プロローグ2少年王とチート過ぎるキリヤ公国の始まり 2
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国・キリヤ地方・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
此処は、マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方に在るキリヤ公国。
今から3年前のマギアンティア世界統一暦・1555年・1月1日。
キリヤ公国連邦共和国建国史には、キリヤ公国の建国日は、勇治とセレジアとが婚約発表を発した日であるマギアンティア世界統一暦・1555年・1月1日と成って居る。
そして現在のキリヤ公国は、キリヤ公国連合国と言う国名を名乗って居り、所謂多数の国家を宗主国が中央政府とする連邦体制国の様な国家で、その連邦内には、複数の独立自治行政府と独立自治国家から成る巨大連合国と成って居る。
その中でキリヤ公国はまたの名をキリヤ公国本国と呼称され、キリヤ公国連合国の中心国家として中央集権最上位国家でもあった。
数多の大戦・紛争・災害等を乗り越えたキリヤ公国連合国は、ここ暫くの間は平和な日々が続いて居た。
そんなチート過ぎる国家、キリヤ公国連合国の公王にして、宗主国王たる桐谷勇治は、居城である白亜の和風建築の城、キリヤ城内に在るキリヤ公国・公王執務官邸で執務にて、のんびりと励んで居た。
「ここ最近は本当に静かで平和で良いな~。」
「勇治、今日はナデシコ地方自治州区・七浜市の新開発地区に新しく出来た港の視察でしょ?」
「早くしないと五十鈴お姉様達が、待ちくたびれさせてしまうわよ。」
セレジアと婚約してから随分と月日が経とうとして居た。
公王都キリヤ市の西側の山間と森林地帯を開拓し、その山に居城とするべく、姫路城を始めたとした日本の城郭を手本に作り上げたキリヤ城。
その眼下には公王都キリヤ市が広がって居た。
3年前までは、この辺りの一帯は、大きな大河に加えて、山と森と平原と小さな集落の村でしかない、とても静かな土地柄だった。
其処を女神さまから貰ったゴットタブレットを使って、パパッと開拓して作り上げたのが公王都キリヤ市とキリヤ城であった。
まぁ、多くの人の役に立つならゴットタブレットの力を使っても良いかなと思って、今は世の為、人の為、自分の為と言った感じに、積極的にゴットタブレットの力を使う事にして居る。
そのゴッドタブレットの事は、今居るたくさんの婚約者達とその身内に加え、幹部クラスと定めている国家の重鎮や信頼の置いて居る臣下達。
それとキリヤ公国は連合国と言うもう一つの国体体制を敷いて居るが、その制度に従って加盟して来ている国家元首とその腹心吞みが知って居るだけの国家機密として居た。
したがって国民と下級クラスの臣下にはゴットタブレットの事は内緒で、ゴッドタブレットの力で、勇治がやった事の事実は、以下の事にして在るのだ。
勇治は高度な文明が発達して居た異世界から、途轍もない最悪な災害に遭って転移して来た魔法使いで、この世界にやって来た際に、生きる為に様々な職業に就きつつ、冒険者にもなった際に、古の古代遺跡の遺物を手に入れたり、異世界から転移して来た転移物を用いて、自国と国民の暮らしに寄与して居る異世界人である。
・・・・・と言う事にして居る・・・・と言うか、そう言う事にして置いたと言った方が良いだろう。
その方が、この世界の人々には分かり易いし、怪しい不審者には見られないと言う訳だ。
そんなチートな力で国を治めて居る勇治には、婚約者のセレジアーナ・ユリテリア・ガリアナこと、セレジアは秘書の様に毎日、毎日、勇治の傍でキリヤ公国の発展に寄与する仕事のお手伝いをしてくれて居た。
因みにセレジアが今話で言って居る五十鈴さんとは、山本五十鈴キリヤ公国連合国・統合軍総司令官とキリヤ公国連合国・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍・ナデシコ自治統合海軍提督も兼務して居る女性将校軍人の事だ。
五十鈴は撫子皇国と言う日本と良く似た国が在る異世界から転移して来た異世界の女性軍人で、とても優しく、凛々しいお姉さん的な性格をして居る人物だった。
しかも、数多くの軍艦や飛行機、軍用車両などに加え、軍港や統治して居た地域や島までもが転移して来てしまって居たのである。
撫子皇国自体は転移して来て居ないので、異世界転移で孤立した撫子領自治政府と撫子皇国軍は、この世界で接触し、条件が良かったキリヤ公国と話し合い、僕のキリヤ公国の保護領となる。
そして、最終的にはナデシコ地方自治州区と言う準独立自治国の権限を持ったキリヤ公国の直轄の独立自治州区として編入され、キリヤ公国の統治下に入る事と成り、撫子皇国軍とキリヤ公国軍は統合再編成される事と成った。
それ以来、山本五十鈴は、キリヤ公国の全ての陸海空軍の総責任者であるキリヤ公国連合国統合司令官と、ナデシコ地方自治州区を総本拠地と定めているナデシコ自治統合海軍の海軍提督の地位を兼務して貰って居るのであった。
ナデシコ自治州区が転移して来て間も無くの一時期は、混乱を避ける為、五十鈴を行政長官とする軍政を敷いて居たが、混乱の終息の目途が立った後、政権を民政に切り替えて居る。
ちなみに統合副司令官兼ナデシコ自治統合陸軍元帥は、板垣妙子さんと言う女性軍人が務めていた。
それにみんな聞いて驚けよっ!!
この世界に転移して来た軍艦には、何とっ!!あの大和型戦艦と同等艦船で、撫子型戦艦1番艦撫子と同級の戦艦が五隻も在るんだぞっ!!
その他の兵器や装備品類の内容は、旧大日本帝国軍と大体同じなのだ。
撫子皇国軍がキリヤ公国の統治を受け入れたのも、僕が撫子人と変わらない文化的な価値観と同じ転移者である事が起因していた。
それにこの異世界に取って、地球で70年前くらいの前の第二次大戦時代の兵器は、オーバーテクノロジーの塊とも言える。
下手に他国に渡せない理由も有ったので、必死に五十鈴を説得して、我がキリヤ公国にスカウトして居た。
それ以来、姉と弟の様な関係を築いて行き、遂には側室として婚約すらして居る仲に成って居た。
それにナデシコ領転移事件と公帝戦争は、僕が公王として最初に対応した異世界転移事件と他国の大戦争の一つだったりする。
僕はセレジアと一緒に向かった先は、ユーラシアン大陸南部に位置し、元ガリアナ王国領の東部領イーステァ地方と呼ばれた地域。
現在はキリヤ地方と国際的な地名の改名宣言をしたキリヤ公国の北東に在るナデシコ地方自治州区。
その州都所在地として定められた三浦半島地方と三浦諸島を含む地域を管轄区とするヨコスカ自治州区と横須賀市は、キリヤ公国連合国の本土の政治・経済・国防の重要で中心的な一画の港町として、著しい発展を遂げた大都会と成って居る。
近隣地域の鎌倉市・三浦市・七浜市・小田原市を含めた都市の事をヨコスカ五大都市と言われ、ナデシコ領系の企業と軍関係者が多く住んで居る地域として、広くこの世界の国々から知られて居る都市である。
そして、此処にはキリヤ公国連合国・国防総省の傘下であり、キリヤ公国連合国軍の総司令部たるキリヤ公国連合国軍・総司令部庁とキリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・統合司令部本部・横須賀鎮守府庁舎が置かれて居る。
僕とセレジアの二人は、一緒に七浜市を視察する予定の五十鈴を迎えに行く為、此処を訪れる事に成って居た。
ヨコスカ鎮守府庁舎は、キリヤ公国連合国の軍部の一つであるキリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍の本部とキリヤ公国連合国軍・総司令部庁。
それにナデシコ地方自治州区政庁舎の三つが合わさって建って居るナデシコ地方自治州区の全体の中心地である。
それとは別に、ヨコスカ地区全体の地方自治体を預かるヨコスカ自治区役所と横須賀市役所が、西側に歩いて30分の所に在る自治体区役所街の一画に庁舎が並んで建って居る。
キリヤ公国の国体制度を分かりやすく説明すると、大体3つに分かれた形で国が統治されている。
その中の一つ目はと言うと、キリヤ公国は直轄地の事を自治地区と呼んで居る。次に市町村が各地を統治して居る。
二つ目の統治区画制度として、地方自治州区と言うのが在る。
これはキリヤ公国から準独立国の扱いを受けた、又はキリヤ公国との交渉の末に国土を保護領と言う形を経て、直轄独立自治州区と定めた独立行政区の事だ。
そして、その中身の区割りは、その土地の自治体政府に倣った形での政体を取る事が決められて居る。
また、補足備考欄として、キリヤ公国政府と公王である勇治が、その土地を準独立国と似た権限維持して居ても良いと認可した場合は、その地位を認めると付け加えて有るのだ。
三つ目の独立自治国とは、キリヤ公国と公王である桐谷勇治を宗主国王として認め、その傘下国としてキリヤ公国を中央国家政府とする事を取り決めた独立自治国の事である。
独立自治国としてキリヤ公国連合国に加盟し、その傘下に収まれば、キリヤ公国政府が扱う予算と物資が使い放題で、国の保護と防衛に加え軍隊の加勢もしてくれる特典付きだ。
無論、これには厳正なる審査にパスしないといけないので、簡単にはキリヤ公国連合国の加盟の輪の中には入れない事に成って居る。
この時点で入って居る独立自治国は、勇治と関わり、大きな事件に巻き込まれ、それらの事件の解決するべく、共に立ち向かった者達ばかりだ。
以上がキリヤ公国の国体制度と統治に付いての大まかな説明である。
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国・キリヤ公国・三浦川地方・準独立国特別指定権限保有地方自治州区・ナデシコ地方自治州区・主都及び州都・横須賀市・キリヤ公国連合国軍・総司令部及び第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍司令部・横須賀鎮守府にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、脱線をして居た話を元に戻そう。
勇治達は、五十鈴の下を訪れ、七浜市に関する視察を供にしようと、ヨコスカ地区・横須賀市に在るナデシコ地方自治州区の中心地に在る、ヨコスカ鎮守府庁舎に来ていた。
その北側へ5キロ行った所に在る七浜市と言う都市は、ナデシコ人達とキリヤ公国人達とで、一緒に成って再開発と開拓を進めた港町が広がっていた。
横須賀市の北西には鎌倉市が広がり、勇治の出身地である日本国の鎌倉市と変わらぬ風景が広がって居るが、その沿岸地域は全てナデシコ領が転移した影響で各市町村の統廃合が進み、今では鎌倉市と小田原市が、それらの地域の統治を管理して居た。
その七浜市は、マギアンティア世界に措いて、ナデシコ地方自治州区の横須賀市・鎌倉市・三浦市・七浜市・小田原市の事をヨコスカ五大都市のと言われ、ナデシコ領系の企業と軍関係者が多く住んで居る地域として、広くこの世界の国々から知られて居るナデシコ地方自治州区の貿易港の中心地である貿易経済都市である。
その七浜市は、元々は撫子皇国の土地で、日本の横浜に良く似て居る都市であった。
七浜市は、ナデシコ地方自治州区の東部の一帯の港を都市の中心として居り、北部と西部に向って再開発した都市が広がって居る軍港の横須賀市と並ぶ近代的な臨海湾港を持った大都市である。
その北部は、元々も在ったこの世界の空き地で、ゲルニアン帝国と言う国との初期の戦争である公帝戦争の前後から始まった、開発と開拓を徐々に進めて来た新しい地区になって居る。
僕達は、やっとの想いで新開発の終わった七浜市の新市街を視察する為に、今日は横須賀市を訪れたと言う訳だった。
勇治とセレジアの二人は、五十鈴が居る執務室へと入って行く。
「いらっしゃい。二人とも。」
「五十鈴お姉さま、こんにちは。」
「ヤッホー、五十鈴姉ぇ、久し振りだね。」
山本五十鈴、現在の年齢は24歳、独身。
どう言う感じの在る世界なのかは詳しくは知らないが、昭和初期の様な時代風の世界から転移して来た女性軍人で、彼の山本五十六提督と似たような人物設定を持った女性だ。
24歳で艦長にして提督?それは無いだろうと言うツッコミは無しだ。
地球とは全く異なる異世界の事柄に、リアルを求めては詰らないし、僕も特に気にしてなんか居ない。
それにそんな異世界や人物の設定を気にして、一々ケチを付けるようなネットクレマー見たいに、ツッコミを入れる様な野暮な事をすれば、何だか負けな気がするしね。
それはさて置き、この五十鈴ねぇは、大和撫子と言う言葉がぴったりな女性で、僕や僕を慕って集まってくれた仲間達に取って憧れのお姉さん的な女性でもあるんだ。
今ではすっかりセレジアも、本当の姉の様に慕って居るし、プライベートでは、暇を見ては、僕とはデートする関係に至った女性の一人だ。
口説くのに1年と半年は掛かったし、それに彼女はとてもガードが固く、天然な性格の所も在った五十鈴姉ぇは、出会って時間が余り経って居ない僕の事を弟みたいだと言って、中々男して見てくれなかった。
14歳の半ばに成って、やっと僕の気持ちに気付いた五十鈴姉ぇは、早い内に女との肉体関係を覚える男は、早くダメ男に成るから、貴方と相手の年齢が結婚適齢期に近付く18歳を過ぎるまで、肉体関係を我慢しなさいと言い付けられる。
勿論、僕はそれまでに、婚約した女性は多いが、そんな関係を持った女性は居ないし、好意的関係を持って居るみんなの事をとっても大事に思っている。
色々としたくても、女の子達の色々な事柄でする事と言えば、ベッドでイチャイチャするくらいかな?
でもなぁ・・・・公務の合間にデートするのは大変なんだよ。
結構な人数と婚約してるから、ダブルやトリプルでデートするなん当たり前だし、二人切っりに成ろうとするのに、嫁会議で予約や話し合いの上の合議で議決を貰わないとダメだって言うんだよ。
みんな可愛くて美人さん揃い。
でもね、僕は彼女達との仲をホンとに頑張った・・・・・うん、頑張ったよ・・・・・。
ゴメン。今じゃ、どの女の子にも頭が上がらないんだ・・・・・とほほほ。
それはさて置き、随分と話は逸れたけど、七浜市の話に戻そうか。
「五十鈴ねぇ、それで七浜市の方は、如何かな?」
「ああ、七浜市の件は順調ね。」
「特にジェシカの所のビクトリナ独立自治共和国の技師達が手伝ってくれたから、近隣に建てた七浜発電所から七浜市へと引いた送電線は、勇くんの居た世界と似たような材質で引く事が出来たから、とても助かって居ると聞くわ。」
「流石に撫子皇国だけの技術では、こんなにも早く仕上げられなかったしね。」
「それは良かったわ。これでキリヤ公国本国とガリアナ王国の東側地方内の発展に関しては、今以上に成りそうね、勇治。」
七浜市の中間点に発電所を築き、送電網を張り巡らせる工事をする序でに、セレジアの故国であるガリアナ王国の東側と地方内と首都近辺に掛けて発電所と送電線網を施設していた。
この計画は、電気機関車が両国の間で問題無く走れる様に成る為の計画で、その主な目的は鉄道による物流網の構築が目的だった。
それまでは蒸気機関車とディーゼル機関車で運営して居たが、キリヤ公国連合国内の諸事情と違って他国では燃料代がバカに成らない。
其処でキリヤ公国が音頭を取る形で、電気機関車への切り替え工事が行われて居たのであった。
「あっ!そう言えば、そのジェシカさんの今の予定は?」
「ジェシカなら、一月前に自分の管轄して居る国軍であるキリヤ連合公国海軍・第二連合自治方面軍・第二統合連合艦隊・ビクトリナ独立自治共和国統合海軍・第一艦隊を率いて、キリヤ公国本土からナデシコ南方領を経由。」
「ビクトリナ独立自治共和国の本土であるフォーチュン諸島地方自治州区・首都・トリントンシティに向けての民間輸送船団の往復便の護衛艦隊として、本国へと帰国。」
「暫くは本国に留まって、内政関連の溜まって居る書類仕事をするって言って居たわよ。」
「それが終ったら、こっちにも顔出すとも言って居たわね。」
「そのジェシカから聞いて居る予定表の通りだと、彼女が言って居た書類仕事が、予定通りに終わって居れば、今頃は往路でビクトリナ独立自治共和国統合海軍・第一艦隊を率いて、ナデシコ領のミクロメシア諸島自治区付近を通過中で、何も無ければキリヤ公国本国へと順調に向かって居る最中の筈よ。」
ジェシカとは、キリヤ連合公国海軍・第二連合自治方面軍・第二統合連合艦隊・ビクトリナ独立自治共和国統合海軍艦隊・司令官のジェシカ・クローディアの事である。
ビクトリナ王国の侯爵位を持った家系の貴族の長子で、転移した当時の階級は、大佐の女性司令官だった。
彼女達が、この世界に転移した際に自主独立を守りたいと申し出た為に、ジェシカ達はビクトリナ共和国を建国。
国家元首の名を総督として居た。
そして、国防軍の最高司令官も兼務し、最高階級はビクトリナ統合軍元帥とし、総督職と兼務をする事と成った。
後にビクトリナ共和国を巡るビクトリナ南洋大戦での戦い後に、国土たるフォーチュン諸島を守るには、キリヤ公国と連合同盟を組む方が良いと考え、その戦後にはキリヤ公国連合国に加盟する。
キリヤ公国連合国に加盟したビクトリナ共和国は、僕の権限とキリヤ公国統治国法制度下で、ビクトリナ共和独立自治国と成ったと言う訳だ。
国防軍であったビクトリナ共和国統合軍は、ビクトリナ独立自治共和国統合軍として再編成し、同地軍部の最高司令官のジェシカは、キリヤ公国の第二連合自治方面軍と第二統合連合艦隊を設立する。
キリヤ公国連合国の第二連合自治方面軍と成ったビクトリナ独立自治共和国統合軍は、ビクトリナ独立自治共和国の自領地であるフォーチュン諸島の管轄たる一方面軍として、南西方面地域の抑える防衛任務を任せていた。
ジェシカの現在の年齢は、五十鈴と同じく24歳で、彼女と同じく異世界からの転移者でも有り、勇治と婚約した一人でもある。
彼女の居た世界は、僕の知って居る地球と違い、かなりの先進的な科学技術体系が発展して居る22世紀時代からフォーチュン諸島基地周辺ごと転移して来てしまって居た。
僕が関わった第二の転移事件で、モビル・アイゼンと言うロボット兵器を使って居る世界から来たと言うのだ。
そんな彼女達が実質的に、キリヤ公国連合国の傘下に入ったのも自分達で軍や島を運営して行くのはとても辛く、特に各補給物資や生活物資面の関係で、物凄く辛いので仕方の無い事でも有ったのだ。
「他の軍籍の子達や国家元首をやって居る面々の子達も、来週末までには自国や持ち場の仕事を終わらせて、公王都・キリヤ市に戻って来る予定だそうよ。」
他にも何人か似たような境遇の転移者やこの世界で出会った仲間が、このキリヤ公国連合国には大勢居るのだ。
このキリヤ公国連合国は、今や大小併せて30以上物の直轄自治区、自治州区や独立自治国を併せ持つ先進技術を有する統合連合大国と成りつつある。
そろそろキリヤ公国連合国も大所帯と成ったので、中央政府の内閣府の会議では、国家体制を連邦制に移行しようかと言う議案も連合国内では、出されて居る。
何れはキリヤ公国連邦共和国に成るのでは無いかと、この世界の国内外の国々では言われ始めて居た。
キリヤ公国の周辺国は、未だに歩兵や騎士団を扱う国や旧式の兵器を大量に保有して居る格下の国々が多いので、滅多な事では僕の国が負ける事は無いだろう。
そんな時だった。通信機から一つの急報が入る。
「こちらキリヤ公国連合統合海軍・第二統合連合艦隊・総司令官のジェシカ・クローディアだ。」
「ビクトリナ独立自治共和国からナデシコ自治州地区・イリコンド島地方自治区を経由し、キリヤ公国本国へと向かう南方地域に本社を置いて居る民間輸送船団の護衛任務中に、東側からキリヤ公国連合国領内へと向かって来る船団をレーダーでキャッチした。」
「レーダー分析の結果、どうやら七隻からなる国籍不明の海軍艦隊の様だ。」
「恐らくは、ここ数日中に何某かの理由で、異世界から転移して来たと思われる。」
「こちらキリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・統合司令部本部・ヨコスカ鎮守府・統合司令官室の山本五十鈴。」
「ジェシカ、私よ。流石の判断ね。」
「とても慎重的で、適格な判断だわ。」
「それで現れたって言う軍艦の様式は?」
「それが何だが勇治や私を含めた地球系世界の年代を統合して情報分析検索すると、地球の年代形式で言えば、20世紀から21世紀の間だと思われる。」
「今し方、我が軍のモビル・アイゼン隊の3機を偵察機として向わせて居る。」
「あっ、たった今、此方に通信がオープンチャンネルで入って来たぞっ?!」
「・・・・・・・・ええっ?!何だとっ?!」
「おい、勇治っ!国籍不明海軍は、日本国・海上自衛隊だと名乗って来て居るぞっ!?」
「日本国?ですってっ!?それって、確か勇くんの・・・・・・・」
「えっ?!日本だって?・・・・・・」
「勇治っ!!此処は取り敢えずは、如何するんだ?」
「日本関係の世界なら、これまでの転移災害の影響で、結構な数の土地が、この世界に転移して来たけど・・・・・・・・・・」
「それに日本国と名乗って居る事から、多分、今度現れたのは、僕が良く知って世界の日本なら無茶な行為はしない筈だと思う。」
「ジェシカさん、悪いですが、接触して来た海上自衛隊の護衛艦隊をキリヤ公国本国・直轄領のキリヤ列島・シコク島地方自治区内のトサ港に誘導してくれますか?」
「分かった。予定を変更して、私はこのままキリヤ公国本国に戻る。」
「私がキリヤ公国本国に戻る際に遂行予定だった民間船団の護衛任務は、取り敢えずは近隣地域のナデシコ海軍の地方隊に任せ、その艦隊と合流させて、護衛に当たらせよう。」
通信を終えると僕は、懐かしの故郷と思わしき国家との会談準備に入った。