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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第9章 少年王と彼女達との夏休みと南方からの使者っ!!
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第78話 少年王と地下で暗躍する者達の出現っ!! 1

 新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区のキリヤ公国連合国への編入に伴い中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸の一帯は、キリヤ公国連合国とゲルニアン帝国とが覇を争う様相がより一層増して来て居た。



 キリヤ公国連合国は南ユーラシアン大陸の一帯を制して居り、その国力は実質的にゲルニアン帝国を追い越して、今やこの世界に点在して居る既存のどんな国が相手だろうとも、手が付けれられない状態と成って居た。


 最早、ゲルニアン帝国の単独支配に由るユーラシアン大陸統一と言う野望は潰えるしかないとマギアンティア世界の各国では見られて居る。



だが、そうは問屋が卸さないと言った出来事が起こった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月19日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ゲルニアン帝国・帝都ベルリナ・ベルリナ帝城宮殿・皇帝執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「皇帝陛下、例の男が目覚めたとの事です。」


「ほう・・・・・報告に在った、あの奇妙奇天烈な乗り物と思わしき物に乗って居た奴か?」


「はい。怪我が癒えた頃合いを見計らって事情聴取をしました所、何でも新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区の在った異世界に、所縁が有るとのこと。」


「ほう・・・それは益々持って面白いのう。」


 新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区が、この世界に飛ばされた大元である神災級の災厄時空転移の影響、時空振動爆弾の余波がマギアンティア世界の『元』第一列強国であるゲルニアン帝国にも出て居た。


 その影響とは、一人のとある科学技術者がゲルニアン帝国の東海岸に謎の鉄の塊内で、気絶して居たのを付近を警邏中であった警備軍の者達が、保護回収した様であった。


「そして何でも、技術者であると本人は申して居ります。」


「ふーむ、技術者のう。それで奴は何が出来るのだ?」


「パワーのある人型機動兵器を造るのが、大得意との事です。」


「何?!グハハハハハっ!!そうかっ!そうかっ!そうかっ!それは実に面白いっ!!」


 人型機動兵器と聞いて、ヒットラン皇帝はバーッと嬉しい笑みを浮かべて、思わず笑い声を上げてしまった。


「ロンデルよっ!その者を何としてでも我が陣営に引き入れて、キリヤの小僧に対抗できる兵器を作り出させるのだっ!!」


「この際だ、幾ら金が掛かろうとも構わんっ!!金と資材に糸目は付けんぞっ!!」


「ははっ!!畏まりました。」


 

 何時もの如くヒットラン・アドルフラー皇帝とロンデル・エルバン大元帥の二人の悪巧みは、勇治の目が届かない所で、新たな力を手に入れようとして居た。



 それも彼の皇帝と国が手にしてしまったら、大変な危険な力を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




日付日時不明・位置特定不明・多元世界・異世界地球の地下世界にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 此処は数多有る多元世界・異世界地球、それも新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区が在った世界の地球である。


 その世界では、勇治の生まれ故郷である地球世界では、考えられない様な世界の闇が、至る所で蠢いて居た。


 ブレイブ・ガード・フォース隊計画は、そんな世界の闇と戦う為に計画された特機型ロボット防衛構想に基づく防衛計画であった。


 小型で小回りと生産力と生産量が高い量産型ロボットよりも、パワーと防御力に優れたスーパーロボットを制作し、その量産型を多数配備して、量よりも質に特化したロボット軍団を作り上げて、世界平和を守ると言った物であった。


 そんな計画が必要なくらいに強いと、一部の人々から指摘されて居る闇の組織の一つであるダイノザウルス帝国は、異世界地球の地下に密かに潜む、人間族とは異なる種族の知的生命体である。


 そのダイノザウルス帝国の正体とは、1億年もの昔に栄えたと言うザウラーリアンと言う爬虫人類の事で、約6500万年前に落下して隕石落下の影響をさけるべく地下へと逃げ延びた。


 古生物学や考古学者達の間で呑み、実しやかに囁かれて居る恐竜人と呼ばれる爬虫人類達が、6500万年の時を経て、地上へと侵攻しようと目論んで居るなんて、オカルティズムな話が近年では囁かれて居た。


 俗にそれらの事を学者達の間では、地下異種族帝国と呼んで居た。


 その一つであるダイノザウルス帝国は、サイボーグ・ザウルスと言う生態兵器を用いて、地上侵略をしようと目論んで居るのだった。



 ダイノザウルス帝国の絶対的な皇帝であるラ・ゴーン大竜皇帝は、6500万年の時を経て、今こそ地上へと侵攻しようと進軍の大号令を発しようとして居た時である。



 太平洋の地下にダイノザウルス帝国の中枢にして、根拠地である移動要塞ダイノーンランダーベースに異変が起きていた。


「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「ラ・ゴーン大竜皇帝陛下あああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 ダイノザウルス帝国の偉大なる大将軍たるバルダット将軍は、地下世界での突然の振動に驚き、玉座にてよろめいたラ・ゴーン大竜皇帝を支えた。


 やがて巨大な地震による揺れは治まり、状況が落ち着いた二人は、状況の確認をするべく、動き始めた。


「一体、何が起きたのだ?」


「何時ものように只のマグマ振動では?」


「いや、それはあり得ない筈だっ!!」


「その震動すら耐えられる様に、設計して造られた移動要塞ダイノーンランダーベースに、何か異変が起きて居るのだっ!!」



「バルダットよ。直ぐに地上の様子を調べるのだっ!!」


「皇帝陛下、今さら地上偵察をしても無意味ではありませぬか?」


「それよりも今直ぐにでも地上征服計画を推し進められべきだと存じますっ!!」


「それは地上の様子を探ってからでも遅くはあるまい。」


「万が一、その地上に異変が在れば、それこそ勿怪の幸いだっ!!すぐさま大軍で侵攻してくれようぞっ!!」


「だが、それとは別に地上の猿どもが、我らに対して、何らかの兵器での攻撃を仕掛けたのならば、由々しき事態と言える。」


「それを調べる為にも、今は冷静に成り、偵察隊による情報収集を優先するべきだろう。」


「流石は皇帝陛下っ!!ご慧眼でありますなっ!!」


「それではバルダットよっ!!直ぐに取り掛かれっ!!」


「はっ!!では地上を航空恐竜型サイボーグ・ザウルスのプテラサイボーグノドンを偵察に向わせ、地上の様子を探らせまするっ!!」 



 ダイノザウルス帝国の絶対的な皇帝であるラ・ゴーン大竜皇帝は、航空恐竜型サイボーグ・ザウルスのプテラサイボーグノドンを偵察に向わせ、地上の様子を偵察する事にした。


 折しもこの時に、日本国ではアイアンメガパワーインスティテュート軍団と言う個人的な武力研究所組織を率いて居る変人ゴルクガング博士が起こしたテロ事件が起きていた。


 その彼の手に由って造られた時空振動爆弾の影響で、ダイノザウルス帝国は、その根拠地である移動要塞ダイノーンランダーベースごと異世界マギアンティアへと転移してしまって居た。



 勇治達のキリヤ公国連合国と異世界マギアンティアの世界に、異世界の闇の組織の魔の手が迫って居た。



マギアンティア世界統一暦・1555年・11月19日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・南東部世界地域・第四文明圏・ドラゴ大陸・ドラリュウス帝国・ドラゴ連峰山脈地帯中央地域・ドラゴ連峰山脈盆地・龍帝都ドラゴ市・龍帝城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 第四文明圏・ドラゴ大陸を支配するドラリュウス帝国の首都、龍帝都ドラゴ市に突如として急変が起きた。


「偉大なるバラン皇帝陛下、大変でありますっ!!」


「如何した?ゴラリュウス?」


 皇帝執務室で公務に励むバランの下へと、大慌てで駆け込んで来たゴラリュウス・ドルトムント大将軍は、緊急の報せを伝えるべく現れた。


「はっ!!未知の竜と思わしき個体の群れの編隊が真っ直ぐ、この龍帝都ドラゴ市へと向かって居りますっ!!」


「ほう、何所のはぐれ竜かは知らぬが、如何なる目的が有ってか、のこのこと我が龍帝都ドラゴ市へとやって来ようとはな。」


「面白い。ワシ自らが相手をしてやろうぞっ!!」

 

 バランはゴラリュウス大将軍と龍帝城に駐屯して居る近衛軍を率いて龍帝都ドラゴ市と龍帝城に迫る謎のはぐれ竜達の編隊へと立ち向かうべく、50メートルも有る巨大な竜へと変身して市外へと向かうのであった。




 一方のダイノザウルス帝国のサイボーグ兵器である航空恐竜型サイボーグ・ザウルスのプテラサイボーグノドンから成る編隊30機は、地上へと放出されると、レーダー装置を使って、近くの人工物の多い地域へ真っ直ぐに向かって居た。


「「「「「ギヤオオオオオオォォォォォーーーーーーーーーンッ!!」」」」」



「ふっ、確かにワシも知らぬ個体種の様だな。」


「大きさも我らと同等と思われます。」


「面白いっ!!グルルルルッ!!」



 バランは己が翼で、プテラサイボーグノドンの一体へと飛び込み、手持ちの大剣で斬り掛かった。


「ギヤオオオオオオォォォォォーーーーーーーーーンッ!!」


 プテラサイボーグノドンは、口からソッニックウェーブと羽に付けられて居るミサイルを撃ち放った。


「ちいっ!!キリヤの小僧の奴めの所にも在る。忌々しい鉄槍の玩具かっ!!」


「お気を付けください陛下っ!!見慣れぬ魔法を扱うやも知れぬ竜種かも知れませんっ!!」


「だが、キリヤの所の人形共に比べれば、反応速度が遅いっ!!」


 バランは、プテラサイボーグノドンが撃ち放ったミサイルとの間合いや、その性能を見切ると、一瞬にして切り落として見せた。


「おおっ!?流石ですっ!!」


「者共っ!!これはキリヤとの戦いの良き練兵と成る。心して撃破せよっ!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


 龍人族の戦士達は、雄叫びの咆哮を上げて、プテラサイボーグノドンへと斬り掛かる。



 その様子を見て居たダイノザウルス帝国の絶対的な皇帝であるラ・ゴーン大竜皇帝は、異なる爬虫人類族と思わしき種族を偵察に送り出したプテラサイボーグノドンから送られて来たカメラ映像で見て居た。


 ラ・ゴーンは偵察カメラ映像を見て、今自分達が居る場所は、彼らが良く知る地球世界では無く、全く見知らぬ異世界である事を知る事が出来ていた。


 その事に最初こそ驚きはしたが、余りにも異世界の文明の低さに脅威を感じる事は無かった。


「ほう・・・この世界にも爬虫人類が居るのだな。」


「文明の度合いは低いと見られますが、あの種族の身体能力だけは、無駄に高いようです。」


「これは少々厄介ですな。」


「生身の姿でサイボーグ・ザウルスと同等の力を有する異世界の別の爬虫人類種族か・・・・・・・実に面白いではないかっ!!」


「おおっ!?プテラサイボーグノドンが、全滅してしまった様です。」


「まぁ、それは良い。小手調べにしては上出来だ。」


「問題なのは・・・・・」


「はっ!!あの者達が何者のかを探らせ、どう対処するのかを見定めまする。」


「頼むぞっ!その方向性しだいでは、我らのこの世界での方針が定まる事に成ると言えよう。」


「我らの敵は地上を我が物顔で歩き回る哺乳人類、猿や他の二足歩行生命体なのだからな。」



 こうして、ダイノザウルス帝国とドラリュウス帝国と言う異なる龍と言う種族同士が初接触を果たした事が、この世界に更なる戦乱を呼ぶ事に成る。



マギアンティア世界統一暦・1555年・11月21日・午前9時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ローレライ大海洋・キリヤ公国連合国・第三連合地方・新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区・政府行政区主要特別区・トウキョウ都地区・トウキョウ都港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 旧東方日本地域と仮呼称されて居た新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区こと、通称・新トウキョウ地方自治州区。


 この地が現地政府の国会の賛成多数で可決により、キリヤ公国本国の特別地方自治州区として、加盟編入が為された事を見届けた勇治とキリヤ公国連合国加盟国の首脳元首陣営や文官武官の幹部陣営達。


 アマテラス神皇国地方の一部内戦や反乱軍の鎮圧が済み、新トウキョウ地方自治州区の加盟参加関連の雑務処理や連合国への加盟条約締結が終わったとして、一部先進地域の駐留軍が居残る形で、勇治達は本国へと退き上がる事と成った。


 トウキョウ都湾港には、新トウキョウ政府の自治州区内閣首脳陣らが見送りに来ていた。


「それで勇治君。皆さん、またお会いしましょう。」


「ええ、中泉さんのこれからの政務手腕にも、大きく期待をして居ます。」


「また、仕事以外でもトウキョウ都に遊びに来たいものです。」


「ええ、何時でもどうぞ。今や大皇居は勇治くんの物ですしね。」


 新トウキョウ地方自治州区の皇族が住まう旧江戸城である大皇居は、たった二人と成った日本大皇家の生き残りたる朝陽宮翠と朝陽宮瑞樹母娘二人がキリヤ公国の王族として、合流する事に成った。


 その為、大皇居の所有権が、勇治とキリヤ公国へと移譲されたのであった。 


 名称も大皇居から新トウキョウ地方・キリヤ公国公王別邸と変更され、勇治の別荘の様な扱いと成った。


 こうした事に成ったのも、朝陽宮翠と朝陽宮瑞樹母娘二人がキリヤ公国の王族として、合流する事に成った事と財政的な負担を現地政府から減らしたいと言う思惑が見て取れて居た。


 また、政治的な混乱を避ける為に、翠と瑞樹の二人は、暫くの間はキリヤ公国本国の公王都キリヤ市に住む事が決まって居た。


 その住まいはキリヤ城に専用の個室と新トウキョウ地方・公王都キリヤ市日本大皇家公邸と言う別邸が、勇治から与えられる事と成った。


 因みに公王都キリヤ市内には、新トウキョウ地方自治州区の元首や閣僚に官僚らが、中央政府へと仕事にやって来た場合の宿舎が在り、新トウキョウ地方自治州区中央内閣総理大臣公邸官舎と閣僚官舎、行政官僚官舎等が、新たに設置されて居る。


「では、行ってきます。」


「・・・・」


「翠様、瑞樹さん。何時でもお帰りをお待ちして居ります。」


「はい。父達にも宜しくとお伝えください。」


 翠と瑞樹も勇治達に付いて行くので、公王専用お召客船キリヤ号へと乗り込んで行く。


 実家の浅生家は最後まで、瑞樹達二人のキリヤ公国行きの事を良い顔をしてはくれなかった。


 一大企業のご令嬢の出自に過ぎない瑞樹が、最後まで皇族として、振る舞いながら生きて行く事に、何の意味が在るのだと言って・・・・・・・・・・・



 それでも瑞樹は、歴史と伝統在る日本大皇家の生き残りたる朝陽宮家を後世へと残すのだと言って聞かなかった。


 それが亡き夫への義理であると心に誓って居たかでも在ったからだ。


 たが、この後すぐに瑞樹の父親である浅生大五郎が、中泉総理の推薦で新トウキョウ地方自治州区議員団の会長を務める事になり、中央政府へと向かう事に成る。


 その直後に、キリヤ公国連合国の第三次中央閣僚組閣が行われる。


 その際に大五郎のそれまでの経歴を買った、キリヤ公国連合国中央政府の幹部達は、キリヤ公国宰相内閣府入りを打診する事に成ってしまった。


 気まずい別れをしたのにも関わず、娘と父親の二人は、とてもバツが悪い早い再会を果たす事に成るのは、中泉総理の気の利かない気を回した事による結果なのだろう。 


 ボオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーッ!!という汽笛が鳴り響く。


 政府関係者と新トウキョウ地方自治州区市国民達、実に3万人が港とへ見送りに訪れて居た。


 母娘二人の新たなる門出を温かく見守るために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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