第69話 少年王と織田・和紗の野望・大公立志伝とアマテラス神皇国九州平定戦役への出陣っ!! 5
マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午前11時17分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・第三連合地方・キリヤ公国連合国加盟国・アマテラス織田自治神皇国・大友家領・九州島地方・北九州地方・筑前国・岩屋地方・岩屋町・岩屋城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宝満城から更に南に7キロ地点に在る岩屋山に築かれた岩屋城は、大友家の西側地方の最南端の需要な軍事拠点であると同時に立花家が守る最前線要塞。
此処に対キリヤ公国連合国軍先鋒軍司令官として、島津家・次女の島津・弘美・義広が10万人強の軍勢を率いて進軍を開始。
近々援軍として参戦して来るであろうキリヤ公国連合国軍の先手を取ろうとして、大友家領国の立花家領・筑後国へと攻め込む決断をし、侵攻作戦を決行する。
島津・弘美は、キリヤ公国連合国軍との戦争を膠着状態へともつれ込ませるには、この戦争の地政学上の急所でもある大友家から筑後国領主を任されて居る立花家を討ち破り、降伏させようとする作戦任務を担う事と成った。
島津家・次女の島津・弘美は、10万人強の軍勢の内、彼女が直営で指揮して居る島津軍3万3千人を率いて、立花家の猛将とも勇将と言われる高橋・紹子が立て籠もる岩屋城を包囲して居た。
島津・弘美は大友家の重臣の一人で、2強看板であり、疾風迅雷の如く敵を攻め入る事から風神と渾名されて居る猛将、高橋・紹子・運紹の事を尊敬して居た。
武芸者にして、家臣達に慕われる人徳者であり、何よりも自分達島津家と長年戦い続けてきた勇将として力量を買って居たからだった。
島津・弘美は合戦の開始前に、高橋・紹子に使者を送った。
岩屋城を降伏しないままで良いから、城内に閉じ籠って居て欲しい。
このキリヤ公国連合国との戦は、島津家の負けは分かって居る。
この戦は島津家の意地の戦、高橋・運紹殿は無理せずに、やり過ごして欲しいと伝える。
だが、弘美からの書状を受け取り読んだ紹子は、これを拒否した。
「島津・義広殿のお気持ち、有り難く拝聴しました。だが、この件は丁重にお断り申し上げるっ!!」
「眼前の敵を目の前にして、これを見逃したと在らば、我が主たる大友・須江・奏麟さまが君主と仰ぐ織田殿、そして引いては、その織田殿が盟主と仰ぎ、婚約者と成られる予定の桐谷勇治陛下への立花家の忠義が疑われるっ!!」
「例え岩屋城の将兵達と共に尽く討ち死にしようとも、武門の家に生まれた姫武士として、戦場にて貴殿と相対果たさんっ!!高橋・紹子・運紹・・・・・・」
達筆で書かれた返書の書状を受け取った島津・弘美は天を仰いだ。
「敵であれ、味方であれ、我ら頑固者は、何所までも意地と筋目を通すのか・・・・・・・・・・・・・」
「あたしは、あの九州で最も尊敬し居る武人である高橋・紹子・運紹殿を・・・・・・本当に惜しいと思えるあの人を、討たねば為らないのかっ!!」と陣中内で、嘆き悲しみながら叫んだらしい。
島津・弘美と高橋・紹子の両者は、翌日の11月5日・午前10時に開戦。
それから3日余りの激しい激闘の日々を過ぎて行った。
そして、遂に島津・弘美軍は、本丸を落とす寸前まで紹子を追い詰めて居た。
弘美は此処で再度、降伏の使者を送るが拒否されてしまう。
その日、マギアンティア世界統一暦・1555年・11月7日の夜の岩屋城・本丸御殿内では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さぁ、飲め飲め飲めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
「城に残った最後の酒だっ!!」
紹子は最後の酒盛りと称して、城に残って居た僅かな酒を振る舞いどんちゃん騒ぎを家臣達にさせて居た。
「ふっ、雪花。悪いがわたしは先に逝く。不器用でクソ真面目な人生だったが、悔いは無いぞっ!!」と盃で天を仰ぎつつ、明日、己は精一杯戦って天下泰平の為に死ぬのだと決意する。
彼女が最後まで抵抗した時間が、キリヤ公国連合国側と主家である大友家を有利にするからだ。
紹子は不思議な気持ちでいっぱいだった。
敵からも味方からも惜しまれて居る事に・・・・・・・・・・・・・・・・・
「我、太平の世、築かんが為、その人柱の華たらんっ!!」
この戦いでアマテラス神皇国の九州島地方の戦乱が終わる。
その為の人柱となるべく、明日は力限り戦う腹を決めた紹子であった。
翌日・・・・・・・・・マギアンティア世界統一暦・1555年・11月8日・午前9時のこと。
島津・弘美は、降伏勧告をしても、尚も頑強に抵抗し続ける高橋・紹子・運紹を討つべく、最後の合戦を仕掛けようとして居た時である。
「総員っ!!突撃っ!!岩屋城を攻め落とせえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」と島津軍の将兵達の雄叫びが木霊する。
「簡単に通すなっ!!迎え討てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」
島津軍を迎え撃つべく、高橋家の将兵達の雄たけびが木霊する。
岩屋城本丸へと総攻撃を仕掛けて来る島津軍は、なりふり構わず、最後の城壁を攻め破らんと、大群で押し掛けて行く。
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
怒号が飛び交う戦場に、足軽歩兵達から長槍を構え突き合い顔を突き合わせた所では、槍と刀の鍔迫り合いによる金属音がぶつかり合う。
両者は必死に戦い合い、何方かが死ぬば、何方が別の相手と戦う。
その激闘は、その日のお昼近くまで続けられ、一向に決着が付かずに居た。
高橋軍の者達は、主家と主君の為にと、必死の抵抗をして来るので、流石の豪傑揃いで知られる島津軍の猛者たちも下を巻き、疲弊も見られて来て居た。
そんな時である。
岩屋城を取り囲む島津・弘美軍の北東方向の背後から、突如として現れた新手の集団が、島津軍に襲い掛かる。
「オラオラオラァ、調子に乗ってじゃねえぞっ!!コラアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
現れたのは赤い鬼の半お面と鬼兜を被った姫武将であった。
「鬼だぁっ!!鬼が出たぞおおおおぉぉぉぉぉーっ!!」
「鬼って家の姫様じゃなくてかっ?」
「そんな生易しいもんじゃねえっ!!」
「あれは悪鬼だあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
突如として現れた鬼武将と鬼の軍勢の出現に、島津・弘美軍は大混乱と成ってしまう。
「鬼?」と背後に目をやる弘美。
「オラオラオラオラオラオラァっ!!」
「あっ!!あれはっ!!あの旗印はっ!!」
弘美は扇に月丸の旗印を見て、ハッとした。
「鬼佐竹っ!!関東の鬼姫武将っ!!佐竹・秋江・重義だと!?」
「たしか、奥州動乱後に伊達家に降り、当主の座をご息女に譲って、今はご隠居して居る筈っ!!」
「如何して、此処にっ!!」
弘美は聞きかじった程度の噂話から佐竹・秋江・重義の事を知って居た。
秋江は鬼佐竹の勇名を奥州から関東に至るまでに轟かせた猛将である。
その勇名は、どうやら遠くアマテラス神皇国の九州地方にまで轟いて居た様である。
「ヒヤハハハハハッ!!どうしたッ!!どうしたっ!!肝っ玉を付いてんのかオラアァァァァーーーーーーーーーッ?!」
「化け物がっ!!」
「弘美さまっ!!北西方向から小勢の軍勢がっ!!」
「今度は何所の誰よっ!!」と北西側を見る。
「勇治陛下と家康さまからのご下命で御座るっ!!」
「島津の者共を粉砕せよっ!!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」
「本多・八重・忠勝っ!!いざ参るで御座るっ!!」
僅か500騎の手勢で突っ込んで来たのは、アマテラス神皇国の東国地方でも勇名を届かせて居る東の古今無双の勇士、又は東国無双と謳われる本多・八重・忠勝である。
この者は毘沙門天の加護などと言うチートスキル持ちの上杉・剣信・輝清とは別に、愛用の得物である蜻蛉切なる大槍で敵を数百人くらい、彼の一騎当千ゲームとして有名な戦国無双ゲームの如く吹き飛ばす。
「本」の字が刻まれた旗印を背に付けた本多・八重軍が、岩屋城を包囲して居た島津・弘美軍の横腹を西回り突っ込みながら突いて来た。
「今度は東国無双ですって?!なんて出鱈目な強さなのっ!!」と弘美は、旗印とその武勇振りを見て、何所の誰かを言い当てる。
流石の彼女も東国無双と謳われる本多・八重・忠勝の名を知って居た様だった。
その本多軍は、槍先に触れた島津軍の者達を意図も簡単に吹き飛ばして行く。
「あっ!あの本の字と巨躯の大女は・・・・・・・・・・」
「間違いねぇ、アレが噂に聞く本多忠勝っ!!」
「ひええぇぇーーっ!!忠勝だあああぁぁっ!!」
「東国最強の大女が来たあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
「今度は本多・忠勝かよっ!!」
「トンデモナイ強さだあああぁぁっ!!」
「ひええぇぇーーっ!!お助けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
規格外の強さを誇る猛将が現れ、混乱を来してしまう島津・弘美軍の者達。
しかもその相手が、東国無双と謳われる本多・八重・忠勝と知って更に恐れ慄き恐怖する。
其処へ更に援軍が駆け付けた。
「先の立花山城じゃ、急いで居たから名乗り損ねたっすっ!!」
「剣信さま。久々に上杉家が出揃いましたから、何時ものアレ、行きますか?」
「うん。やろうかっ!!」
ノリの良さそうな感じのショートカット風の武将と、とてもけしからん巨乳を持って居るぱっつんな前髪と超ロングヘアーをして居る武将。
メガネを掛けた無口でクールで怖そうなベリーショートヘアーの武将とウサ耳風の髪飾りを付け、ツインテールを結った黒髪を靡かせ、真っ赤な武者鎧で現れたスレンダーな女の子。
剣信の横にはショートヘアーで、スレンダーだがとても鍛えられた肉体美を持った剣客が控えて居た。
それらの姫武将等が、剣信を取り囲む様にして、島津・弘美軍のから良く見える高台に現れる。
この者達は、元上杉家の二枚と言うか四枚も在る看板姫武将である武の柿崎・咲良・影家と采配の直江・秋乃・景綱。
そして、剛の甘粕・竹深・影持と知の宇佐美・宇佐・定満。
更には剣信の護衛衆筆頭で、斬撃の小島・弥嶋・貞興。
何れも上杉・剣信・輝清の名の下に、越後国周辺で勇名を轟かせた名将達である。
剣信が毘沙門天の御告げを聞き、それら従ってキリヤ公国連合国へと出て行く事に成り、後身に道を譲って剣信と共に第一武士団へと入った名将達。
直江・愛華・兼継及び大国・七恵・実頼の双子姉妹も共に居る。
因みに愛華と七恵の二人は、親戚関係の在る直江家と大国家に養子に出された姉妹で、元は樋口家の出である。
愛華と七恵の二人に取って直江・秋乃は、母方の姉叔母に当たる。
秋乃には子供無く、妹の娘を養子に迎える事でお家の存続を図ろうとして居た。
「島津の者共よっ!よーく見るが良いっ!!」
「やあやあ、戦場に翻るのはアマテラス神皇国地方が御神が主神たるアマテラス大日太陽神の紋所に、軍神・毘沙門天の旗印っ!!」
「我らに主神アマテラス大日太陽神と軍神・毘沙門天の加護あらん事をっ!!」
「もひとつっ!!オマケにっ!!龍神・不動明王神の懸かれ乱れ龍の旗印っ!!」
「我らに龍神・不動明王神の加護が在らんことをっ!!」
「アマテラス神皇国の神々よ、勇猛果敢な我ら上杉家の戦い振りをご照覧あれっ!!」
「此処に居わしますのは、アマテラス神皇国越後国地方の軍神・毘沙門天の御使いにして、龍神・不動明王神の加護を受けし御方っ!!」
「旧足柄幕府・関東甲信越地方管領職にして、今はキリヤ公国公王で在らせられる桐谷勇治陛下の直臣にして、キリヤ公国武士軍団を統括する総軍団長兼第一武士軍団の軍団長である上杉・剣信・輝清さまである。」
「この威光と武名に恐れ慄かない我こそはと想う者の在らば、堂々と我らに掛かって来るが良いっ!!」
「上杉・剣信・輝清さまっ!!のご出陣であるっ!!」
「キリヤ公国連合国・第一武士軍団っ!!」
「上杉独立自治北陸藩王国軍っ!!」
「「上杉の名を頂きし両軍の精鋭達よっ!!桐谷勇治陛下と剣信さまの御威光に歯向かいし者共を討つべしっ!! 」
「総員っ!!掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」
キリヤ公国連合国・第一武士軍団と上杉独立自治北陸藩王国軍らは共に上杉家に仕えて居た者達であるからして、その連携力は言わずもがな。
諸事情在って、二つに別れて居た先輩と後輩の上杉軍が共に島津・弘美軍へと攻め掛かる。
「今度は越後国の軍神・越後の龍と謳われる上杉・剣信ですってっ?!」
「一体、何なんよっ!もうっ!!」
「オマケに分裂した熟練の旧臣と若手の直臣と両方揃いも揃って、供に仕掛けて来るなんて、なんて面倒くさいっ!!」
島津・弘美軍は、完全に包囲されつつある。
其処へ佐竹・秋江・重義を総大将とする第六連合国軍・奥州独立自治王国・下野国州軍が島津・弘美の居場所を突き止め、突っ込んで来た。
「真壁っ!!下野衆のガキどもの世話を任せたっ!!」
「承知っ!!」
真壁・光久・氏幹と言うのは、青鬼面を付け、棍棒を振り回す姫武将、又の名を鬼真壁と言う猛将にして、佐竹・秋江・重義の直属の姫武将として知られて居る。
槍術・棒術等の武術に優れ、一時は加嶋町に道場屋敷を構えて居た、加嶋神道流の開祖にして、アマテラス皇国で一番の剣豪として知られて居る塚原・伝江・朴伝にも師事を受けて居た。
黒髪ボブロングヘアースタイルの鋭い眼光を持った風貌に、途轍もなく鍛え上げられたボデイスタイル。
筋肉質な身体付きをして居るが、女性らしいしなやかな見た目も整い持ち合わせて居る。
性格は気さくで大雑把だが、決して脳筋頭な人物では無く、戦場の中でも細かな指揮差配が出来る人物である。
その真壁の指揮下に置かれた下野の国衆達の旗印が島津・弘美の直営隊と激突する。
「ヒャハハハハハハハっ!!小娘っ!!覚悟は良いかっ!!」
ガキイイィィーーーンッ!!と槍同士の刃が激突する。
「ぐううぅっ!!重いっ!!」と弘美はベテラン武将の槍の一撃を受け止め、その格の違いを思い知らされた。
「御免っ!!てりややややややゃゃゃゃゃゃゃゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「ちぃっ!!」
弘美は本多・八重の攻撃を上手く避けた。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・危なかった。下手をすれば首どころか、このあたしの身体は、真っ二つなんて生易しい物なんかには成らず、粉微塵に粉砕されてしまって居た所だった。」
「うむ。今の避けたの正解だったで御座る。」
そう、八重は首を落とす積りで蜻蛉切を斬り付けて来たのであったが、八重の攻撃力は在り過ぎるので、下手をすれば粉微塵に成り兼ねない所だった。
「おうおう、東国無双の小娘。この私の遊び相手を取る気か?」
「いや、その鬼島津殿の実力は、拙者の足元にも及ばずで御座った。」
「見どころは在れども、拙者はこの戦で島津本家の方々に対して、やり過ぎるなと家康さま始めとする方々からキツく申し渡されて居るで御座る。」
「鬼佐竹殿のお遊びを邪魔すること等をするほど、拙者は其れほど無粋では御座らぬ。先ほどは鬼島津殿の力量を試さんが為に、武人として斬り付けて見たまでのこと。」
「ちぃっ!!小娘が言ってくれるねぇ・・・・・」と面白くないと言った感じに悪態を付く秋江。
「拙者が加勢すれば、勝負は一瞬ゆえ、それでは佐竹殿を含めた方々には面白くないと承知して居ります。」
「それ故に此処は、周囲の掃討戦を引き受けさせて頂くで御座る。」
「然らば御免で御座るっ!!」と馬を翻して、旗下の手勢と共に立ち去って行く八重。
(くっ!!悔しいが、私の方がやや若いし、それに生まれ持った武人としての天賦の才能も違い過ぎる。)
(貫禄と才能によるどうしようもない実力差に由る負け。)
(たった一撃を喰らわせだけで、私の才能を見抜くなんて、流石は東国無双と言われるだけ事は在るわ。)
東国無双・本多八重に、今の自分の実力では、相手にすらして貰えないと悔しい想いをさせられる弘美。
其処へ更にキリヤ公国連合国の手勢が現れる。
ドドドドドドドドドっ!!と騎兵の蹄と歩兵隊の駆け上がる足音と共に、中結祇園守の紋所の旗印がはためく軍勢が参着する。
「紹子姉さまああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
キリヤ公国連合国の援軍を受けた立花家、その居城である立花山城を最後まで奮戦して守って居た立花・薫・宗茂は、態勢を整えて、立花家一族の若手最年長である高橋・紹子・運紹を救わんと3千人の手勢と共に駆けつけやって来た。
「報告っ!!新たな敵勢は、立花軍の模様っ!!」
「ちぃっ!!立花軍と言う事は、宝満城に押し込め包囲されて居る筈の道雪が、此処に来るのは無理な筈。恐らくは宗茂の奴ねっ!!」
「・・・・と言う事は、この作戦は失敗よっ!」
「全軍、隈本城まで撤退っ!!この筑後国での戦は、完全に我らの負けだっ!!」
「退けっ!!退けっ!!退けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
島津・弘美は立花・薫・宗茂が岩屋城へと現れた事で、立花家の守りし各居城に援軍が間に合ったと悟り、自らの推し進めて居た作戦の失敗を悟って旗下の軍勢に対して、南へと撤退を命じた。
一方その頃、岩屋城に駆け付けた吉川・春美・隆春と吉川軍5千人は、城内戦を繰り広げて居た島津・弘美軍と交戦する。
500名の高橋軍は、必死の抵抗をしつつ、本丸へと追い詰められて居た。
「高橋の姉貴っ!!無事かあああああぁぁぁぁぁーーーーっ?!」
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・」
「うるさいわね。こんな忙しい時にって・・・・・・アレは?」
紹子が天守閣周辺で戦って居ると、勢い良く駆け付けて来た一団の中に、取り分け目立つ、小柄で背が低いお胸がペッタンコな貧乳の女の子が駆けて来て居た。
「毛利家の吉川・隆春?」
「おうおう、よくもようけえ姉貴の庭で好き放題しちゃくれたじゃけのう。」
「死ぬ覚悟は、出来とるじゃけえねっ!?」
春美の目はヤクザ映画に登場する組員の目付と変わらない怖さで敵を睨みつけた。
「一人残らずブッ叩きの刑にしちゃるけえ、覚悟せいやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
猛将吉川の異名を持つ春美は、高橋・紹子を取り囲む島津軍の手勢に襲い掛かる。
「まさかお前が来るとはな。」
「2年ぶりじゃけな。」
「お互いに敵だったり、味方だっりと、色々と在ったけれど・・・・・・」
「今回でそれも終わりじゃけぇ、これからはずっーーーーと味方で居られじけぇね。姉貴っ!」と、ニコッと笑う春美。
「アハハ!違いない。」
「宗茂の奴も連れてきちょる。後で褒めてやれじけぇね。」
「そうだな。」
この二人、合流するとあっと言う間に島津軍を蹴散らし、岩屋城の態勢を立て直して、一気に打って出て来たと頃で、この辺り戦線での戦いの決着が付くのであった。