第94話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 14
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月27日・午前13時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
午前の部を終えた勇治達は、再び公王執務室に集まる。
午後から面談相手は、チョッと変わったアマテラス神皇国の姫武将達との対談と成って居た。
龍造寺・信美・信隆旗下の独立自治権限を持った小大名王家2家が、龍造寺家のキリヤ公国本国への直臣へと取り立てられる事を契機に、独立自治支藩王国と成って、独立がしたいと外務大臣である結城・梅晴を通して、キリヤ公国宰相内閣府申し入れをして来て居た。
そんなスケジュールと成って居る午後も、引き続き秘書官である雪花と晴陽のコンビらによって案内されて来た面会人とは言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「失礼する。」
「失礼致します。」
入室して来たのは、ウェーブが掛かった黒髪のロングヘアー、175センチの大柄な体型を持ったナイスバディ身体つきの女性とサラサラした感じの黒髪のロングヘアーで、165センチのやや背の高い身体つきを持ったナイスバディ身体つきの女性。
何れもキリヤ公国連合国内に属する首長・幹部官僚らに措いても、確実に大人の色香を持ち合わせた美女に分類される者達である。
「「桐谷勇治陛下、並びにキリヤ公国本国政府のご重鎮のお歴々の方々。」」
「ご前に居りますアタシが、アマテラス神皇国・九州地方・肥前国・西北部の平戸地方の松浦領を治める国主。松浦・知恵・隆信と申す。」
「わたくしはアマテラス神皇国・九州地方・肥前国・彼杵地方が国主。」
「大村・菫・純忠と申しまする。」
「「以後、お見知り置き下さい。」」
見目麗しいこの女性達は、何れもアマテラス神皇国・九州地方・肥前国南西部を拠点に置く海賊大名王達である。
先の九州地方戦役に措いて、里見艦隊と小早川艦隊は、指揮下に入った龍造寺家の与力国衆大名王家軍である松浦党水軍と大村党水軍らの軍勢は、天草諸島地方及び八代湾海域に立て籠もる島津軍を三日掛けて制圧して行く作戦に参加して居た。
戦後に成って名付けられた島原・天草沖海戦と呼称される戦での戦功が著しいとキリヤ公国本国政府とキリヤ公国・国防総省から見られ、報奨の他に何か望みが在れば叶えると勇治は申し入れをして居た。
其処でこの2名は、勇治旗下の海軍将校と成り、直臣与力大名と成って独立がしたいと述べていた。
勇治に取って、この二人からの申し出は正に船団持った大名王家だけに、渡りに船と言った申し出と言えたのである。
それは何故かと言うと、今現在のキリヤ公国本国海軍は、勇治旗下の護衛艦隊旗艦である特戦空母・出雲と近衛護衛艦隊、それに安房国・下総国の大名王であった里見・七香・由堯旗下の地方艦隊たる里見艦隊しか無いのである。
遠征軍として派遣される艦隊には、先に述べているキリヤ公国本国の里見艦隊と連合加盟国である毛利家の小早川艦隊の2セットの艦隊しか無いのである。
それにナデシコ自治統合海軍も強力な艦隊であるので、元々地球西暦2020年代様式海軍艦隊であるキリヤ公国本国海軍の増強は、人手不足を理由に後回しに成ってしまって居た。
そんな訳で、勇治が直営随伴の直属艦隊として、応援して貰って居るのが、連合艦隊を組む毛利独立自治安芸藩王国海軍たる小早川艦隊だった。
小早川艦隊も海軍創設されたばかりなので、艦艇数が極端に少ない。
しかしながら、最近に成って小早川艦隊の方も徐々にだが、艦艇数を増加させてきたらしい。
重巡洋艦1・巡洋艦2隻・駆逐艦4隻を基準にした艦隊を2艦隊を増加させる事に成った。
毛利独立自治安芸藩王国海軍司令官である小早川・隆美旗下の艦隊を小早川第一艦隊とし、第二艦隊と第三艦隊を創設する。
そんな話を聞いて居た勇治は、そろそろ自分の本国海軍艦隊の方も増やさないとなぁ~と感じて居た。
だが人員不足は如何ともし難い。
そんな所に海賊姫大名からの臣下の礼を取りたいとの申し入れである。
これは喜ばずには居られようかと言った感じであった。
「御二人とも龍造寺家の与力国衆大名王家であるにも関わらず、其処から独立すると共に、僕とキリヤ公国本国へと移籍を希望するとの事ですが、その意思に変わりは在りませんか?」
「はっ!先の九州地方戦役に措ける勇治陛下とキリヤ公国本国中央政府からの多大なるご支援を賜り、この松浦・知恵・隆信は、このご恩返しを直接勇治陛下とキリヤ公国へとお返しがしたく存じます。」
「大村・菫・純忠も右に同じく。」
淡々と勇治から質問に対して、松浦・知恵と大村・菫の両名は、丸でカンペに掛かれて居る様な台詞を答える。
「本音は?」
「はっ!正直に言いますと、キリヤ公国連合国で運用されて居るあの鉄鋼船が欲しく成りました。」
「ですが、我らにはアレを買えるだけの財力が御座いません。」
「手っ取り早く手に入れるには、陛下に臣従するが一番の近道かと・・・・・・・・・・」
「今現在の陛下旗下の海軍は、里見艦隊のみ。人員不足と聞き及んで居りますわ。」
「今なら船戦と貿易事業に手慣れた人材が・・・・」
「美女二人の当主付きでお仕えしますわ。」と二人は、それぞれの性格風に沿ったセクシーポーズを取って、アピールをする。
「貴様らっ!最初に言って置くが、この勇治は色事にはまだまだ疎い。その様なあざとい色仕掛けは不発に終わるから、程々にして置けよっ!」と忠告する一輝。
「一輝さま。これは冗談半分ですので、お気になさらず。」
「ええ、何でしたら、このま寝所に連れ込まれても、無抵抗で運命を受け入れますわ。」てな具合に、松浦・知恵と大村・菫のコンビは、半ば冗談とも本気とも言える答弁を言いつつ、目の前に居る首脳陣たちを揶揄う余裕を見せて居た。
「はぁ~、勇治。さっさと決めないと既成事実が増えるわ。」と呆れて物言いを言うリィーゼ。
「変わっては居るが、海賊大名と言うのは自由気ままな奴らだからな。一々冗談半分を真に受けて居たら切りが無い」と梅晴を言う。
「良いでしょう。貴女達を海軍艦隊の一艦隊つづ率いる司令官として迎え入れ、御二人のお力を見せて頂きます。」
「里見艦隊の規模と同様の艦隊、重巡洋艦を旗艦とし、巡洋艦2隻、駆逐艦4隻。計七隻から成るキリヤ公国本国海軍の地方艦隊をそれぞれにお任せしてみようと思います。」
「ですが、里見・七香さんと違って、御二人は地方大名王でも在ります。」
「所領の政務を放り出されまで、此方に来られるのも不味いので、キリヤ公国連合国政府官庁夏休み期間明けに、建造中のナデシコ型改良艦艇タイプの地方艦隊をそれぞれ各々ご領地にて、受けた渡す事にします。」
「それとキリヤ公国連合国中央政府とアマテラス織田自治神皇国政府との間で計画されて居るアマテラス神皇国の大名王家移転転封政策計画により、松浦家と大村家の両家共に、キリヤ公国連合国傘下に入る事に成ります。」
「ですので、龍造寺家共々我が国が進退を預かり、移転先が決定されるまので間は、御二人が治める現領国の委任統治を命じる事にします。」
「ご両名とも、この内容で宜しいでしょうか?」
「はっ!!この上なく好条件と思われます。」
「我が君の御意の儘に・・・・・・」
勇治は決定された内容を纏めた書類を雪花と晴陽達に作成させ居たので、二人が秘書官室から現れると、松浦・知恵と大村・菫の二人に控え書類を含めた2通在る書類を手渡すと、その内容をしっかりと確認し、勇治と一輝、リィーゼと梅晴らが署名し、最後に勇治の割印式のハンコが押される。
次に松浦・知恵と大村・菫の二人も2通の書類にサインをして、割印式のハンコを押して、手続きが完了する。
海賊姫大名の二人は、予想された結果以上の成果を得た事で、満面の笑みで公王執務官邸から退出して行ったのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月27日・午前13時40分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松浦・知恵と大村・菫の二人は、思った以上の成果を得られたと、大満足をしながら、勇治達の居る公王執務室から退出する。
外へと続いて居る廊下を歩いて居ると、足柄二つ引紋と赤鳥紋の家紋が入ったアマテラス式の高価な着物を着て居り、それで居て艶やかな黒髪のロングヘアーを靡かせた顔立ちの綺麗な姫武士が一人。
その後ろには、眼鏡を掛けた黒髪のロングヘアースタイルの生真面目そうな顔付きをしたお姉さんとショートカットヘアースタイルのツリ目の顔立ちに、大柄な身体付きをして居る姫武士を付き従えて勇治達の居る公王執務室方へと向かう所をすれ違う。
それらを見た松浦・知恵と大村・菫の二人は、ハッとした顔付きで振り返る。
「今の見たか?菫。」
「ええ、アレは噂に聞く没落した今川家の今川・鞠華・氏真殿ね。」
「今は確か、徳川家の食客将で居る筈よ。」
「アタシもそう聞いて居る。我らも参戦した九州戦役では、徳川家傘下の3000人の遊撃軍として参加し、他の連合軍から派遣された遊撃戦部隊と共に、目覚ましい戦果を挙げたともな。」
「その今川・氏真殿が勇治陛下らに、何の呼び出しを受けたのだろうか?」
「分からないわね。もう、アマテラス神皇国内ではキリヤ公国連合国に楯突く様な勢力は、武田と・・・・まさか?!」
「知恵っ!!」
「ああ、分かって居る。我が主君、勇治陛下と先の将軍王、足柄・一輝さまらのお考え在っての事なのだろう。」
「この事は他言無用だな。」
「ええ、事が公に成り、真相がハッキリとするまでの間は、見なかった事にして置きましょう。」
頭の切れる聡い海賊姫大名である二人は、勇治と一輝らの顔を立てる意味も考えて、キリヤ公国・公王執務官邸で見聞きした事を秘する事にしたのであった。
一方の勇治達は、公王執務官邸に現れた珍客を出迎える。
「お初にお目にかかりますわ勇治様。わたくしが、嘗ては三河国・遠江国・駿河国を治めて居た元大名王家、現今川家当主を継いだ、今川・鞠華・氏真ですわ。」
「後ろに控えて居ますのは、我が旧友にして、今川家に代々使えて来た旧臣一族の末裔にして、このわたくし様な盆暗姫当主に仕えてくれて居る唯一無二の忠臣たちですの。」
今川・鞠華は、控えて居た二人を皮肉った物言いで紹介し終えると、武田家による駿河国侵攻により崩壊した今川家家臣の生き残りである朝比奈・保美・泰勝と岡部・七未・正綱の両名も礼節を以って勇治らに対して、深々とお辞儀をする。
「皆さん、堅苦しい挨拶は、その辺で構いません。」
「この度、今川家の皆さんを呼び出したのは、其処に居る一輝さんなのですから・・・・・・・」と言った勇治は、その視線を一輝の方へと目をやる。
「その通りだ。久し振りだな鞠華。最後に会ったのは確か・・・・」
「半年くらい前の5月ですわ。平庵京・足柄将軍王御所殿でお花見会の席が最後でしたわね。」
「そうだったな。その後に勇治に誘われて、此処に来たからな。鞠華とはそれ切りに成ってしまった。」
「御二人のその様子を見て居ますと、親しい間柄の様ですね。」と聞く勇治。
「ああ、その通りだ。」
「今川家はな。足柄家から枝分かれした遠縁の親戚関係在ると共に、私と鞠華との関係はな。義姉妹を結んだ母親同士の子である為、義理の従姉妹同士に当たるんだ。」
「ええ、戦乱の時代を迎えているアマテラス神皇国でしたけど、今川家と足柄将軍王家とは、良い誼の間柄でしたので、少数精鋭の護衛と共に上洛して年賀の挨拶も欠かさなかったものですもの。」
そう、足柄・一輝・宗輝と今川・鞠華・氏真の二人は、母親たちである足利・阿子・義晴と今川(北条)早紀姫の二人は、血縁関係には無いが、遠縁の親戚関係であり、初めての挨拶をした時からお互いに、とても気が合う事から、義姉妹を結び贈り物と文通をし合う親友関係にある。
そんな二人の娘たちである足柄・一輝と今川・鞠華の二人は、母親との関係が在るの為に、義理の従姉妹同士に当たるのだった。
「その義本殿も将軍王家を盛り立て事を目的に、上洛平定軍を起こしたが・・・・・・・」
「あの織田・和紗殿にまんまと討ち取られ、我が家は武田家・徳川家に身体をズタズタに喰われて、遭えなく崩壊してしましたわ。」
「その割には、しぶとく生き残って居るでは無いか?」と皮肉る一輝。
「ええ、何故かわたくしは昔から運だけは良い方ですから・・・・・・・・」と自虐的に己を皮肉る事でクスリと笑いを周囲から誘う鞠華。
その皮肉りたくも成る今川・鞠華には、アマテラス戦国時代に措いて、とある理由からしぶとく生き残ると言う摩訶不思議な天性の星の元に生まれて居ると囁かれて居た
今川・鞠華と言う姫武将は、何かと金が無い事を忌々しいと言って居るが、類い稀なる幸運の持ち主で、どんな博打を打っても必ず当てる程に運が良く、そのせいか死にそうな目に遭っても、ちゃっかりと生き残る図太さを持ち合わせて居る。
その為に自前で稼いだ軍資金で500人から千人程度の軍隊を招集する事が可能で、時たま徳川家の加勢に出向いて、報奨金を稼いで居ると言う幸運の持ち主で在ったりする。
「さて、世間話はこれくらいにして、お前達を呼び出した本題に入ろう。」と一輝は、今川・鞠華達、旧大名王家たる今川家一党を公王執務官邸へと呼び出した本題へと移る。
「一応、鞠華達を呼び出した表向きの理由として、先の九州戦役での武功の申し渡しとして居るから、鞠華達もその積りで通してくれ。」
「分かりましたわ。」と答えると朝比奈・保美・と岡部・七未・の両名も頷く事で了承と答えて居た。
「お前達を呼んだのは他でもない。」
「伊達の小娘めは北条家への・・・・・・当主北条・九江・早雲への説得工作に失敗した。」
「武田家、延いては武田・春夜・信玄は、アマテラス織田自治神皇国を打倒し、アマテラス神皇国の将軍王と成る方針を諦めては居ない様だ。」
「しかしながら・・・・・・」と一輝が言い掛けた時である。
「無理ですわね。凡庸な才であるわたくしですら判る事ですもの。」と鞠華は言い当てる何の様に締め括る。
「全く以ってその通りだな。」
「これがキリヤ公国連合国が建国されなければ、良い勝負だった筈だと、この私ですら考えるだろう。」
「其処でだ。お前達には徳川家客将として、駿河国内の今川家旧臣達の切り崩しと、武田家の動きの監視だ。」
「それと甲相駿三国同盟で縁者と成った伯母である北条・九江・早雲を何としてでも、此処に居る勇治の前へと引き釣りだしてくれ。」
「九江伯母さまをですか?あの御方は変な所で、親戚付き合いに措いては、とても義理堅いお方ですから、勇治陛下の御前へと御出で頂くには、それ相応の条件次第ですわね。」
因みに甲相駿三国同盟とは何かと言うと。
武田家・北条家・今川家らが、それぞれの理由で相争って居た事を解消し、各々目的と敵対勢力と戦う為に編み出された苦肉の同盟国計画のこと。
武田信虎の弟である武田信友を北条・九江・早雲の婿に迎え、北条・九江の妹である早紀姫を今川義本の嫁入りさせ、最後に今川義本の妹である今川瑞穂を武田信虎に嫁入りさせた。
そんな訳で武田家・北条家・今川家の三家らは親戚同士である。
その柵からキリヤ公国連合国・アマテラス織田自治神皇国と対立する武田家を見捨てられずに居る北条・九江なのである。
「僕としても、武田家・北条家をキリヤ公国連合国の力でねじ伏せるのは簡単な事なのですが、出来るならば融和路線で両家を無力化させたい所なんですね。」
「其処で北条・九江・早雲さんを僕に引き合わせてくれませんか?」
「会って話せば、無駄な戦が避けられるかも知れませんので・・・・・・・」
「分かりましたわ。勇治様の御心に適う様に、この今川・鞠華・氏真っ!微力ながらお力添えさせて頂きますわっ!!」と締めくくる鞠華。
「鞠華。この仕事が上手く行ったのならば、私と勇治としては、お前の事を小さいながら小国の支藩王に取り立てる話も検討して居る。」
「それはそれで魅力的なお話ですわね。益々お役目を励みませんとねっ!」
「そのお話は有り難くお受け致しますわ。」
「この計画は、キリヤ公国連合国省官庁・夏休み期間が明けてから、行動を開始して欲しい。それに関する経費は、キリヤ公国連合国中央政府が受け持つ。余程の無茶な無駄遣いをしなければ、大概な事は大目に見る積りだ。」
「了解しまたわ。」
その後鞠華は、九州戦役での報酬を受け取り、二人の忠臣達と共に丁寧なお辞儀をしてから退席して行くのであった。
公王執務室から退出した鞠華らは、暫く廊下を歩いた所で、朝比奈・保美が話始めた。
「やったわね、鞠華っ!」
「ああ、保美の言うとおりだ。これで今川家の再興も叶う。」
「お二人とも、甘いですわよ。」と言う鞠華は、旧友である二人を窘めた。
「これ一輝姉さまからのお情け、そして好き勝手に動いて居るわたくしへの監視でも在りますわ。」
「監視とは・・・・・人聞きの悪い。鞠華は生活費を稼ぐために、幼馴染みであり、居候でもある我らは、かつて太原雪斎門下の同門でもあった徳川・千代殿のお手伝いをする事で、徳川家中にも迷惑を掛けない様に努めて居ると言うのにっ!」
「その通りだ。一輝さまは何をお考えなのだ?」
「武田家への監視と工作。そして北条家への裏工作と九江伯母さまを勇治さまに、引き会わせる任務の依頼は、本音なのでしょう。」
「ですが、このわたくしが大名王家として今川家の看板を下ろして居るとは言え、キリヤ公国連合国傘下の国々で無位無官で働き過ぎるのも、そろそろ悪目立ちが過ぎると言いたいのでは無いでしょうか?」
「では、この度の事は、単に鞠華が嘱託武将として働き過ぎて居るから、そろそろ何所かに腰を落ち着けろとの事なのか?」
「ええ、その通りなのでしょうね。わたくしとしては、今川家の代はこのわたくし自身一代限りで終わりと思って居ましたが、思わぬ幸運が舞い込みましたわ。」
「上手くすれば、奥閨室後宮へと上がれる事も在り得るかも知れません。」
「何とっ!鞠華が勇治陛下の後宮に上がるのか?」と驚く岡部・七未。
「それ分かりませんですけど、わたくしの見立てでは、何れ勇治さまは、キリヤ公国本国と連合国傘下国々と共に、巨大な大国を建国を為されると見て居ますわ。」
「当然ながら、勇治様を盟主と仰ぐ、中央政府の首脳陣と幹部官僚。」
「そして、連合国傘下の地方自治国家の有力者の方々の多くには、見目麗しい女性の方々で占められて居ますわ。」
「勇治さまがキリヤ公国と連合国加盟国の安定的な統治をして行くには、しっかりした後継者制度と統治機構に加え、知己を得て、親しい間柄と成った女性達とのお子が必須。」
「何れ勇治さまがお年頃を迎えれば、そんな女性の方々にお種を蒔き為られる事は必然と言えるでしょうね。」
「あの一輝お姉さまも、未だにご結婚のお相手が居ないと成ると、キリヤ公国本国での足柄家の地位を盤石な物とする為にも、勇治さまとのお子は必須に成って来る筈。」
「それがこの世界での王侯貴族に措ける統治機構の力の源でも在りますしね。」
「なるほどね。と言う事は、鞠華もその覚悟を決意したと言う事なのね?」
「自分で見当たらないと言うならば、力を持った有力者に少しでも認められて、そのお方とのお子を為すのが、高貴な身分を持った偽政者として勤め。」
「さぁ、これから忙しく成りますわよっ!二人ともっ!」と張り切って行く鞠華であった。
この後今川家一党らは、アマテラス平定戦での役割を果たした後に、徳川家公邸の屋敷守番として移り住み、その後はちゃっかりとキリヤ公国の官僚に収まり、勇治のお妾と成って子孫繫栄に成功して居たりするのであった。
本当に図太い奴らである。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月27日・午前14時45分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今川家一党らとの個人面談を終えた勇治は、最後の面会予定者と対談する。
何だかんだで、面談予定が延びてしまった人物。
コンコンと公王執務室のドアをノックする音が鳴り響く。
今回は雪花と晴陽のコンビの案内は無い。
それはこれが勇治個人の面会予定者だからだ。
「初めましてだね。少年王君。」
「ええ、初めまして神宮寺舞夏さん。」
二人切りで対面した二人は、テーブルを挟んで向かい合う。
挨拶を終えた舞夏は、直ぐに敬礼をして辞令通りの文面を勇治に述べる。
「本日より、新トウキョウ地方自治州区国防自衛軍中央司令部直属・国防軍都市特務防衛隊・ブレイブ・ガード・フォース隊は、キリヤ公国連合国・公王都キリヤ市中央本部を設置し、その活動を始動させます。」
「付きましては、公王都キリヤ市中央本部には、第一部隊・マイカ・カイザーズ隊を派遣し、その総司令官もこの地に移り、総指揮を執る事に成りましたっ!!」
「了解して居ます。キリヤ公国連合国での舞夏さんとブレイブ・ガード・フォース隊のご活躍に期待します。」
この日、舞夏がキリヤ城へとやって来たのは、公王都キリヤ市中央本部への着任挨拶の為である。
ブレイブ・ガード・フォース隊がキリヤ公国連合国内でやって行くのならば、首都である公王都キリヤ市にも拠点が必要に成り、ブレイブ・ガード・フォース隊のキリヤ公国連合国・公王都キリヤ市・キリヤ公国連合中央本部の立ち上げもしなければ成らなかった。
ブレイブ・ガード・フォース隊の総合本部は、新トウキョウ湾岸海洋市と成って居るが、キリヤ公国連合国軍との連携も必要に成る。
そんな事から、ブレイブ・ガード・フォース隊の動きが直ぐに伝達される様にと、新たに所管する事に成ったキリヤ公国連合国・国防総省は、連合国首都本部の設置に踏み切ったのである。
この時の様子を振り返った神宮寺舞夏は、初めて会った勇治の事を弟君みたいな男の子と評して居た。
「さてと、形式的なお話は此処まです。」
「所で舞夏さんの夏休みのご予定は?」
「うーん・・・・・それが、まだなんだよね。ブレイブ・ガード・フォース隊と稼業の方のお仕事は、粗方片付いて居るんだげと・・・・・・・・・」
「だったら、僕たちと行きませんか?列車旅行と船旅を合わせた ユーラシアン大陸南部地方の各所を回る長期旅行と成って居ます。」
「ふーん。うん。良いよっ!!」
「君とは色々と仲良くして置きたいしね。」
「それにユーラシアン大陸南部地方を周るのも神宮寺重工業としては、必要な事にも成るしね。」
「それは良かった。では舞夏さんに同行したいと言う参加者を後でキリヤ公国宰相内閣府の秘書官室へと言って置いて下さい。」
「此方で必要な手配をして置きますので・・・・・・・・・・・・・」
「りょーうかーーいっ!!」と言いつつ、舞夏との初面会は終わった。
これにて勇治とキリヤ公国中央政府が抱えて居た諸問題を片付け終わった事に成る。
勇治と女の子達との初めて夏休みが始まろうとして居た・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・