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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 尾張の大虚けと岡ヶ狭間の戦いっ!!22

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村・尾張・三河街道付近地域・岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地・織田・和紗・信長・今川本隊奇襲攻撃軍臨時本陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前9時08分頃。


 

 岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地で繰り広げられた後の岡ヶ狭間の戦いと呼ばれる戦いは、織田・和紗・信長が率いる織田軍に軍配が上がる事で決着が付けられた。


 その後今川義本が率いる今川軍は、総大将が討ち取られ事により、前線たる岡ヶ狭間地方を中心とした地域に駐留して居た各軍勢は瓦解し、尾張国から三河国へと本拠地たる駿河国へと向かう街道を手当たり次第に通り抜ける形で撤退して行くのであった。


 和紗は三河国の国境より7キロ地点まで今川軍を追い散らした所で、追撃を止めて岡ヶ狭間盆地へと退き返す。


 和紗は、今川軍との戦いに措ける戦後処理へと移って居た。


追撃が終る事には、昨晩からの長雨が止み始めていた。


 岡ヶ狭間盆地で戦って居た和紗が自らが率いていた今川本隊奇襲攻撃軍は、周辺地域を警戒監視をしつつ、論功行賞を執り行って居た。



 幾人もの将兵達らが今川軍の名の在る武将や武士らを討ち取る中で、服部・小鞠・小平太と毛利・鈴・信介の二人らは、群を抜いての一番手柄である敵軍の総大将、今川義本を討ち取る。


 

 二人は和紗から大いに褒めたたえられ、多額の報酬金や新しい武具を受け取れる事に成ったと言う。



 そんな中で山内・伊右衛門・一豊は、父親の仇である和紗をひょんな事から、偶然にも関わらず、敵将の魔の手から助けてしまった。


 本当は討ち取る恥ずべき仇である和紗を助けてしまった事は、一豊に取っては誤算でしか無かったが、その偶然にも助かった和紗の悪運の強さに、何んとも言えないオーラを感じてしまった一豊。 


 その彼は「首実検と褒章授与が在るから、勝手には帰らないでね。」と言う織田家の足軽組頭であり、木下隊と言う一部隊を率いて居る木下陽菜に言われるがままに、岡ヶ狭間の戦いの論功行賞に参加させられて居るのであった。



 首実検が始まると、一人一人を岡ヶ狭間の戦いで捕縛されたり、降伏した今川家御お抱え医師と侍大将と言った者達が、どこの誰なのかを聞かれると、見知った顔なら答え、それ以外の場合は身に着けて居る遺留品から身分を割り出す作業がされて行く。


 山内・伊右衛門・一豊こと、一豊も陽菜に言われるがままに、和紗の前へと召し出され、討ち取った武将の首を差し出す。


 義本のお抱え医師は、目の前に差し出された武将の顔をよーく見て行くと、心当たりが在った者は即答するが、うろ覚えだった場合は、やや思い出すのに時間が掛かり、苦労して居るようだった。


「これは・・・・・当家の足軽大将の・・・・・大森常則だと思われます。」


「ほう、誠か?」と聞き返す和紗。


 言い方は悪いが、足軽大将なんて物は、下から数える方が早いくらいで、下っ端の中間管理職の一つに過ぎず、それはもう足軽組頭→足軽→小物頭→小物組頭→小物と言った具合に、何処にでもこの様な下っ端連中が居るので、足軽大将もそれなりの人数が軍勢の中には組み込まれて居る。



 そんな人物をお抱え医師頭が顔をうろ覚えで覚えて居る方が珍しいのである。


 流石の和紗も聞き返したくなるくらいにね。


「信長様、お疑いの懸念はご尤も為れども、わたくしめは、先の合戦前に偶々この者の家来衆の一人を診察して居りました。」


「ほう、それでか?」


「とは言え、それほど地位には在りませぬが、織田軍の下級武士の方々すれば大手柄と成りましょう。」


「で・・・あるか?まぁ良い。其処の者、この俺を助けたな。名は何んと言う?」


「はっ!!山内・伊右衛門・一豊に御座います。」


「山内・伊右衛門・一豊。はて、ヤマウチ?何処かで聞き覚えが有った様な・・・・・・」と和紗は首を傾げる。



「和紗様。確か岩倉織田家の家老がその様な名字で在った筈です。」と丹羽・米実が答える。


「ああ、確かにな。」と唸づ和紗。



(不味いぞっ!!)


(このままでは殿の身元がバレてしまうっ!!)


 吉兵衛と新右衛門の二人は、何んとして一豊の素性を隠そうと考えを巡らす。


「某は岩倉織田家家老である山内盛豊の息子に御座います。」



(ああっ!!何んと言う事を・・・・・・・・・・)


(殿おおおおっ!!何で自ら素性を明かさるのですかっ!!)


 吉兵衛と新右衛門の二人は、最早これまでと、ガックリと項垂れてしまう。



「ほう、その岩倉織田家の家老の子倅が、何故にあのような合戦場でうろついて居たのだ?物見遊山でもあるまいし。」と、不敵な笑みを浮かべながら聞く和紗。



「某は織田・和紗・信長さまを亡き父上の仇とし、その首を頂戴をしようと虎視眈々と狙って居りました所をっ!!偶々居合わせただけに御座いまするっ!!」



 一豊は堂々と敵討ちをしにやって来たと言ってしまった。


(はぁー、戸のは変な所で馬鹿正直なっ!!このバカチンがっ!!と言いたく成りますぞっ!!)



(はああっ!!又もや余計な事を・・・・・)



 吉兵衛と新右衛門の二人は、更にややこしい事を言い出した一豊に呆れつつ、絶望に打ちひしがれてしまう。


 それを聞かされた織田家の重鎮たちは、刀を構えようとするが、和紗はそれを制止させる。



「くくくくくっ!!それで、貴様はこの俺を如何する気だ?今すぐにでも敵討ちの立会いをしたいのか?」


「助けた礼に受けてやっても構わんぞっ!!」と冗談なのか本気なのかさえ判らない事を言い出す和紗は、不敵な笑みを浮かべつつも、面白い奴と見て、この状況がどう転ぶのかを楽しんでも居たのである。



「いいえっ!!貴女様を討ち取ろうとしましたが、討てなかった。いや、某は確実に信長様を討ち取る筈でした。」


「ですが・・・・・何か別の力か、それとも神々の加護なのか分かり兼ねますが、某は撃てなかったのです。」



「あはははははははっ!!そうかっ!!俺はツイ居るのか?ひれは良い事を聞いたっ!!」


「それではそんな損をした貴様に褒美をやろうっ!!何処からでも来るが良いっ!!」と刀を構えて見せた和紗。


「いいえっ!!もう父上の権は良いかと思います。」


「ほう、折角の敵討ちの好機を要らぬと申すか?」


「はっ!!神々が信長様に何かをさせたいと言うのが、貴女様を討てなかったと言う原因ならば、それを無理やりに撃ち殺すのは、世の理に反する愚か者のする事。」


「某はこれにて失礼を致します。」と言って立ち去る事にした一豊。


「待てっ!!」と和紗は呼び止める。


 一豊も流石に殺されはすまいと振り返る。


「路銀は多い方が良いだろう?」と言いながら、金貨・銀貨・銅銭がたくさん詰まった袋を3袋づつ用意し、更には吉兵衛と新右衛門の二人の分まで用意してやった。


「某は只の通行人の様な者で、合戦場には偶々・・・・・それに信長様のお命を・・・・・」


「経緯なんぞ如何でも良いわっ!!この俺を助けた事には変わるまい。」


「それに敵討ちは止めたのだろう?だったら命の恩人であり、戦功が有った物には報酬を授けるのが大名王と言う物だっ!!」


「受け取れっ!!山内・伊右衛門・一豊っ!!」と和紗は、一豊達らに半ば強引に報酬金を受け渡した。



「この度の今川軍での戦功っ!!大儀であった。」と言うと和紗は、次の者を呼び出しを指示する。




 その場を後にした一豊、吉兵衛と新右衛門らは、寿命が縮まる思いがしたと主を諌める言葉を述べていた。



「吉兵衛っ!!新右衛門っ!!アレが信長様か?なるほど、父上が負けたのも頷ける。」


「器の大きさと言うのは、本人を目の当たりすると違う物でしたな。」


「そうですな。アレでは流石の義本公と雪斎殿らも一杯を喰わされると言う物。」


 そして、三人は和紗との対面で見聞きをした感想をそれぞれ述べて、トンデモナイ人物であると、太鼓判を押して居たくらいに、和紗の事をベタ褒めの大好評であった。


「もう、冷や冷やだったんですよ。」


「おおっ!!木下殿。申し訳なかった。この俺にも色々と有ったのだ。貴女には改めてお詫び申し上げる。」と一豊は頭を下げると、その場に居る吉兵衛と新右衛門らも頭を下げた。


「それは良いんです。あの信長様が、敵討ちなんて言われてた人が、こうも簡単に気に入るなんてね。」


「あはは、そうですね。」と一豊は生きている事が不思議な事である事に、陽菜に言われた事で改めて気が付かされた事が可笑しく成って居た。


「所で山内さん。」


「何でしょうか?」


「この後は如何される予定でしょうか?」


「母上の所に戻ります。せめて妹と母上の二人くらいは守りませんと、亡くなられた父上に申し上げが立たない。」



「でしたら、私の木下隊に入りませんか?私の隊は、様々な出自の人達が居る部隊です。」


「今もたくさんの人を勧誘して居るですけど、如何せん大半が川浪衆や馬借衆と言った俄か野武士の集まりでして、浪人をして居たと言う武士は僅か。貴方の様な合戦場に措いて、武芸と戦いに秀でて居る人物は、我が木下隊には少ないんです。」


「ちゃんとお給金と各種経費を出しますから、如何でしょうか?」


「おおっ!!殿っ!!これは良いお話かと思われます。」


「吉兵衛の申す通り。木下殿のお誘いは悪いお話では有りませぬ。」



「・・・・・木下殿。宜しくお願い致します。」と頭を下げた一豊。


 これにより一豊は木下陽菜、後の羽柴・陽菜・秀良。


 更に後世に措いて、大公豊臣・陽菜・秀良と呼ばれる人物の与力と成ったのであった。



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