第86話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 6
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月25日・10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・足柄・一輝・宗輝公王都キリヤ市邸宅にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国・国防大臣である足柄・一輝には、国防大臣公邸の他に、自宅として300坪の屋敷を勇治から下賜されていた。
その自宅はキリヤ城から見て南側に500メートル先の立地に建てられ、キリヤ公国連合国・国防総省への通いにも楽な位置に在った。
そんな一輝は、勇治に乞われて、このキリヤ公国へとやって来た人物の一人。
勇治も劉備玄徳が諸葛孔明を家臣とする為にやった三顧の礼と同じ様な待遇で、家臣に迎えて居るので、一輝はかなりの高待遇で、遇されて居るのであった。
先のキリヤ公国宰相内閣府会議では、アマテラス神皇国九州平定戦役関連の戦後処理賞罰の決定は、先送りにする事と成り、先に大華天帝国・クーロンとの国交樹立する事を決定する。
それが叶えば、大華天帝国・クーロンの飛び地領土と成って居るクーロン北大海洋の洋上に浮かぶ亜大陸群諸島はキリヤ公国連合国の委任統治領と成る。
その内容としての条件は、大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島等の島々を委任統治領として売り渡してくれるらしい。
その代わりに、向こうはキリヤ公国連合国の軍事力を含めた、様々な支援を欲して居るが、今のキリヤ公国連合国には、無人島地帯に近い国土を欲して居る。
アマテラス九州地方の新体制作りには、大名王達の転封整理が必要であったからだ。
その為にも大きな土地が欲しいので、大華天帝国・クーロンからの土地付きの国交樹立は、正に渡りに船であった。
その一件が片付くまでは、大きな動きが無くなったので、キリヤ公国連合国・国防大臣である一輝にも、久し振りに自宅で余暇を過ごす時間が出来た時である。
特に何もない9時頃のこと、先んじて伊達家から電話連絡が在り、伊達家の先の当主であった伊達照宗が、一輝への挨拶と相談ごとが在ると言って一輝の元へやって来ると言うのであった。
一輝の邸宅にやって来た照宗は、客間に通されると、初めて一輝と対面した。
「ご拝顔の栄誉を賜り恐悦至極、先のアマテラス神皇国・足柄幕府将軍王朝一三代将軍王。足柄・一輝・宗輝様に置かれましては、ご機嫌を麗しゅう事で御座いまする。」
「アマテラス神皇国形式の挨拶は、程々で良い。それに、今のこの私は足柄将軍王としては、隠居と成った身だ。」
「今さら先の将軍王と持ち上げられても困るからな。今はただの宮仕えする小娘だと思って気軽に接して欲しい。」
「伊達のご隠居殿も、家名や身分に囚われず、楽にして構わんぞ。」
「当代の将軍王である和紗も、堅苦しいのは性に合わんと、無作法にも程があると言わんばかりだがな。」
「はい。」
「それで照宗殿は、如何なるご用件で、当家に参られたのだ?」
「はい。不躾ながら我が娘のお見合いに付いてのご相談に参りました。」
「ほう・・・・・政実のか?だがな、奴めの気性に見合う男が居るとも思えんがな。」
「いいえ、一人だけ釣り合うお方がいらっしゃいます・・・・・・」と意味深な言葉を述べる照宗。
「・・・・・・・・ふ、そういう事か。分かった。これでもキリヤ公国連合国・中央政府の国防大臣を務める、あの男の直臣だ。」
「あ奴目の結婚相手は、多くても困らんし、長子と成る者を産むのは、次期第一正妃と成って居るセレジアであると・・・・法律でも決まって居る。」
「この国の成り立ちと始まりを分かって居れば、何れは立憲君主制の王国連邦と成る事は必定だろう。」
「だがなご隠居殿、この一件は今しばらくは、待ってはくれぬか?事を急ぎ過ぎると、この一件は厄介な事に成るからな。」
「今のあ奴には、婚約者が二人。婚約者候補が相手が二人だ。」
「特に和紗の奴は、婚約者候補から格上げするには少々早い。」
「十分な手柄と我がキリヤ公国連合国への忠義心を見せては居ないからな。」
「そんな性欲が激しく、国力の高い織田家をキリヤ公国連合国中央政府の政治中心に入り過ぎるのも、今はまだ不味い。」
「もう少し勇治とキリヤ公国連合国に対して、二心無しを見せ付けてから出ないな。」
「毛利家の小早川の娘は懸想して居るが、これは問題無い。」
「だが、その前に毛利家の当主である輝美が勇治に側姫妃として輿入れをし、毛利家を桐谷公王家の親族一家に格上げしないと隆美の輿入れが出来ない。」
「姉を差し置いて、妹が先に主君と成る者へと嫁ぐのは、体裁が悪いからな。だから隆美の奴目は、婚約者候補には入っては居ないのだ。」
「まぁ、隆美が輿入れしても側室妃にしか成れないが、当人は勇治のことを想って、出来るだけ傍に居たいから、それで構わないと納得すると思われる。」
「・・・・・先ずは伊達家と毛利家の2家が、側姫妃として輿入れ、次に織田家の当主が側姫妃として輿入れだな。」
「他に入りたいと言われば、色々調整せねばならんっ!」
「まぁ、勇治本人は18歳で結婚をと・・・・言って居るが、色々と年上女性も居るから、16か17歳くらいで夜伽に入って貰う事には成るだろう。」
「その後に正式結婚と言った流れの話を・・・計画しては居るが、セレジアが一番に夜伽しない事には、他の婚約者の女達が子作りも寝屋での色事の解禁も無い。」
「だから、今しばらくは勇治の婚約者相手の話の一件は調整がしたいのだ。調整が付き次第、伊達家に・・・照宗殿自身には、追って報せを出そう。」
「はっ、良しなにお願い致します。」と言って照宗は、娘の政実と勇治との見合い話の一件は、取り敢えずは進められる事と成ったのであった。
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月25日・9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・龍造寺家屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
島津家のアマテラス神皇国・九州平定戦計画により、その国土を失いかけた龍造寺家。
その前哨戦とも言うべき肥後国侵攻戦で、大怪我を負った龍造寺家当主・龍造寺・信美・信隆。
彼女は、キリヤ公国連合国の首都である公王都キリヤ市での療養を終えて、勇治から屋敷を賜り、肥後国の扱いを如何するかの決定を待つ事に成って居た。
キリヤ公国連合国中央政府は、今だ開発が余り進んで居ないキリヤ列島地方を含めた何れかの直轄領の領主として、龍造寺家の龍造寺・信美とその家臣達を異動をさせ、肥後国の管理を織田家に移管する事を計画して居たからである。
こうでもしないと、九州地方は再び内乱と成った場合、また群雄割拠に分断される危機が孕んで居ると見られて居たからであった。
だが、そんな中央政府の思惑とは別にして、龍造寺・信美は在る事を決心して居た。
公王都キリヤ市の西側と北側に王侯貴族街であるキリヤ公国連合王侯貴族町と言う町内を作り、加盟国の王侯貴族の元首達が住まう公邸街の一角に、キリヤ公国連合国中央政府と勇治から屋敷を与えられた龍造寺家。
その扱いは将来的に藩王に格上げする思惑が在ったからだ。
龍造寺家の宰相兼軍師を務め、家裁の一切を取り仕切る人物である鍋島・尚美・茂直も、その思惑に気付き、従姉妹姉である信美に、大人しくして居る様に助言して居た。
「尚美、アタイは決めたっ!」
「だから大人しくして居ろってばっ!」と信美の事を必死に抑える尚美。
「此処までの恩義を受けて、今まで通りの独立大名王家で居るのは、アタイの矜持と沽券に関わるっ!」
「だからアタイはっ!!勇治陛下の直臣大名王に成るぞっ!!」
信美は、勇治に命を救われ、大事な従姉妹の妹と家臣達に加えて、独立自治権限を持った小大名王家の国衆達も助けて貰った。
それだけで無く、復興支援金まで賜って、極めつけは龍造寺家の藩王国の建国の計画と公王都キリヤ市の国王扱いで屋敷を貰った事で、勇治の直臣家来に成りたいとの想いが、一段と強く成ったらしい。
受けた恩義は身体と態度で真摯に返す、それが龍造寺家当主・龍造寺・信美・信隆と言う姫武将の流儀であった。
信美が勇治と言う人物像通して魅せられた物とは?
それは民と他国との信頼関係を築いて、その信頼関係を裏切らないと言う漢気見せ付けられた事により、完全に勇治に心酔し切って居たのであった。
この心酔振りは、アマテラス神皇国九州平定戦役の前後に端を発して居たのであった。
「本気か?」
「ああ、此処までの好待遇を受けて置いて、報恩を湯水の如く貰うのは、礼儀を欠くと言う物だっ!」
(うわーっ!!これは何を言っても無駄だな。)
(我が龍造寺家が、このままキリヤ公国連合国中央政府に対して、何も言わずに黙って居れば、国土は移転させれられるが、上手くすればキリヤ公国連合国の同盟独立国と成れると言うのに、それを簡単に捨てしまのうは、全くもって信美らしい。)
キリヤ公国連合国中央政府のアマテラス神皇国・九州地方の区画整理計画が、協議されて居る中で、龍造寺家の宰相兼軍師を務め、家裁の一切を取り仕切る人物である鍋島・尚美・茂直も、その思惑に気付いて居た。
彼女は従姉妹姉である信美に、暫くは公王都の屋敷で龍造寺家への処遇結果が出るまで大人しくして居る様にと、強く助言して居た。
しかしながら、これは思わぬ方向へと向かってしまった様である。
「本当に良いんだな?」
「ああ、アタイの決意に二言は無いっ!!アタイは、アタイの命を救い、アタイの家族と家臣達、それに国衆達を大事にしてくれた勇治陛下の報恩に報いる為にも、直臣の家来・・・・・・キリヤ公国本国の直臣大名王なるぞっ!!」
「分かった・・・・・キリヤ公国連合国中央政府に、信美に意向に付いての話を付けて置く。」
龍造寺家の宰相兼軍師を務め、家裁の一切を取り仕切る人物である鍋島・尚美は、主君たる龍造寺家当主・龍造寺・信美・信隆の意向を受けて、龍造寺家はキリヤ公国連合国の加盟藩王国と成るべく動き出すのであった。
これが後に龍造寺独立自治新肥前藩王国・鍋島独立自治唐津支藩王国の立ち上げと成る出来事でも在るのであった。