エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 大公立志伝っ!立身出世への旅立ちっ! 20
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・今川家従属大名王家領・松平家領地・松平大名王家・三河国・岡崎平野地方・岡崎市・岡崎城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前9時15分頃。
岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた後の岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いは、織田・和紗・信長が率いる織田軍に軍配が上がる事で決着が付けられた。
その後今川義本が率いる今川軍は、総大将が討ち取られ事により、前線たる岡ヶ狭間地方を中心とした地域に駐留して居た各軍勢は瓦解し、尾張国から三河国へと本拠地たる駿河国へと向かう街道を手当たり次第に通り抜ける形で撤退して行くのであった。
和紗は三河国の国境より7キロ地点まで今川軍を追い散らした所で、追撃を止めて岡ヶ狭間盆地へと退き返す。
和紗は、今川軍との戦いに措ける戦後処理へと移って居た。
追撃が終る事には、昨晩からの長雨が止み始めていた。
岡ヶ狭間盆地で戦って居た和紗が自らが率いていた今川本隊奇襲攻撃軍は、周辺地域を警戒監視をしつつ、論功行賞を執り行って居た丁度その頃の事である。
遠江国東部中部地域・頭陀寺地方領主・松下家当主である松下・佳代・之綱と遠江国井伊谷地方領主・井伊家当主たる井伊直盛らは、織田軍の追撃を掻い潜って、這う這うの体で、岡崎城近くまで戻って居た。
この当時、三河国の国主である松平家当主、松平・千代・家康は、幼い頃に追い出される様にして、今川家の本拠地たる駿府市へと人質に出されて居た為、その代わりに三河国の国人衆の一人である山田景隆に三河国奉行職を与えて、三河国の統治権を実質的に今川家の意のままにして居た。
しかしながら、今朝がたに成って勃発した岡ヶ狭間の戦いにより、今川義本が討ち死にし、三河国奉行職であった国主代行の山田景隆は、織田軍が大挙してやって来るとの誤報を聞きつけた事により、岡崎城を捨ててスタラコラサッサと駿府市へと逃げ出してしまう。
「何ですってっ!山田景隆殿が城を捨てて、逃げ出してしまって居るですってっ!?」
「はい。松下様、義本公が討ち死にを為されてしまったとの報せが来たのは、今より1時間前に御座いました。」
松下・佳代は、岡崎市の松平家家臣団の留守居役にして、纏め役を担って居た本多・作左衛門・重次と言う人物。
この時の年齢は30歳と重臣として起用されたにして若いと言えるが、偏屈で頑固者では在るが、正しい事をハッキリと言う物いいと家中と民達の声をしっかりと聞く人物として信頼が出来る人物として知られて居た。
「それを聞いた山田景隆殿は、織田軍の総攻撃と、それに合わせて我ら松平家が蜂起する事を恐れて、駿府へと逃げ出して行ったと思われます。」
「作左衛門殿、これから松平家は如何なさいますか?」
「それは元康さまが戻られてませんと何とも言えません。」
「ですが、遠江や駿府へと逃げられる方々を如何こうする積りは今の所はありませぬ。」
「ですから、一休みを為されたの為らば、早々に自領地へとご帰国為される方が懸命だと心得まする。」
「・・・・分かりました。遠江国の国人衆達が集結し、それぞれ一休みをさせて上で、三河国から早々に退去する事を確約を致します。」
「承知を致しました。ご滞在中は、この本多作左衛門の名で、例え敗残者と成った今川家であっても、後ろから騙し討ちをする様な輩は、三河武士では無いと言う振れを出して置きますゆえ、安心して休まれませ。」
「作左衛門殿、恩に着まするぞっ!」
こうして、岡ヶ狭間の戦いに敗れた松下・佳代と井伊直盛の両名は、松平家家中の一人、本多・作左衛門・重次のご厚意により、主だった遠江国の国人衆達の集結と休息を取らせて貰う事で、何とか遠江国の自領地へと帰国する事が出来たのである。
これが後に、徳川・千代・家康による遠江国の平定戦に一役買ってしまうのは、思わぬ誤算だったと言えるだろう。
井伊家は、この時の恩義に深く感謝をし、後に井伊家の赤備え隊を率いる井伊・直虎・直政を家臣団に迎える事に繋がるのだが、それはまだ先のお話。
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・今川家従属大名王家領・松平家領地・松平大名王家・三河国・西三河国地方・碧海郡・岡崎平野地方・安条町・安条城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前10時15分頃。
岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた後の岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いに措いて今川義本と太原雪斎の両名は討ち取られた。
しかしながら、それで戦が終る訳では無い。
岡ヶ狭間の戦いに措いて、実質的に敗戦が決定と成って居る今川家。
それでも総大将である義本が討ち取られてしまった状態と成っても、その全軍が逃げ帰るには、少なくとも数日間を要する事に成る。
その全軍が直ぐに撤退する事は出来ず、撤兵する際に大混乱を来たすのは必定と言えた。
既に遠江国の国人衆軍は、逸早く逃げ出して居た為、岡崎市で集結し、其処から東海道を経由して曳馬城で解散し、それぞれの自領地へと帰国して行く事に成る。
これを真っ先に遣って退けた松下・佳代は、この後今川家の対織田家抗戦派閥に疎まれてしまう事に成るが、程なくして武田家に攻め入せれた事で有耶無耶になってしまうと言うのも皮肉な事と言えるだろう。
さて、義本が討ち死にを聞いた今川家・譜代家臣たる岡部元信と朝比奈泰朝は、逃げ遅れて居た今川家本隊軍を逃がそうと、西三河国地方・碧海郡にて織田軍の追撃軍を相手に八面六臂の奮戦ぶりを見せ付けて居た。
「ブオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーっ!!」と言う、日本の戦国時代でもお馴染みの法螺貝が鳴り響くと、両軍の鉄砲隊が互いに一斉に火を噴いた。
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
怒号が飛び交う戦場に、足軽歩兵達から長槍を構え突き合い、弓と鉄砲を打ち合い、顔を突き合わせた所では刀の鍔迫り合いによる金属音がぶつかり合う。
「押せ押せえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!押し返せえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
岡部元信が率いる6000人は、鳴海城と品野城を落とすべく奮戦し、落城する事に成功し、その後も押せ押せで東尾張地方を攻め取って居たが、今朝方に成って義本討ち死にを聞き付けると、最早これまでと西三河地方まで撤退する。
しかしながら、それを逃がす織田軍では無かった。
岡部元信は、二度の戦いを経て、鷲津砦と丸根砦を担当をして居た朝比奈泰朝勢・6千人と合流が出来たのは、水野家が治める刈谷地方とは隣り合わせである安条町・安条城であった。
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
怒号が飛び交う戦場に、足軽歩兵達から長槍を構え突き合い、弓と鉄砲を打ち合い、顔を突き合わせた所では刀の鍔迫り合いによる金属音がぶつかり合う。
「お味方の全軍全てが逃げ延びるまでの間っ!一歩も通しては成りませんっ!!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
今川家譜代家臣の二人の奮戦は3日間にも及ぶ事に成る。
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・今川家従属大名王家領・松平家領地・松平大名王家・三河国・西三河国地方・碧海郡・岡崎平野地方・安条町・安条城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マギアンティア世界統一暦・1545年・6月10日の早朝、水野家の当主である水野信元は、流石に死兵と成って戦う岡部軍と朝比奈軍を相手取るのは骨が折れる上に、死者を大量に出してしまう恐れてがある事から、撤兵するなら追撃はしないとの起請文を送り、安条町・安条城からの退去を勧告する使者を送った。
所が岡部元信と朝比奈泰朝らの二人は、義本と雪斎の遺体を返せば退去すると条件を突き付けて来た。
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「思ったより簡単にご遺体を引き渡してくれたな。」
「これで早紀様や氏真さま等に顔向けが出来ます。」
早紀とは、義本の正室として北条家から嫁いで来た今川(北条)早紀姫の事である。
アマテラス神皇国地方・北条家当主でる北条・九江・早雲の妹の一人たる三女で、武田家・北条家・今川家等が相互同盟条約として結んだ甲相駿三国同盟の証として、北条家から今川義本の元へと嫁いで来た今川(北条)早紀姫とは、義理の親戚関係であり、初めての挨拶をした時からお互いに気が合う事から、義姉妹を結び贈り物と文通をし合う親友関係にある。
キリっとして居てとても凛々しい顔立ちとサッパリとした性格で、ロングヘアーと白の上着と藍色の袴姿がとても良く似合う熟女美女な未亡人。
夫である義本が死んだのは、利口で間抜けな雪斎と共に悪巧みが過ぎたのが敗因と切って捨てて居るし、仇である織田・和紗・信長には、「何て利口で良い女の子なのっ!!これでは義本が首を取られるのは当然のことだ」と溺愛する変わり者。
そんな二人は、初対面をして以来、酒を酌み交わす中で、実に話の分かる二人目の母親であると和紗に謂わしめた人物と成った。
その娘である今川・鞠華・氏真と義妹を結んだ足利・阿子・義晴の娘である足柄・一輝・宗輝の二人は、母親との関係が在るの為に、義理の従姉妹同士に当たる。
その娘である今川・鞠華・氏真は、この時点では僅か8歳。
「殿っ!申し訳ございませぬ。」
「ご無念でしょうが、次は氏真さまのご成長を待って、必ずや信長に弔い合戦を・・・・・・・・・」
義本と雪斎の遺体を受け取った忠臣たる二人は、水野家が見張る中で、失意の内に安条町・安条城から退去をして行くのであった。
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・遠江国・松下・佳代・之綱所領地・頭陀寺地方・頭陀寺町・頭陀寺城・松下館にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松下・佳代・之綱は、松下家遠征軍500人と共に、自領地である頭陀寺地方へと無事に帰国を果たして居た。
「はぁ~、トンだ遠征だったわ。」
「しかし・・・まさか、あの陽菜が織田家に召し抱えられて居たとは・・・・・・」
「まぁ、それはとても驚いた事だけれど、どの人物に使えて居るのかは判らないわよ。」
「それもそうですけど、農民上がりに過ぎない陽菜を重宝する変わり者とは、如何なる人物なのでしょうか?」
「・・・・・そんな人物は一人くらいしか思い付かないでしょう?」
「まさか・・・・・・・・」
「あーあー、こう成るんだったら、家で面倒を見て居れば、今回の敗戦も無かったかも知れないわね?」
「それは言い過ぎでしょう?」
「まぁね。それよりも、これからが大変よ。」
「確かに、織田家が・・・・信長が三河・遠江を手に入れんと攻め込んで来るやも知れません。」
「違うわ。信長は来ないわ。来るとのすれば松平家のお嬢様か・・・・武田家よ。」
「えっ!?佳代様。それはお味方ですよっ!」
「それは義本様と雪斎殿が居られた時の話よ。それが居ないと言う事は、武田家は攻め易く、海も開けて居る駿河国を欲する筈。」
「松平家は、今川家から独立し、二度と今川家の支配をされない為に、遠江国を欲する筈よ。」
「と成ると、遠江国は遠からず、群雄割拠と成るわ。それに出来るだけ巻き込まれない様にする為に、今から味方に成ってくれそうな所と手を組む算段を付けて行いと、こうよ」と佳代は首に手を横に切って見せた。
後に遠江国の出来人と言われる戦略眼と先見の明を持って居ると言う片鱗が垣間見えるのは、この当時からだと言われて居る。
更に数年後に、和紗に呼び出しを受けた佳代は、陽菜からかつて受けた御恩の恩返しをしたいと言われ、知行地を5千石をポンと与えられ、陽菜の家臣として召し抱えられる事と成るのだが、それはまだ先のお話である。
マギアンティア世界統一暦・1545年・6月10日・午前10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・東尾張地方並びに西三河地方・織田家・松平家の国境付近・尾張三河街道並びに東海道付近・水野家領地・刈谷市・刈谷城・織田・和紗・信長本陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
織田・和紗・信長の家来衆の一人であり、木下隊を立ち上げ、岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた後の岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いに措いて今川義本と太原雪斎の両名を討ち破る勲功を上げた木下陽菜は、事が終った事に安堵し、城外の片隅に在る木下隊の陣所で、一息を入れていた。
「ふぅーっ!!疲れたなぁ~」
「でも勝ったよっ!!」
「だがなぁ~陽菜。本当に良かったのか?」
「うん、だって二人もあの佳代様からのお金で今が有るんだよっ!」
「そうだよ、恵那も黙って居ようよっ!」
「はぁ~・・・まぁ、信長様なら笑って済ませてくれそうだけど、ご重臣型は如何言われるか・・・・・・」
「だからこそだよ、佳代様は上手く逃げられたの。それで良いんだよ。」
陽菜はこれでかつてのご恩返しが出来たと喜んだ。
これでもう松下・佳代とは、二度と会う事は無いだろうと感慨深げな思いに浸るが・・・・・・・・・数年後。
運命の交差点は、二人を数奇な運命へと誘う事に成るのだが、それは別のお話である。
「さぁ、みんな信長様の次の目的は、道三様の敵討ちと遺産である美濃取りだよっ!!!」
「おいおい、もう次の仕事か?」と呆れる恵那
「流石に今川軍の様な相手取るような大戦は懲り懲りなんだけどなぁ~」とため息交じりに言う頃代。
陽菜は、和紗の為にもう次の仕事に取り掛かろうと意気込むが、流石に国持ち大名王家一家を相手取るのは懲り懲りだと呆れてしまう仲間達なのであったが、その後の木下隊が、墨俣一夜城を築く大手柄を上げると言う歴史的な快挙を成し遂げるのは少しだけ先のお話である。
これにて木下陽菜の岡ヶ狭間の戦いは、終わりに成るのであった。