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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 尾張の大虚けと岡ヶ狭間の戦いっ!!23

マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前8時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・東尾張地方・大高城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前8時30分頃の事である。


 岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた後の岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いは、織田・和紗・信長が率いる織田軍に軍配が上がる事で決着が付けられた。




 一方の岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村から北西部に30キロ地点に在る大高城は、対織田家への最前線基地の一つである。


 織田信秀時代に織田方から奪い取った城であり、この旅の上洛戦では海岸線近くを陣取る拠点として重宝されて居た。

 


 そんな重要な拠点である大高城に、食糧を含めた物資の運び込みを請け負った松平・千代・元康は、優秀な家臣達の手によって鷲津砦と丸根砦を攻め落とし、その中には大将首を上げた者まで居ると言う今川軍の中でも一際目立った活躍をして居た一軍であった。



 この織田家との大戦での手柄は、今川家での松平家の立場を良くする一助に成ると、大いに喜んで居た千代。



そんな彼女の下に和紗から密使が来て居た。




 和紗は、昔の誼でほんの少しだけ動かないで欲しいと、実の妹の様に可愛がって居た松平・千代に無理を承知で一夜限りの義理立てを頼んで居た。



 千代は6歳から10歳までの4年間ほどの月日を織田家で人質として捕らえられて居た。



 本当ならば今川家へと送られる筈であったが、三河国を支配する松平家を取り込もうと、織田信秀は幼かった千代を配下の者達らの手によって清洲城へと攫わせたのであった。


 しかも千代とその近習達らは、人質とは言え贅沢の出来ない、ひもじい想いをして居た自分に、和紗から施しを受けた恩義があり、和紗と近習達らたは交流が深かったからだ。


 そして、2年前に今川家との国境での紛争で捕らえられた織田方の武将達等を取り返す事や国境紛争解決の為に、人質・捕虜交換の取り決めが交わされ、松平家の子供達や御付きの家来衆達等は今川家へと送られて行く事に成った。


 そんな経緯がある事から、当時織田家が松平家に掛かる経費を抑える為に、貧乏な暮らしを強いられる事にも成ってしまったのだが、それを気まぐれに援助をして居たのが、和紗であったのである。


 和紗は何を考えたのか、不憫な境遇を持った千代と松平家の者達を実の兄妹・姉妹も同然に可愛がり、何時も尾張中を遊び歩いて居た日々を送って居た。


 後に徳川家の筆頭家老にして、徳川四天王と呼ばれる精鋭武将の一人にして筆頭武将と成る酒井・継美・忠次。


 他にも徳川四天王と呼ばれる榊原・康江・康政と本多・八重・忠勝らも、和紗から生活面での面倒を見て貰った恩が有った。


 それら家臣達からの嘆願も有ってか、千代は敵味方と成ってしまった和紗とのかつての義理を返すべく。


 和紗が岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地に本陣を構え、休息を取って居る義本へと攻め掛かる攻め時にと成って居る戦いの真っ最中だけは、一時的に知らん顔を決める決断を取って居た。


 この好機を逸する様な事に成るのでは、この先に措いてアマテラス神皇国地方戦国時代を生き残れる事は絶対に在り得ない。


 そんな一戦と言えた戦いは、僅か数時間で決着が付いてしまう。


和紗が率いた織田軍の賭け勝ちである。


 その一報は、千代が守って居た大高城にも報せが届く。


「申し上げますっ!。本日の早朝、岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地に本陣を構え、休息を取って居られた義本様が、織田・信長の奇襲攻撃を受けた事により、遭えなく討ち死にっ!!!」


「今は織田軍による今川軍の掃討戦が行われて居るとの事ですっ!!!」


「・・・・・和紗姉さま。」


「流石は信長さま。やはり、人並みの御仁では無かった。」


「八重。」


「ととっ、と言う事はで御座る。」


「三河に・・・・岡崎に帰るのです。」と千代は呟いてしまう。


 

「ですが、下手をすれば和紗姉さまと一戦をする事にも・・・・・・」と千代は、ひょっとしたら、この様な乱世の急激な移り変わりに措いて、良く知って居る人物でも在る和紗が、千代の故郷でもある三河を欲しがるのでは無いのか?・・・・と疑ってしまう。



「申し上げます。」と千代達が今川義本討ち死にの一報に驚き、動揺と激震の定中に在った中へと、別の伝令官が現れた。


「何か在りましたか?」と筆頭家老たる酒井・継美が聞き返す。


「織田・信長様からご使者として、丹羽・米実・永秀と言うお方が現れ、信長様からの書状と共に、元康さまに伝言が伝えたいそうです。」


「米実さんが?」と酒井・継美は、目を丸くして驚いた顔付きをして居た。


 継美とは一歳違いの年頃で、織田家の後継ぎと成る前の和紗に付き従って居た近習の一人。


 今は若手の織田家・家老職に付いて居る一人であも有った。


 継美とは年頃も近く、茶席等で良く話をして居た相手でもあった。

 

「千代様。米実さんならば、裏表無く話せるお方です。況してや、この状況下では、我らを如何こうする事は有りません。」


 継美は、米実の事を良く知って居るので、使者としてやって来たのも、何かの思惑は有るだろうが、人質事態の知己の在る千代達等を罠に掛ける様な事はしないと言い切った。


 千代も和紗と並んで良く知る織田家の信頼関係を持って居た人物でも在るので、米実に有ってみる事にした。


「分かりました。米実さんなら私も良く知って居るですから、そんなお方が和紗姉さまからのご使者ととして参ったと言うのならば、是非もありません。直ぐにお通して下さいです。」



 こうして、松平・千代・元康こと、後の徳川・千代・家康は、飛躍の時を迎えようとして居た。



 マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・東尾張地方・大高城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 尾張国の西南部に位置して居る知多半島の入り口にして知多郡の北部に在り、岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村から北西部に30キロ地点に在る大高城は、今川家の対織田家への最前線基地の一つである。


 織田信秀時代に織田方から奪い取った城であり、この度の上洛戦では海岸線近くを陣取る拠点として重宝されて居た。



 今川軍旗下の松平軍として、千代達は、周辺地域の砦を落とし、警戒をしながら、大高城へと補給物資を運び込む任務を請け負って居た。



 そんな出城である大高城の本丸館の謁見の間に、織田・和紗・信長の腹心である丹羽・米実・永秀が、織田家の使者として現れたのである。



 そんな大高城にやって来た米実が、謁見の間で待って居る所に、代替わりを果たしたばかりの松平家の者達が姿を現す。



 松平家の一同が座る中で、継美は久方ぶりに再会をした米実に向かって微笑む。


「お久しぶりですね。」


「はっ!!千代様も、皆々様もお元気そうで何より。」


「早速ですが本題に入ります。」と米実は、要件を切り出す。」


「和紗様からの書状をお渡しする前に、ご伝言を預かって居ます。」


「伝言ですか?それならば書状にも書かれて居る筈です。」


「いいえっ!!書状には松平家へのお約束の確約書と成って居ますので、書かれては居ません。」


「松平家の皆々様は、一両日中までに大高城を使者として派遣をした丹羽・米実・永秀に引き渡し、早々に岡崎へと帰る様にせよ。」


「松平家が三河国で独立大名王家として立つのならば、この織田・和紗・信長が松平家の独立を認め、その支援する事も確約する。」


「出来るならば、昔の様にな笑い合える関係を持った誼を持ちたいな竹千代。」


「だそうです。」


「うふふ、相変わらずですね。和紗姉様。」



「分かりました。此処は和紗姉様のご厚意に甘えて、岡崎へ帰りすですぅっ!!」


「そして三河国を我が松平家の手に取り戻すですよっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」



 こうして、松平・千代・元康と松平家の家臣団達らは、三河国を取り戻すべく、故郷である岡崎市へと向かう事に成った。




マギアンティア世界統一暦・1545年・6月10日・午前10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・東尾張地方並びに西三河地方・織田家・松平家の国境付近・尾張三河街道並びに東海道付近・水野家領地・刈谷市・刈谷城・織田・和紗・信長本陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた、岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いに勝利した和紗は、その後も今川軍の追撃の手を止めなかった。


そんな時に和紗の下に朗報が入った。


「そうか、竹千代の奴は岡崎市へと向かったか?」


「はっ!!松平家の皆々様は、何れもご健勝であり、特に松平・千代様は、このまま破竹の勢いが在るの為らば、和紗様と供に、遠江国へと攻め入るのも構わないと仰せでした。」


「くくくくくっ!!出来れば、そうしたいと言いたいが、流石に無理だな。」


「はっ!!元よりこの戦は、今川軍を撃退を目的として居るからですね?」


「米実、撃退ではない。俺は最初から義本めを討ち取る腹積もりで居た。」


「だがな。ここまで上手く行きすぎると存外にも、欲が出て来る物だが、遠江国までは無理だな。」


「下手をすれば、代替わりを果たした武田家、今川家の親戚関係に在る北条家らが、それぞれの目的や新たな企みを遂げんと此方と正面衝突する事に成る。」


「それにマムシを殺した斉藤義竜も、この俺の戦勝を聞いて、今頃はあんぐりとした口を開いた、間抜けな面をしながらも、この俺が何時、美濃へと攻め込んで来るのかと、ビクビクとして居るに違いない。」  


「と、言う事は?やっぱり、道三様の敵討ちをなさいますか?」


「当然だ。俺はアマテラス神皇国の天下を取る女だっ!!」


「親父とマムシらに、俺が立派な天下人に成ったと報告せねば、『何故、あれ程までに目を掛けてやったのに、何も果たさずに早死にをして来るのだっ!!!この虚け娘がっ!!』と叱られるからな。」


「あははは、あの御二方ならば、言いそうな気がしますね。」


「それでは、三河国の事は松平家に任せて、全軍に引き上げを命じましょう。」


「任せる。それと岡部元信と朝比奈泰朝らの両名が、水野家の尾張からの退去勧告を受けたのに、その条件として、『義本と雪斎の遺体を返せっ!』と頑強に刈谷向こうに在る安条城で、抵抗する構えを見せて居るな?」


「はい。確か両軍併せて、6000人は居るかと、その内3000人は退去勧告に従って、彼らの本隊は遠江国の本領地を守る為に、引き上げて行ったとの報告も有りますので、単なる忠義心から来る抵抗であると思われます。」


「此方も身元確認は終わって居るからな、これ以上、今川軍の残党どもに居座れるのは面倒くさい事に成る。」


「アソコに居座られると、竹千代の三河国平定の邪魔に成り兼ねん。」


「二人とも死に装束と棺桶を付けて、とっとと突き返してやれっ!」


「畏まりました。」


「全軍っ!清州城に引き上げるっ!!次は義竜だっ!!マムシの敵討ちをし、遺産である美濃を俺のものとするっ!!」


「それが終ったら、天下取りだっ!!やるぞおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」

 


 こうして、岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いは終わりを告げる事に成る。





 マギアンティア世界統一暦・1545年・6月10日・午前10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・今川家従属大名王家領・松平家領地・松平大名王家・三河国・岡崎平野地方・岡崎市・岡崎城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「久しぶりですぅ、見知った家臣達の大半は、各地の郷領地に追い出されて、今は誰も居ないですが・・・・・・」



「苦節6年・・・・ようやく我が家に帰ってこれました。」


「・・・・・・」


「これで母屋を取られ、財貨を搾取される日々が、終わるでござるか?」


「ですぅね・・・・・・ですが、また取られない為にも、急いで松平家と家臣団の立て直しを図らねばっ!」


「千代様、先ずは岡崎城下の有力者達に、帰還を果たしたご挨拶を・・・・・」


「ですね。ですがその前に、我が家に帰るです。」


「ただいまーっ!」と千代は言いながら、岡崎城の城門を通り抜けて行く。


「千代様。お帰りなさいませ。」


「ええっ!?作左衛門?何で城に居るですかっ!?」


 城門を潜り抜けた千代は、今川家家臣団の三河国奉行職であった国主代行の山田景隆が、織田軍の侵攻を恐れて、駿府市へと逃げだしたタイミングでを計らって、居残って居た松平家の家臣たちと共に岡崎城と岡崎市を取り戻して居た。


 その中心人物として立ち上がったのは、岡崎市の松平家家臣団の留守居役にして、纏め役を担って居た本多・作左衛門・重次であった。


「千代様。信長様から三河は好きにせよとのお手紙を頂きました。」


「和紗姉さまがっ?」


「あらあら、相も変わらず豪胆で手回しの良いお方ですね。」


「・・・・・姉さま。有り難う御座いますっ!!!千代は立派に三河を治め、二度と取られる様な事はさせまいと心から誓いすまぅっ!」




 これにより、松平・千代は、後に徳川・千代・家康と改名し、天下布武を掲げて、アマテラス神皇国地方の統一平定を目指す、織田・和紗・信長の覇業を手助けして行く事に成り、この10年後。


 徳川大名王家は、キリヤ公国本国政府と桐谷勇治公王から、大公爵位と新領地が与えられる事に成り、和紗が建国したアマテラス織田自治神皇国かせ独立した独立自治国家である徳川独立自治東照大公藩国を建国し、大公爵王と成る。


彼女は、その第一歩を歩み始めたのである。 


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