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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第8章 少年王とアマテラス織田自治神皇国・九州地方平定戦と島津4姉妹没落と終焉っ!!
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第70話 少年王と織田・和紗の野望・大公立志伝とアマテラス神皇国九州平定戦役への出陣っ!! 6

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午後13時37分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・ローレライ大海洋・アマテラス列島地方・九州島地方・島津家領・南九州地方・日向国・日向市・日向港及び日向浜海岸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 アマテラス北九州地方での島津軍とキリヤ公国連合国軍との決着が付きつつある中で、島津家は徐々に追い詰められ始めて居た。


 島津家はキリヤ公国連合国からの援軍が到着する前に、九州地方全土を掌握すれば、作戦計画の上では御の字だと言える。


 だが相手はキリヤ公国連合国である。


 簡単には・・・と言うか絶対に勝てない相手だ。


 妥当な戦い方として、事前準備と作戦計画を綿密に計画を立て、上手く戦いを膠着状態へと縺れ込ませ、講和交渉で優位な形での決着を図る。


 これが現実的な方法だろう。


 だが、その計画は勇治の故郷の旧体制である旧大日本帝国がアメリカ合衆国を相手取って戦った太平洋戦争と似たような絵空事でもあった。


 しかしながら、島津家の4姉妹は、その作戦計画方法をどうしても取りたかったが・・・・・・その前に計画された筈の当初の計画。


 それは織田家が進めて居た九州地方の平定計画に対して、島津家が進めて居る九州地方の全土制圧計画。


 その計画に措ける自分達の財政と物資の支援をさせた相手が悪かった。


勇治とキリヤ公国連合国政府にさえバレなければ、此処まで事が戦局が悪化する事も無かったかも知れない。


 それだけゲルニアン帝国のヒットラン皇帝を嫌って居る勇治は、自分の庭先にちょっかいを仕掛けて来たちょび髭皇帝の事を喧嘩と嫌がらせを行為を仕掛けて来た当初から疎ましく思って居た。


 キリヤ公国連合国・織田家から成る連合国軍は、更なる一手を打つ。



 キリヤ公国連合国軍のアマテラス九州平定征伐連合国軍の総司令部は、第十七連合国軍のネイレス・ガーネット中将とビクトリナ独立自治共和国陸海空軍・1万人とアマテラス織田自治神皇国海軍の揚陸艦隊20隻。


 長宗我部海軍艦隊の巡洋艦浦戸を旗艦とした巡洋艦と駆逐艦を併せた17隻と揚陸艦15隻から成る艦隊が、四国地方方面から大規模な揚陸戦を仕掛けて居た。


第二艦隊・旗艦・アーク級2番艦・機動兵器空母ベルダン・マーグ。 

         


ラーク級機動兵器空母9隻

イルダス級ミサイル巡洋艦7隻

ミチルダ級ミサイル駆逐艦14隻

ランカウイ級揚陸艦12隻     

ダルト級補給艦が8隻

ウンジン級機雷施設掃海艦7隻

2000年式級潜水艦15隻

2000式級輸送艦10隻




「おーーーほっほっほっ!!おーーーほっほっほっ!!おーーーほっほっほっ!!それでは行きますわよっ!!全軍揚陸開始ですわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 新トウキョウでの任務を終え、アイヌル民族の反乱鎮圧任務も終わり、後は帰るだけと成った第二艦隊司令官であるミレディ・アルファードは、新たな任務先として、アマテラス九州地方平定戦にもキリヤ公国連合国中央政府経由で、命令通達があった。


 かなり遠回りでは在るが。組織図的に第二連合地方軍管区・キリヤ公国連合国軍・第二方面軍司令部・トリントンシティ鎮守府と現地政府のビクトリナ独立自治共和国・国防総省から参加要請が来ている。



 その命令を受けた彼女は、とても張り切って居た。


 と言うか、彼女が母国へと帰ったのならば、デスクワークと周回警備活動だけの暇な日々に戻る事に成るだけの退屈な日常生活へと戻る成るからだった。


 退屈が嫌いなミレーヌは、仕事とバカンスをして居る時が一番に生き生きとして居るのである。


 そんな彼女の事を通信越しに呆れて居る人物が居た。


 アマテラス織田自治神皇国海軍の揚陸艦隊の司令官を任じられ、と言うか押し付けられた丹羽・米実・永秀は、織田家の旗下に入った長宗我部家・河野家・三好家・十河家等の軍勢を率いて大規模な揚陸戦の指揮をする羽目に・・・・・・・・・


「はぁ、何所に行っても我が和紗姫様と似て居る同じような輩が居るものですね。」


「丹羽様っ!!前線指揮官の長宗我部元親様からです。上陸作戦を開始するとの事です。」


「了解、前線指揮官の元親殿への返答は、直ぐに作戦開始しますと伝えて下さい。」


 アマテラス織田自治神皇国海軍艦隊・長宗我部軍艦隊・ビクトリナ独立自治共和国統合軍・第二艦隊から成る揚陸連合艦隊による揚陸作戦は、日向国の中心地である日向市一帯を抑えて、軍勢を東周りに街道を南下させ、一気に島津家の本拠地である鹿児嶋市へと向かう事が出来るからである。


 日向国と日向城は。元々は小国の大名王家であった伊東家と伊東義祐が統治して居た土地で在った。


 今は島津家が占拠して居座れる要塞として居るが、この九州戦役が始まる発端となったのも、島津家が領土拡大をし、独立国家樹立をせんと日向と肥後への軍事侵攻が始まりであった。


 その伊東軍と相良軍も国土奪還を果たすべく、大友家と織田家、それにキリヤ公国連合国から軍事支援を含めた各種援助を受けて、陸路から日向国へと侵攻作戦を開始して居た。


 島津家への反攻作戦たる日向国への本格的な作戦の最初の段階として行われるのは、揚陸艦を使っての沿岸地域への大上陸作戦である。


 ビーチングさせた揚陸艦の中から、長宗我部軍を中心とした四国地方の有力な大名王や国人衆である者達と、その配下や織田家内でも有力な武将の軍勢が続々と上陸して行く。


「元親さまっ!!」


「島津家に取られた伊東家の居城、日向城の様子は?如何だった?」


「はっ!先乗りした偵察隊が、城内を一通り見回りましたが、もぬけの殻で御座いました。」


「それと伊東・相良連合軍は、島津に占領された各地域を解放しながら南下して居る為、この上陸作戦には間に合いません。」


「そう、日向城に居たって言う島津・家久は、逃げた・・・・・と言うより籠城戦が無意味だと悟って野戦を含めた自分達が優位に立てそうな居場所へと移動したみたいだね。」


「伊東・相良両軍は、占領地域の統制への手配りを優先して良いから、焦らず確実に進軍する様にと伝えて下さい。」


「元親様っ!!日向城へは、何方の軍勢を向かわせまするか?」


「そうね・・・・・・・確か山内勢が、織田軍の上陸作戦の先陣軍部隊だったわね。それならば、日向城には山内殿を向わせろっ!!」


「日向城を抑えて我が軍の物資の集積地とする。」


「了解しましたっ!!」と伝令官は 山内・伊右衛門・一豊の下へと駆けて行くのであった。



 丸に三つ葉柏の紋所の旗指物を海風に靡かせつつ、三千人ほどの集団の軍勢を率いる大将である山内・伊右衛門・一豊は、アマテラス織田自治神皇国軍の先鋒隊として日向海岸へと上陸。 


 先鋒隊軍の指揮官を任された長宗我部・智華の命令を受け、海岸線から7キロ地点の内陸地に在る日向城へと乗り込むべく移動を開始する。


「・・・・・・・・・」


「兄上様、不機嫌そうな顔つきで、何をむくれて居られるのですか?」


 妹である山内・千草・康豊に聞かれた一豊は、不機嫌そうに答えた。


「はぁ~、此度は大戦だと聞いて張り切って居ったが、いざ出番が来てみれば、敵方は逃げたと聞く。」


「もぬけの殻と成った城を落としても、大した手柄と成らない事が不満でな。」


 山内・伊右衛門・一豊は、尾張国・岩倉織田家の家老の長男で、和紗と岩倉織田家との派閥争いが原因で、父親が仕えて居た岩倉織田家が滅亡してしまう。


 その後、浪人と成って各地を転々とするが、偶然に居合わせた岡ヶ狭間の戦いで、織田家の侍と勘違いして斬り掛かって来た今川軍の武将を討ち取ってしまった。


 その後、更に織田軍に勘違いされ、無理やりに和紗の前に突き出され、恩賞を与えられるが、自分は通行人で戦に参加した訳では無いと弁明して、その場を立ち去ろうとするが、旅に路銀は必要だろうと和紗に恩賞を強引に渡されてしまう。


 その何とも言えない人柄に魅かれた一豊は、仇でもあった和紗の家臣と成った。


 それ以来、数々の戦場である程度、目立った功績を上げて来た自負が在った一豊。


 そんな理由から近代化戦争どころか、未来戦争へと突入して居る今の織田家とその盟主国であるキリヤ公国連合国の戦い方に付いて行くのが精一杯と言った感じであったのだった。


「何を仰って居られるのですかっ!!」


「しかしだなぁ~」


「これからの戦と言う物は、大軍同士や優れた武器兵器を使いこなし、優れた指揮官として振る舞うのが大将のお役目と心得まする。」


「武人同士の戦いが古いと言うのか?」


「いいえ、近接戦が全く持って古いとはまだまだ言えませぬが、それは掃討戦や不正規戦と言うべき遭遇戦に限られる事に成ると思われまする。」


「それにそろそろ兄上様も良いお年頃、この辺りで前線で戦う事よりも部下を上手く使って、如何に上手く手柄を上げさせるかをお考えに成って如何でしょうか?」


「ふうむ、一段上のやり方を目指せと言うのだな?」


「はい。それが功名の種に成りまする。と義姉上が申されて居りました。」


「由紀恵が?」


 この世界の山内一豊には、美濃の国衆の仲間家という家の出身で、由紀恵と言う妻が嫁いで居た。


 由紀恵は何かに付けて一豊の尻を叩いては、難しく考えるよりも単純な助言を与える事で、大手柄を夫に上げさせていた。


 その由紀恵が井戸端会議などで仕入れた情報を元に、新たな助言を義理の妹に授けて居たらしい。



 そんな話をして居る内に日向城の城下町、日向市に到着すると、其処では待ち受け居たかの様に忍び衆が現れた。


「曲者かっ!!」と一豊は叫ぶ。


「いいえ、違いまする。アマテラス神皇国の忍び衆は、その殆んどがキリヤ公国連合国の勇治陛下の旗下に在ると聞き及びまする。」



「然らばっ!!」


「山内一豊さま。お待ちしておりました。キリヤ公国秘密工作諜報情報部局・第4部隊・風魔党忍軍衆の頭領、風魔小梅に御座います。」


 ショートカットヘアーと小柄な体型をした少女が一豊達の前に降り立つと自己紹介をして来た。


 風魔小梅が率いる風魔党忍軍衆は、長らく北条氏に使えてきた忍者集団。


 アマテラス神皇国に大陸から忍び衆を全て召抱えると言う話を聞き付け、キリヤ公国連合国へと移住を決意する。


 これを機に風魔党忍軍衆の党首は、風魔小太郎から風魔小梅に代替わりをした。


 風魔党忍軍衆を引き抜かれた北条家は、引き留める成す術が無かった為に、封魔党忍軍衆を大金で引き抜いたキリヤ公国連合国の事を、黙って見て居るしか無かったという。



「勇治陛下の忍び衆の頭が、織田家一介の武将である某に何様か?」


「はっ!日向城の内部には、問題無く入れると我が風魔衆の先行部隊から報告が在りましたゆえ、お報せに参ったしだいです。」


「先に長宗我部様の手の者が偵察を致して居りましたが、我らは裏の裏に至るまで、入念に探りを入れて置きました所、全く問題ない事が判明致しました。」


「ご苦労っ!!引き続き味方の補佐や周辺の警戒を頼むぞっ!!」


「はっ!」と言って報告を終えた小梅と風魔衆は、風の如く走り去って行く。


 キリヤ公国秘密工作諜報情報部局の忍び衆は、この九州地方平定征伐戦の裏方部隊として、影から動いて居る。


 特に空と成った城塞や港に倉庫と言った施設等に敵の仕掛けた罠や残党に奇襲攻撃隊の警戒も怠らない様にとの通達が為されて居る。


 今回の場合は、その様な警戒は、取り越し苦労だった様だ。


 日向城へと入城した山内勢は、天守閣に丸に三つ柏紋の旗を立てると、周辺地域の警戒態勢を取るのであった。

 

 


 日向城に山内勢が入った頃、無の字の前立て兜と多数の鈴と黄金のメッキで色づけた鎧を着た姫武将を先頭に、その後ろに続くのは、無の字と永楽通銭の旗印、それに織田軍の先陣部隊と言う事でも在るので、黄色い布地に織田木瓜旗を掲げた三千人の軍勢が木城と言う地域へと差し掛かろうとして居た。


「・・・・・・むむっ?」


「秀久様、どうか致しましたか?」


 家臣の一人にそう聞かれた仙石・久深・秀久は、何か気配を悟ったらしい。


「この気配、敵が居るなぁ~」


「あの丘の林に敵の伏兵在りと見た。」


 野生的な直感の優れた仙石・久深は、ヤバいと感じた所に目をやる。


 其処へ四国勢で、長宗我部家の与力軍として現れた十河一存、河野通直、三好長慶等の軍勢達を併せた9千人が参着する。


「仙石殿、如何なされた?」と十河が聞いて来た。


「十河、あの丘の雑木林に、敵軍が居るぞっ!!」


「敵がか?」


「通信士、日向港本陣に連絡っ!!島津勢を発見、支援を求むっ!!」


「了解っ!!」通信士は日向国攻略隊の本隊へと無線連絡を行った。



 仙石・久深は、合戦態勢へと移行するべく、全軍の陣形を迎え撃つ態勢を整えせて行く。


 旗下の軍勢である十河軍の公饗に檜扇 三好軍の丸に三階菱 河野軍の折敷に三文字の軍旗を海風に靡かせながらも、仙石軍に合わせる様にして、陣形を整えて行く。


 一方の島津・衣恵与・家久は、旗下にある北九州地方東部方面侵攻部隊を木城地方の小高い丘に在った林に潜ませて居たが、どうやら感の良い奴に見破られたと悟った。


「ちぃっ!!これだから弘姉ぇみたいな輩との戦は面倒くさいんだよねぇ・・・・・」


「バレちゃったからには仕方がない。」


「敵に一中てしてから逃げるよっ!!」


「ははっ!!」


「ブオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーっ!!」と法螺貝が鳴り響くと、島津・衣恵与軍は5千人の手勢と共に、ドッと丘の在る林から麓へと駆け居り出して行く。


「者共っ!!迎え撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と仙石・久深が号令を発する。



「此処で手柄を上げて、落ちぶれてしまった我が三好家の復興を果たすっ!!」


「三好家の勇士達よっ!!此処が正念場だっ!!彼の軍勢が島津・家久が指揮して居ると言うならば、我が三好軍が討ち破り、勇治陛下と信長殿に良いご報告をしようぞっ!!」


 この戦いに駆り出されて居る三好家の当主である三好・慶香・長慶は、かつてアマテラス皇国足柄幕府将軍王朝の管領職を勤めて居た細川元晴の細川に仕えて居た守護代大名王家の家柄で、摂津国・河内国・和泉国・阿波国・讃岐国・淡路国を合法的に支配する事に成功して居る。


 その細川家は摂津国・河内国・和泉国・阿波国・讃岐国・淡路国・大和国・丹波国と8カ国を治める大大名であった。


 だが、足柄・一輝・宗輝が将軍王を継承した時代、細川家と守護代家であった三好家との間で政権の主導権を求めて争って居た。 


 そんな中で三好・慶香・長慶は権謀術数を駆使して摂津国・河内国・和泉国・阿波国・讃岐国・淡路国を手にしていた。


 だが、尾張国から天下に号令を発しようと機内中央地域へと上洛を果たさんと攻め上って来た織田・和紗・信長の12万人の軍勢と山崎で戦い敗れ、三好・慶香は大人しく和紗に降伏し、細川元晴を倒す事に協力する。



 その結果、細川元晴を討ち果たし、彼女は織田政権内では、阿波国・讃岐国の大名王家へと任官させられ、格下ともいうべき家柄であった織田家の家臣と成った事で、かつての隆盛は失われ、すっかり落ちぶれてしまう


 三好・慶香は、この大戦で少しでも活躍して、三好家の待遇を少しでも良くしようと奮起する。


「我が十河軍も遅れるなっ!!長慶さまに続けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と三好家に仕える武将で、鬼十河とも称される一軍を率いて敵を撃ち崩し蹴散らす姿を見た敵方からも恐れられる猛将たる十河一存も、旗下の軍勢を率いて奮起する。


その風貌は、爽やかイケメンタイプの風貌を持って居た。



「三好家の者どもに送れるなっ!!我が河野軍も手柄を上げるぞっ!!」


「掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


 十河軍に負けじと意気込んで、島津軍に攻め掛かる河野通直軍。 


 河野通直は、四国は伊予国東部を治めて居た大名王家で、水軍を多く抱えて居る家柄。


 かつては毛利家・村上水軍・長宗我部家等と言った諸勢力と覇を争って居たが、長宗我部家が織田家の傘下に入り、毛利家がキリヤ公国連合国へと加盟国と成ると、伊予国での勢力圏を争う事が意味が無くなったとして、通直の代に織田家へと臣従する。


 それ以降は長宗我部家の与力大名王家として動く事と成り、この度の九州戦役では、上陸作戦を得意として居る故に、出陣命令を受けて参戦して来て居た。

 


「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」



 態勢を整えて居た仙石軍を中心としたキリヤ公国連合国軍は、日向国東側の中央付近に在る木城地方の小丸川と小丸丘平原で島津・衣恵与が率いる北九州地方東部方面侵攻部隊軍と激突した。


 

 後の世には言う、小丸川の戦いである。



 連合国軍は小丸川の手前で、雁行の陣形を組んで迎え撃った。


 南東方向の居並ぶキリヤ公国連合国側は、西側から十河勢、仙石勢、三好勢、河野勢とそれぞれ統率して居る軍勢事に敵を迎え撃とうと言う物であった。


 小川を渡河する島津勢は、鉄板を張った盾と長槍を持った足軽兵を先頭に、後続の侍達が得意の得物を手に攻め掛かる。


 仙石軍を中心とした、連合軍は伏兵を看破したが、逆に伏兵を見抜かれたと悟った島津・衣恵与は、先手を取って攻め掛かる。


 その対応に追われた連合軍は、一時的に足軽歩兵軍を前進させて対応する。


 10分ほど長柄槍部隊で突き合いを終えると、両軍勢は仕切り直しをするべく、一旦軍勢を退かせる。


「秀久様っ!!各軍勢の銃歩兵隊の隊列が整いましたっ!!」


「よーしっ!!」と待ってましたと言わんばかりに意気込む仙石・久深。


 彼女は味方の陣形と隊列が整い直し終えた頃合いを見計らって、号令を発する。


「全銃歩兵隊っ!!構ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!」と命令を高からかに発する久深。


「放てえええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


「「「「「「「「「「ぐあぅっ!!」」」」」」」」」」


 キリヤ公国連合国と連合を組んだ諸勢力には、ちょっと古めな型形式の連射式小銃を貸し出されて居る。


 此処に居る仙石隊らも、キリヤ公国連合国を経由させ、織田家へと手渡された連射式小銃が貸し出されて居た。


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


ズダダダダダダダーーーーーーンッ!!


「撃ち方止めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「槍隊っ!!構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


「前へえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」



「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」



 最新装備を持って、更に連携力すら在る連合国軍の強さ、チートも良い所と言うべき事だろう。


「くうぅぅっ!!装備が違い過ぎるようっ!!全然、勝負に成んないじゃんっ!!」


 島津・衣恵与は、敵にズルいっ!!ズルいっ!!と言うが、これは誠に以って、ごもっともな話。


 だが、そんな事は勇治とキリヤ公国連合国の前には、無意味な事。


 無慈悲にも次なる一手が衣恵与を襲った。


ビクトリナ独立自治共和国軍が誇る人型機動兵器モビル・アイゼン。


 その空戦用のフライヤーパックを付けたモビル・アイゼンが空中から飛来する。


「此方は第二艦隊所属の機動兵器隊っ!!目標を確認した。」


「これより空爆を開始するっ!!」


 フライヤーパックでの装備品には、空襲爆弾・小型ミサイルポット・ロングレンジミサイル・ジェットブースターが備わって居るが、今回はビームライフルと主翼に爆弾を爆装させて飛来して来て居る。



 地上の方にもランダーパックタイプが現れ、此方は脚部を履帯走行の切り替えて、タンクタイプでのお出ましであった。


 その武装には、両腕連装ガトリング砲、120mmキャノン砲。30連装ミサイルポッド。20連装小型ホーミングミサイルポッド等々が装備されて居る。


 オマケにキリヤ公国連合国内の先進4地域内で採用されて居るKRY10式戦車が現れ、隙の無い陣形を組んで前進して来て居た。


「秀久様、お味方の機甲師団ですっ!!」


「よーしっ!!攻撃に巻き込まれる前に、味方の歩兵軍を下がらせろっ!!」


「ははっ!!」


「ブオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーっ!!」と法螺貝が鳴り響くと、仙石・久深隊以下の連合国軍の歩兵軍は、整然と味方が陣を敷いて居る所まで後退して行く。


 

 その後退を見届けると、ビクトリナ軍が誇る人型機動兵器モビル・アイゼン・ランダーパックタイプ隊による攻撃が開始される。



「何だか虐めて居る様な気がするが、これも自業自得だと思って諦めてくれっ!!」


「各機に告ぐっ!!両腕連装ガトリング砲っ!!120mmキャノン砲っ!!撃ち方っ始めっ!!」


「「「「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」」」」


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 ブオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!


 両腕連装ガトリング砲が火を噴きっ!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!


 KRY10式戦車隊の120mm戦車砲とモビル・アイゼン・ランダーパックタイプ部隊の両肩2門も在る120mmキャノン砲の一斉射撃が開始される。


 ヒユユユユュュュュュュュュュュュュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


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 ヒユユユユュュュュュュュュュュュュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


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ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!


「くうぅぅっ!!退却っ!!退却っ!!たいきゃーくっ!!」


 流石の島津・衣恵与も、キリヤ公国連合国の最新兵器を前にしては、退却するしかなかった。


 同じアマテラス戦国武将が相手なら、寡兵であっても善戦してたかも知れないが、相手はチート過ぎる国家軍のキリヤ公国連合国軍である。


 近世時代クラスの軍隊で、更に付け加えるならば、並以下の国軍を持っただけの国家勢力では、絶対に勝てる訳が無いのだ。


 小丸川の戦いで、島津・衣恵与と北九州地方東部方面侵攻部隊軍は、5千人ほど居た軍勢の内、500名を討ち取られて、這う這うの体で、南へ逃げ去って行くのであった。


「うーん。勝ちは勝ちだが、これでは弱い者虐めだな。」と仙石・久深は呟く。


「仕方が在りません。この度は島津家が悪う御座いますゆえ。」と部下の一人が呆れ顔で主をフォローしてくれていた。


「・・・・・これでは勝った気がしないわ。」


「我が三好軍の功労審査の査定結果は、どうなるのかしら?」と三好・慶香は、戦後に執り行われるキリヤ公国連合国軍の功労審査と言うキリヤ公国連合軍内での軍規査定調査での審査結果を気にして居た。


 少しでもキリヤ公国と織田家に貢献したのだと査定して貰えたらのならば、三好家の再興に繋がるからだった。


 だが、キリヤ公国連合国軍の戦いは、機械化軍と歩兵軍との連合攻撃による戦いが主流である。


 その戦い振りを初めて見た三好・慶香は、何だか島津軍を虐めて居る様な気持ちに陥り、悪い様な気がして来たのであった。


 誰もがやり過ぎと感じて居ても、勇治の逆鱗に触れた物は、全て滅びされるのみの選択肢しか無いと言えたこの戦いは、一部の指揮官には、何だか後味の悪い結果に見えてしまうのであった。


 この戦いに措いて日向国方面攻略軍は、作戦目標を達成する事に成功し、日向市と日向港を根拠地として、島津家を更に追い詰めるべく、陸海空からその行き先の進路を全軍で大隅国へと向かうのであった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午前10時37分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・九州島地方・島津家領・南九州地方・日向国・佐伯市~延岡平野地方・延岡市及び日向・佐伯街道にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 アマテラス北九州地方での島津軍とキリヤ公国連合国軍との決着が付きつつある中で、キリヤ公国連合国軍・参謀本部は、大友家領から南の街道沿いに在る各地の拠点への抑えが薄い事を懸念し、それら地域と城塞群の奪還と島津家側に下って居る国人衆らの拠点の落とすべく、遊撃戦部隊を編成する事を決定。


 大友家の東南地方の拠点たる佐伯市・佐伯城に遊撃戦部隊を集結させて居た。


備前国・和気地方領・和気町・天神山城の浦上宗景。

備前国・岡山平野地方領・岡山市・岡山城の宇喜多直家。

播磨国・龍野地方領・龍野町・龍野城の赤松広秀

日向国・北日向地方領・日向市・日向城の伊東義祐

肥後国・南肥後・人吉市及び八代市を中心とした地域を治め、人吉城を拠点として居る相良・晴陽・義陽。 


元駿河国大名王家・現今川家当主、今川・鞠華・氏真。


遠江国の国衆で在り、今川家臣でもあったが、羽柴家家臣の松下・佳代・之綱。


 これらの軍勢は、その中でも最大勢力を誇る宇喜多軍の5千人を除けば、3千人から500人程度の中小隊連合軍に過ぎない部隊であるが、南豊後地方を南下させなが敵軍を撃破して行くには丁度いい軍勢と言えた。

  

 日向国の大名王で、日向国の北東部一帯地域である日向地方を治めていた。



 そんな遊撃戦部隊は、九州地方豊後国方面へと攻め入った島津・衣恵与・家久の7万5千人程度の軍勢が大分城と大分市での戦いが終わった後に、和紗が率いるアマテラス織田自治神皇国海軍とキリヤ公国連合国軍の東方海軍艦隊の第二上陸軍として上陸。


 島津軍の占領下には無かった佐伯城と佐伯市へと移動を開始。


 同地ににて集結予定の軍勢が到着するまで約1日ほど待機に入った。


 その翌日、マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午前8時丁度に、佐伯市を出陣。


 先鋒隊として出発した伊東・相良連合軍は、島津に占領された各地域を解放しながら南下して行く。


 アマテラス神皇国・九州地方・肥後国・人吉地方・人吉城を拠点として治める小大名王家の当主の姫武将、相良・晴陽・義陽は、妹の相良・頼子・頼房と共に3千人の軍勢を率いて、日向国の東海岸沿いを真っ直ぐに南下して居た。


「姉さん、これでやっと人吉に戻れるね。」


「ああ、これも勇治陛下、信長公のご援助が在ればこそだ。感謝してもし切れない。」



 相良家は三ヶ月前に、島津家の強襲を受けて、北九州地方の同盟諸国の盟主国である大友家当主、大友・須江・奏麟の元へ逃げ延びてしまって居た。


 二人は多くの家臣達や将兵達と共に豊後国の大分市に身を寄せ、肩身が狭い想いをしながらも、自領地の奪還するべく、その機会を伺って居た。


 何れは織田家の九州島地方平定をすると言う話を知って居た為に、それまでは我慢をして居ればと、大友家の食客武将として戦働きをしながら、3月もの間、各地を転戦し、今日と言う日を迎えた。


「そうね。本当に有り難い事だわ。」


(だが、良いのか?このままで・・・・大友家から受けた援助での恩義は、これまでの戦働きで如何にか成って居る。)


(だがしかし、勇治陛下と信長公から受けて御恩は、莫大過ぎる物だ。)


(それにわたくしの様な地方小大名王家に過ぎない者が、タダ同然の援助を受けて、戦後は何食わぬ顔で居るのは・・・・・・)


(・・・・・・やっぱりダメだっ!)


(ちゃんと働いて返すべきだろう。)

 

「決めたっ!頼子、私はこの戦が終ったら信長公の我が領地を献上し、私や相良家家臣団を勇治陛下のご家来にして頂き、この度の報恩に報いたい。」


「あはは・・・・、姉さん。また、何時もの悪い癖が出て来たね?」


「済まない。折角、人吉に帰れるのに、それを棒に振る様な真似をしてしまって・・・・・・」


「まぁ、良いわ。姉さんの性格は、私も家臣達も良く知って居るもの。」


「見ず知らずも同然の我が相良家を助けて頂いたのだ、身をもってお返しするのが筋と言う物。」


「彼の少年王こそ、私が主君と仰ぐの相応しいお方、どの道、このままだと信長公のご家来にされてしまう。」


「それでは私自身が、好きな主家を選べないしな。」


「ああ、それに信長公は・・・・色々とアレなお方だものね。」


「不満は無いけれども、付いて行くのはに、ホンと大変なお方よね。」


「その点、勇治陛下の所は居心地が良さそうだもの。良い仕官先に見えるわね。」


「頼子には、不満と不服が無ければ、後は家臣達に相談をし、意見を図ってから事を決する事に成るが・・・・・・」


「大丈夫よ、そんな姉さんが好きだから、相良家のみんなも、きっと納得をしてくれるわ。」


「だと良いな。」


 こうしてアマテラス神皇国・九州地方・肥後国・人吉地方・人吉城を拠点として治める小大名王家の当主の姫武将、相良・晴陽・義陽は、キリヤ公国への仕官を決意する事と成ったのであった。



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