第109話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 29
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
39号車両・40号車両には、ナデシコ自治統合軍幹部御一行様と成って居る通り、ナデシコ地方自治州区の固有軍事力であるナデシコ自治統合軍の陸海軍幹部の中で、取り分け勇治と親しい間柄の幹部たちらが、勇治の招待を受けて、勇治主催の夏休み旅行へとやって来ていた。
39号車両・ナデシコ自治統合軍幹部御一行様
1号室・山本五十鈴
2号室・烏柿肇
3号室・南雲夕霧
4号室・小沢美月
5号室・角田晴海
6号室・山口多美
茶室
40号車両・ナデシコ自治統合軍幹部御一行様
1号室・黒島亀代
2号室・草鹿美佐枝
3号室・渡辺祥子
4号室・近藤信代
5号室・板垣妙子
6号室・栗林武美
6号室・渡理昌
既に五十鈴達は、名前が入って居る部屋へと荷物を置きつつ、談笑をして居るか、43号車両・食堂・バー専用車両か45号車両・大浴場で、思い思いに過ごして居た。
45号車両の大浴場では、五十鈴を始めとして、烏柿肇・角田晴海・山口多美・渡辺祥子・板垣妙子・渡理昌と言った肉体自慢の凹凸の在る・・・・特に豊満なバストを有するお姉様方が、大きな果実を湯船にプカプカと浮かせると言う・・・・正にスイカ・・いいや、メロン風呂とでも言うべき光景を目の当たりして居ると言えるだろう。
「ふぅーっ!!朝風呂は最高だなぁ~」
「祥子の自由気ままなのは何時も通りなのは諦めて居るけれども、その意見には同意するわ。」
「まぁ、それが祥子姉ちゃんですからね。」と従姉妹である渡理昌は身内なので苦笑交じりに言って居た。
渡理昌は、今年20歳の元撫子皇国陸軍大佐の軍人女性で、彼女の所属部隊は、元撫子皇国陸軍・アセアニア地方方面外征第五派遣師団の司令官だった。
今はナデシコ地方自治州区がキリヤ公国連合国に加盟をした後は、ゾルモン諸島・ガダルカナリ諸島・ナデシコ自治統合陸軍駐屯地を本拠地とするナデシコ自治統合陸軍・第五師団の司令官に、キリヤ公国連合国軍・統合副司令官兼陸軍元帥を務めて居る板垣妙子の推薦によって抜擢された。
山本五十鈴や板垣妙子と同じく、次世代近代化兵器運用改革計画(軍制機械化改革軍整備計画)に関わった旧撫子皇国陸軍人の一人。
五十鈴達若手の撫子皇国軍人らが早く出世が出来たのも、次世代近代化兵器運用改革計画に関わったからである。
次世代近代化兵器運用改革計画とは?
撫子皇国が在った地球世界では、予てより対立構図が深かった立憲王国連合連盟条約同盟と枢軸同盟条約締結国との間で行われた最大規模の戦争、西暦1900年から西暦1920年に掛けて行われた大戦争である第一世界大戦。
その第一次世界大戦に措いて、活躍した機甲師団軍と空母機動部隊、更には飛行機兵器と言った最新鋭の兵器を整備して行く国家プロジェクトのこと。
ハッキリと空母・戦車・自動車・戦闘機等の兵器を整備しますと言う訳にも、それを匂わす事も言えないので、表向きには軍制機械化改革軍整備計画と言う研究案である事を書類題名として表記し、万が一にも機密事項書類が外へと流出した場合も想定された物を作って改革を進める事に成った。
西暦1915年頃から、撫子皇国の同盟諸国の間で進められて居た次世代の兵器を整備計画の視察訪問をした際に 立憲王国連合連盟条約同盟のヨーラッパ地方諸国は、撫子皇国の建艦技術と既存兵器技術の改良技術を欲し、その代わりに戦車・自動車を含めた機甲師団軍の兵器設計図と空母建艦設計図、オマケに戦闘機や爆撃機・輸送飛行機と言った技術を交換する事を求めた。
特に旗艦と海防戦力に優れて居た撫子皇国式の巨大戦艦の建造がしたかった立憲王国連合連盟条約同盟のヨーラッパ地方諸国らは、小型兵器とも言うべき陸上兵器類や洋上基地とも言うべき航空母艦を売り渡す代わりに、撫子皇国が海外から学んで独自に生み出した戦艦の建艦技術やとんでも兵器の開発技術を交換することを提示。
撫子皇国は、それらと引き換えに手にした、空母・戦車・自動車・戦闘機等の兵器類の最新鋭の・・・二番煎じの開発技術を基にして、陸海軍の次世代兵器の開発・生産・配備を進める。
その計画は第二次世界大戦が始まる数年前に士官学校に入学して居た五十鈴達の士官候補生らも注目して居たが、既存の戦法と兵器に依存して居る古いタイプの者達や利権がら絡んで居る議員らとの派閥争いもあってか、中々前へと進めるのに時間が掛かって居た。
それを打破する為に、五十鈴達は、士官候補生の頃から第二次世界大戦に備えた軍備政策を推し進める若手軍人として訴え起こす。
その事は、撫子皇国の若き皇王である皇輝夜や皇族派閥の目にも留まっ事により、試験導入をして居たイングラード連合王国発案の空母機動部隊とフランク立憲主義王国が発案の機甲師団軍の運用政策を有志の者達と供に進めて行くのであった。
だがしかし、マギアンティア世界に転移した事により、運命が変わってしまう事により、二つに別れたナデシコ地方自治州区と撫子皇国の次世代近代化兵器運用改革計画は、第一次異世界マギアンティア世界大戦へと持ち越されてしまう事になってしまうのは少し先のお話。
その計画に関わった若手ナデシコ自治統合陸軍人の一人である渡理昌、その経歴とは?
昌はナデシコ自治統合海軍・第五戦隊司令官である渡辺祥子の従姉妹であり、昌の母親は、祥子の母親の妹の娘で、お互いに幼い頃からの幼馴染み同士で、祥子の妹分であった。
配属された先が祥子と同じアセアニア地方方面であった事から、非番の時は海水浴に出掛ける事も多く、マギアンティア世界に転移後も変わらず、特に気に入ったのがマリンスポーツと言う物であった。
それが流行り始めたのは、キリヤ公国連合国のお隣の国と成ったビクトリナ独立自治共和国から入って来たマリンスポーツの事で、祥子に誘われて始めたマリンスポーツにハマり、サーフィンやスキューバダイビングを訓練と称して 海軍・第五戦隊と陸軍・第五師団の者達に、祥子と供に趣味で始めた仲間達は、布教と言う様なやり方で流行って居たりする。
軍部内での彼女の役目は、島諸島防衛と上陸作戦を主軸しとした特殊作戦全般を請け負う事で、祥子以上に厳しい陸軍訓練を師団内の仕官たちに課す体力バカでもある。
「しかし、客車に大きなお風呂を備え付けるとは・・・・・」
「烏柿は、客車に風呂が備え付けられて居るのが、そんなに珍しいのか?」と妙子は聞き返す。
それは海軍の艦船内には、乗員の衛生管理上の理由から、海水風呂が備え付けられて居る。
五十鈴達の居た地球世界では、列車に風呂を備え付けると言うのは金持ちの道楽とでも言う所業なので、軍隊でも国鉄と私鉄でさえも在り得ない機能であった。
妙子は、海軍の所属で乗り物の中に既に風呂が在る様な環境下で仕事をして居る肇が、珍しがって居る。
客車の中に風呂が在ると言う事を不思議そうに見て居る事が、今更ながらだろうと言う意味で言って居るのであった。
「妙子、幾らなんでも、アタシらが海軍の軍艦で、風呂が在る乗り物に乗り慣れて居るからって、言っても、流石に客車の中に風呂が在るのは珍しいぜ。」
「多美の言う通り、幾ら艦内施設が充実して見慣れて居ても、キリヤ公国を含めた異世界転移自治国の技術と言うのは、未だに驚くばかりだ。」
「ふっ!!聞くのは野暮だったか?」
「いいえっ!!妙子さんには変に見えたかも知れませんが、時折りキリヤ公国内で見かける技術力は、驚かせられる事が有るので、真面目な私がその様な顔立ちを見せてしまうのが、逆に物珍しいのでしょうね。」
「それよりもよぉ~、何で此処には亀代や美月たちが居ねえんだよ?」
「それを言うなら、貴女の親友である信代も居ないじゃない?」と五十鈴は言う。
「あははははははははっ!!それはきっと・・・・」と妙子は、チラリと周りを見渡す。
其処にはボンキュッボンなボデイスタイルを有するお姉様方が居並んで居ると悟って居た。
(流石の同姓でも、この面子で風呂に入ると、敗北感をまじまじと感じてしまうから、入りに来ないのだろうな)と妙子は、自身を含めた物言いで皮肉る。
「妙子、言いたい事は何と無く分かった。」
「それよりも今更ながら、落ち着ける時間が取れた事で、一つだけ気に掛かる事が有る。」
「気に掛かる事?」と晴海は首を傾げる。
「撫子のことだよ。」
「この中で身内に会いに行けるのは、祥子や昌を含めて数人くらいだろう?」
「心配をしない方が可笑しい筈だ。」
「でも今更じゃない?」と五十鈴は言う。」
「それは私だった気にはして居るわ。」
「でも・・・今更、気にし続けて居ても、帰れる訳でも、助けに行ける訳でも無いじゃない?」
「まぁ、五十鈴の言う通りだが、祖国の事を心配する気持ちは、私も含めて皆も変わらない。だが今は、勇治やキリヤ公国と加盟諸国との関係を大事にして行こうじゃないか?」と妙子は纏める。
「そうだな。坊主・・・勇治は、俺らの大事な弟・・・家族みたい奴だ。一人ぼっちで居た奴が、次第に家族や仲間達を増やして行くのを見て居るのは、実に気持ちが良い。」
「そうね、今は・・あの可愛い勇くんを支えて、この世界に居るナデシコ人や多くの人を幸せにする事が、祖国から引き継いだ物を使って、活動をして居る。私たちの使命みたいなものね。」
「だからこそ、頑張らなきゃならないな。」と呟く晴海。
昌を含めた皆は、その言葉に軽く頷くのであった。