第117話 少年王と夏休みと残暑と世界情勢っ!! 1
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前11時30分頃・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・ユリテリア平原地方・ユーラシアン大陸南方諸国同盟加盟諸国・ガリアナ王国・首都・王都パリティ市・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城・迎賓館宴席場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミーン、ミーン、ミーン、ミーン、ミイイィィィィンと蝉しぐれが鳴り響く夏のマギアンティア世界の季節は、夏の終わりを迎えようとして居る時期にのに、ますます夏真っ盛りで、ジリジリと来る夏の暑さが厳しく成って来て居た。
もう直ぐ涼しい秋を迎える時期に差し掛かって居るが、今年は残暑が厳しくなりそうだと、天候に関する研究を指定る知識人達の間では囁かれて居た。
その理由として、異世界から転移して来た転移地域の影響も在るのでは無いかとされて居るが、その検証と実証に結果が出るには、今しばらくの時が掛かるだろう。
今年のキリヤ公国連合国を含めた、マギアンティア世界各国では、様々な要因から夏休み期間が遅れていた。
と言っても、庶民たちらはごく普通の夏休み期間中で、特に仕事に付いて居ない未成年者や学生らは、8月半ばから9月・10月・11月までが夏休み期間とされて居るので、アルバイトや勉学に旅行にとへ忙しい日々を送って居る。
また、就業者たちの間では、8月半ばから9月・10月・11月までの間に、就業時間を交代で夏休み期間を取り、最低でも一月は取るようにとされて居る。
これは夏の暑さを避けるための処置であり、戦争や紛争でも余程の事が無い限りは、夏季期間だけは戦争をしないし、やらないとされ、既に開戦と成って居る者に関しては、夏季・冬季期間の休暇期間だけは休戦にすると言う暗黙の了解が有ったからである。
誰だって、暑さと寒さは嫌いだし、特に我慢が出来ない猛暑と極寒の季節だけは避けようと言う思惑が有った事も付け加えて置く。
さて、突然の事だが、話はユーラシアン大陸南方諸国同盟加盟国であり、キリヤ公国連合国・・・・キリヤ公国本国に取って分離独立した事で、元宗主国と成ったガリアナ王国の場面は移る。
後のキリヤ公国・第一正妃であり、今は結婚前である事から第一婚約者と成って居るセレジアーナ・ユリテリア・ガリアナこと、セレジア。
そんな彼女の実家であるガリアナ王国から出て行ってから10ヶ月もの歳月が流れ、その間に様々な出来事も有ったが、概ね祖国のガリアナ王国が傾く事に成る様な出来事は無かった。
と言うよりも、娘婿たる勇治が矛と盾に成って居る上に、財布にも成って居るお陰で、ガリアナ王国の方にも政治・経済・軍事と、大きく影響を受けて居る為に、今や建国以来の好景気を迎えて居た。
その様なガリアナ王国に、娘の帰省に合わせた遅めの夏休み期間の最中と言う時期に、これまた珍客が隣国の夏休み期間に合わせた外遊旅行へと現れたのである。
その人物とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城・迎賓館宴席場では、ガリアナ王国とオルトランタ商業連合国からアドリナ海の海域を4千5百キロほどの距離の海上を渡った先に在る国家で、ユーロリアン大陸とガイア―ズ大陸との中間点の間に在る大国。
アラービィ―ナ・エジルプト王国の夏季休暇外遊旅行使節団一行が、国家元首であるクレオパロ―ラ・パトラメセシスこと、通称名・クレオと供に100隻ものガレオン船風の船体に、アラビア風の飾り付けで彩られた戦艦艦隊を供って、ガリアナ王国へと来日して来て居たのであった。
クレオは、15歳の時に先王であるクフレフト・パトラメセシスが、40歳で病死した為に、長子であったクレオが女王に戴冠する。
そんなクレオは、第五文明圏たるユーロリアン地中海地方諸国からは、南西アドリナ海地方の至宝とまで謳われる絶世の美女で、スラリとした165センチの背丈に褐色肌と黒髪のロングストレートヘアーがサラサラと靡かせ、青い瞳が人の心を射抜くと謳われて居る。
13歳から発育発達が良く、その歳には既に18歳代の美貌とボディスタイルを有して居る故に、様々な相手からの婚約申し込みが途絶える事に事欠かない。
その事を彼女自身も自覚して居るらしく、それを駆使したやり口で、王侯貴族の男達を手玉に取って翻弄して来た、魔性の女でもあるのだった。
だが、その真実は、そうして居れば男から進んで女の身体を目当てに、自分の事を襲って来る事が無いと言う護身術であり、本当の愛情を探るためのコミュニケーションでも在ったのである。
本当のクレオは、初心で恥ずかしがり屋で、男性に対してはとても臆病者な性格で、性行為なんて事は、潔癖症な観点からとても嫌がって物凄く嫌って居た。
そんなクレオが、こんな夏の終わりの時期に夏休み期間をわざとずらしてまで、ガリアナ王国にやって来たと言うよりも、彼女もまた、公務の都合により偶々キリヤ公国連合国と夏休み期間が被っただけであった。
それを利用して、ガリアナ王国旅行に出掛けたのは、とある理由が有ったからである。
そんなガリアナ王国ら取って、招かねざる珍客たるクレオが、ガリアナ国王夫妻の歓迎会の歓待をユリテリア・ガリアナ城・迎賓館宴席場にて受けて、昼食を取りながら談笑をして居た。
「噂通り、本当に美しいのう・・・クレオ殿。」
「お褒めの言葉、有り難う御座いますわ。ジンバル陛下。」
「貴方っ!!幾らクレオさまが、南西アドリナ海地方の至宝とまで謳われる絶世の美女で、大変にお美しいお方なのは分かりますが、あからさまに鼻の下を伸ばすのは、女性には失礼では無くてっ!?」と釘を指すのは、奥さんである先代のガリアナ王国の国王の長女で、現国王ジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王の王妃。
テレジア・ユリテリア・ガリアナこと、テレジア。
セレジアの母親が、余りのだらしなさ、嫉妬心からギロリと睨む。
この辺りは流石はセレジアの母親。
誠心誠意に付き合った上での第二夫人や側室ならば面倒をみなさいと言うが、あからさまに女性にだらしないのは許さない性格の持ち主の様である。
「はっ、はいっ!!」
「あらあら、とても羨ましいご関係ですわ。妾も何時か、テレジアさまに様な伴侶を得たいもですわ。」
「そ・れ・は、大変に苦労しますわよ。」
「「おほほほほほほほほっ!!」」と笑い合うのは、当然の事ながら社交辞令であり、女としては、とても怖い笑い声であった。
「それはそれとして、クレオ殿。先触れの使者の言によれば、貴女はユーラシアン大陸南方諸国に夏休み期間を利用した外遊旅行へと参られたと申され居られたな?」
「はい。確かに、妾もユーロリアン大陸ととガイア―ズ大陸の諸国の方々に構ってばかりの外交をして居ては、いけませんもの。」
「そろそろ南北が落ち着いて居る今こそ、東隣りのご近所さまともお付き合いをしませんと、単なる色気付いて居るだけの世間知らずの小娘と言う誹りを言われては、堪りませんわ。」
「それに、先王である父、クフレフト・パトラメセシスが身罷った際、父の葬儀への弔辞と贈り物に付いて、二人には改めて御礼申し上げますわ。」とクレオは、二人に、先王である父親への弔問の使者を使わし、隣国として亡くった隣国の国王の葬儀への弔辞と贈り物を贈った事への御礼の挨拶も改めて述べる。
それはアラービィ―ナ・エジルプト王国と言う国が、東西南北に様々な地形を挟んで居り、国家間での付き合いを一つでも間違えれば、それは破滅に繋がる事にも成り兼ねないからだ。
それに彼の国は、アドリナ海を挟んでユーラシアン大陸が東側に、北にはユーロリアン大陸が在り、南にはガイア―ズ大陸と、各方面諸国との中間点の間に在る大国。
第五文明圏に属する中規模クラスの一等国で、ザハラ砂漠とアラービィ―ナ平原やナイーヴ大河等の過酷で豊かな自然に溢れる灼熱の太陽と砂漠地帯が国土の6割を占めている。
一見して貧相な国家に見えるが、国土の南に在る霊峰である岩石山脈として名高いヌビア山脈地帯から流れるナイーヴ大河が、アラービィ―ナ平原の在る北東方向へと流れて居る為に、その周囲は砂漠と荒地で在っても、大河周辺地域だけはとても肥沃な大地と成って居て、小麦を始めとする農産物の生産量を生み出し続けのには事欠かない土地柄。
更にヌビア山脈地帯中心に、鉄や金銀銅に加えて、宝石類の鉱物資源が豊富で、その埋蔵量が取り尽くせない程に採掘量が豊富であるが故に、パトラメセシス王朝は、代々その莫大な資産を駆使して、周辺地域の大国と渡り合って来た歴史が在る。
アラービィ―ナ・エジルプト王国のもっと詳しい地域図を説明すると、アラービィ―ナ・エジルプト半島を中心に見て見ると、北にユーロリアン大陸の覇権雄国であるローマリャニア帝国が在り、南ではガイア―ズ大陸の覇者たるペルシャ―ラ大帝国とダクラマカン大陸の覇者であるモンガル大元王国等に囲まれ、稀に一大戦争と成る事も屡々であった。
当代の国王は、クレオパロ―ラ・パトラメセシス女王ことクレオなのは既に説明をして居る通りであるが、マギアンティア世界中を含めた、第五文明圏たるユーロリアン地中海地方諸国からは、クレオの事を南西アドリナ海地方の至宝とまで謳われる絶世の美女で、スラリとした165センチの背丈に褐色肌と黒髪のロングストレートヘアーがサラサラと靡かせ、青い瞳が人の心を射抜くと謳われて居る。
そんな美貌とボデイスタイル、更には頭脳明晰な知略を駆使し、身体を張った外交を得意として居るクレオが、隣国で中程度の中とも言うべき国力と軍事力を持った自国よりも格下で、特に手玉に取れる様な歳若い王族や浮気と女好きの好色王族が居ない、ガリアナ王国へと訪問をして来た理由は何かというと・・・・・・・・・・・・
「さて、お父様の事に付いての御礼も言えた事ですし、そろそろ此処から本題に入りたいと思いますわ。」
「ジンバル陛下、テレジア王妃陛下。」
「お二人にお願い申し上げます。」
「お二人の娘婿様であらせられる。キリヤ公国連合国・宗主国王である。」
「桐谷勇治陛下と、妾をご紹介する形で引き合わせ下さいませ。」
「・・・ほほう、クレオ殿。お目が高いですな。」
「婿殿に目を付けるのは、先見性の有る目をお持ちだ。」
「その下心は、キリヤ公国連合国の国力が目当てである事は、誰にでも分かる事じゃが・・・・・何故、今なのかを聞かせて貰いたいものですな?」
「流石はジンバル陛下。波の君主ならば、前者の言葉まで口にされて終わる所ですが、後者に口にされた事まで仰っるとは、流石としか言いようがありませぬ。」
「有り体に申せば、第三文明圏・南方地域世界・第三列強大国である大華天帝国・クーロン。」
「リュンファー・クーロン大天帝陛下が、あなた方の娘婿である勇治陛下と独自に御近づきに成ろうと目論んで居ると言うお話を小耳に挟みました。」
「妾も流石に、それは幾らなんでも小ズルイですわと思い、妾もその輪に入り込みく成って参りました次第ですわ。」
「それは、それは、クレオ殿は地獄耳ですな。お耳が大変に宜しい。」
「昨今、婿殿から聞いた話では、夏休み期間が明けたら、リュンファー・クーロン大天帝陛下からご招待を受けた事により、婿殿とキリヤ公国中央政府の閣僚幹部と加盟諸国の主要な要人を率いて、大華天帝国・クーロンへと外遊に出かけると聞いて居りましてな。」
「何でもリュンファー・クーロン大天帝陛下は、ここ数ヶ月の間に躍進し、国力と軍事力を数百倍以上ものペースで伸ばして行くキリヤ公国連合国と婿殿たちの事を大変に興味をお持ちに成り。」
「キリヤ公国連合国をユーラシアン大陸の覇者と認め。第一文明圏・第一列強国として、認めるとの事だそうだ。」
「彼のリュンファー天帝陛下が、その様な事を申されて居るとは驚きましたわ。」
「巷では内政・外交・軍事に措いて、謀略と策略を張り巡らす事に長け、敵味方を欺き、自分が最も得をすると判断した結果だけを求める冷血漢なお人柄であると評判のお方。」
「そのお方が、新興国に過ぎないキリヤ公国連合国と少年王と謳われる新王に成ったばかりの勇治陛下を厚遇を為されたのには、何か他にも思惑が有るのでしょうか?」
「クレオ殿の疑問を抱くのも最もな事である。それには理由が有ってな。」
「それはだな。昨今の大華天帝国・クーロン内のでの国内問題となって居る。東側の海賊問題や西側の隣国との紛争に手を焼いて居る事から、ユーロン南方海峡洋海の洋上に浮かぶ島々。」
「大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島を含めた、ユーロン南方海峡洋海諸島地方を委任統治領として、キリヤ公国連合国中央政府に売り渡す代わりに、それと引き換えに、キリヤ公国連合国の軍事力・経済力・人材育成力の支援を欲しいと言って来て居るらしいのだ。」
「婿殿は、これを契機に第一文明圏・第一列強国の地位を確立させ、他の列強国を牽制し、自国や同盟諸国らを戦争に巻き込まれ無いようにしようとして居るのだ。」
「キリヤ公国連合国の力を利用する。我が国に取っても、これほどまでに有り難い申し出は無く。」
「キリヤ公国中央政府の外務大臣である。結城・梅晴・春宗外務大臣やクーロン大天帝陛下と付き合い有ったアマテラス神皇国足柄幕府将軍王朝だった足柄家の現当主である足柄・一輝・宗輝国防大臣と協力をしながら、彼の国との交渉を手伝って来た甲斐が在ると言う物だ。」
「なるほど、その様な理由が有った事とは驚きましたわ。それに・・・まさか、もう其処まで踏み込んだ、お話が進んて居るのですね。」
「成らば尚のこと、妾の国も、その輪に加わりたいですわね。」
「それは、今有る第五文明圏に属する中規模一等中立国家の地位を捨てる事にも成ってですか?」
「ええ、今後の事を鑑みれば、妾は年上の殿方を手玉に取る事はしても、この身体は好きにさせられるのは、妾の眼鏡に適った殿方でなければ、いけませんわ。」
「それに親しいお付き合いをするので有れば、年頃が近い若い方々が多い隣国とのお付き合いが理想ですもの。」とクレオは、迷い無く言い切った。
彼女が統治せし国家、アラービィ―ナ・エジルプト王国の周辺国家を治めて居るのは、何れも第五文明圏と第三文明圏の国々が犇めき合う真っ只中に在る。
その中で如何にして中立国家を貫き通す事こそが、アラービィ―ナ・エジルプト王国を存続させる事だと分かって居るが、其処にゲルニアン帝国と対立構図を激化さ始めた小国が、今や世界一に等しい国力と軍事力を有する列強国と成って居るキリヤ公国連合国が、同盟国であるガリアナ王国と並び立って勢力圏を築いて居るのだ。
その状況を利用しない手は無いが、その前に第三文明圏の第三列強大国・大華天帝国・クーロンが、キリヤ公国連合国を第一列強国として認め、彼の国と国交樹立し、独占的な同盟国に成ろうとして居る。
そうなれば、アラービィ―ナ・エジルプト王国も中立国家で居る事が難しく成る上に、東西南北の道筋の要衝とも言うべき場所で、中継対外貿易をしながら稼いで居るクレオの王国は、下手をすればキリヤ公国連合国と戦争へと突入しなければならない。
そうなれば、強引に手を組んだ同盟諸国と供に奈落の底へと転がり落ちる上に、同盟の証と裏切り防止を目的に、政略結婚させられ、挙句の果てに、その相手との夜のお勤めをしなければならないのは、彼女が一番に嫌な事であるので、何としても避けたいと思って居た。
噂に聞こえしリュンファー大天帝と言う人物とは?
内政・外交・軍事に措いて、謀略と策略を張り巡らす事に長け、敵味方を欺き、自分が最も得をすると判断した結果だけを求める冷血漢な性格だが、信頼に値すると心を開いた相手の盟約は必ずも守り通す義理堅い人物でもある。
今回、リュンファー大天帝がキリヤ公国連合国と同盟を結べば、あの年増女狐が、勇治とキリヤ公国連合国の力を利用独占して、余計な国家を入れる様な真似はさせないようにするかも知れない。
何故ならば、並べてある料理が乗った皿の取り分は、仲間内が少なければ少ないほどに取り分が多いし、下手な話し合いで物別れに成る確率も低いからだ。
例えば、多国間の貿易条約締結をするにしても、途中から入られれば、また最初からと成ってしまう。
クレオは、キリヤ公国連合国とは、当初は貿易だけをして居ればと思って居たが、その後の列強国との戦争結果を見聞きした事で、これは少年王に取り入った方が得であると悟り、先の例題の様な事に成るのを恐れて、こうしてわざわざ夏休み期間を利用して、ガリアナ王国へとやって来たのである。
「クレオ殿のご覚悟は分かりましたが、もう一つ伺いたい。如何して婿殿の元へと直接、伺いに行かなかったですのかな?」
「うふふ・・・・それはですね。男も女も、見知らぬ相手と仲良くするには、最初が肝心でのよ。手始めに初対面人が住まう御宅に、行き成り押し掛けては、警戒もするでしょう?」
「くくくくくっ!!あははははははははっ!!なるほど、なるほど、確かに、その言葉には一理有りますな。」
「良いでしょう。丁度、娘と娘婿たちが、夏休み旅行の滞在先として、此方に帰省旅行にやって来る予定ですので、その際にクレオ殿とお引き合わせを致しましょう。」
「有難う御座いますわ陛下。」
「貴方、クレオさまは、分を弁えた、とても出来たご気性をお持ちのお方です。婿殿・・・・勇治くんが手玉に取られる様な事はないでしょうが、予めクレオさんにはご忠告を言って置きますわ。」
「何でしょうか?」とクレオは、澄まし顔で聞き返す。
「我が娘と張り合うのならば、覚悟して置く事です。それと・・・勇治くんには、色仕掛けは効き難い相手ですねので、逆に丸めこまれてしまう事にも成るので、気をつけて下さいね。」
「うふふふ。まぁ、怖いですわ。噂通り、少年王と謳われる英雄王の勇治陛下と言うお方は、女ったらしの好色少年王と評判のお方ですわね。」
「その様なお方を相手に、我が美貌で迫り、篭絡するなどとは、以ての外と言うのは弁えて居ますわ。」と、ニヤリと不適な笑みで答えるクレオ。
(とは言え、どの様な性格の持ち主の殿方で有っても、多少なりとも、女性らしい色香には反応する筈ですわ。)
(況してや相手は年下の少年に過ぎませんもの。この美貌に全く興味と反応が無いなんて事は有りませんわ。)
(少しでも妾に興味を持って貰えるように気を引けば、後は何時も通りに・・・・・・)とクレオは、勇治を相手取った悪巧みを考えて居た。
こうして、クレオは、ガリアナ国王夫妻の紹介で、数日後に生涯の伴侶とも成る勇治と初めて会う算段を取り付ける事に成功し、二人は出会う事に成る。
その後クレオと勇治の二人の国同士は、大華天帝国・クーロンとの国交樹立と友好同盟諸国が抱える安全保障問題をキリヤ公国連合国と共に解決策する為に新設された安全保障条約であり、その前身と成ったユーラシアン大陸南方諸国同盟の枠組みを発展させたキリヤ公国連合多国間・相互防衛友好同盟条約を締結。
両国の間で、敵対勢力から何某かの衝突により、事が起これば、経済支援と援軍を率いての参戦を表明する事は厭わない友好国と成った
その役目はキリヤ公国連合多国間・相互防衛友好同盟条約締結国内では、西側諸国からの圧力に対する鉄壁の防壁の役割を担う事に成る。