エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝・新納院・高城の戦いっ!!孤高忠義臣っ!!山田・理安・有信の戦いっ!!12
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月19日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・九州島地方・南九州島地方・アマテラス神皇国・薩摩国・鹿児嶋市・鶴山城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国に由る竜珠王国の皇太子、ショウ・ユンの奪還作戦と竜珠王国、それに王都・那覇市や国土の全地域の島津家とゲルニアン帝国からの独立解放作戦が決行されてから、更に2日後の事である。
とうとう島津家は、外交的にも戦局的にも完全なる孤立化し、国家として完全に追い詰められてしまった。
島津家は国策として、国力と国土拡大せんと考え、キリヤ公国連合国とその連合加盟国であるアマテラス織田自治神皇国に対して、チョッとだけ歯向かっただけなのだ。
だがしかし、九州地方と竜珠諸島合わせて、アマテラス地方南部地域の凡そ7割を支配して居た時の全盛期だった頃よりも、更に国土は小さく成ってしまって居た。
島津家発祥の地とされる大隅国や島津家が躍進した際に、新たな本拠地と定めた土地である薩摩国。
大友家と覇を争い、伊東家から奪い勝ち取った日向国。
相良氏を打ち破り、九州地方を四方へと攻め入る拠点たる肥後国。
島津家の海外貿易拠点である大隅諸島地方と甑島列島。
海の恵みが豊富な天草諸島地方。
調略と謀略を駆使し、龍造寺家を追い詰めて奪取して得た肥前国。
それに島津家がゲルニアン帝国との交易拠点として目を付けた竜珠王国。
そして、彼の王国と戦い、分捕った砂糖や南国フルーツが実る島、天城諸島。
それらの土地の内、本拠地の薩摩国と大隅国だけを除いた、全ての地域が、全てキリヤ公国連合国に占領されてしまって居た。
勇治とキリヤ公国連合国中央政府が、薩摩国と大隅国に侵攻しないのは、アマテラス神皇国地方の長い歴史の中で、その二カ国州だけが島津家の本領国土と見なして居るからであり、それ以外の国は、一部なら戦争による利益で得られた土地と見なせるが、欲を掻き過ぎたと見なされる部分も多い。
そんな理由から、キリヤ公国連合国中央政府としては、薩摩国と大隅国の二つのみが、島津家の純粋な国土であると見なして居た。
この事は、キリヤ公国連合国加盟国と友好同盟国も同じ見解であるとして、マギアンティア世界中に向けて報じて居る。
「・・・・・そう、竜珠王国が陥ちて、南方地域の島々も占領されたのか?」
「ふっ!まぁ・・・・最初から分かって居たが、彼の新興国と戦端を開いてから、僅か一月も経たずに、島津家は元の鞘に戻ったと言う訳か・・・・・・・」
島津軍の総司令官とも言うべき、島津・弘美・義広は、キリヤ公国連合国との戦況の最新情報の報告をお抱え忍び衆から受けた事で、島津家は、もう後が無いと言う危機的状況へと陥ってしまって居る事を知る。
「そろそろ潮時だな。」と弘美は、鶴山城の自室で戦況を聞き、とうとう本当に追い詰められたと考えに一時だけ耽る。
それが終わると腹を括り、決意と覚悟を決めた表情で立ち上がり、直ぐ上の姉である島津・久実の元へ赴く。
ここ最近の島津・久実は、先祖代々の御霊を祭る祭壇の在る部屋に籠り切りと成り、すっかり精気が抜けたかのような雰囲気で、すすり泣く日々が続いて居た。
チョッとだけ欲を掻いた小さな野望を求めただけなのに、その代償は高く付いたと言える。
その事に対する後悔の自責の念と、妹を死に追いやってまった事から、精神的に参ってしまってのであった。
これは勇治の故郷である日本の戦国時代の豊臣秀吉と戦った島津家より酷い有り様とも言えた。
島津義久は家久と言う犠牲者を出したが、とっと降伏した為、島津家の本領安堵と言う好条件を天下人である豊臣秀吉から引き出して居る。
この時点で島津・久実は、総司令官として、国家元首としての采配能力を喪失・・・・・と言うよりも、心身ともに喪失して居る状態に陥って居る。
即ち、国家の意思決定が出来ない状態と成ってしまって居た。
其処まで地の底に追いやられるほど、心が病むまで、勇治とキリヤ公国連合国と言う存在は、恐ろしいと存在・・・・国家と宗主国王であると言えるのであった。
弘美は様々な想いを巡らせながらも、姉の居る祭壇部屋へとやって来た。
「久姉さん入るよ?」と弘美が祭壇部屋に入ると、数珠の様な物を手に持って、必死に縋る様にして、神様とご先祖様に手を合わせる久実。
最早、女狐的なお姉さんの面影は無く、生気が抜けてしまい、肌は荒れ、身体付きは窶れ居り、更には細れ始めていた
「・・・・・・・・・・・・」
祭壇部屋に入った弘美は、絶望の淵に落とされ、心が壊れ始めて居た久実は、誰の言葉も聞きたくないと、少しだけヒステリックとパニック障害と成って居た。
最早、彼女が縋るのは、神様だと言った感じ成って居た。
「久姉さん、黙ってても良いから、そのまま聞いて、あたしは・・・そろそろ降伏しようと思う。」
「・・・・・・・・」
「何時の間にか竜珠王国の皇太子ショウ・ユンが奪還され、竜珠王国がキリヤ公国連合国軍によって解放され、キリヤ公国連合国へと加盟した今、我が島津家は四方をキリヤ公国連合国に囲まれてしまった。」
「これ以上の抵抗は無意味だと思う。」
「・・・・・・・・・・・」
「でも・・・・あたしは、この結果を十分だと思うの。キリヤ公国連合国より国力と軍事力が劣った島津家が、たった一月もの間だけだったけど、良く善戦したんだもの・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「其処でなんだけど、あたしがキリヤ公国連合国軍の本陣所と成って居る。」
「お召し旗艦空母、特戦空母・出雲へと降伏を伝えに行くから、久姉さんはアマテラス大日太陽神殿の鹿児嶋社殿へと入って、大人しく謹慎して居て欲しいの。」
アマテラス大日太陽神殿とは、日本で言うお寺や神社に当たる物で、アマテラス神皇国地方の昔からの慣例では、戦なんかで敗戦した責任者が、其処へと入れば、一応は斬首刑等の死刑処罰を免れる事が出来るとされて居た。
弘美は、その慣例に倣って、姉の久実を責任を取って反省して居ますと、敵対国と世界中の諸外国に示すべく、神殿入りさせる事にしたのであった。
「・・・・・・・」
「その間に最低限の命乞いくらいはして来るから、最悪の場合は、衣恵与を跡取りにして、島津家の血脈を繋いで欲しいの。」
「まぁ、最悪の場合・・・・あの子は嫌がるだろうけれど、少年王の直臣側室にして貰う・・・・交渉も、試みる積り。」
「それで・・・・・貴女はどうするの。」
「最悪、処刑・・・・・って事は、多分だけど・・・無いだろうけどね。」
「あの少年王の事だろうから、大名王家国としての島津家のお取り潰しって所が、島津家に対する妥当な処罰と見て居るの。」
「本当に、それだけで済むの?」
「と思う・・・・・・・・」
「ダメよっ!行ってはダメっ!!貴女まで死んでしまったら、私は生きて居られないわっ!!」
「私が腹を斬るか首を差し出す、又は少年王の好きにさせれば(愛人に成れば)済む事なのよっ!!!」と泣きながら妹に抱きつく久実。
久実は、勇治に処分される幾つかの結末として、切腹や打ち首・・・そして愛人として、己が身体を弄ばれる事を覚悟した。
それが敗戦国の代表・・・・特に女性の結末として、割と多い事だからであった。
「大袈裟だな。ちょっとゴメンなさいって、言って来るだけなのに・・・・・・・・・・・」
「でも・・・・・・・」
「島津軍の最強武将である。このあたしが行かなきゃ、向こうも島津家が降伏をしたって納得しないでしょ?」
「だから行くの。これでもう、この戦はお仕舞い。あれだけの抵抗をした島津家の降伏をこの鬼島津たるあたし自らが頭を下げるのよ。」
「これを認め無かったら、本当に総力戦しか残されて居ないわ。」
「其処まで事をあの少年王はしたく無い筈よ。」と言う弘美は、キリヤ公国連合国と総力戦と成る前後の頃から、勇治とキリヤ公国本国の事をよく調べているらしい。
「だから久姉さんは、反省して居るって示す為にも、神殿に入って居てっ!!お願い・・・・・」
「分かったわ。神殿で弘美の帰りを待って居る。」
「うんっ!!行って来るねっ!!」と・・・そう言って弘美は、その場を立ち去る。
弘美が立ち去った後、久実は意を決した覚悟で呟く。
「万が一の時は・・・・・・」と小さな声で言った一言は、勇治への反省文を書き添えた嘆願書を残して、切腹する覚悟を固める。
衣恵与を跡取りにし、島津家の家名だけを残して欲しいと言う願って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月19日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・九州島地方・南九州島地方・アマテラス神皇国・薩摩国・鹿児嶋市・鶴山城・鹿児島鶴山城下町・武家屋敷島津家一族衆街町地区・島津・弘美・義広屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
島津軍の総司令官とも言うべき、島津・弘美・義広は、キリヤ公国連合国との戦争を終わらせるべく動き出した。
鹿児嶋湾を封鎖して居るキリヤ連合公国統合海軍・・・・これはキリヤ公国連合国と統一国家連合軍を組む事に成った際の正式名称で有るのだ。
それとは別にキリヤ公国連合国全体の軍勢を呼び事も含まれて居るが、公式な場であり、自国の司令官・指揮官等が全軍を指す場合で呼ぶ場合は、キリヤ公国連合国統合軍と呼ぶが、本当に公の場で組織全体の事を表す表記として使われるだけである。
それ以外の場では、キリヤ公国連合国軍で構わない事に成って居る。
その連合加盟諸国海軍艦隊の集まりであるキリヤ連合公国統合海軍艦隊は、鹿児嶋湾を封鎖し、物流と国外への軍隊への海上支援を内外から停止させるべく居座って居る。
島津・弘美は、これらに対して、直ぐにでも降伏を申し出る考えで居るが、その前に薩摩国・大隅国・肥後国・日向国南部・大隅諸島地方と甑島列島等々を含めた各方面で、戦って居る島津軍と味方国人衆たちに対して、キリヤ公国連合国軍に対して、直ちに降伏又は停戦する様に命じる書類を作成しなければ成らなかった。
その為にキリヤ公国連合国外務大臣である結城・梅晴・春宗。
国防大臣である足柄・一輝・宗輝などを含め、停戦の話し合いを聞いてくれそうな相手や言伝を預け入れてくれそうな九州島地方に出陣して来て居るキリヤ公国連合国の関係者などの人物へと使者を送って居た。
「ふぅーっ!!これを今夜までに送らないと・・・・・」と言いながら島津・弘美が、書き記して居る書状の相手の宛名は以下の通り。
織田・和紗・信長・アマテラス織田自治神皇国・新将軍王。
足柄・一輝・宗輝・キリヤ公国連合国国防大臣。
結城・梅晴・春宗・キリヤ公国連合国外務大臣。
アマテラス織田自治神皇国姫武将・近江国・坂本領及び丹波国・福知山・丹後国・宮津領等の2カ国半領国の支藩大名王領主・アマテラス九州平定征伐連合国軍・第二連合国軍司令官・明智・十華・光秀。
徳川・千代・家康・三河国・遠江国の大名王家で、アマテラス九州平定征伐連合国軍・第五連合国軍。
ライチェル・フェリス・フェリス侯爵王家一族・フェリス侯爵独立自治領国軍司令官・アマテラス九州平定征伐連合国軍・第八連合国軍。
上杉・剣信・輝清・キリヤ公国武士軍団総軍団長及び第一武士軍団長・アマテラス九州平定征伐連合国軍・第十連合国軍。
アマテラス九州平定征伐連合国軍・第一連合国軍・アマテラス織田自治神皇国・織田家家臣団・羽柴家家臣・姫武将・羽柴・竹菜・秀長・蜂須賀・頃代・正勝・前野・恵那・康長。
アマテラス九州平定征伐連合国軍・先鋒軍司令官付参謀総長・アマテラス織田自治神皇国・織田家家臣団・羽柴家家臣団・黒田・雫・隆孝
九州統一平定南東方面征伐連合国軍・司令官・アマテラス織田自治神皇国・織田家家臣団・羽柴家家臣・竹中・半那・治重。
九州統一平定南東方面征伐連合国軍・アマテラス織田自治神皇国・織田家家臣団・羽柴家家臣・長浜領・長浜城代家老職・姫武将・松下・佳代・之綱。
九州統一平定南東方面征伐連合国軍・アマテラス織田自治神皇国・織田家家臣団・越前国・越前大野朝倉家当主・大野地方・大野町・大野城主・朝倉・育美・景鏡
豊後国大名王家・大友家当主・豊後国・大分地方・大分城主大名王・大友・須江・奏麟。
豊後国大名王家・大友家家臣団・立花家一門衆姫武将・高橋・紹子・運紹。
肥後国・南肥後・人吉市・人吉城主・相良・晴陽・義陽
等々と言った具合に、手当たり次第に降伏する旨を伝える書状を各地で、キリヤ公国連合国軍として出陣し、一時滞在地や包囲作戦、又は待機場所として陣所を構えて居る居場所へと使者を走らせて居た。
何せ、キリヤ公国本国政府閣僚幹部である足柄・一輝と結城・梅晴、自治国家元首である織田・和紗は勿論のこと。
比較的に話し合いの通じて、居場所がハッキリとして居る竹中・半那と黒田・雫、それに松下・佳代と言った羽柴家の面々。
その他の朝倉・育美、徳川・千代に、上杉・剣信と言った有力者に加えて、果ては大友・須江や高橋・紹子に、相良・晴陽と言った戦を仕掛けて大損害を与えた敵方の者達への詫び状を添えつつ、勇治とキリヤ公国本国政府との繋ぎをお願いすると言った、丁寧な文書を書き送って居た。
そんな中で、島津・弘美の元に意外な人物からの書状が送られて来たのであった。
「義弘さま。」
「忙しいから、そのままで良いわ。」
「はっ!!申し上げます。長宗我部家先代当主である長宗我部・国枝・国親殿から、可及的速やかに義弘さまにお届けして欲しいと、先に送り届けた竹中殿からのご返書も添えての書状です。」
伝令官として、九州統一平定南東方面征伐連合国軍・司令官・竹中・半那への下へと駆けて行った島津・弘美旗下の徒歩侍階級(アマテラス神皇国地方の旗本階級の一つ)の武士は、意外にも直ぐに返事を書いて、送り返してくれたらしい。
「流石はアマテラス切っての天才軍師・竹中・半那ね。返書を書き返す筆も早く、もう返書を送り返してくれるとは、戦を早く終わらせる事を・・・いいや、これは前もって用意されて居た答えね。」
「と・・・仰っいますと?」
「簡単な話よ。戦を始まる前に和睦を蹴って、更には開戦後の幾度かの降伏勧告を蹴って、最後まで戦で徹底抗戦を選んだのは島津家よ。」
「その負け戦に成ってからの和睦か降伏を申し入れをキリヤ公国連合国中央政府が、改めて申し入れをする理由が無いからよ。」
「今は詫びを入れるのは島津家で、キリヤ公国連合国中央政府は、仲介の労を取っても良いと言ったのに、それを無視して喧嘩を売ったのだから、こちら側からの降参を待って居るだけで良いから、根を上げるのを待ち続けるだけ。」
「はぁ~、これでキリヤ公国連合国中央政府への降参の手続きも容易に成ったわ。」と、島津・弘美は、アマテラス切っての天才軍師・竹中・半那から返書を読み進めながら、これらから起こり得る事との顛末に成るであろう事柄に付いて、配下の徒歩侍に語って聞かせる。
「・・・・・竹中・半那・治重からの返事は、概ね予想通り。一つ、島津家の降伏。」
「一つ久姉さんの島津家当主からの強制隠居とキリヤ公国本国領内に在る離島諸島への謹慎処分。その後の島津家は父さんに委任し、然るべき時期に新当主をキリヤ公国連合国中央政府の監視の下で取り決めること。」
「一つ、島津家の軍組織の武装解除と武具・兵器の引き渡し。但し、美術品に相当する又は個人資産に措ける家宝は、キリヤ公国連合国の銃刀防具家宝類取り扱い防止違反登録制度法に措ける登録を義務の上での所持とする。」
「島津家の一族衆で、この度の大戦に責任者や侍大将で、役職武家一家の職務解任と離島諸島への遠島改易処分と謹慎。」
「一つ、島津大名王国の国内に措いて、個人財産を除く、税収及び賞罰で得た公的資金を始めとする。全ての公的財産と物質資産の没収。」
「一つ、島津家本領地である薩摩国・大隅国並びに大隅諸島地方と甑島列島を含めた。全ての離島諸島の没収。」
「但し・・・島津荘園と志布志荘園は、隠居人である島津貴久の隠居領国として認め、その相続は所有者本人の一存とする。」
「一つ、薩摩国・薩摩半島北側・日置地方・伊集院領と宇治城主姫武将、伊集院・幸枝・忠棟の領有を認め。その相続に関する事柄は所有者本人の一存とする。」
「また伊集院・幸枝・忠棟をキリヤ公国本国政府お抱えの姫武将として仕官をする事を求めるが、その可否の付いての返答は、戦後に成ってから本人の任意に任せる事とする。」
「一つ、山田・理安・有信の人柄と信念、並びに忠義臣を讃え、キリヤ公国連合国・爵位13階位貴族爵位制度。第9位・男爵位を授け、勇治陛下の直轄領地をお任せする支藩大名王と成る事を認めること。」等々と言った事柄が掛かれて居た。
「うん、うんうんうん。そうか・・・・理安は認められたのか?」
「・・・・山田様が何か?」
「父さんの隠居領地は、そのままで構わないとされ、相続も任意と成った。これは親族衆や分家一家らの養子を迎えても良いと言う事だろう。」
「また幸枝の方も、いち早くキリヤ公国との戦いに反戦を訴え、この度の戦に付いてを収めるべく、向こう側に付いて居る事などが認められ、キリヤ公国本国政府お抱えの姫武将と成る勧誘に付いて書かれて居るわ。」
「理安は、頑固者らしく。彼女らしい振る舞いが、キリヤ公国連合国中央政府と少年王に認められ、キリヤ公国連合国・爵位13階位貴族爵位制度。第9位・男爵位を授け。少年王直轄領地を任せる形で、支藩大名王と成る事を認めるそうだ。」
「・・・何とっ!!と言う事は・・・・」
「ああ、本家の方は如何なるかは分からないが、少なくとも島津を受け継ぐ分家一族衆や有力武家家臣の一部は、キリヤ公国本国政府と少年王が引き取ってくれるらしい。」
「これで戦後の島津家に付いては、一安心だ。」と言いながら、今度は長宗我部家先代当主である長宗我部・国枝からの手紙を読み進めて行く島津・弘美。
その表情は、安心して緩んだ笑顔から、険しい物へと置き換わって行く。
「何だとっ!!あの頑固者がっ!!何でまた、素直に退き際を弁えずに、大量兵器群と大軍のキリヤ公国連合軍に囲まれた状況で、頑固に籠城戦なんてして居るのよっ!!あのっ!愚か者がっ!!」と怒鳴りだした。
「あの~、まさか・・・山田様が・・・何かやらかしましたか?」
「ええ、ようやくキリヤ公国本国との話が付きそうだと言うのに、あの頑固者めっ!!後方に居座る衣恵与を庇って、強力過ぎるキリヤ公国連合国軍を相手取って、頑固に籠城戦をして居るそうだ。」
「国親殿が、この私に手紙を寄こしたのも、理安が変な意地を張って、戦う気が満々だから、如何にかして欲しいそうだ。」
「はぁ~、何とまぁ・・・あの山田様らしいですな。」
「少年王からの折角の出世話も、一族衆の代理人を立てて任せるらしい。竹中殿に宛てて、丁寧に返書を送り返して、未だに新納院・高城で、一歩も退く気は無いらしい。」
「そうか・・・・そう言う事なのね。どおりで・・・・少年王が爵位と土地と直臣の話を持ち出す筈よ。」
「彼女の事を気に入ったと言うのは、本当なのでしょうが、これはこれで敵味方を問わずに、面倒くさいのが籠城をして居るって事よね。」
「はぁ~、敗戦確定が決定的に成ってしまった、この状況で、もう戦は終わりだろうと、ため息を吐いて居る直臣衆や国人衆たちは、在城地や在郷地館御殿で、大人しくして居ると言うのに、あの娘ったら・・・・・・・・」
「如何なさいますか?」
「私も時間が無いわ・・・・・・仕方ない。防衛線である八代城や本領地である甲斐地方・御船郷地域・御船城から撤退させ、人吉城で戦が終われるのを待たせて居る甲斐宗運殿と衣恵与の居る穆佐院・高城に書状を送ります。」
「国親殿が言うのには、私が降参する事を認めると言わないと、腹を切るか、特攻を仕掛ける。又は攻城戦で斬り死にをする積りなのだそうよ。」
「まだ若いし、やり直しの機会も有る。何より優秀な姫武将は、これから来る時代に措いて、幾ら居ても手が足りなく成るくらいに必要な人手でも有るから、自決を止めて欲しいとも書かれて居るわ。」
「ああ、なるほど。それで可及的速やかにと言う訳なのですね?」
「ええ、全く面倒くさい頑固者が、踏ん張ってくれたものよ。」と言いながらも島津・弘美は、これで島津の武名は、キリヤ公国連合国側にも伝わった。
これで敗戦武家と成った島津家は、キリヤ公国本国と加盟諸国内で、軽くは扱われる事は無く成ったわと・・・・・・何所か嬉しそうに書状を書き進めて行くのであった。