第83話 少年王と夏休みと南方大国からの使者っ!! 3
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月24日・14時03分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・第一連合地方・キリヤ地方・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キリヤ公国連合国本国の本国にして、首都である公王都キリヤ市の中枢であるキリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府では、勇治を筆頭にしたキリヤ公国宰相内閣府会議が執り行われて居た。
会議に集まったのは、勇治とキリヤ公国宰相内閣府に参画する大臣と各省庁の官僚達。
それと連合国加盟地域の元首達と重臣や代表達に加え幹部官僚らが集まりって居る。
これ等の中央政府や地方政府とで、キリヤ公国連合国の大方針を決める定例会議が、キリヤ公国宰相内閣府会議なのである。
第三次中央閣僚組閣が終わり、主要国と主要地方から中央政府へとやって来た議会議員達は、中央政府に少しでも自国を良く見て貰おうとして居るが、盟主王たる勇治と中央政府等は、とても良く全部面倒を見てくれるので、誰一人として、不満が無かったりする。
新内閣には新トウキョウ地方自治州区から入って来た、新閣僚の姿も見受けられて居た。
入った人物は下記の二人の人物。
浅生大五郎 60歳
べらんめえ口調の性格の人物で、浅生商事株式会社の社長にして、朝陽宮瑞樹の父親。
衆議院議員を7回も当選し、総理経験も在る人物で、未亡人と成った瑞樹には、もうそろそろ実家に帰って来て欲しいと言って来て居るらしい。
そんな彼は、そろそろ政界引退をしようとして居たが、転移災害により旧日本国地方国土領が、新トウキョウ地方自治州区と成ってしまう。
そんな中で現総理である中泉純一郎から、キリヤ公国連合国の中央政界へと行って、新トウキョウ地方自治州区の地盤固めをして欲しい頼まれる。
仕方なく彼は、それを引き受けたが、そんな新トウキョウ内でも指折りのベテラン政治家が、中央政府へと入って来る事に目を付けたリィーゼが、キリヤ公国連合国・財務省の財務大臣に抜擢してしまうのであった。
大五郎は中央政界に入ったのは、新トウキョウ地方自治州区議員団の会長をする為であったが、思わぬ形で内閣入りを果たしてしまった。
竹中太蔵 35歳
新トウキョウ地方自治州区の出身者で、誠実で真面目な人物である事で知られて居る。
東京大学の経済学者にして中泉純一郎の経済関連の意見を具申する補佐官だった人物。
新トウキョウ地方自治州区中央議会首相である中泉純一郎からの推薦を受けて、キリヤ公国中央政府へと言って欲しいと頼まれ、キリヤ公国連合国・経済産業省大臣となる。
これにより科学技術省大臣兼務して居たレイラ・ハルトマンは、文部総合魔導・科学技術省大臣一択と成る事が正式に決まった。
彼女が経済産業省大臣をも兼務して居たのも、第一次・第二次中央閣僚組閣での名残りであり、立て続けの戦争に忙殺されて居た事に由る人事変更が、御座なりに成って居たからであった。
元々キリヤ公国連合国は、キリヤ公国として勇治が、のんびりと治める予定だった私領地国家である。
それを起点として居るが故に、人材不足からセレジアの実家であるガリアナ王国の補佐を受けながら、何とかやり繰りをして来て居た。
今では10ヶ国もの連合国加盟国を抱える大国へと躍進して居る。
その10ヶ国から選りすぐりの人材を登用し、内閣を新しくする事に成功を治めて居た。
そんな新参者を含めたキリヤ公国宰相内閣府会議が、始まろうとして居た。
「では最後の議題ですが、アマテラス神皇国九州平定戦役に措ける戦後処理に付いてです。」と閣議の進行役を務めるのは、司会進行役としても定着して来て居る。
キリヤ公国・近衛近習衆所属、公王執務官邸長官である長野・業乃・正則である。
「先ずは敗戦国の島津家、これは既に本家と中枢幹部家臣達をオキナワ島へと遠島処罰し、然る後に恩赦と言う形で、キリヤ公国本国の家臣とする事にしますが、これに関して、反対意見の方は・・・・・・・・・・・・・・・」
全閣僚を含む各国首脳元首と幹部官僚達は、全員が異議なしと答えた。
「次に戦功が著しい立花家、援軍が到着まで一月もの間、島津軍を防ぎ、味方に大勝利を齎しました。」
「陛下は是非とも、中央でもその力を活かしたいとお考えを申し出され、立花家をキリヤ公国本国の直臣とし、爵位として伯爵位を与え、本国本土の自治藩王としたいとの仰せです。」
「それに付いてだが、立花家の主家である大友家をどうする気なのだ?勇治。」と聞くのは外務大臣を務める結城・梅晴であった。
彼女は国外の外交諸問題を取り仕切って居るが、キリヤ公国連合国内の外交も取り仕切って居た。
大友家は、アマテラス織田自治神皇国を建国した織田家の傘下に入り、外様家臣と成る予定だ。
勇治が欲する立花家を本国の直臣に取り立て居る事は、今現在の所、直臣として居る織田家・大友家の両家の面子を潰す事にも成り兼ねないからだった。
「それに付いては私から話そう」と言うのは国防大臣の足柄・一輝である。
彼女は国防大臣を務めて居るが、以前はアマテラス神皇国の先の将軍王家である足柄家の当主でも在る。
その事から、対外戦争やアマテラス神皇国内の政策に関わる事柄の相談も多く、勇治からは立花・雪花が、どうなったのとか?と聞かれて見舞いの使者を送って、その様子を探らせた。
その使者から聞いた話では、この度の戦役で負傷した雪花は、今後も立花家の当主を務めるのに、些か不安を感じて居る。
それに加えて勇治陛下とキリヤ公国本国から多大なるご支援を受けてしまい恐縮して居るが、これを受けずに居れば立花家は破綻を招いてしまう。
更にこのご恩を突き返すのも、武家としては無礼に当たるので、私、立花・雪花・道雪は、此処に立花家当主の座から隠居し、妹の薫を新当主としたいと思います。
立花家当主交代の事に付きましては、勇治陛下とキリヤ公国本国中央政府には、織田様と大友様のご両家に対して、何卒お取り成しをお願い致します。
それと私ごとでは有りますが、私、雪花はこの度の御恩に報いるべく、勇治陛下に仕官したい考えて居ります。
これに付いても、ご熟慮くださいますようお願い申し上げます。
「だそうだ。」と締めくくる一輝であった。
「ありゃりゃ、チョッと支援を上げすぎちゃったかな?」
「そうだと言いたいが、織田家が大友家や立花家・・・・・・いや、九州地方全体の大名王家と市民に対する戦後処理復興支援問題。」
「これをキリヤ公国本国に丸投げと言うか、其処に居る和紗も、復興予算は3割5分程度もの戦後復興支援予算を出して居る。」
「本国政府が出した予算が、それを上回る規模だからな。勘違いするのも無理もない。」
「その通りだ。俺もそれ成りに金を出した・・・・が、勇治と本国政府の方が予算が潤沢だっ!」
「勘違いされる事は、全く以って甚だしいが、地方王として立場としても、これは仕方が無いと諦めている。」
「それに大友家の方も、立花家に支援を出したいが、国庫が空だと言って来た。」
「だからキリヤ本国政府や俺の所に泣き付いて居るんだが、その事が立花家からして見れば、過剰な恩義に見えてしまったのだろうな。」
「一輝様、和紗様。お二人とも、そう言う事は、早めに我が外務省に言って下さい。」
「すまんな。私も立花家の連中から話を聞いたのは、この会議の直前だ。」
「軽く見舞いをするだけの話が、大事な話に成ったのは、現時点での当主である雪花の奴が、キリヤ公国宰相内閣府会議の予定を知らない事も在る。」
「俺も取り敢えずは、復興支援予算案を外務省に提出したが、立花家の事は、一葉から、この会議前の直前に成ってから聞かされたからな。」
「梅晴に言う暇も無かった事は、この場で詫びる。」と珍しく人前で頭を下げる和紗。
彼女は、普段から軽々しく頭を下げる様な事をしない性格だ。
それだけキリヤ公国宰相内閣府会議と言う中央政府会議に参画して居ると言う自覚の表れであり、自分の発言がアマテラス織田自治神皇国・将軍王としての強力な言葉である事を理解して居るのである。
「まぁ、それに付いても我らも悪い。」
「新参の有力諸侯も含めた連合国民達には、会議か何時頃に開かれ、会議結果が何時に成るか等は、全く知らせて居ないからな。」と一輝は締め括る。
アマテラス神皇国九州平定戦役の戦後処理は、島津家を追放処分とした九州地方を如何するのかと言う国土利権が絡んだ重要な閣議でもある。
全てが決定するまでの間は、おいそれと会議結果が何時に成るのかを言えない事情が在るのだった。
特に島津家の後釜や九州地方を織田家の誰に治めさせるのかで、キリヤ公国本国は迷って居た。
「まぁまぁ、三人とも落ち着いて下さい。」
「大友家には立花領をそのまま治めて貰い、家の土地開発が余り進んで居なかったキリヤ列島地方のキュウシュウ島地方を国土として貰う事で、この問題の決着を付けたいんです。」
「北の北キュウシュゥ島地方自治州区に立花家を入れて伯爵藩王に。南の南キュゥシュゥ島地方自治州区に高橋家を入れて支藩王国としたいんです。」
「要は九州地方の大名王家の区画整理が、目的なんですね。」
「今のままでは大小様々な大名王家が割拠して、ぎゅうぎゅうとして居る九州地方が、区割りする時に色々と利権が絡んで面倒なんですね。」
「何とか新体制作りの為だと説得が出来ませんか?」
「理屈は分かるが・・・・・」と梅晴は考え込む。
「立花家の一件の領国に関する最終的決定は、一時保留にして欲しい。同時に大友家への説得工作も進めて置く。九州地方の新体制作りもだ。」
「どれくらいは掛かりますか?」と勇治は聞く。
「一月・・・・・・いや余裕を見て、2ヶ月は欲しい。その間に別の案件が来て居るんだが・・・・・・」と旧結城家家臣の出身者である外務省官僚に対して、目配せする梅晴。
大名王だった結城家の旧家臣達は、御家を閉じたあと、梅晴を慕ってキリヤ公国へと仕官した者が多く居る。
その殆んどが外務省へと入省して、梅晴の部下として働いて居る。
「これは?」
「私も一輝には、先ほど言ったが、これもつい最近・・・・昨日来た奴だ。」
「おいおい腹黒狐、そりゃ無いぞっ!!」と苦笑交じりに言う一輝。
梅晴も冗談で言って居るので、悪気か無いのだ。
「ふっ、まぁ貴女も、この話を黙って最後まで聞いて居て欲しい。」
「皆は南の世界列強大国の一つたる大華天帝国・クーロンは知って居るか?」と梅晴は聞くが、転異組みのナデシコ、ビクトリナ、新トウキョウ等の者達らは首を横に振る。
「ユーラシアン大陸から南方に千キロ地点・第三文明圏・南方地域世界・ダクラマカン大陸・第三列強大国の事だろう?」
「昔から竜珠王国を通じて、アマテラス神皇国とも親交が在る大国じゃないか。」と一輝が言う。
「それが如何したのよ?」とリィーゼが首を傾げて居る。
「実はな。我がキリヤ公国連合国をユーラシアン大陸の覇者と認め。」
「第一文明圏・第一列強国として、認めるとの事だ。」
「此処での詳しい内容は省くが、我が国と国交樹立をしたいから、我が国へと招待したいと言って来たんだぞっ!!」
「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」と一斉に黙りこみ、沈黙してしまう、マギアンティア世界の出身者達一同。
「「「「「「「「「「やっ・・・・・・やったああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」
マギアンティア世界の出身者達一同の突然の歓声に、ポカンとしてしまうのは転異組の出身者達であった。
「そんなに凄い事なのか?」と聞くのは財務大臣と成った最年長の浅生大五郎であった。
「ええ、そうなんですよ。浅生小父様。」とリィーゼは、大五郎の事を初対面の時からこう呼ぶ。
キリヤ公国連合国中央政府は、若い女性陣が多いで、若い子からさん付けはこそばゆいと、だったら小父さまで良いですよねと言う事に成った。
「そうなのだ小父上殿。」
「この世界で歴史上一番に古い国家であり、その国に先進国又は列強国として認められると言う事は、どんな相手でも文句を言われずに対等外交が可能と成り、一等国と成った事の認定証を貰う事と成る証なのです。」と一輝は、詳しく簡単に説明する。
「詰まりは、おめえ達の努力が報われたと言うのかい?」
「そう言う事です」と梅晴は、その場を締め括った。
キリヤ公国連合国、引いてはキリヤ公国は、セレジアの実家であるガリアナ王国から領土分割され、勇治を婿としつつ対等な連合関係を持った提携連合国を出発点として居るのが、公国・公王制国家であるキリヤ公国連合国なのであった。
それ故に建国以来、少年王と揶揄され、舐められた扱いを受けて来て居た。
当初はそれは仕方がないと思い、適当に国家運営をして行けば良いと、公王である勇治は考えて居た。
だがしかし、ナデシコ地方自治州区の転移と国土編入をした事で、キリヤ公国の情勢は、一気に一変する事に成る。
ナデシコ地方自治州区、メイルシュルフラッド独立自治公国、奥州独立自治王国、上杉独立自治北陸藩王国。
毛利独立自治安芸藩王国、フェリス侯爵独立自治領国、ビクトリナ独立自治共和国、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区。
アマテラス織田自治神皇国、竜珠独立自治王国と言った国々が、次々と加盟して行く。
今やキリヤ公国本国を合わせると11ヶ国の連合国家体へと躍進した、この世界でも類まれなる大国と成って居た。
キリヤ公国宰相内閣府とキリヤ公国連合国・国防総省とキリヤ公国連合国・外務省からなる対外政策を担う内閣陣の成果として、最も欲しい物。
それは何処かに味方に成ってくれるか、友好国と成ってくれるそれなりの勢力圏を持った国家に、キリヤ公国連合国の事を一等国として、国家承認をしてくれればと、外交努力を続けて来て居た。
地球世界で例えるのならば、明治時代の大日本帝国が大英帝国と対等ん同盟・・・日英同盟を結んだ事に等しいと言えるだろう。
それがようやく、実を結んだと言う事に成り、大きな声で歓声の声を発してしまったのである。
「それなら、夏休み明けにでも使節団を組んで外遊に言って来ると良い。おめえらの居ない間の留守番は、この俺が引き受けてやる。」と年長者らしい対応してくれた大五郎。
「すみません。小父様。」とリィーゼ礼を述べた。
「良いんだよ。若いもんは、もっともっと経験を積んで来い。」
「それで俺達、老年組を早く楽させてくれ。」
「何時までも嬢ちゃん達のお締めの面倒を見てやれないからよっ!!」
「まぁ、冗談が過ぎますよ小父さまっ!!」と軽く膨れるリィーゼであった。
「だがよ、梅晴の嬢ちゃん。これがどうして、アマテラス九州地方の新体制作りの代わりに成るんだ?」
「実は彼の国が、我が国に興味を持ったのは、南で起きて居る海賊問題や隣国との紛争が原因らしいのだ。」
「其処で彼の国が言うには「最近に成って勢力圏を我が国の南方地域と接して居る大華天帝国・クーロンの飛び地領土と成って居るユーロン南方海峡洋海の洋上に浮かぶ島々。」
「大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島等の島々。ユーロン南方海峡洋海諸島地方を委任統治領として売り渡す代わりに、キリヤ公国連合国の軍事力・経済力・人材育成力の支援を引き換えに欲しいと」と言って来て居る。」
「今の我が国としては、ユーロン南方海峡洋海諸島地方の島々を委任統治領の利権が得られるのは非常に助かる。」
「其処に九州島地方の大名王家なんかを異動させられば、アマテラス織田自治神皇国の国土が自然と広がり、織田家の家臣達だけで治められるから混乱が少なくてすむ事にも成る。」
「大華天帝国・クーロンの南方領で起きて居る。海賊問題や隣国との紛争は確かにリスクが在る問題だが、その辺り九州島地方の大名王家なんかを異動させた上で、各大名王家が新たな自衛陸軍を立ち上げ、それらを支援する為に、ナデシコ海軍を含めた連合海軍の派遣。それにキリヤ公国連合国の先進4地域の空軍を送り込めば、然したる問題ないだろう。」
「更には国交樹立と同時に、対等な同盟条約と貿易条約の締結も見込める事にも言及して居る。」
「だが、その反面に対する対価・・・・大華天帝国・クーロンからの対価の要求を受け入れねば成らない。」
「キリヤ公国連合国の軍事力・経済力・人材育成力と言うのは、援軍の派遣、経済投資と支援金。技術供与と技術者や知識人の派遣と言った様々な支援だ。」
「これらの引き換え条件は、我が国の将来的に見れば、新たな市場の開拓にも繋がるが、逆の面を見ればクーロン側に見限られ時には、大きな損失と成る事だ。」
「これは非常に難しい外交に成るやも知れん。」と梅晴は、大華天帝国・クーロンとの国交樹立による利益と損失に付いての説明が終る。
「ああ、そう言う事ですか。なーんだ。」と勇治は、直ぐにがっくりとしてしまう。
美味い話には、必ず裏が在ると言う典型的なオチに、ガッカリとしてしまったからである。
「それに今じゃ、大華天帝国・クーロンも、家に比べたら国土以外は格下に成っちゃうだよね。」
「そんな国と国交樹立しても貿易以外でのメリットが、薄い様な気がするんだよな。」
そう、勇治の言う通りである。
キリヤ公国連合国は、今やこの異世界マギアンティアに措いて最先端を行く先進国。
地球世界年単位で言えば、21世紀を余裕で超えて居る国力と科学技術力を誇って居る。
今更ながら歩兵戦力主体で、手工業と農業で成り立って居る国家と同盟を組んでも、その甘い汁の旨味は、相手側にしか旨味が無いとも言えるから、迂闊に手を組むのは、躊躇われる事なのであった。
ガッカリとした勇治の言葉に、外務大臣として梅晴は諭すように言う。
「だが勇治よ、悪い事ばかりでは無いぞっ!!」
「これで我が国は少なくとも、大華天帝国・クーロンとは対等な国交を結んだ国家と成るのだぞっ!!」
「それに上手くすれば、対等な同盟国と成るやも知れんのだっ!!これを見す見すと、この機会を逃す事は無いのだっ!!」
「大国と友好国と成れば、これまでの様に我が国とおいそれとは戦争には発展がし辛い筈だっ!!」と言い掛けた所で、勇治か反論する。
「梅晴さん。それって何かのフラグが立ってしまうからダメだってっ!」
「絶対に何か起こる兆しの言葉だよっ!!」
「あっ?すまん、すまん。ついつい嬉し過ぎて興奮し過ぎてしまった。」と謝る梅晴。
「まぁ、戦争に成るのは、ホンともう懲り懲りだけど、アマテラスの件が片付けば、家の国は内戦の無い平和大国が実現出来るって事だねっ!!」
「梅晴さん。先方には国交樹立の件は喜んで伺いますとお伝え下さい。」
「分かった。この件は私と外務省が、詳しい条件を詰めつつ、全力で話を進めて置く。」
こうして、キリヤ公国宰相内閣府会議は、アマテラス九州島地方の新体制作りは保留とし、変わりに夏休み明けに大華天帝国・クーロンと国交樹立為に、彼の国への友好使節団外遊派遣が閣議決定されたのであった。