン半島に在る王政国家、ナポリタン王国との戦争に勝利し、その手腕は正に天才と言われ、国内と諸外国から賞賛される事に成った。


 しかしながら、対外戦争に勝って凱旋した彼女が目にしたのは、地元や赴任先で見て居た風景とは別の姿をして居た祖国の惨状であった事に気が付く。


 レオーネの自領地や赴任先は、彼女の目が届いて居たお陰で、治安も良く経済と食料自給率も良かったが、他の地では飢餓と貧困に喘ぐ人々が、街や田舎町で彷徨う人々が大勢見かける事に成った。


 その事実を知ってしまった彼女は、祖国であるフランク王国の内情を見るに耐えかね、圧政に苦しんで居た市民と国軍が決起した革命軍の誘いを受けた事により、祖国の革命運動に参加する事にした。


 そんな彼女は、革命軍からナポリタン王国との戦争に勝利した実績を買われて居た為、好待遇を以って参加した。


 そんなレオーネは、フランク王国改革・国民派閥軍・最高司令官に選出され、ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルト将軍を中心とした革命軍が、国の実権を国民達に取り戻そうと革命戦争を王政府に仕掛ける。


 これが後にフランク王国革命と呼ばれる内戦と成る。


 革命戦争は、フランク王国改革・国民派閥軍側の勝利で終わり、革命派はアーラスカン共和国と言う共和国を立ち上げ、ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルト将軍をアーラスカン共和国大統領に指名して治め事に成った。



 そんなレオーネは、キリヤ公国宰相内閣府大臣であるリィーゼとは別の意味で糞忙しい毎日を送る政治家であり、同時に軍人の顔を持った人物である。


 下手をすれば、彼のフランスでも意見が割れるかも知れない有名な人物。ナポレオンの様に、一日3時間睡眠を取り、仕事をバリバリとこなす、ブラック企業も真っ青な働き振りを発揮して居た。


「すぅすぅすぅ・・・・・・・・・・・・」



 今朝方までレオーネは、アーラスカン共和国大統領としての執務に追われ、明け方の4時過ぎにようやく眠りに就く事が出来たのである。


 それもこれも今のアーラスカン共和国は、東西に外交問題を抱えて居るからで、その原因の一端が、勇治とキリヤ公国連合国に在るもと言えるのであった。



 そんな時である。


 レオーネの政治上の腹心であり、アーラスカン共和国大統領府の国内外問題を一手に引き受ける政務を任せるべく、副大統領と成って居るのが、エマニュエル=ジョゼッフ・シエイエリスこと、エマである。



 エマは、アーラスカン地方出身の政治家で、元はアーラスカン地方出身で、マト・カレー港市の湾港課の担当部長役人だった。



 そんなエマが世に名が知られる事に成ったのは、ユーラシアン大陸東側の対岸向こうに在るアメリナ大陸の北部のナポリタン半島に在る王政国家、ナポリタン王国との戦争に関わった事に端を発して居る。


 そのナポリタン戦争でエマが担当をして居たのが、戦地へと運ぶ物資と湾港の管理で、其処で書類を届けた際に出会ったのが、ナポレオーネ・ディ・ブオナパルテ・レオンハルトことレオーネである。


 レオーネとエマは、ナポリタン戦争で何かと会う機会が多く、後方支援担当の文官として、前線へと意見の具申や的確な報告書に、物資の調達や施設の管理が完璧であった事から、気が付けば、レオーネが参加して居たフランク王国革命にも参加し、彼女の後方部隊や政務関係の一切を取り仕切る人物と成った。



 その後は大統領と成ったレオーネの信任が厚く、政治家としての才も申し分ないとして、アーラスカン共和国大統領府の二番目の地位である副大統領と成った。



 赤毛の髪は意外と短いセミショートで、その髪の毛を赤毛の三つ編みおさげのポニーテールで結って居て、服の上からでも目立つ大きなバスト、そばかすが特徴的で、落ち着いた目付きは青く輝いて居る。


 一人称は「わたし」で、常に落ち着いた口調と性格で、誰とでも話せる性格の持ち主で、その性格の為か文官向きなタイプである事から各方面との仲立ちと顔が利くと言われて居る。



 

そのエマが、大統領執務室へと飛び込んで来た。



「大変ですっ!!フランク地方西部のストラトス・ブール州・州都であるストラトス市が、旧フランク王国派閥に由って落とされましたっ!!」


「うわっ!!何っ!?・・・・って、なーんだ、エマか?はぁ~、気持ち良く寝て居る所に、突然入って来たから、ホンとビックリしたわよ。それで、エマ。ようやく眠れた所なのに、睡眠時間を邪魔してまで、アタシの所に飛び込んで来たのは何故っ!?」


「それは、気持ち良くお休みの所をお邪魔して、すみませんでしたね。レオーネ。」


「その様子ですと、聞こえて居なかった様ですので、もう一度、言いますが、フランク地方南西部のストラトス・ブール州・州都であるストラトス市が、旧フランク王国派閥に由って落とされました。」



「はぁーっ!?国外へ・・・それもゲルニアン帝国へと連れて行かれる様にして出て行った旧王国派がっ!?」


「今さら復権をしても、家の国に居場所なんか無いのに、何でわざわざ国境線近くに在る州都を分捕るのよぉ。」


「やったのは・・・・マリーア・オーギュースト前王妃さまかと・・・・・・・」



「敗戦王妃・・・・・革命が起こった時に、前王に義理立てして、死刑すら覚悟して居残った居たのを半ば息子と一緒に国外追放と言う恩赦と言う建前を取り繕うとして居たのに、それをさっさと実家に戻らないから、ゲルニアン帝国の・・・・それも只のチョビ髭オヤジ如きに過ぎない、ヒットランに・・・利用価値があるからと、連れ去られて、言い様に扱き使われるのよっ!!!」


「それで、レオーネ。どうしますか?」


「どの道、今は手遅れよ。家もゲルニアン帝国も、オーストレリアーン帝国も、それぞれの国境紛争で、遅れた夏休み停戦に入ろと・・して・・・・って、ああっ!!アタシとした事が、やられたわっ!!!」



「あのチョビ髭オヤジめっ!!忙しさに忙殺され易い、このアタシのやり方に、まんまと付け入って来たわねっ!!」と地団駄を踏むレオーネ。



 それはゲルニアン帝国の皇帝ヒットラン・アドルフラーと、電撃戦のロンデル大元帥と言う異名持つ人物であるロンデル・エルバン大元帥の二人がレオーネに仕掛けた罠に引っ掛かった事を今に成って気が付いたからである。


 それはキリヤ公国連合国とゲルニアン帝国とが、地政学的に尚且つ、経済・軍事・貿易・国土とあらゆる面で、ユーラシアン大陸の東西南北に在る国々と対立構図に在るからだ。


 その最たる例がキリヤ公国連合国とゲルニアン帝国との初の二国間戦争である公帝戦争である。


 それに立ち向かうべく結成されたのが、ユーラシアン大陸南方諸国同盟であった。


 ガリアナ王国・オルトランタ商業連合国・メイルシュルフラッド公国・キリヤ公国連合国の4カ国から成る相互防衛協力同盟条約のことを指して居る。


 だがメイルシュルフラッド公国が、公帝戦争に打ち勝つ為に、メイルシュルフラッド独立自治公国として、キリヤ公国連合国の加盟傘下国と成った為、結果的に同盟条約批准国は、たったの3カ国と成ってしまう。


 しかしながら、この条約が後にキリヤ公国連合多国間・相互防衛友好同盟条約へと繋がって行く事に成るのだか、それはちょっとだけ少し先のお話と成る。


 チョッと話が脱線したので、話を戻そう。


 公帝戦争の後に、アーラスカン共和国は、ゲルニアン帝国とオーストレリアーン帝国との間で、国境紛争が起き始めた。


 それはキリヤ公国連合国と公帝戦争で敗戦した負けを取り戻すべく、ヒットラン皇帝が、ユーラシアン大陸の統一と諸外国を従わせる力を持てる国家の確立を自分の代で確率しようとして居る野望を叶える為にも、盗られた物は取り返すと言いたいが、キリヤ公国連合国はチート過ぎる国家である。


 其処でヒットランとロンデルの二人は、旧フランク王国の後継国であるアーラスカン共和国と原始の時代から在ると言うエルフ族の部族国、スノーランド部族国の二つに、国土拡大の為に、紛争を吹っ掛け始めた。


 その間に、マーリーナ海洋に出現した、ビクトリナ共和国・フォーチュン諸島領の利権を我が物にしようと、ビクトリナ南洋大戦にも非公式に参戦するが、これまた敗戦を期してしまった。


 ってな訳で、キリヤ公国連合国に散々な目に遭わされたヒットランとロンデルの二人は、二次プランと化してしまって居たアーラスカン共和国とスノーランド部族国への侵攻作戦計画を進め始めた。


 キリヤ公国連合国が、一先ずの平和を手にして居たが、その陰ではキリヤ公国連合国が巻き起こした騒動の煽りを受けたアーラスカン共和国が軍事侵攻を受けてしまって居たのである。


ヒットランとロンデルの二人は、非常に厄介な軍事・外交・政治に措いて卓越した才能を有するレオーネに対して、真っ向勝負を挑むほど愚かではない。


其処で手駒と搦め手の策略と言う二つの手段を使う事にした。


 それは何かと言うと、旧フランク王国王であった、ルイジェルド・オーギュースト・フランクの王妃であるマリーア・オーギュースト前王妃。


 それともう一つは、オーストレリアーン帝国の女皇帝で、マルジェリータ・アントワークネット・オーストレリアーンこと、ルジェリーの二人を利用する事である。



 此処まで言えば大抵の人は気付くだろう。


 要は旧フランク王国のマリーア・オーギュースト前王妃を旧王国領を奪還し、フランク王国を再建させると言う大義名分の元に、ゲルニアン帝国とオーストレリアーン帝国の二カ国が支援する・・・・と言うより、東西から挟み撃ちにすると言う計画である。


 

 って訳で、その計画にハッと気が付いたレオーネは、どれもこれもキリヤ公国連合国と勇治が悪いと言い放った。


「珍しく、してやられましたわね。」


「そうよっ!!これもキリヤ公国連合国が、台頭をして来たせいだわっ!!」


「あの国が東西南北に国土と勢力圏を拡大をし続けるから、戦争で敗戦し、国土を失いったゲルニアン帝国は、格下で対等に張り合える。」


「西のスノーランド部族国と東のアーラスカン共和国を攻め入るしかないっ!!」


「スノーランド部族国の方は、キリヤ公国連合国と国交を結んで、支援を受けて居るらしいげと、家の方は貿易する程度の交流しかして居ない。」


「まぁそれでも、ついこの間に成ってやって来た。新トウキョウと、特別地方自治州区の外交特権で、準独立自治国家権限を有した特別地方自治州区として、彼の地と国交を結び。」


「少し前からアマテラス織田自治神皇国と成る前の織田大名王家と貿易条約を締結して居たから、キリヤ公国連合国とは全く付き合いが無いとは言えないわ。」



「ですが、その加盟諸国の二地域は、あくまでも隣人として、仲良く商売をしましょう程度くらいの外交文書を交わしただけですものね。」


「そうなのよ。はぁ~、また仕事が増える上に、また戦争・紛争が・・・・・って、はっ!?そうよっ!!何でアタシがそんな事で悩む必要が有るのようっ!!!」


「そうよっ!!だったら家の国も、キリヤ公国連合国とキリヤ公国本国と少年王と仲良くすれば、良いだけじゃないっ!!!」と、レオーネは、どこぞの日和見の島国の王様と同じく、ある事に気が付く。


 それは何かと言うと、彼女は大胆不敵にも、敵の敵は味方と言う言葉通り、ゲルニアン帝国と敵対するキリヤ公国連合国と手を組む事を思い付く。


「上手いことやって・・・・・あれして、これして・・・・こうすれば・・・・うんっ!!!やれるっ!!!」


「エマっ!!!今すぐに夏休み中の少年王の居場所を探して、最速で行ける交通手段を確保なさいっ!!!」


「どんな手を使ってでも、少年王と首脳会談をするわよっ!!!」


「レオーネ。今は少年王・・・・勇治陛下は、噂では、国を挙げての遅めの初夏休み中よ。」


「其処に押し掛けるだなんて・・・・」


「だったら、その夏休み旅行に同行するからと言って、先方に確認とスケジュール調整をして貰いなさいっ!!!」


「こっちもスケジュール調整を無理にでも合わせるからっ!!!」


「はぁ~、分ったわ。こうと決めたら止まらないのが、貴女だものね。」と、古い友人に呆れながらも、諦めるエマは、外務省へと夏休み中の勇治を探し出して、その場所へと迎える手配を命じるのであった。


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