第116話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 36
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話は少しだけ時間を巻き戻し、お召列車キリヤ号・一号列車が出発する少し前の事である。
その他の旅行参加者らは、列車に乗り込んで、それぞれ勝手気ままに寛いで居た。
「毎度、当KR公社をご利用を頂き誠に有り難う御座います。間も無く公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホームからキリヤ公国中央政府専用お召列車。メイルシュルフラッド独立自治公国・公王都・メイル市駅行きが発車を致します。」
「ご乗車予定のお客様は、お急ぎくださいませっ!!」と駅ホーム内に出発案内のアナウンスが流されると、乗車予定の者達はお召列車へと乗り込みを急ぐ。
勇治はと言うと、セレジアとリィーゼと一緒の部屋に寝泊りする公王専用客車に乗って居た。
其処では勇治の母親代わりとされる事に成った朝陽宮瑞樹の機転により、勇治との逢瀬が出来る時間を手にしたセレジアとリィーゼの二人は、勇治専用個室へと入ると、押し倒す勢いで揃ってキスをする。
「「んんんっ!!」」
「「ぷはっ!!」」
「セレジア。列車に乗る成り、僕とリィーゼを公王専用客室に連れ込んで、行き成りキスするなんて・・・・・一体、如何したの?」
「折角の旅行なのよっ!最近は二人切り成る時間なんて、宮中公王居公邸(家)に帰って来て2時間くらいしか無いじゃないのっ!!」
「五十鈴お姉様からも、若い娘達は18歳に成るまでは、勇治との性行為は、出来るだけ我慢なさいと・・・・大人の方達が決めた。勇治夜伽規制命令が徹底されて居るから、こうして人気の無い所に連れ込んで、貴方に甘えるくらいしか出来ないんですもの。」
「本当ならば・・・・・このまま貴方に身を委ねて、貴方との子供を・・・・・・」
「こらこら、セレジア。それ以上の事を言ったら、我慢が利かなく成るぞっ!」
セレジアは、最近働き詰めと成って居る勇治との時間が取れなくて、イライラとしながら、ネットリベタベタとした愛欲に飢えていた。
ついこの前、新トウキョウでは、織田・和紗と言う怪物や飛び込みで入って来た毛利家・三女、小早川・隆美と言う一途に想いを寄せるライバルたちで、勇治との時間を分け合うしかなかった事も不満の一つであった。
要するに勇治を独占したくて堪らないらしい。
だからと言って、独り占めするのも大人気無いとも思って居るので、建国初期戦後に婚約者と成ったリィーゼも誘って、彼を二人で独占する事にしたのである。
「まぁ、そう言う事なのよ。勇治、貴方とは我が故国を救う為にした政略結婚とは言え、折角夫婦に成ると言うのに、毎日顔を会わせれば、仕事の話ばかりで、貴方との仲を深める逢瀬の時間が、今まで全然取れなかったわね。」
「一人の女としては、これは不味いと思って居るのよ。一緒に居る時間が仕事だけなんて、夫婦以前に、恋人ですらない同棲人以下の付き合いよね。」
「だから、この旅行中に少しでも愛を育めたら良いなと、思って居た所に、丁度いい具合にセレジアに誘われて居たの。」
「暫くは人払いをさせて在るから・・・・・・」とリィーゼは着ていた外出用の水色のワンピース風のドレスを脱ぎつつ、下着姿へと成る。
セレジアもリィーゼに合わせる様にして来て居た外出用の黄緑色のワンピース風のドレスを脱いで下着姿と成った。
「ねぇ、勇治。本番行為はダメけど、過激なイチャイチャならば・・・・良いわよね?」
「ええっと・・・・・・」
「ああ、そう言えば、キスもまだだったわね。」
「うう・・・その・・・・あははははははははっ!!」
「それと言って置くけど、婚約者二人に下着姿とは言え、裸にさせて居るのに、逃げるって言う選択肢を選んだら、私達に恥を掻かせ事に成るから覚悟なさいっ!」
「偶には仕事以外で、貴方と仲良く成りたいわ。ねえ、今の私は貴方に対して友人以上の感情を持って居るけど、愛情心はまだなの。」
「だから、お・ね・が・い。んんんっ!!」とリィーゼも、この時に初めて勇治とねっとりとしたキスを始めた。
「リィーゼ、少しだけやったら私も・・・・・・」
両手に花と成ってしまった勇治は、二人にそのまま寝室のベッドへと押し倒され、3時間ほど過激なスキンシップをしながら過ごす事に成る。
(街中や静かな場所で、デートするよりベッド中で、愛情の確かめ合いか・・・・・・僕が居た世界の恋愛事情とは全くの別物だなぁ~)と思いつつ勇治は、二人に合わせて、イチャイチャをする事にした。
この世界では、地球世界に在る様な普通のデートをして居るカップルも居るが、勇治と恋仲や政略結婚、そして勇治への愛情心を抱く女の子達は、国家の重責を担う面々が多い。
そんな人達が男女愛を育む手っ取り早い方法を取るのに、ベットの上や狭い部屋で、ネットリとした情欲に塗れた逢瀬を楽しむの事が愛情表現と愛情を確かめ合う方法とされて居たりする。
勇治とセレジア、リィーゼの三人らは、途中下車予定の公王都・メイル市に到着するまで間、たっぷりと愛情を確かめ合いつつ、あられもない声を上げながらぐったりとするまでイチャイチャをするのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午後13時50分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュルフラッド独立自治公国・ローザンヌ州領・ローザンヌ地方・公王都・メイル市・公王都・メイル市駅前にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かつては仮想敵国又は敵対勢力であったゲルニアン帝国とガリアナ王国の二カ国を接する国境線を持った高原盆地山脈地帯国家であったメイルシュルフラッド公国。
その後は新たにガリアナ王国から独立したキリヤ公国が 異世界から転移して来たナデシコ地方自治州区を編入した事に由り、キリヤ公国連合国と成った事で、ゲルニアン帝国とガリアナ王国とキリヤ公国連合国の三カ国を接する国境線を持つ事に成った。
しかしながら、今現在は、ゲルニアン帝国が公帝戦争に敗戦した事により、元ゲルニアン帝国領だったフェリス侯爵独立自治領国がキリヤ公国連合国の国境線を押し上げた事により、キリヤ公国本国とガリアナ王国の二か国の国境線を接する国家と成って居る。
そんな劇的な転換点を得たメイルシュルフラッド独立自治公国は、キリヤ公国本国とガリアナ王国の二か国を国境に接する人口が12万人程度の小国で、祖先はガリアナ王国の王族が独立した形で建国した公爵国王制国家である。
元々の宗主国がガリアナ王国だったが、後に公帝戦争と呼ばれる戦争が起きる際に、ゲルニアン帝国がキリヤ公国に宣戦布告をした事により、キリヤ公国と同じく友好国である事とユーラシアン大陸制覇達成と言う野望を果たす理由から攻め込まれてしまう。
女公王であるリィーゼ・メイルシュルフラッドは、この危機を脱する為に、異世界から転移して来たナデシコ地方自治州区を編入した事に由り、高い国力と優れた技術力と軍事力を手にしたキリヤ公国を盟主国として連合への移籍をしたいとの許可を求めた。
ガリアナ王国の国王であるジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王は、娘であるセレジアを通じて、ユーラシアン大陸南部の平和と安定を保つ谷も必要不可欠との結論に至り、メイルシュルフラッド公国のキリヤ公国への連合国として移籍を認めたのであった。
その結果は、大当たりとも言える結果と成る。
キリヤ公国を中心としたユーラシアン大陸南部地域の連合軍は、ゲルニアン帝国による南部地方への侵攻軍を討ち破ると、一転して北侵攻勢を仕掛け、逆にゲルニアン帝国の国土を奪う大勝利を得たのであった。
こうして、メイルシュルフラッド公国は、キリヤ公国と連合国体体制を組む事に成り、国名をメイルシュルフラッド独立自治公国と改めて、キリヤ公国中央政府への参画を果たしたのであった。
リィーゼは、夫と成る予定の勇治からキリヤ公国連合国内に措いて、キリヤ公国中央政府とキリヤ公国宰相内閣府の代表大臣である初代宰相総理大臣と成った。
そのリィーゼは、約半年ぶりに母国と実家たるメイルシュルフラッド独立自治公国へと帰国をする事に成ったのだった。
「公王都・メイル市~っ!!公王都・メイル市~っ!!」とのアナウンスが公王都・メイル市駅構内にある政府専用ホーム内に響き渡る。
公王専用お召列車キリヤ号の一号列車は、この後のメイルシュルフラッド滞在期間中の数日間は、このホーム内に留め置かれる事に成って居る。
更にはメイルシュルフラッド滞在期間中の乗客である勇治達らは、希望すれば、公王都・メイル市内のホテルまたは寝台列車、そしてメイルシュルフラッド公王家管理の宿泊施設に泊まれる手筈に成って居た。
そんな夏休み旅行の最初の滞在先である公王都・メイル市に到着した勇治は、身支度を整えると、ホームへと降り立つと其処にはリィーゼの両親達が出迎えくれていた。
「リィーゼ、セレジア。それに初めましてですね?婿殿。」
「お母様。」
「フィーゼ伯母様。お久しぶりです。」
「初めまして、フィーゼお義母さん。シュタイン義父さん。僕がキリヤ公国本国公王で、あなた方の娘婿に成ります。桐谷勇治です。」
「お二人に措かれましては、これから末永く宜しくお願い致します。」と初対面の挨拶をする勇治。
彼は今回が初めてリィーゼのご両親と対面する事に成った。
この旅の目的の一つとして、婚約者のご両親と会う日程をも組んで居るのだ。
まぁ、この辺りは日本と同じで、お盆休みや正月休みの帰省と似たような物であった。
「此方こそだ。勇治くん。家の娘が迷惑を掛けては居ないかね?」
「いいえ、いいえ。此方こそ、寧ろ大事な女公王たるリィーゼさんを中央政府の要人として、キリヤ公国本国に引き抜いてしまって、誠に申し訳ございません。」
「何々、我が国でもリィーゼがキリヤ公国連合国の中央政府で、しかもだ。キリヤ公国連合国内で最初の宰相総理大臣と成った事をイルシュルフラッド公王家の家臣達と国民らは、総出で喜び称えて居るよ。」
「その旗下で様々な戦場で幾つもの勝利を収め。尚且つ平和裏に国土を広げ、独自の経済発展を遂げて居る。」
「そんな事を成し遂げた政府の一員の一人であるリィーゼは、メイルシュルフラッド独立自治公国の誇りであり、その政務の最高責任者なのだと、公国民達は絶大な信頼を寄せて居るんだ。」
「もう、お父様。その手の話を勇治に、ペラペラとバラさないでようっ!!」と剝れるリィーゼは、両親達を前にして、やや甘えた表情を見せていた。
リィーゼが中央政府へと出向いた事により、メイルシュルフラッド独立自治公国内の国民達は、その事を喧伝する観光キャンペーンを展開して居た。
更には各地での戦争にも、マギアンティア世界に措ける世界的に有名な列強国を相手取って、全戦全勝と言う快挙にも恵まれ、それに加えて勇治との間に子供は、まだなのかと言う噂話が飛び交って居るらしく。
ちょっとしたお祭り騒ぎが続けられて居たのである。
リィーゼは、そんな祖国からの便りを聞く度に、その事を恥ずかしがって居たから、勇治を前に国内が浮かれて、自身が持て囃された状態なのが、とても堪らなく恥ずかしいらしい。
「リィーゼお姉ちゃん恥ずかしいの?」
「はぁ~、翠ちゃんまで・・・・・・・・」と赤らめるリィーゼ。
だが、リィーゼの両親達の興味は、恥ずかしがって揶揄って居たリィーゼよりも、可愛らしく。
キリヤ公国連合国の政府関係者に取って、みんなの妹と化して居る朝陽宮翠へと目線が移る事に成った。
「まぁまぁ、可愛らしい娘なの。」
「この子が例の噂に成って居るお子さんかい?」
リィーゼのご両親達は、新聞やテレビニュースで知り得た翠の情報から、本人を直接見ると直ぐに翠の事を気に入ってしまう。
「本当に可愛らしい娘なの。リィーゼの小っちゃい頃を思い出すわ。」
「ありがとうございます。」
「瑞樹さんも、翠ちゃんと共に、我が国でゆっくりして行って下さいね。」
リィーゼの両親たちに歓迎の出迎えを受けた勇治達は、先代メイルシュルフラッド公王夫妻と供に、首都居城たるメイル城へと移動して行くのであった。