第92話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 12
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前13時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大友家と立花家の面会は、色々と思いの外・・・長引いたので、お昼休みを挟んで、残りの面会予定をする事にした4人。
特に大友・須江・奏麟と言う姫大名は、単なる旧家のお嬢様では無く。
人の出来た人柄であったと言う事も分かり、決して暗愚な人物では無かった様だと勇治もキリヤ公国宰相内閣府の主要メンバーである3人も満足して居た。
だが、それだけに九州地方平定征伐戦で戸次川の戦いでの敗戦は残念で成らないとも言える。
家臣たちの意見を聞き入れての判断ミスは、大友家の存続を危うくさせたと言う面から見たと場合、大友・須江と言う人物の事をABCランクで、格付けチェックで表す場合は、Cランクと言った所に成るだろう。
さて、大友家の話は此処までにして、次なる議題へと移る事にする。
次なる人物はアマテラス中でも特に面倒くさいと言える人物であった。
それはアマテラス地方の治世の能臣、乱世の奸雄と謳われる松永・真澄・久秀。
細川家・三好家・織田家と使える家々を事在る毎に渡り歩く節操の無い灰色女狐と言われ、趣味は茶道を含めた数寄物の収集で、自力で商売をもする変わり者の姫武将。
元は商家の娘だったが、16歳の頃から妖艶な雰囲気を醸し出すほどに褐色肌を持ったナイスバディな身体つきとウェーブが掛かった黒髪のロングヘアーを靡かせた妖艶そうな大人の色香を持った姿に成った。
それに近づく男達を手玉に取って、高い地位を得て来た。
明智・十華とは、彼女が斎藤家内乱に遭い、主であった道三を失って、越前国へと落ち延び。
日々の暮らしにも困って居た浪人時代の時に、朝倉家のお使いで訪れた堺市にて、出会った事が切っ掛けで、事在る毎に手伝い仕事をして居る関係であった。
今は明智家の仲介で織田家に従って居るが、アマテラス織田自治神皇国が立ち上がって暫くすると、今度はキリヤ公国の公王である勇治に頭を下げて、直臣に成りたい申し出て来て居た。
何を思っての事なのかを問いただすことも在り、勇治は採用面接を兼ねて松永・真澄と会う事にした。
4人がキリヤ公国・公王執務官邸内で席に着くと、コンコンと公王執務室のドアにノック音が鳴り響く。
「どうぞっ!!」
テーブルを挟んだ西側の席隣り近くの戸が開かれる。
開かれたドアから見えたのは、妖艶な雰囲気を醸し出すほどに褐色肌を持ったナイスバディな身体つき。
それに加えてウェーブが掛かった黒髪のロングヘアーを靡かせ、妖艶そうな大人の色香を持った女性が現れた。
「失礼を致します。」
「松永・真澄・久秀。桐谷勇治陛下とキリヤ公国宰相内閣府の召喚により、此処に参上を致しました。」
「ご苦労様です。お席にどうぞ。」
「痛み入ります。」と席に着く松永・真澄。
一輝は鋭い睨みで松永・真澄を警戒して居た。
何故ならば、アマテラス皇国足柄幕府将軍王朝の管領職を勤めて居た細川元晴が、将軍王だった一輝を傀儡として政権を欲しいままにしていた頃の事である。
三好・慶香・長慶の家臣だった松永・真澄は、主家の目的であるアマテラス皇国足柄幕府将軍王朝の復権、足柄・一輝・宗輝を頂点とする幕藩体制を復活させる。
その為も細川元晴を討ち取ろうと、様々な手口を画策。
事によっては一輝すら亡き者にして、新しい将軍王を擁立させ、新将軍王政権を新生させようとも、個人的に目論んで居たからである。
そんな危険思想を持った松永・真澄が、織田家での出世では無く。
キリヤ公国本国での仕官を望むとは、どう言う心の変わり様なのかと・・・・・一輝は思って居たのであった。
「さぁて、久秀さん。」
「真名の真澄で構いません。勇治陛下。」
「わたくしは、これから貴方様に臣下の礼を取ろうと言うです。」
「そのお方に大事な姫武士としての忌み名である真名をお預けするのは、当然のこと。」
「どうぞ、わたくしの真名をお好きお呼び下さい。」と真澄は言う。
姫大名・姫武将・姫武士。
全てひっくるめて女性の武士の事を指して居るが、それらを指している地位は次の通りに成って居る。
女性大名の事を姫大名と言う。
戦場に出て居る又は、大名王家所属して居る足軽大将以上の女性の事を姫武将と言って居る。
女性の侍の事を姫武士と言うが、これは基本的に誰でも名乗れるが、公的な身分の場合は、大名王家に仕官する事で身分が保障される。
しかしながら、キリヤ公国が中心と成ったキリヤ公国連合国へと加盟したアマテラス神皇国系の大名王家を筆頭に、キリヤ公国連合国・爵位13階位貴族爵位制度法を施行した事により、武士爵位が定着。
それまで武士に認定されて居る武士達は、それぞれの自治藩王国・自治王国から武士爵位認定証が交付され、武士と言う身分が保障され、何某かの役職持ちと成って居る。
それ以外は平役人扱いか平軍人扱いと成って居る。
そもそも姫武士とは、アマテラス神皇国内で、女性が何らかの理由で武器を以って身を立てる者の事を指した人物達の総称である。
それ以外では武家の跡継ぎが女性だった場合である時に、姫武士とするのが決まりと成って居る。
アマテラス神皇国内では、男女問わず長子が跡継ぎと成る関係から、女性が武士と成る事も珍しくないのである。
姫武士に付いての話は此処で終わりにして、場面を勇治と松永・真澄との対面に戻そう。
勇治は、松永・真澄の真名を呼ぶ事を本人から許された。
これは本気で勇治に使えたいと言う意思の表れとも受け取れた。
だが相手は、松永弾正忠久秀と似たようなパラレルワールドの繋がりを持った様な名を関して居る松永・真澄・久秀である。
その腹の中には、何を隠して居ると言うのだろうか?
「分かりました真澄さん。」
「貴女は織田家の与力大名王として、明智家の傘下に在りました。」
「その地位を返上してまで、キリヤ公国本国政府に仕官したいとは、如何言った心境の変化が在ったのでしょうか?」
「はい。わたくしは幼いころより海外商業交易を商う商家の生まれで在りました。」
「ですが、その頃のアマテラス神皇国内は、もっと酷い戦乱の時代でも在りました。」
「わたくしが10代の半ばに成ると、堺の商家の有力者の娘と言う事で、武家であった河内国の松永家へと無理やりに嫁に出されたのです。」
「わたしは嫌々ながらも、15歳も歳の離れた男と寝屋を共にし・・・・・・・病死に見せかけて毒殺してやりました。」
突如として昔語りをし始めた真澄の話を聞いて、その場に居る一同は絶句する。
「わたくしは前夫の子を孕んだかもしれないと言いつつ、松永家を徐々に乗っ取り、己の都合の良い家臣達で固めて、何時しか古くから仕えて居た者どもを謀殺し、松永家を完全に我が者としたのです。」
松永・真澄・久秀が別名家々を裏切り乗り換える灰色女狐、又は男喰らいの女郎蜘蛛とも言われて居た。
その理由として、生きる為に男に抱かれ、その高い地位に在る当主・有力者の男達を巧みに色香で騙して、謀殺して居ると言う噂が在るからである。
だが、此処に来て、その噂話が真実で在った事を勇治達は、知ったのであった。
「松永家を乗っ取りを果たしたわたくしは、つくづく世の中の腐敗ぶりに嫌気が指して居ました。」
「身を守る為に、この身体を使って、様々な謀略をこなし、時には細川家・三好家と言った有能な大名王家をも利用して来ました。」
「ある日、思ったのです。誰がこんな世の中にしたのだと・・・・・・・」
「其処でわたくしは在る事を思い付きました。」
「アマテラス神皇国に天下静謐にする為には、如何したら良いのかとね。」
「まぁ、一輝様や和紗様の様な小奇麗なやり方では、無かった事は確かですわ。」
「それでこの私を・・・・・」と一輝は言いかけた。
「ふふふふ、ふはははははっ!!懐かしいですわね。一輝様・・・・・」と笑いながら真澄は平然として居た。
それは細川家・三好家とが足柄幕府王朝の政権を巡って争って居た頃の話である。
アマテラス皇国足柄幕府将軍王朝の管領職を勤めて居た細川元晴軍と細川家から一部の領地を任せる守護代職と言う官職を務めて居た三好・慶香・長慶。
彼女は三好家に与するフリをしながらも、三好・慶香の率いる勢力軍勢と細川勢力軍とが、機内で壮絶な戦いを繰り広げさせられ様に暗躍をして居たのである。
真澄は、巧みにその両者の間を手玉に取り、首都の皇都・平庵京・足柄将軍王御所殿を両軍に襲わせたのである。
細川と三好の両者の目的は、アマテラス皇国足柄幕府将軍王朝一三代目の足柄・一輝・宗輝の身柄の確保であった。
それに乗じて真澄は、新しい世の中を自分自身の意のままに成る様にする為、一輝を暗殺し、従姉妹の足柄・栄花・義栄を擁立させようと目論んで居た。
だが、一輝は寸での所で塚原・伝江・朴伝を始めとする味方に助けられた。
そして、兼ねてから助けると言って来て居た織田・和紗の元へと脱出し、織田軍を筆頭にして、徳川軍・浅井軍・朽木軍・若狭武田軍・筒井軍の連合軍が一斉に山城国に在るアマテラス神皇国の首都・平庵京へと進軍。
元晴と戦った上洛平定連合軍は、三好家・松永家を下し、山城国・北西部に位置して居る将軍山城へと落ちて行く。
機会を見て、本拠地である丹波国・亀山城へと退却し、態勢を整える積りで居たが、同地ににて討ち取られたと言う。
一輝は、上新生足柄幕府王朝政権上洛平定連合軍の手を借りて、首都の皇都・平庵京を奪還したのだった。
これが世に言う足柄将軍王御所殿の乱と言われる政権戦争の顛末であった。
「・・・・・・・」と一輝は、昔の腹立たしい想いをさせられた事を思い出し、その怒りから、腰に下げて居る太刀に、手を掛け所を梅晴に止められた。
(?!梅晴っ!!)
(一輝様。先の将軍王、そしてキリヤ公国連合国・国防大臣である貴女が、感情に任せて斬って良い相手では在りませんっ!!)と睨みつける様にして、小声で言う梅晴。
(この手の手合いは、狂楽に酔いしれて居ると見えると思われますが、実は真面目と言う側面をも持って居る。)
(狂楽の酔い狂うのにも、其れなりの理由が在る筈。)
(一輝様、貴女と勇治陛下、延いてはキリヤ公国連合国は、彼女に試されて居るのです。)
(・・・・・済まない梅晴。昔の・・・・・・足柄将軍王御所殿の乱での事のせいで、我を忘れる所だった)と一輝は梅晴のお陰で、冷静さを取り戻した。
梅晴は歴戦の小大名王家の姫大名当主をして居たので、これくらいの事で冷静さを欠いたりはしないのである。
足柄将軍王御所殿の乱で一輝は、真澄の謀略で殺され掛けた事を恨んで居るのでは無く、そのやり方が許せないから、真澄に斬り掛かろうとしたのであった。
「話は聞いて居ます。和紗ねぇと一輝さんも含めた足柄将軍王御所殿の乱に関わる事情聴取を取った結果。」
「あの乱の首謀者は、松永・真澄・久秀その人であるとの事。」
「その結果、細川元晴は、いの一番に御所に攻め入り、三好・慶香・長慶は下京区で細川軍と交戦。」
「ですが、その時点で塚原・伝江さんを中心とした足柄家譜代家臣達による脱出計画で、難を逃れた一輝さんと足柄一族は、近江国を経由して美濃国入りし、和紗ねぇに助けを求めた。」
「錦の御旗を手にした新生足柄幕府王朝政権上洛平定連合軍は、細川に与する機内諸国諸侯連合軍を12万にと言う軍勢で蹴散らし、皇都・平庵京へと上洛。」
「貴方に嵌められたと悟った三好・慶香・長慶は、足柄将軍王家に逆らった逆臣の汚名を被る事を嫌い、山崎の戦いで一戦した後に、織田家に降伏し合流。」
「残るは細川元晴の5万人の軍勢が、山崎地方の天王山に陣取り、迎え撃つ態勢に入った。」
「細川元晴としては、天下の逆賊とされてしまった事に最早如何にも成らないと考え、半ばやけっぱちな感じで織田・和紗・信長を中心とした新生足柄幕府王朝政権上洛平定連合軍と戦い・・・・敗れた。」
「そして、その後ひょっこりと現れた貴女は、和紗ねぇに降伏。」
「喰えない灰色女狐又は男喰らいの女郎蜘蛛と忌み嫌われつつも、その有能な才覚から、和紗ねぇも渋々臣従を許して居る様ですね。」
「うふふ、痛み入りますわ。良く調べていらっしゃる。好きですわ。そう言うのは・・・・・・・」
「さて、僕は知りたい。貴女は乱世の奸雄にして賊臣なのか?」
「それとも大望在る知性を持ち合わせた能臣たる者なのか?・・・・をね。」
勇治は優しい顔立ちから覇気の在る顔つきで、真澄を睨み見る様にして、彼女の答えを求めた。
「それは・・・・・・・・・・わたくしが求める物とは、陛下の覇業の先に在る物を求めて居ますの。」
「へえー、覇業?僕が世界でも支配するって言うの?」
「違いますわ。天下泰平、平穏静謐を為すお方だと、わたくしは見て居ます。」
勇治以外の3人は絶句する。
乱を求め、謀殺・謀略を平然とやってのける女が、世界の平和を求める事に・・・・・・・・・・
「出来れば、わたくしの様な女でも、幸せで健やかで、日々平穏に生きて行ける平和な世を求めます。」
「その言葉に偽りが在らば?」と勇治は切り返しつつ、覚悟を問う質問を繰り出す。
「成らばこの場で誓詞を交わし、万が一の場合は、如何なる方法を用いた方法を以ってした方法で、我が身の処刑を望むと言うのは、如何でしょうか?」
「・・・・・良いでしょう。一輝さん。決めました。」
「分かった。お前の決めた事だ。私も、この場に居る二人も、そして・・・和紗も文句は言うまい。」
「では、松永・真澄・久秀をキリヤ公国連合国・国防総省・キリヤ公国近衛軍・近衛近習衆軍所属の武官系官僚として採用し、第三次中央閣僚組閣で設置されたキリヤ公国連合国・国防総省傘下のキリヤ公国連合国軍・秘密工作防諜情報庁の長官とします。」
「確かに適材適所、向いて居ると言えるわ。」
「ご英断だと、今えます。第三次中央閣僚組閣が終った今としても、頃合いの良い丁度良い人材かと・・・・・」と梅晴は、軽く笑みを浮かべて言う。
梅晴は汚れ仕事を請け負う人材が必要だと考えて居たが、国防大臣である一輝が、何時までもキリヤ公国秘密工作諜報情報部局と言う裏方組織を直接管理するのも近代国家としては、権力が強すぎると考えて居た。
それは何故かと言うと、国防大臣が国王や国家元首を何時で暗殺出来る権限を有して居る事に他ならないからである。
悪い言い方を言えば、クーデターを何時でも起こせると言えた。
其処でキリヤ公国宰相内閣府は、キリヤ公国連合国・国防総省の外部庁組織の立ち上げに着手し、キリヤ公国連合国軍・秘密工作防諜情報庁を設置。
その更に下にキリヤ公国連合国特殊作戦隊と言う特殊専門部隊を設置し、キリヤ公国連合国内から広く人材を募集し、各地から特殊部隊のエリート軍人が配属されて居る。
これは表部隊として使うので、その裏方部隊はと言うと、キリヤ公国秘密工作諜報情報部局を統合配置所属させ、秘密工作防諜情報庁の傘下の組織としたのであった。
キリヤ公国の忍び衆達は、普段は秘密工作防諜情報庁の一般職員に紛れて勤務して居るか、キリヤ城内のメイド等の公務員に成り済ましたり、公王都・キリヤ市内の政府系商業施設内で、一般人に成り済ましたりして活動して居る。
「謹んで拝命仕ります。」と臣下の礼を取りつつ、深々と頭を下げた真澄。
予め用意して置いた真澄への任命状を含めた人事書類。
キリヤ公国民・キリヤ公国連合国の国民戸籍状を含めた各種書類を真澄に手渡す。
それを受け取った真澄は、改めてお辞儀をしてから、立ち去ろとする間際の事である。
立ち去り際に一輝に向かって一言述べた。
「一輝様、貴女様が素晴らしく、ご成長された事をわたくしめは、心から嬉しく思いますわ。」
「ぬかせっ!灰色女狐っ!!今度、謀反を考えたら、命が本当に無いと思えっ!」
「ええ、心得居ります。それでは陛下、皆様。末永いお付き合いのほどを・・・・・」と言うと、真澄は静かに立ち去った。
「ふん、喰えん灰色女狐がっ!!」と一輝は吐き捨てたが、かつての様な恨みから来る物でなく。
相も変わらずと言った感じの真澄の立ち振る舞いに関して、呆れたと言う苦笑交じりから来る物であった。
「一輝、あの人は私達を裏切らないわ。」
「だと言いな。」
「大丈夫よ。嫌な風景を知って居る人ですもの。」とリィーゼの一言が言い終わると、その日の面談会議は終わったのであった。
そして・・・・・・・・・・・・・・・
「よう、松永。」と怖い顔つきで現れたのは、足柄将軍王御所殿の乱の当事者として関わった人物の一人でも在る塚原・伝江・朴伝が現れる。
その周りには、近衛近習衆とキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の忍び衆を引き連れて居た。
「これは、これは、塚原先生ではありませんか。」と飄々と素知らぬふりをしつつ、にこやかな応対をしてのける真澄。
「松永・・・・勇治も、一輝達も言ったと思うが、貴様が何かしたら・・・・・・その首を跳ねるのは我々だ。」
「はい。承知して居ります。」
「そうか、成らば用は無い・・・・・」と伝江が立ち去ると、近くに居た上泉・伊澄・信綱。柳生・冬香・十兵衛。
細川・藤夜・悠斎。服部楓。霧隠霧奈。
侍雷夜籐歌と言った錚々たる勇治の護衛と裏方組織を担う者達が立ち去って行く。
それを見送った真澄は、にやりと薄み笑うと、宛がわれた役職の在る官舎に用意されて居る私室へと向かったのであった。