第108話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 28
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
34号車両・フェリス侯爵独立自治領国御一行様と成って居る通り、フェリス侯爵独立自治領国の三姉妹と、その母親であるユイチェル・フェリスらの4名が、勇治の招待を受けて、勇治主催の夏休み旅行へとやって来ていた。
それは以下の通りと成って居る。
1号室・レイチェル・フェリス
2号室・ロイチェル・フェリス
2号室・ライチェル・フェリス
4号室・ユイチェル・フェリス
フェリス侯爵独立自治領国の三姉妹と母親らは、一足早く列車へと乗車を済ませ、朝食を供にした後に、34号車両内に併設されて居る茶室へと集まり、食後のお茶会と洒落込んで居た。
「はぁ~、流石はキリヤ公国本国ね。お料理の質が段違いの味わいだったわ。」と三姉妹の母親であるユイチェルは、普段から食べ慣れて居る祖国の食事よりも、質のが良く、調理法が数段上のやり方で作られて居る朝食に、大満足をして居ると言う感想を述べていた。
「それは勇治ちゃんが、食文化に大きな拘りが有るからよ、お母さま。」
「そうね、勇治くんのお嫁さんに成る子は、お料理が一つでも多く出来ないと大変よね。ねぇ、二人とも・・・・・」
「それって、どう言う意味かしら、ロイ姉さま?」
「それに付いてはライチェルに同意します。」と、典型的な貴族生活をして来た関係で、手作り料理が壊滅的な二人が抗議をしていた。
反対に姉は、手作り料理が趣味だった母親の影響で、少なくともフェリス侯爵地方のお国料理であるドイツ系とフランス系が合わさったかのようなお国料理であり、特にフェリス家では、内陸部はドイツ系が色濃いと言える食文化を持って居る土地柄の料理を家庭料理として出して居るので、ロイチェルとユイチェルの親子は、ジャガイモとソーセージをメイン料理とする手料理を得意として居る。
「はぁ~、全く情けない娘達だわ。こうなったらロイチェ、本当にこのまま貴女だけが勇治くんに嫁ぎなさい。」
「はい。それは喜んで、勇治ちゃんの下にお嫁に行きます。」と言う小芝居をする母娘は、悪ふざけをして居ながらも、フェリス侯爵王家としては、キリヤ公国公王家との関係強化を図り、次代のフェリス侯爵王家の跡目に、公王である勇治との子供を考えるのは当然の事である。
公帝戦争に敗戦し、キリヤ公国本国政府と連合加盟各諸国政府ならびに国家首脳らに助けられた手前、フェリス侯爵王家がキリヤ公国連合国内で生きて行くのには、それなりの地位が必要であるからだ。
その為には、三姉妹の内の誰か又は全員が、公王である勇治の下へと嫁ぐ必要が有ると先代当主であるアルベルゴ・フェリスは、考えて居た。
今の所は、勇治との結婚に前向きであり、政略結婚の覚悟が出来て居る長女であるロイチェル・フェリスが、側姫妃 (そばきひめ)又は側室妃 (そくしつひ)地位を得て後宮入りを目指す動きを模索して居るとの事である。
本人も年下とは言え、顔通しを済ませて居る勇治の事は、可愛い弟みたいだと可愛いがって居り、何時でも抱かれたいと家族内で公言して居るとの事だった。
新当主である次女のレイチェル・フェリスは、勇治の事を一定以上は評価をして居るが、年下である事から男女の関係には早いと言うか、父親からの無茶振りに呆れて、冷めた気持ちで居た為、公務以外では積極的に勇治との関係を良くしようとは考えては居ないらしい。
三女で経済・軍務の一切を取り仕切って居るライチェル・フェリスは、最も勇治との政略結婚を嫌がって居るので、必要が無い限りは、勇治と会おうとはしてなかった。
「はぁ~、ホンとお母さまたちには呆れるわ。事はフェリス侯爵王家と勇治陛下との御家同士に関わる事なのよ。公務以外で、年下の勇治陛下と、どう付き合って行けばと考えられる様に成るのには、まだまだ時が掛かると言うのに、この二人と来たら・・・・・」
「全くです、レイチェル姉さま。子供と結婚して、子供を儲けると言うのは、何の抵抗が無いのは可笑しいですよ。」と言う、レイチェルとライチェルの姉妹。
「はぁ~、面倒くさい子達ね。少なくとも、年上のおじさんに嫁ぐよりは、格段にマシでょうに・・・・・・」
「「うっ!!」」と、一番に言われたくはない指摘に、思わず黙り込む反対派の娘達。
そう言われると勇治の方がなんぼかマシと言うより、本当に勇治の方が良いと思ってしまうから母親には言い返せない二人。
政略結婚でおじさんだけは嫌だと言うのは、共通して居る認識で、しかもそのイメージが旧主であるゲルニアン帝国の単なるチョビ髭皇帝として名高いヒットラン・アドルフラーを想像してみると、余計に拒否感と悪寒に嫌悪感が襲われるのだから、尚の事質が悪かった。
「自覚をして居るの為らば、この夏休み旅行中の間だけでも、勇治くんと前向きな関係を築きなさい。」
「ええ、その積りです、お母さま。」
「「・・・・・・」」と、どうしようかと、更に黙り込むレイチェルとライチェルの姉妹。
フェリス侯爵王家のキリヤ公王家への政略結婚計画は、まだまだ前途多難の様子を呈して居ると言えるのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35号車両・ビクトリナ共和独立自治国・神宮寺舞夏御一行様と成って居る通り、ビクトリナ共和独立自治国のビクトリナ独立自治共和国総督であるジェシカ・クローディア。
ビクトリナ軍の副司令官であるネイレス・ガーネット。
ビクトリナ共和独立自治国統合軍の海軍に所属する民間系の商社ご令嬢出身の軍人で、ビクトリナ独立自治共和国統合軍・第二艦隊から成る連合艦隊の司令官にして、第二艦隊・旗艦・アーク級2番艦・機動兵器空母ベルダン・マーグの艦長でも在り、ビクトリナ共和独立自治国の地元大財閥であるアルファード総合商社の長女のレディ・アルファード。
最期に新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区を代表する大企業の 神宮寺重工業の社長と新トウキョウ地方自治州区国防自衛軍中央司令部直属・国防軍都市特務防衛隊・ブレイブ・ガード・フォース隊の隊長を務めて居る神宮寺舞夏らの4名が、勇治の招待を受けて、勇治主催の夏休み旅行へとやって来ていた。
その部屋割りは、以下の通りと成って居る。
35号車両・ビクトリナ独立自治共和国 ・神宮寺舞夏御一行様
1号室・ジェシカ・クローディア
2号室・ネイレス・ガーネット
3号室・ミレディ・アルファード
4号室・神宮寺舞夏
ビクトリナ独立自治共和国の総督閣下と軍幹部の三人は、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区からただ一人の参加者と成った神宮寺重工業株式会社の社長である神宮寺舞夏と同じ車両と成った事を良い事に、初対面としての挨拶を交えた談笑をして居た。
「噂に聞く神宮寺重工業株式会社の社長である神宮寺舞夏と夏休み旅行を供に行く事に成るとはな。」
「ミレディさんとは、取り引き関係でネットカメラ通信で何度も話しては居ましたが・・・・」
「ええ、こうして直接的にお話を出来るのは光栄ですわ。」
「舞華さんとは、公私共に、我らはビクトリナ独立自治共和国と末長いお付き合いを考えて居ます。」とネイレスこと、ネイは締め括る。
「それと今回は、護衛として新幹線型ロボットであるカイザーとその他のブレイブ・ガード・フォースのロボット部隊を格納した車両が、この公王専用お召列車キリヤ号を守りますので、安心して下さい。」
「と言う訳です。皆さんとは、舞華と共々宜しくお願いします。」とブレイブ・ガード・フォースを代表して、カイザーが、ジェシカ達に挨拶を交わす。
「超AIを搭載したロボットか、実に興味深いな。」
「何でしたら、画面越しに何かゲームでもお相手を致しましょうか?」とチェスや将棋と言ったボードゲームのテレビゲームを近くに備え付けられて居るモニター画面に無線通信を通じて、テレビ中継式に映し出させるカイザー。
「面白そうですわね。」
「この前のキリヤ公国連合国・戦技将棋盤・模擬演習第4回大会で、手痛い目に遭いましたから、軍幹部の一人として、練習相手には持って来いの相手かも知れません。」
「カイザーは、とても手強いですよ。僕ですら殆んど勝てた事がありません。」と笑みを受けべながら、カイザーに挑む三人を観戦する舞華であった。
「それは楽しみだな。」とジェシカは、コントローラーを手にチェスを選択して、カイザーとゲームを始めて行く。
そんな四人は、メイルシュルフラッド独立自治公国・公王都・メイル市に到着するまでの時間を頭を使ったテレビゲームでカイザーと対戦を楽しみながら過ごすのであった。