第100話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!!20
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6号車両・キリヤ公国・キリヤ公国宰相内閣府・閣僚御一行と書かれた車両を3つほど後ろに在るのは、10号車・立花家・島津姉妹御一行様とネームプレートに書かれた車両が在る。
このお召列車には、貨物室・食堂・バー専用車両・大浴場・客室乗務員専用の更衣室や事務所を含めた区画が在り、幾つかの客室を挟んで配置された構成と成って居る。
アマテラス九州平定征伐戦に措いて、命の取り合いをした立花3姉妹と島津姉妹らは、使用車両の割り当て都合での人数合わせとは言え、同じ車両に寝泊まりをする事になろうとは、運命とは何んとも皮肉且つ、奇縁と言う面白い巡り会わせとも言えるのだろうか。
立花家の立場として、雪花と紹子らは九州平定戦での出来事に関して、もう気にしては居ないと言って居るが、薫と弘美の二人の間は、何やら気まずい雰囲気と成って居た。
「雪花殿。紹子殿。先ずは戦国の世の習いとは言え、お二人には・・・・この場で謝罪をしたい。」
「弘美さん。良いのよ、もう本当に良いの。」
「そうだぞっ!!弘美っ!!お前に何時までも気にされて居たら、このわたしも気が滅入るからな。」と紹子は、互いに降伏勧告を送った仲なので、これ以上謝られても困ると言って居た。
「だから頭を上げてくれ・・・・」と平謝りをして居た弘美の手と肩を持って立ち上がらせた。
「しかし、私はお二人の命を・・・・・・・・・」と言い掛ける弘美。
雪花は無言で首を横に振る。
「もう良いのよ。貴女も私達も精一杯に戦って頑張ったわ。だから、もう良いのよ。」
「私達は生きて居る。お互いに勇治陛下のご家来に成れたのよ。」
「ううっ!!雪花殿・・・・・・」
(もう、弘美姉さんたら・・・・・・・)
(雪花姉様・・・・・・・)
妹達は、姉達の面倒臭く、その厄介な性格の姿を不思議そうに見て居た。
「弘美さん。」
「はい。」
「私達、立花一族は、貴女のお陰で伯爵自治領王家と成りました。」
「今度は貴女・・・・いいえ、島津家がもう一度大名王家に匹敵するお家を立ち上げられる様に奮起する番です。」
「・・・・・」
「その為ならば、この私に出来る事で、貴女達への協力は惜しみません。」
「平時に措いて功績は、内務にて手柄を、戦時下に措いての功績は、貴女達に出世できるだけの手柄を上げさせるだけの活躍の場を用意する最大値の根回しを・・・・・・・・・」
「私達は貴女達、島津姉妹の島津家再興に措けるお手伝いを立花家は全力でお助けします。」
「・・・・・・・・雪花殿。感謝します。私は必ずや島津家を再興して見せます。」
「堅苦しいな弘美。我らは好敵手であり、これからは同僚だ。殿呼びは要らない」と言う紹子。
「ではお二人の事を姉上と呼ばせて下さい。」
「姉上?」
「おいおい、このわたし達に、更に妹を増やす積りか?」と苦笑交じりに言う紹子。
「はいっ!!ご尊敬する雷神と風神の異名を持たられ居られるお二方なのです。」
「真名を呼ぶのに、そのままなのは恐れ多く。その・・・・」
「良いわ。」
「そうだな。まぁ、島津姉妹を妹にか、悪くない。」
「へぇ?・・・・と言う事は、私が一番年下ですか?」と聞く薫。
「違うわよ薫。」
「ああ、薫の下には我らの妹である衣恵与が最年少に成るから、辛うじて姉を名乗れるな。」と締め括る弘美。
「だが、衣恵与の奴がこの事を知ったら、どうなるかなぁ?」と更に苦笑する紹子。
「薫と張り合うでしょうね。紹子姉さん。」と苦笑交じりに毒を吐くのは、利美である。
「うーん、あの口生意気な衣恵与は、苦手なのです。」と薫は、毒舌を軽く吐きつつ、全員集合した時には、如何なるのだろうと、今から不安な気持ちでいっぱいと成る。
この夏休み旅行を切っ掛けにして、立花家と島津家の両家の姉妹は、弘美が立花の姉達を義姉妹と認める事と成った。
命の取り合いを経ての姉妹愛は、後世に伝わる美談として語り続けられる事に成る。
その後も両家は勇治を通じて、親戚関係と成り、益々その関係は強固な物へと発展して行く事にも成ったのだった。
因みに両家の義姉妹関係は、島津・久実・義久と立花・雪花・道雪が同格同士とされ、 次女が高橋・紹子・運紹。 三女が島津・弘美・義広。
四女が島津・利美・歳久。五女が立花・薫・宗茂。六女が島津・衣恵与・家久と成って居る。
後年に起きたマギアンティア世界各地で起きた戦争に措いて、この義姉妹達の名を聞かぬ戦は無かったと言う程の連携力に優れていた絆を持った姉妹達であった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月28日・午前8時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・公王都キリヤ駅・キリヤ公国・公王族専用車両発着ホーム内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
立花・島津姉妹らが先の九州平定戦での和解を無しつつ、交流を深めて行くと言うエピソードが産まれるて行く中で、16号車両・上杉家・キリヤ公国武士軍団・第一軍団御一行様でも、久々に上杉家の一家・家臣たち一同が勢揃いと成って居た。
「・・・・・・・・・」と黙り込む景勝。
口下手な彼は、もう18歳で大人なのに、相変わらず甥っ子である景勝を猫可愛がりする剣信は抱き付いて離さなかった。
「(うーん。甥っ子の景勝は、相変わらず可愛いなぁ・・・・・・)」と可愛いがる剣信。
姉である上杉綾からは、余り息子を甘やかすなと言われて居るが、彼女には苦労して産み落とし、手塩に掛ける様な子供が居ないので、甥っ子を当然の如く可愛がる悪癖があった。
だったら結婚して子供を作れば良いとも思うが、戦バカであり、越後の軍神または龍とも言われし、剣信のお眼鏡に適う男性は今の所は居らず、唯一近親者である景勝が上杉家の跡目を継ぐ事と成るのは当然の帰結と言えるのであった。
「相変わらずの甥っ子好きじゃのう。」と呆れる宇佐美・宇佐。
「仕方が無いっスよ。宇佐さん。景勝様が産まれてからと言う物。ずぅーーーーーーーーっと我が子の様に面倒を見続けて居るっスからね。」
「綾様が景勝様をお産みにならた時は、それはもう大はしゃぎして居ましたからね。」と当時の事を思い出しながら、にこやかに笑う直江・秋乃。
「ですが、アレでは口下手な景勝様が・・・・・・」と鋭い目付きだが物静かそうな小島・弥嶋が、景勝の事を心配そうに見ながらう言う。
「そうじゃのう。アレは他に気が逸れるまで抱き続けるアホじゃからな。」と主の行いに呆れる宇佐美・宇佐であった。
「さぁて、二人とも久し振りの再会したのですから、この際言って置きたいことが在ります。」と同僚達の話が終った所で、直江・秋乃は、久しぶりに会った姪っ子達に説教をしようと振り返る。
「ひいいぃぃーーーっ!!」と言う直江・愛華。
直江・秋乃・景綱は、久し振りに再会した姪っ子である二人に、お説教を開始するっ!!
直江・秋乃は、直江・愛華・兼継及び大国・七恵・実頼の双子姉妹の母親の姉方の叔母に当たる人物。
それぞれの親戚関係の事情から直江家と大国家へと養子に出され、実家である樋口家は二人の弟が継ぐ事に成って居る。
秋乃には子供無く、妹の娘を養子に迎える事でお家の存続を図ろうとして居たが、結婚願望は物凄く高く持って居るが、良い相手には恵まれず、生き遅れて居る事を非常に気にして居る。
この世界では20代半ばである事は、嫁の行き遅れと言う考えてしまう慣習が在るらしく、貰い手側から避けてしまう傾向が在る様だった。
そんな大事な姪っ子である二人は、この5ヶ月近くの間に目覚ましい活躍振りを諸外国に見せ付けて居た・
そう・・・・・見せ付けて居たのだが・・・・・其処はやはり、上杉家の家老職の先代を務めて居た叔母である直江・秋乃の目を誤魔化せなかった様だ。
「特に愛華っ!!」
「はいっ!!」
「公帝戦争から色々と見て居ましたが、お味方を扱き使い過ぎです。」
「苦情が出て居たら、景勝様だけでは無く。先代当主だった剣信様にまで、ご迷惑をお掛けするのですよっ!!」
「貴女達には代替わりをした、新たな上杉家を任せはしましたが、私が目を離して居ると思って、自分達だけが楽なやり方に傾倒し過ぎですっ!!」
「この私が軍部内で功労観察もして居るので、書面や戦場での上杉軍の動きを見れば、一目瞭然ですよっ!!」
「反省なさいっ!!」
「ううっ!!御免なさい義母上様。」とめっ!!と言う感じで、優しそうな顔立ちに温和な性格をしつつも、とてもけしからん巨乳を持って居り、ぱっつんな前髪と超ロングヘアーをして居るお姉さんは、姪っ子達に向かって、ぷんすかっ!と可愛く怒って居た。
剣信が当主だった先代時代の上杉軍では、采配の直江・秋乃・景綱と言われ、剣信旗下の武将では副軍師をして居る人物。
姪っ子の采配の目的が、何では在るのかを見抜くと共に、誤魔化しをすれば一発で見抜かれる事に成る。
当主交代で家老も世代交代をした最初こそ直江・秋乃は黙って居たが、この所続いて居た大戦での姪っ子二人の采配ぶりを見て、一喝を入れたくも無った様だった。
「それと七恵も、お姉ちゃんの言う事や行動に流され過ぎですっ!!」
「もっと自分に意見を持ち、それを言えるようにお成り為さいっ!!」
「御免なさい秋乃伯母さん・・・・・・」と反省させれる七恵。
七恵は、姉である愛華とは違って、自分から自己主張を余りしない子であった。
そのせいか、姉である愛華の意見や行動に何時も流される事が多かった。
これまでの戦場での活動は愛華が悪目立ちする形で手柄を上げては居るが、肝心な所は七恵が踏ん張って居ると言えた。
それをもっともっと主張すれば良いのに、一歩下がった様な事ばかりが目立って居たから、秋乃に叱られてしまって居る。
「こっちも大概じゃのう・・・・」と直江家一家の説教姿を呆れる宇佐美・宇佐であった。
秋乃は親元を離れて暮らす姉妹の親代わり、二人の実母である妹からは、くれぐれも娘達を甘やかすなと頼まれて居るので、英才教育にはとても気を使って居るのであった。
その後も15分の説教をした後に、褒める事も忘れない秋乃は、母親の素質だげては無くお姉さんの素質も見せ付けて居た様である。