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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 大公立志伝っ!立身出世への旅立ちっ! 18

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村・尾張・三河街道付近地域・岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地・遠江国東部中部地域・頭陀寺地方領主・松下家軍・松下・佳代・之綱陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前7時25分頃の事である。


松下家の伝記である松下・佳代覚書伝記には、こう書かれて居た。



「あの日、私の運命は180度ガラリと変わり果てしまった。」


「今川家の国人衆家臣の一人では無く、一人の娘に・・・そしてやがて私はキリヤ公国連邦共和国の盟主王で在らせられる勇治陛下の陪臣にも成った。」


「実に面白き人生であったが、あのまま今川家の家臣であったら、この様な人生には成らなかっただろう。」


「だからこそ、私は陽菜、信長公、家康公、勇治陛下に感謝を申し上げている。」


「あの岡ヶ狭間の戦いこそ、私の人生のターニングポイントであったのよ。」と回顧録で語って居た。



 その松下・佳代は、岡ヶ狭間の戦いが始まる直前の事である。


 あくびをしながら天幕から出て行くと、朝食が用意されて居た。


「お早う。勝代。」


「佳代様、お早う御座います。」


「さてと、頂きます。」と言って、梅干し入りの握り飯と即席みそ汁を食べ始める松下家の近習と家老たち。


「所で佳代様。今日の戦なのですが・・・・・・・」


「何かあったの?」


「はい、昨夜からの長雨が、降ったり、止んだりと繰り返して居りまする。」


「今川軍のお味方の方が陣所を構えている各所からは、泥濘に嵌まる事が多く。今日は半日ほど様子を見たいとの報せが来ております。」


「そう、この長雨なら流石の織田軍も、かなりの数を揃えて居るって言う鉄砲隊も、奇襲攻撃に使えそうな騎馬隊が出張って来るのも無理そうね。」


「そうですね。」


「まぁ、万が一攻めて来るとすれば、事前に部隊を動かして居ればの話だろうげと、そんな無茶苦茶な段取りをするは今川家くらの財力でも無い限りは無理な話よね。」と言って、佳代はニコニコとして笑顔で冗談を言って居た。



 佳代達等に取って、その日は何事もなかったかのように始めるのであった。



マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村・尾張・三河街道付近地域・岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地・遠江国井伊谷地方領主・井伊家軍・井伊直盛陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 マギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前7時25分頃の事である。



 今川義本が率いる5万6千人は、織田家が統治して居る尾張国の三河国寄りの東南地域を支配下に置きつつ有る。



 しかしながら、今川義本と太原雪斎の二人らには予測計算外の出来事が起ころうとして居た。


 昨夜から続く初夏の梅雨による大雨は、降ったり止んだりと繰り返しつつも、翌朝にも縺れ込んでしまう事と成った。



 これが岡ヶ狭間の戦い最大の謎と言われて居る所以とも言えると後世の歴史家・歴史学者らが首を傾げる出来事として長く議論を重ねられて居ると言えた事であった。


 流石に雷は止んで居たが、雨は相も変わらず降り続けて居た。



その中を黄色い旗指物の一団が駆けて行く姿が見受けられて居た。




今川義本が率いる5万6千人の内、2万6千人は各地に散った形で織田方の防衛拠点へと攻めたり、包囲をして居たりと、本隊に関する事は、本隊を仕切る武将達に任せきりの状態であった。


 残りの3万人は、本隊軍5千人除いて、周囲の木陰が多い雑木林に陣を構え、各々が次の命令が有るまで待機をして居る様子。


「はぁ~涼しい。」


「本当だ。昨日までの暑さは何処へやらだ。」


「おーいっ!朝食の支度が整ったらしいぞっ!!」


「ああ、分かった直ぐに行くっ!」


 各所の陣所では朝食の支度が整い食べ始めた頃であった。



 そんな中で遠江国・井伊谷地方・井伊谷城を治めている井伊直盛は、一晩中続く大雨は涼しいが、この後の戦が如何なるのかが気掛かりと成って居た。


「これでは今日の戦は見送りと成るかもな。」


「しかしながら、殿。こうも長雨と成れば、万が一にも敵が奇襲攻撃を仕掛けて来た場合の対処が取れませぬ。」


「はっはっはっ、それは在り得ぬ。我が井伊軍も義本公の御側近くに陣所を構えて居るし、近くには親戚の松下・佳代・之綱殿や遠江国の国衆達も多く居るのだ。」


「その様な中へと突っ込んで来るのは余程の戯け者だろう。」




 井伊直盛は近習の一言を笑い飛ばすが、まさかこの後に、その言葉通りの災難が巻き起ころうとは露ほどに思って居なかったのであった。




マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村・尾張・三河街道付近地域・岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地・織田・和紗・信長・今川本隊奇襲攻撃軍にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 今川義本を始めとする各軍は、完全に油断を仕切った状態に在った中で和紗は、敵に見つからない様に行軍を続けていた。



 幼い頃より、尾張国の野山を駆け回ったのは、この様な事態に備えての事であった。



 周囲からは遊んでばかりと小馬鹿にされて居たが、後ろに続く3千人の将兵達すら殆んど知らない間道やけもの道を突き進み、義本へと肉薄するべく疾風迅雷の如く駆けて行く。


 そして・・・・・・・・・・・・時はマギアンティア世界統一暦・1545年・6月7日・午前7時30分頃の事である。


 遂に和紗と織田奇襲攻撃軍は、岡ヶ狭間山の西部の小高い丘の上から岡ヶ狭間盆地を眺めて居られる場所へと到着する。


「天運は我に有りっ!!!」と刀を抜き、義本本隊軍を指して居た。



 その顔付きは満面の笑みと恐ろしい形相を兼ね備えた魔王にも見えて居たと言う。


「本当に義本軍の本隊だ・・・・・・・」


「姫様は末恐ろしい。」


 重臣である柴田・朱里・勝家と丹羽・米実・永秀の二人は、和紗の先見性と戦上手な才能が有る事に驚愕して居た。


それに恐ろしい強運にも・・・・・・・・・・・・・・


「狙うは総大将っ!!!今川義本の首っ!!ただひとおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーつっ!!!!」


「者共っ!!!いざっ進めえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!」


「「「「「「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」


 こんな時のシーンには、「その時っ!!歴史は動いたっ!!」と日本国内でも著名な某国営テレビ放送のアナウンサーの声が響くかも知れない。



 和紗が率いる奇襲攻撃軍は、義本の本陣に目掛けて、一斉に一直線に駆けて攻め掛かる。



 丘を駆け降りる軍勢は、南東方向へと駆けて行き、居合わせていた雑兵達に斬りか掛かった。



「ぐはっ!!」


「ぐへっ!!」


「ぶはっ!!」



 パタパタと死んで行く者達。



 朝飯を食べて居た者達は、まだ中身が残って居た木製茶碗を零れ落とし、驚愕する。


「ななっ!?」


「何んだとっ!?」


「何が起きているっ!?」



「馬鹿野郎っ!!織田軍の奇襲攻撃だっ!!」



「急いで義本様や雪斎さまにっ!!」


「させるかっ!!」と槍を突き付ける前田・利美・利家。


「利美っ!!私は海未と共に黒母衣衆隊を率いて南周りに向かう。」と言う金森・近恵・長近は、佐々隊と共に南周りに義本を狙う事を決めた。


「分かったっ!!赤母衣隊は北回りだっ!!中央は本体に任せるぞっ!!」


 親衛隊は義本へと迫るべく、この場で左右に別れた。


「朱里っ!!先陣は任せますっ!!」


「おうよっ!!うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



柴田・朱里は本隊の一隊を率いて、義本本隊の中央を突破を試みる。


その後ろでは、丹羽・米実が中軍として各所への指示を飛ばして居た。


今だに大雨が降って居たが、奇襲攻撃が始まりだすと、小雨へと変わって行く。



マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・岡ヶ狭間地方・岡ヶ狭間村・尾張・三河街道付近地域・岡ヶ狭間山・岡ヶ狭間盆地・今川家アマテラス神皇国平定軍・今川義本本隊軍。今川義本本陣所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」



「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」



「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


 怒号が飛び交う戦場に、足軽歩兵達から長槍を構え突き合い顔を突き合わせた所では、槍と刀の鍔迫り合いによる金属音がぶつかり合う。



 奇襲攻撃が始まってから10分ほど経つ頃には、義本の居る場所にも騒ぎが聞こえていた。


「何事ぞっ!!」


「申し上げますっ!!織田軍の奇襲攻撃に御座いまするっ!!」


「はっ?!やられたっ!!義本様っ!!信長は最初から、我らに奇襲攻撃だけを仕掛ける事を狙い考えて、我らへの対応して居ると思われまするっ!!」


 此処に来て雪斎は、ようやく和紗が仕掛けた罠の意図に気が付いた様であった。


「何じゃとっ!?あの虚け阿呆の小娘めがかっ!!!おのれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と地団駄を踏むが、時すでに遅し。



「義本公っ!」


「御覚悟っ!」


「下郎娘共がっ!」


 義本の下へと、いの一番に現れたのは、和紗の親衛隊の二人であった。


「服部・小鞠・小平太っ!」


「毛利・鈴・信介っ!」


「「我ら二人っ!義本公の首級しるしを頂戴するっ!!」」



「義本様っ!!!此処は退きあそばせませっ!!!殿は、この雪斎めが承りまするっ!!!」


「しかしっ!」


 二人が撤退の相談をして居ると、その隙を狙った服部・小鞠・小平太が雪斎を押し退ると、義本に槍を突き刺すが、狙いが悪く右太ももに突き刺さってしまう。


「しまったっ!!外したっ!!鈴っ!!義本公をっ!!」


「ぐううぅっ!!おのれっ!!小娘どもめがっ!!」と言いつつ、義本は左に突き刺さって居た槍を切り落とすが、マトモに立てなく成ってしまう。


「ええっ!!!」と言う毛利・鈴・信介は、先ほど突き刺さって居た槍傷の苦痛から膝を突いて居た義本の右手から斬り掛かる。


「義本様ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」と雪斎は叫ぶ。



「今川家・当主っ!!今川義本公が首はっ!!この毛利・鈴・信介が討ち取ったああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



 大音声だいおんじょうで叫んだ毛利・鈴は、敵の総大将を討ち取った事を敵味方問わずに示すべく、岡ヶ狭間盆地の戦場全体へと高らかに叫んだっ!!




 それから間もなく、太原雪斎も討ち取られ、義本本陣での戦いも終わりへと入って行く事に成る。



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