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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第9章 少年王と彼女達との夏休みと南方からの使者っ!!
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第89話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 9

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



勇治達は、相良家に続き、今度は龍造寺家との会談を予定して居た。


 まぁ、今度も相良家と同様の内容なのだが、やって来る人数が多かった。



 公王執務官邸にやって来たのは、龍造寺家の当主であり、肥前国の国主たる龍造寺・信美・信隆。


 その龍造寺家の宰相兼軍師であり、龍造寺・信美の従姉妹である鍋島・尚美・茂直。


 その二人の護衛官として、付き添って来た姫武将が二人居る。


 その一人は、龍造寺家四天王随一の槍騎兵軍の使い手で、槍術にも優れて居る姫武将。


 姉御肌な威勢の良い気の強い性格で、一部隊を率いて、敵陣に切り込む事を得意として居る。


 龍造寺四天王が一人、江里口・絵里・常信。



 二人目は龍造寺家四天王の紅一点として知られ、頭脳戦を得意分野として居る。


 弓兵部隊と銃歩兵隊等を主に指揮して居り、その戦い方は舌を巻くほどに優れて居ると言われて居る円城寺・種美・信胤。



 この4人がアマテラス神皇国・九州地方平定征伐戦に措いて、島津家からの侵攻を防ぎ、援軍や復興支援までしてくれた勇治とキリヤ公国連合国中央政府に対して、お礼参りと共にキリヤ公国本国への臣従を申し出たいとして、キリヤ城に登城しにやって来て居た。


 この事は国防大臣にして、旧アマテラス皇国足柄幕府将軍王朝一三代目でも在る一輝も、驚くほどの珍事であった。


 梅晴と一輝に言わせれば、性格は大雑把で、豪快な性格をして居る姉御肌。


 其れで居て自尊心も高く、筋を通さない物事には、死んでも賛同しないと言う頑固者だと言うのだから始末に負えない。


 その龍造寺・信美が、年下の少年王たる勇治に頭を下げて、お礼を言うのと同時に、臣下に成りたいと言うのだから、余程自分達の事を助けてくれた事が、彼女の頑固な姉御肌な気質の琴線に触れたのだろうと思われた。


 それに加えて挨拶を兼ねた謁見に来る今日、龍造寺家の重臣全員で来て、その全員で臣下の礼を取ると言う話を勇治達は、面談室の都合が在るので、入れるのは4名までとする指定をさせて居た。


 戦後間もない領国を全員で空けるのも都合が宜しくないと言う理由から、龍造寺家の重臣全員を率いての対面は断る事にもして居たからでもあった。



 そんな4人が、キリヤ公国・公王執務官邸にやって来ると、案内された公王執務室のドアにコンコンとノック音が鳴り響く。


「どうぞ。」と勇治は答えた。


 テーブルを挟んだ西側の席隣り近くの戸が開かれ、180センチもの巨漢を持った大女が現れる。


 髪型は右サイドポニーテールした髪型と男っぽい顔立ちにデカい図体と女性らしい爆乳ボデイスタイルを有しながらも、とても鍛えられた筋肉を有して居る姫武将、龍造寺・信美を先頭にして現れる。


 その格好は、かなりラフな服装であり、豊満なバストが食み出る様な和装衣服を纏って居た。

 

 その龍造寺・信美の左側には、丸で猫耳の様なショートヘアーをした髪型で纏め上げ、クールビューティーな雰囲気出て居るお姉さんが立って居た。


 中肉中背では在るが、女性としては完成されたボデイスタイルを有する人物たる鍋島・尚美・茂直が、ゆったりとした和服姿で、信美の一歩後ろから後に続いて居た。 


 その背後には、信美と同じ様なラフな和服ファッションだが、何方かと言うとスポーティータイプな格好をして居ると言えた。


 その見た目はショートカットヘアースタイルで、ツリ目タイプの勇ましい顔立ちをし、スポーティータイプなボデイスタイルを有した女性たるのが、江里口・絵里・常信である。


 もう一人は、他の者達からすれば、女性としては紅一点と言うべき雰囲気を醸し出して居る。


 のほほんとした感じの性格で、ウェーブが掛かったロングヘアースタイルで、スラリとした、やや高めの背丈と女性として、かなり恵まれて居るボデイスタイルを有する女性なのが、円城寺・種美・信胤である。



 信美は入室すると、テーブル席に着く前に、そのまま勇治に頭を下げて、九州地方平定征伐戦での援助と己の治療費を含め、命を救ってくれた事への感謝を述べる。


「この度は、我が命、我が龍造寺家、そして家族と家臣と領民達と配下たる与力大名王家と国人衆達をお救い頂いき、勇治陛下に対して、厚く御礼申し上げまするっ!!」


「そして、この報恩を返すべくっ!!この俺は勇治陛下とキリヤ公国に臣従を誓い、生涯を掛けてお仕い申し上げますっ!!」


「「「勇治陛下とキリヤ公国に臣従を誓い、生涯を掛けてお仕い申し上げますっ!!」」」と主君に続いて、龍造寺家・重臣である3人も続けて臣従を誓う言葉を述べた。


「龍造寺っ!!その辺で構わない。私を含めて、お前達、龍造寺家への答えは決まって居る。なぁ、勇治っ!!」


「はい。龍造寺・信美・信隆殿っ!!貴殿の僕と我が国への忠誠、誠に以って嬉しい申し出です。」


「僕と我がキリヤ公国連合国中央政府は、龍造寺家をキリヤ公国連合国・爵位13階位貴族爵位制度。」


「 第8位・子爵位の官位を授け、キリヤ公国本国の家臣に取り立て、龍造寺独立自治新肥前藩王国の建国を申し渡す事とします。」


「加えてっ!!龍造寺家宰相軍師、鍋島・尚美・茂直も先の九州地方平定征伐戦での活躍も目覚ましく。」


「これから更に大きく成ると思われる龍造寺家を支えさせるべく。キリヤ公国連合国・爵位13階位貴族爵位制度、第9位・男爵位に昇爵させる事とします。」


「そして、龍造寺家旗下のキリヤ公国の家臣に取り立てる事とし、それに加えて鍋島独立自治唐津支藩王国の建国を命じます。」



「加えて、龍造寺家軍をキリヤ公国直轄軍・キリヤ公国武士軍団の第一二武士軍団として再編成し、キリヤ公国武士軍団を統括する総指揮官たる総軍団長兼第一武士軍団の軍団長である上杉・剣信・輝清の旗下と成る事も合わせて命じます。」



「なお、アマテラス九州島地方転封政策による領地替えが済むまでの間は、肥前国の暫定統治を命じます。」


「ははっ!!有り難き幸せに御座いますっ!!」と信美は、大喜びで頭を下げて居た。



「流石は総大将だっ!俺たちの大将が見込んだ通りのお人だっ!」


「こらっ!!絵里っ!!勝手な発言は慎めっ!!勇治陛下の御前だぞっ!!」と絵里を叱る信美。


「構いません。噂に聞く龍造寺家四天王随一の槍騎兵軍の使い手で、歩兵槍術に優れて居ると聞く江里口・絵里・常信さんですね。」


「おうさ、俺が江里口・絵里だぜっ!!総大将っ!!」


「俺が居るからには、キリヤ公国に手を出そうなんて奴らは、先陣を切って俺が全員ぶちのめすから大船で乗った積りで居ろっ!!あーっはっはっはっ!!」と豪快に笑う絵里。


「だーかーらっ!!絵里っ!!勝手な発言は慎めっ!!勇治陛下の御前だぞっ!!」


「構いませんよ。豪快な武将と言うのは、こうで無くてはっ!!」と勇治は江里口・絵里を見て、その豪快な性格を寧ろ清々しく思って居る様子。


「済みません陛下。龍造寺家の家風のせいとも言いますか・・・・・その、何分にも絵里は無作法で、細かい事を気にしなく。」


「其れで居て、男臭い性格ですので・・・・・・・」と溜息をついて言う呆れ顔の円城寺・種美は、同僚の不始末を詫びる。



「本当の無礼と言うのを弁えて居るのなら、此処での無作法をとやかく言う積りは無いですよ。」


「僕は市井の出身ですので、式典なんかでちゃーんとして居れば、良いんです。」


「でも・・・・・・公式の場でちゃんとして居ないと、こわーいお姉さん達が居ますから、その辺は注意して下さいね絵里さん。」とブルブルと何かを思い出す勇治。 

 

 それもその筈、山本五十鈴、毛利・輝実・隆宗、塚原・伝江・朴伝と言った面々は、勇治の事を立派な国王にしようとして居る節も在ったりして居るので、とても怖い教育を受けていた。


 それに加えて、キリヤ公国連合国内の身内の事すらも、しっかりと教育をして行こうともして居るので、やる事に度が過ぎると雷を落とす事が在ったりする。


 勇治は、とばっちりを喰らった事が在るので、その事を想い浮かべると、ガタガタ、ブルブルと震えが止まらないのであった。 


「くくくくくっ!!」一輝は笑うが、師匠である塚原・伝江に散々叱られて居るので、今更と思って居るが、他の二人は怒らせると面倒なので、逆らわない様にして居た。


 リィーゼも苦笑交じりに軽く笑い堪えて居た。


 梅晴は大人の女性なので、叱られる様なヘマはしない。


 それどころか、何時の間にか暴風が吹き荒れそうな場所から、退散して居る事が多い。


 流石は結城城の腹黒女狐と言われるだけは在る様で、ヤバいと感じたら、さっさと逃げる術を持って居たりする。



「そんなに怖い輩が居るのか?」と江里口・絵里は首を傾げながら聞いて来る。


 龍造寺家では、叱り付けるのは、鍋島・尚美くらいなので、それも軽くお小言を言うくらいなので、其処までしつこく言う事は無いのだ。


 龍造寺家の家風は、基本は脳筋集団なので、めっ!!って言うくらいでないとへそを曲げてしまう者が多い。


 そんな訳で、未だ本当の怖い者を知らない絵里であった。


「そうね。今から覚えて置いた方が良いわ。」


「キリヤ公国連合国・総司令官の山本五十鈴。毛利家当主の毛利・輝実・隆宗。そして、近衛近習衆・特別顧問兼護衛総隊長の塚原・伝江・朴伝。」


「この三人組にだけは、下手な言い訳はしないほうが良いわ。」とリィーゼは忠告をする。


「塚原・伝江・朴伝っ!!知って居るぞっ!!加嶋神道流剣術の開祖にして、アマテラス神皇国で一番の剣豪っ!!」


「総大将っ!!頼むっ!!塚原・伝江・朴伝師匠に、俺に稽古を付けてくれって言ってくれっ!!」と頭を深々と下げて塚原・伝江への稽古を頼み込む江里口・絵里。


「一輝さん。どうでしょうか?」と聞く勇治。


「ふーむ。まぁ、言うだけならな。だが、これ本当に本人しだいだな。」


「何せ、師匠は気まぐれなお方だからな。報酬無しだったり、気分的にノリが悪いとやる気が出ない。」


「でしたら、新トウキョウの各地方名酒・大吟醸20本セットで手を打って貰いしょうか?」


「ふっ!それなら動くだろうな。あの師匠ならな。」と呆れ顔の一輝。



「だそうです。後で紹介状を出すので、行って見て下さい。」



「有難いっ!!これでもっともっと強く成れるぜっ!!」


「陛下っ!誠に申し訳ございませんっ!!家臣の我儘まで・・・・・・」と信美は申し訳なそうに言った。


「いえいえ、構いません。先の九州地方平定征伐戦での褒美みたいな物ですからね。」


「うーん、でも龍造寺家の重臣の皆さんへの報酬が、これと似たような物だけだと、ちょっと味気ないかな?」


「と仰いますと?」と鍋島・尚美は聞き返す。


「絵里さんを含めて、龍造寺家の重臣の皆様には、先の九州地方平定征伐戦での報奨を考えて居たんですね。」


「絵里さんは希望を言ってくれたんで、今から用意するんですけど、他の皆さんにもキチンとお渡しします。」


「そうですね。報酬だけだと、僕としては面白くないですね。折角の勇将が揃って居る龍造寺家です。」


「此処は龍造寺家重臣の全員の方々にも昇爵させましょう。と言っても名誉爵位扱いですけどね。」


「我がキリヤ公国連合国もとい、キリヤ公国には、騎士爵位と武士爵位が在って、名称が違うだけで、意味合いが同じなんですげどね。」


「何らかの勲功が在った人には、貴族爵位勲章と宝珠勲章の内どちからを与える事にして居ます。」


「武士爵位は、アマテラス地方出身等に与える専用爵位に成って居ます。これは武士と言う身分が、アマテラス地方独特な身分である事から来ています。」


「それと騎士爵位と武士爵位ですが、貴族爵位勲章の最階位に位置して居り、無位無官である龍造寺家の皆さんなら履歴書に書けるくらいの名誉には成ると思います。」


「それと、この爵位は子孫への引継ぎ可能ですが、一代限りでも構いません。」


「13位騎士爵位・武士爵位の位は、国の為、世界の為に働いた者を称える名誉爵位扱いなので、大仰に構えなくても大丈夫ですから、受け取って貰えるとと嬉しいですね。」


「おおっ!!それは恐れ多い事です」と鍋島・尚美は頭を下げて言う。


「絵里っ!!種美っ!!勇治陛下から最下階位の爵位だが、昇爵をさせて貰える事に成ったぞっ!!御礼申し上げろっ!!」と信美は重臣の二人に言う。


「何んと勿体ないっ!!私めにも爵位を下さるとは、有難き幸せに御座いますっ!!」と種美は恐れ多いと言って大仰にお礼述べる。


「良いのかよ。こんな武辺者に過ぎないに俺に?」


「其処が良いんですよ。僕の故郷にも、その昔は大勢居ましたからね。」


「本物が見られるのも今の内でしょうから、それを励みにでもしてくれば、これからも大変な事も在ると思います。」


「是非とも、その力を多くの民草に振るって下さい。」


「ははっ!!この江里口・絵里・常信っ!!絶対に信美の姉御の大将と勇治陛下の総大将の役に立って見せるぜっ!!」と平服する。


(上手い。これで龍造寺家の面々はキリヤ公国連合国と桐谷公王家に忠誠を尽くす事だろう。)


(ふっ、勇治の奴目。一体、何所で猛将どもの扱いを身に着けたのだ?)と一輝は関心して居た。


 勇治が身に着けていた他者を惹き付ける振る舞いは、実は時代劇ドラマなんかの見真似だったする。


 昔から偶に見ていた事が在ったので、それを参考にして、この面談に生かして居たりするのであった。


 この日、先の九州地方平定征伐戦での戦働きが著しい戦功を打ち立てた龍造寺家の四天王。その龍造寺家四天王筆頭武将である成松信勝。


 江里口・絵里・常信。


 円城寺・種美・信胤。 


 百武賢兼ひゃくたけともかね


 木下昌直と言った面々に対して、キリヤ公国連合国・13位騎士爵位・武士爵位の位へと昇爵される事と成った。





 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月26日・11時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・龍造寺家屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 面談を終えた龍造寺家一行は、キリヤ公国連合国中央政府と勇治から屋敷を与えられた公王都キリヤ市内に在る龍造寺家屋敷に戻って来て居た。





「絵里っ!!種美っ!!不味い事に成ったわね」と鍋島・尚美は深刻そうな顔付きで言う。



「尚美の姉御よ、そりゃあどう言う意味だよっ!!」


「そのままの意味ですわ絵里。」と種美は呆れ顔で言う。


「種美は理由が良く分かって居る様だが、理解して居ない絵里には、この場で敢えて説明して置こう。」


「一国王が家臣とした諸侯の陪臣、詰まりは家来の家来に対して、感謝状、又は物や金を恩賞として与えるのは、決して珍しく無い事なんだが、爵位を与える事は誠に名誉な事で稀な事だ。」


「勇治陛下は名誉爵位と仰っては居たが、まさか絵里は、その言葉通りに、そのまま下賜された爵位を一代限りで、終わらせる様な真似はしないよな?」と鍋島・尚美は言う。


「えっ?何か不味いのか?」と首を傾げる様にして言う。


「ええ、それは本当に不味い事ですわ。」


「勇治陛下は異世界の国の生まれで、市井のご出身ですから、その辺りのこの世界での当たり前とされて居る風習・文化、それに慣習・慣例事に付いては、疎いと思われすわ。」


「良いですか絵里。国王または諸侯の当主から直接的に爵位を貰うと言う事は、信頼関係の証なのです。」


「況してや、私と絵里は信美様の陪臣なのです。」


「それが勇治陛下から直接的に爵位を頂く。それは国王から家臣と陪臣に至るまで信頼し、期待して居ると言われ居るのに等しい事なのですよ。」


「それを特に大きな公的な理由も無く、一代限りで途絶えさせると言うのは、以ての外とされて居る事なのです。」


「例えそれが名誉爵位でも、長く子々孫々に至るまで後世へと伝え引き継がせるのが、爵位を受け取った高貴な立場を持った側の主家への感謝と礼儀を示す事なのです。」


「男子なら嫁を取り、子孫繫栄をすべきであり、女子なら婿を取って子を為して、その子供に爵位を継がせる。これが慣例上での礼儀としての基本ですね。」


「これが只の市井の者なら、特に何も言う事はありません。お礼を言うだけで済みます。」


「ですが絵里。今から貴女が取れる選択肢は二つ。」


「一つはお見合いをして、婿を取る事。もう一つは勇治陛下に忠誠を誓う意味も込めて、貴女は、あのお方に女としてお仕えさせて貰う(お嫁さんにして貰う)事です。」


「えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!・・・・でもよぉ・・・・見立て養子や親類から養子を・・・・・・・」


「それはいけませんっ!!それは四方八方手を尽くして、本当に如何してもダメだと見られる時の最後の手段とされて居る事なのです。」


「どんな事が在ろうとも、江里口の家名を・・・・絵里自身の血筋を絶やす事は避けねば、為らないのですよっ!!」


「えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!そそそっそんなっ!!」と、トンデモない慣例を耳にし、顔を真っ赤にして叫ぶ絵里なのであった。


「まぁ、勇治陛下延いては、主家の殿方との愛妾の件は、余程の事が無い限りは無理強いはしない事に成って居ます。」


「一生の付き合いにも成るのですから、相手との相性も在りますからね。」


「それに此処に居る面々は、真面目に尽くして居れば、何れは勇治陛下とは懇意に成れると思います。」


「何せ、今日勇治陛下と拝謁し、彼の御方は、それぞれに好印象を持たれて居る様ですしね。」と締めくくる種美。


「ふっ、俺は構わんぞっ!!だが先ずは婿探しをする。」


「何故ならアタイは忠臣だからな。」


「それに、このアタイが世間から、あの陛下の子種と権力を目当てにして居ると噂を立てられると、勇治陛下に迷惑が掛かるからな。」


「ちゃーんと見合いをして、それでも気に居る相手が居ないと言うのであれば、陛下にキリヤ公国連合国・一正妻多側室他愛妾多伽係制度法に則った形で、側室妃以下の地位で婚約を申し出る事にする。」


「おいおいっ!!信美の姉御っ!!正気かよっ!!」と絵里は主君の決意表明を驚きの声を上げてしまう。


「はぁ~其処まで、あの御方に・・・ぞっこんなのですね?信美。」


「アタイは、この忠誠を誓うと共に、この命を捧げるとの覚悟を申し上げ、決して裏切らない証として、龍造寺家を未来永劫キリヤ公国と桐谷公王家に捧げて、子々孫々の繫栄に至るまで忠義を尽くす事にしたいと思って居るんだっ!!」



「それを世間一般では、愛の告白と言うのです。」


「最も人前で言う事では無いですが・・・・・」と呆れる尚美。


「尚美様は、この一件に付いては、如何する積りですか?」と種美は聞く。


「ああ、私は婿取りをする考えだが、最終的に相手が居なければ、信美のお供で寝屋を供にする積りだ。」


「陛下とは子づくり以外の関係は持たない積りだし、もしも私に子ができたら鍋島の名を名乗らせる。陛下との立場関係も妾以下でも構わないからな。」と勇治とはドライな関係を望む尚美。


 この世界での貴族諸侯社会では、有力者との男女関係を持つ事は、地球世界以上に重要視されて居るらしい。


 最も気に食わない相手との関係を望まれる事は絶対に無い。


 何故なら国の崩壊を招く事をこの世界の王侯貴族達は先祖代々の経験から知って居ると言う事から、無理やりの婚姻関係を持たない事が、暗黙の了解として弁えて居るからである。


「重要なのは陛下との血の繋がりだ。陛下と信美の間に子が居れば、私の子供は言わばオマケみたいな物だ。」


「鍋島家の子供が陛下の血縁者と言う事は、ある程度は隠しつつ、龍造寺家を含めたキリヤ公国を支える臣下として代々存続させられば良いと思って居る。」


「尚美様は流石ですね。」


「龍造寺家の御将来を見据えての献策と言えるご立派なお考えです。」と龍造寺家を含めた未来図を考えて居る事に感心する種美。


「・・・と言う事は、此処に居る何れの龍造寺家の女性達は、将来は陛下のお妾様と成る予定となのですね。」


「もし、それが叶うのならば、龍造寺家と家臣団は、末永い繫栄が約束されるでしょう。」と種美が言うと、その場に居る絵里以外の3人は、獣の様に牽制し合う。


 強いオスに惹かれるのは自然の摂理。


 況してや、その相手が神の力を持つ様な桐谷勇治ならぱ尚更な事である。


 そして、その強い国力と不思議な力を有する勇治と言う少年王の子種を巡る女としての本能的が、他のメス達に独り占めさせまいと言う気持ちから来て居たのであった。


「おおっ!おれはどうしたら良いんだっ!!」と頭を抱える絵里は、後に本当に此処に居る龍造寺家女性陣と共に側室妃と愛妾妃の地位を賜り、キリヤ公王家との血縁関係を深める事に成った。


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