第115話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 35
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ山脈地帯・キリヤ公国北西部地域・メイルシュルフラッド独立自治公国・メイルシュル山脈連峰地方・メイルシュル盆地・キリヤ公国本国との国境の町・イーファル町付近・お召列車キリヤ号・一号列車内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
48号車両・今川家御一行様と成って居る車両内には、十数年前に勃発した織田家と今川家の一大決戦である岡ヶ狭間の戦いで敗れた今川家。
その戦いで落ちぶれてしまい、アマテラス神皇国足柄幕府将軍王朝・足柄家の庶流一族のアマテラス神皇国地方・今川家は、12代目当主の代で、大名王家から没落してしまった。
その後は、なんやかんやで北条家・徳川家・織田家・キリヤ公国本国と渡り歩きながらも、ここぞとばかりに稼いで置いた資金で、数少ない家臣団と傭兵を募り、名の有る戦に参戦し、報酬金を稼いで生活資金の足しにして居たのであった。
最近ではアマテラス神皇国・九州地方平定征伐戦こと、略称名・九州島地方戦役に参戦し、島津軍を各地でコテンパンに打ち払った功績で、新たな報酬を得る確約を得て居た。
その今川家の者たちも、これもご縁だからと勇治が、現今川家12代当主である今川・鞠華・氏真と親しい間柄である直臣の二人を伴って、夏休み旅行へとやって来て居た。
それは以下の通りと成って居る。
48号車両・今川家御一行様
1号室・今川・鞠華・氏真
2号室・朝比奈・保美・泰勝
3号室・岡部・七未・正綱
今川家の姫武将達らは、50号車両・食堂・バー専用車両で朝食を終えて、食後のデザートであるミニショートケーキをホークで突きながら、紅茶をすすりつつ、のんびりと車窓から見える景色を眺めながら談笑をして居た。
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!
公王専用お召列車キリヤ号・一号列車は、鉄道独特の揺れと車輪音を響かせて、メイルシュルフラッド独立自治公国に入ろうとして居た。
メイルシュルフラッド独立自治公国に入ると、メイルシュル山脈連峰地方と言う、険しい山脈地帯を通過して、メイルシュル盆地へと入る。
其処にはKR公社の立ち上げに当たって、公帝戦争でも補給路の中継地としても使われて居た。
メイルシュルフラッド独立自治公国の南東部地方の町、イーファル町に列車は差し掛かる事に成る。
ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!ガタンガタンッ!!ゴトンッ!!ゴトンッ!!と音を立てながら進む公王専用お召列車キリヤ号・一号列車内に、お報せのアナウンスが流れた。
「ピンポンッ!!パンポンッ!!毎度KR公社のご乗車、ご利用を有り難う御座いますっ!!」
「ご利用のお客様方にお報せを致しますっ!!間も無く、公王専用お召列車キリヤ号・一号列車は、メイルシュルフラッド独立自治公国の南東部地方の町、イーファル町に列車は差し掛かりますっ!!」
「お客様方に措かれましては、キリヤ公国本国とメイルシュルフラッド独立自治公国との境に在るメイルシュル山脈連峰地方とキリヤ山脈地帯の雄大な景色をご堪能下さいませっ!!」
「ピンポンッ!!パンポンッ!!」
50号車両・食堂・バー専用車両内には、食堂担当の乗務員が二人が定位置に立って居て、お客様である今川家の3人を見守って居た。
その三人組とは?足柄二つ引紋と赤鳥紋の家紋が入ったアマテラス式の高価な着物を着て居り、それで居て艶やかな黒髪のロングヘアーを靡かせた顔立ちの綺麗な姫武士が一人。
その後ろには、眼鏡を掛けた黒髪のロングヘアースタイルの生真面目そうな顔付きをしたお姉さんと、ショートカットヘアースタイルのツリ目の顔立ちに、大柄な身体付きをして居る姫武士らと相対しながら食後のお茶会を楽しんで居た。
「そろそろメイルシュルフラッド独立自治公国の国境線に入る様ですわね。」
「はい。その通りです鞠華。」
「キリヤ公国連合国政府主催・夏休み旅行ガイドブックに由ると、イーファル川渓谷は、メイルシュル山脈連峰地方とキリヤ山脈地帯に在る谷間に在る川渓谷の事で、その北側には、イーファル盆地を利用して造られたイーファル町があり、その渓谷を挟んだ南側には、キリヤ公国本国領であるキリヤ山脈地帯が広がって居るそうです。」
「って事は、アマテラス神皇国地方には無い景色か?」
「私達が知って居る似たような景色が在るとすれば、甲斐国や信濃国に在る山々が近いわね。」とガイドブックを片手に談笑をして居る姫武将は、今川家に代々仕えて来た家柄である。
一人は、今川・鞠華・氏真が幼い時から面倒を見て来た人物で、今川家に代々使えて来た家柄の姫武将たる朝比奈・保美・泰勝。
それもう一人は、朝比奈・保美・泰勝と同じく、今川・鞠華・氏真が幼い時から面倒を見て来た人物で、ショートカットヘアースタイルのツリ目の顔立ちに、大柄な身体付きをして居り、性格はややがさつで無頓着物な性格をして居る岡部・七未・正綱の二人が、これからどんな物が見られるのだろうと、ワクワクして居た。
「それにしても、今や徳川家の客将に過ぎない我らが、キリヤ公国連合国政府主催の夏休み旅行と言う、行楽旅行に、ご招待して頂けるとはね。」
「ですが、鞠華。これは千載一遇好機よ。」
「ああ、これを契機にキリヤ公国本国政府と繋がりを深くして置くのも、良い事の筈さ。」
「それもそうですけど、その前にわたくしには課題を与えられ・・・と言うよりも課せられたに近い難題が有りますわ。」
「武田家への監視と工作。そして、北条家への裏工作と九江伯母さまを勇治さまに、引き会わせる任務の依頼ですね。」
「その通りですわ。この旅行で勇治さまと親しくするのは、勿論のことですけど、使えそうな伝手を増やすのも必要不可欠ですわ。」
「保美っ!!今後は何が必要と思いますか?」
「それは・・・・・・アマテラス神皇国・九州地方平定征伐戦の戦場で、我が今川軍も使わせて頂きましたが、キリヤ公国本国軍が造り、配備を推し進めて居る新式銃ですね?」
「その通りですわ。これからは火力武器と兵器を多く持ち、大量に生産と配備が可能国力と軍事力を持った国々が台頭して行く時代へと突き進む筈ですわ。」
「そんな時代に今川家が、キリヤ公国本国に属する小国の支藩王に取り立て頂けると言う事は、否が応でも、そんな戦に派遣される可能性を孕んで居るとも言えるのですわよ。」
「鞠華よう、もう槍や刀は役立たずだって言うのか?」と不満そうに言いながらも同時に、残念そうな顔付きをもして居る岡部・七未。
「槍働きを得意として居る七未には、少々残念な事ですけどね。」
「でもよう、銃剣道って面白かったぜっ!!」と、目を輝かせて言う七未。
すると、その場に居た二人はズルっとコケてしまう。
「貴女って人は、もう銃剣道をやって居るんですの?」と鞠華は、切り替えの早さと、武術馬鹿な姫武将である七未の事を、やれやれと言った感じに呆れ顔であった。
「おうよっ!!九州地方平定征伐戦の合間に、ナデシコの連中やビクトリナ、それに新トウキョウの兵士の奴らなんから、模擬試合をする機会が有ってな。」
「それでやり合った時に、俺も銃剣道をやってみたんだが、これが槍とは違うが、接近戦である事には変わりねえって分かったんだ。」
「まぁ、最後は特殊部隊とか言う所に、所属して居る奴らに負けちまったんだけどな。」と言う七未。
「えっ!?貴方って、キリヤ公国連合国の先進4地域の兵たちだけで無く。精強と言われる特殊部隊の人達と模擬試合をしたの?」
「それは無謀と言うか、向こう見ずと言うか、その・・・・」
「呆れて物が言えませんわね。」と、幼馴染みの親友である岡部・七未の無謀な挑戦に呆れる鞠華。
「それは兎も角。これからの戦働きで戦果を挙げて行くのに必要不可欠な武具の調達を我が今川家として、如何にして手に入れるのかが、今後の課題と成ります。」
「特にアマテラス神皇国地方では新式銃とも呼ばれて居る歩兵小銃。」
「キリヤ公国本国を中心とした地域・国内での配備が進められた第一次の配備歩兵小銃であるKRYN式歩兵小銃1式か、新型歩兵小銃であるKRYN式歩兵小銃2式を如何にかて手に入れたいとわたくしは考えて居りますの。」
「其処で二人は、この夏休み旅行中を含めて、各方面の方々に我が今川家家中の者たちの顔を売り込みつつ。」
「そして、尚且つ便宜を得られる体制を取れるようにそれと無くお願いをして来て下さいませ。」
「今や我が今川家は、徳川の食客武将の地位だけで無く。キリヤ公国本国の食客武将家にも成りつつ有ります。」
「その地位を盤石な物とし、勇治さまと一輝姉さまから小国の支藩王に取り立てる話も堂々と受けられる為に、武田家・北条家をキリヤ公国連合国との融和外交に引き吊り込む工作を成功させねば成りません。」
「親友である二人には、これからも要らぬ苦労を掛けてしまいますが、これを成功させられば、世間に恥じる事の無い、地に足のついた生活が出来る様になります。」と頭を下げる鞠華。
「鞠華。」
「そうだぜ、俺らの間で頭を下げるなんて、らしくねぇぜっ!!」
「キリヤ公国本国から仕官のお誘いは、私たちに取っては望ましい事ですもの。」
「有難う御座いますですわ。それでは・・・・・この夏休み旅行を楽しみつつも、我が今川家の将来に向けて前進しますわっ!!」と扇をパチンと閉じて、決め顔に成る鞠華であった。