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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第9章 少年王と彼女達との夏休みと南方からの使者っ!!
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝・追い詰められた武田家と武田・春夜・信玄の決断っ!?割れる姉妹たちと武田家臣軍団の行く末はっ!? 2 

 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月7日・午後14時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部甲州地方・武田大名王家国・武田大名王家本拠地・武田大名王家領・甲斐国・甲府盆地地方・甲府市・躑躅ヶ崎館・謁見の間にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 武田家の行く末を決めるべく、武田家当主と当主一族、そした武田家臣団の重臣達らの武田家・評定衆会議は尚も続く。


「私は如何なる場合でも、姉さんに従います。」と一言に尽きると言う、武田・春夜の双子姉妹の妹たる武田・夏夜・信繫。


 アマテラス神皇国地方・甲斐国・武田氏第18代当主・武田信虎の三女に当たり、その見姿と言うと、前髪を左わけにして居るショートヘアーと小柄な体型をした美少女だが、年頃は20代半ばほどで、武田・春夜とは双子姉妹の姉に当たり、その影武者の役目も担って居る。


 姉と違って大人しい性格で、何かと姉を立てて、彼女は一歩退いた位置から意見を言う控えめな性格をして居た。


「夏夜は、相変わらずね。でもそれで私が助かって居るから、何も言う事は無いわ。」


「陸深、言いたい事が有ったら遠慮せずに言いなさい。此処での発言は、如何なる意見も忌憚の無い意見を求めて居るからよ。」と言う春夜。



 陸深とは、武田・春夜から見て一つ下に位置いる四女に当たる妹である武田・陸深・信廉の事である。


 ショートヘアースタイルの気優しい風貌の顔付きで、やや大人しめな口調で話す女子で、背丈はやや高い163センチで、ややスレンダーな身体付きだが凹凸の在る女性らしいボデイスタイルを持って居る内向的な女の子であった。


 好戦的な性格の多い武田一族の中でも書道や水墨画、お茶に華道、そして読書を好む文芸肌の人物で、主に内政を得意として居るが、戦略と戦術眼に長けた参謀的な一面を持って居る。


「お姉ちゃん。わたしはね・・・・・キリヤ公国連合国と織田家との戦には・・・反対したいの。」と、言い辛そうにしながらも、ハッキリと戦には反対と言い切る陸深。



 その意見を聞いた春夜は、目を見開いてハッとしながらも、穏やかな表情をするのであった。


「わたしが統治して居る南信濃のそ家臣達の人達国人衆、それに領民の人達も、キリヤ公国連合国と織田家と戦に成るのは嫌だって、揃いも揃って訴状を山の様に出し来て居るの。」


「特に東美濃の遠山城と遠山家を傘下に置く秋山・繁美・虎繁と木曾地方の国人領主である木曽・真理・義昌の二人も、私の副将であり、南信濃の郡代代表の立場から、戦には反対を述べて来て居るの。」


「二人の所領と私の任されて居る領地は南信濃。」


「わたしは、南信濃地方の領主として、武田家の総意が主戦に傾いたとしても、その人達の意見を無視するわけには行かないの。」



「だから、ごめんなさい。お姉ちゃん達が主流として居る織田家、延いてはキリヤ公国連合国との戦には、絶対に反対したいの。」と真っ直ぐな目で言う陸深。


「そう、貴女の治めて居る土地と領主達らは、織田家とは隣り合わせ。戦とも成れば、一番に被害者と成るのは必定。」


「反対の訴状を出すのも頷けると言う物ね。分かったわ、貴女達の意見も尤もな事よね。だけれども、今後の対応の次第では、戦に成る可能性と成ってしまう事だけは覚悟を決めて欲しいわ。」と締め括る武田・春夜は、南信濃の人達が訴える窮状も最もな事だと納得が出来るとして、これ以上の問答は、物別れに成る考え、陸深とのその話を終わらせた。


 そして、最後に一番下の妹である一条・涼香・信龍にも意見を求めた。


「春夜姉じゃ、陸深姉じゃ。涼香はお二人とは別の道を模索・・・・と言うより、付き合いたくはねぇでやがります。」


「・・・・はぁ~、以外ね。武功や勲功を上げて、武田家に尽くすと誓っても居る涼香から、そんな発言が出て来るとはね。」



「それは今までの戦に措いて、武田家が勝ち続けて居たらの話でやがります。」


「涼香は負け戦や滅亡が分かって居る戦と御家と共に心中する義理はねぇでやがります。」


「それにお世話に成って居る穴山・梅林の叔母御殿からも、良く言い聞かされてやがりますからな。」


「無理して滅亡に付き合うのは馬鹿のする事でやがると。」


「ですが、涼香も武田家一門、それに対する義理の範囲内でなら戦には付き合いやがりますが、いよいよと成った場合は、降伏や寝返りも辞さないと考えてやがります。」


「この事を姉じゃやご家中の皆も承知をしてやがれであります。」と変な口調で淡々と意見を述べたのが一条・涼香・信龍。 


 年齢は22歳で、アマテラス神皇国地方・甲斐国・武田氏第18代当主・武田信虎の5女。


 肩まであるボブロングヘアースタイルとボサボサの髪質が特徴的で、でやがると言う妙ちくりんで生意気な口調で話すタイプの女の子。


 背丈はやや低くスレンダーなボデイスタイルだが、そこそこな凹凸がある身体付きをして居るが、とても弾力性のある撓やかな身体付きで、武芸に秀でた才能を持った肉体である。


 マギアンティア世界に措けるキリヤ公国連合国がユーラシアン大陸南部地方を中心に拡大と飛躍をして行く中で、一条・涼香の武田大名王家国の進むべき進路としての意見は、キリヤ公国連合国とは一戦をする事は仕方が無いかも知れないが、総力戦だけは避けるべきであると言って居る。


 姉達には、自分が面倒を見て居る旗下の家臣団と国人衆と領民達の暮らしが第一だから、キリヤ公国連合国の戦は付き合える所までは戦うが、もうダメだと見たら単独でも講和に入ると言い切って居る考えを持って居る様だ。


「・・・・・そう、穴山の叔母上なら、そう言うでしょうね。その意見が合ったから、父上を追い出すのも協力してくれたのよね。」


 穴山・梅林とは、穴山・梅林・信君と言う名の姫武将で、信虎から見て三男に当たる弟たる武田信政を婿養子に向かえて居た人物で、武田姉妹から見れば義理の叔母に当たる親族衆の一人であった。


 非常に頭の切れる人物で、自家と自分が生き残る為なら何でもする御仁で、武田信虎の暴走が顕著に成って来た際には、姪っ子である武田姉妹達等に協力して、信虎を駿河国へと追い出して居る手伝いをして居た。


 一条・涼香の後見人でもあり、駿河国を治める為の補佐を任されて居た。


 現在は武田家の中立派閥の中核にも成って居る一人である。



「まぁ、良いでしょう。武田家が割れるのは、本当ならば良くない事なのだけれども、今は武田家は分水嶺に在る状況の最中です。」


「丁度三つに別れて居ると言うの為らば、何れかが生き残れば武田家は続くと言う物。」


「ですが、今はまだ、キリヤ公国連合国と織田家らとの本格的な戦には至っては居ないわ。」


「皆の忌憚の無い意見を集約する形地で、我が武田家は、織田家と彼の国とは、外交的な交渉が出来ないかを探りつつ、北条家とは共闘態勢を取りながらも、これから戦と成ってしまう島津家の支援と同盟条約を結びつつ、反キリヤ公国連合国に措ける大名王家諸国連合態勢の構築に動く事とします。」


「本日の会議は、これまでとします。皆、ご苦労様でした。」


「それでは解散とします。」と武田・夏夜が言うと、武田四天王を始めとする家臣達は、武田・春夜に一礼をして、評定所から立ち去って行く。


 姫武将として働く武田・陸深と一条・涼香の二人らも、その場から立ち去って行く。








マギアンティア世界統一暦・1555年・11月7日・午後15時37分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・中部甲州地方・武田大名王家国・武田大名王家本拠地・武田大名王家領・甲斐国・甲府盆地地方・甲府市・躑躅ヶ崎館・謁見の間にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 暫くして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 武田・陸深は、躑躅ヶ崎館から出ようとした時である。



 急に武田家当主にして、姉である武田・春夜に呼び出された武田・陸深は、密かに春夜の私室に呼び出された。


「お姉ちゃん。如何したの。急に呼びたしたりして・・・・・」


「陸深・・・・良く、良く言ってくれました。」


「ええっ!?」


「貴女は主戦が主流と成ってしまって居る今の武田家に措いて、キッパリと戦には反対と言ったのです。」


「これは嬉しい誤算でした。」


「お姉ちゃん、何を言って居るの?」


「陸深、これから貴女には、私からの密命を託したいのです。」


「密命って、大袈裟だよ。わたしはちゃんとした意見を言っただけだよ。それも絶対に通らない意見だと知りながらだよ。」


「それを凄い事だなんて思っても居ないよ。」


「その柔軟性の在る考え方こそが、今の武田家に必要なのです。」


「だったら、それはお姉ちゃんから言えば・・・・・」


「いいえ、出来ません。今のわたしは武田家の当主、お館様なのですよ。」


「家臣達の主流意見に意を反する行為は、父上と同じに成ってしまいます。」


「その様な愚を犯す事は、武田家を変えようと決起をした、このわたしには出来ません。」


「結局の所は、今更ながら父上の言いたい事も正しかったのやも知れません。」


「お姉ちゃん・・・・・・」


「其処で貴女に頼みます。陸深、貴女は・・・いいえ、貴女をこれからキリヤ公国本国へと追放し、桐谷勇治殿に仕官を申し出なさい。」


「ええっ!!」


「武田家を生き残らせる為には、一族衆が一か所に居るのは良くありません。」


「今のキリヤ公国連合国は、国家の肥大化が進み、人材不足が更に進んで居ると聞きます。」


「今も人材募集はし続けて居るそうなのです。」


「其処で貴女をキリヤ公国へと渡らせ、其処で新たな武田家を立ち上げ為さい。」


「でもっ!!」


「これは・・・・貴女にしか出来ない事なの。お願いだからお姉ちゃんの言う事を聞いて欲しいのよ。」と武田・春夜は、涙目に成りながら妹である陸深に土下座をして居た。


「お姉ちゃん、其処までの覚悟なの?」


「本当ならば、武田家一門で武功と勲功を上げる事に優れ、何事にも要領よく出来る涼香にでも頼もうと思って居たのだけれども、以外にも・・・・自分の意見を言う事に戸惑いと大人しい面が強い貴女が、旗下の家臣団と領民達の意見を代弁するとは、何たる才能を持ってたのかと、驚きました。」


「・・・・・」


 陸深は、暫し考え、姉の覚悟を汲み取る事にした。


「・・・・分かったよ、お姉ちゃん。わたし、行くよ。」


「有り難うっ!!向こうに行くのに必要な物は全て送り出すわ。だから安心してお行きなさい。」


「有り難う。それで出発は?」


「準備が整い次第、今直ぐにでもお願い。」


「それと、この事を知って居るのは穴山の叔母上、それに春日と晴幸だけよ。」


「今、言った人たち以外には、迂闊な事は誰にも言ってはいけないわ。」


「分かった。」


「そして、今日貴女は、評定会議での話の続きがしたくて、私室に居るわたしの元へと尋ねて来たわたし達は、この場で大喧嘩をして物別れをし、敵に内通した疑いから貴女から南信濃と地位を取り上げ、追放処分とした・・・とします。」


「貴女に同行して行くのは直轄軍と一部の同行を希望した領民達だけとし、居残る国人衆達等は、穴山の叔母上と春日と晴幸たちに任せます。」


「後は追放される貴女は、北条の九江叔母上に預ける事とします。」


「九江叔母さんに?」


「三浦半島の三崎港から伊達領の仙台市に向かう商船が出て居るから、それに便乗してキリヤ公国本国へと向かいなさい。」


「それに九江叔母上も、娘達や息子達を預け入れた養子先の家々らが、彼の国に対して、主戦を論じている者達が多くて困って居る様子。」



「遠からず、叔母上もキリヤ公国本国・・・・桐谷勇治殿と接触を図る筈。」


「それにキリヤ公国本国へと渡航する為に、北信濃と上野国の買収をした一件で、先のアマテラス神皇国足柄幕府将軍王朝一三代目であった足柄・一輝様との繋がりも有ります。」


「この計画は一方的な事には成りませんから安心なさい。」



 こうして、武田・陸深は、当主である武田・春夜との激論の末に、内通の疑いを掛けられ、所領と南信濃城代司令官の役職を解かれ、国外追放とされてしまう。


 武田家家臣団に激震が走る一大事件と成ったが、これにより武田家家臣団の引き締めと成ったのも武田・春夜と穴山・梅林、高坂・春日と山本・晴幸と言った者達の一計が有ったからだと言われるのは、後の歴史書に書かれるまでのお話であった。


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