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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 尾張の大虚けと岡ヶ狭間の戦いっ!!16

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・清洲地方・清州市・清州城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 マギアンティア世界統一暦・1545年・5月26日。



 織田・今川両家が戦を開戦してから10日が経過して居た。


 緒戦で丸根砦・鷲津砦・中島砦らは陥落し、鳴海城と品野城の二つも間も無く落城するとの報せが織田・和紗の居る清州城へと届けられて居る。


「鷲津砦の飯尾定宗さまと中島砦の梶川高秀は撤退に成功しました。」


「ですが・・・・・・」と言い掛ける伝令官。


「佐久間盛重の奴めは、しくじったか?」


「いいえっ!!松平家の新参姫武将に討ち取られたらしく。その者は有り得ないくらいに強さを誇る猛将であったとの事に御座いまする。」



「ほほう。竹千代めには、実に勿体無い輩が配下に居る物だ。」と松平・千代・元康の幼名を呼びながら呟く和紗。


「・・・んんっ?待てよ・・・・そう言えば、竹千代の配下でその様な武勇が在るとすれば・・・・・・ああ、そうかっ!!盛重めを討ち取ったのは八重の奴だな。」


「奴目ならば一撃で敵将を討ち取ったと言う話にも納得が行く。」


「如何やら八重の奴目、この尾張に居た頃よりも更に手が付けられん武術を身に着けたらしいな。」


「八重に討たれたのならば致し方無しっ!!」


「佐久間盛重の妻と一族者達らに伝えいっ!!松平家の勇将である本多・八重・忠勝は、松平・千代・元康の一番槍で在るっ!!」


「その武勇は、この信長が認める所だっ!!討たれた事を恨むのは筋違い。」


「忠勝への敵討ちを禁じる代わりに、佐久間盛重一家の面倒はこの信長が見ると、伝えて参れっ!!」


「ははっ!!」


 和紗が、その褒め称える人物こそ、後に謳われる最強の姫武将と言われし一人、本多・八重・忠勝である。 


 徳川・千代・家康に過ぎたる物が二つ在り、南方の列強大国たる大華天帝国・クーロンから渡りし兜に 無双の勇士たる本多・八重・忠勝と言われ、アマテラス神皇国の東国地方でも勇名を届かせて居る東の古今無双の勇士、又は東国無双と謳われる姫武将と成って行く。


 和紗とは、千代の人質事態に一緒に成って野山を駆け回って居た仲でもあった。


 その際に竹槍で作った模造槍で、互いの直臣たち同士で試合や演習をしたが、、八重だけには誰にも勝てなかったエピソードが残って居る。


「申し上げます。」


「続報か?」


「ははっ!!今川義本が率いる本隊軍が、岡崎城へと入ったとの事に御座いまするっ!!」


「来たかっ!!」


「サルめに伝えよっ!!」


「何が何でもっ!!義本が孤立する様に仕向けよとなっ!!」


「ははっ!!」と新たな和紗の命令を受けた立ち去る伝令官。


「米実に申し付けて置けっ!!時が来るまで暫く寝て居るとなっ!!」


「ははっ!!」



 和紗は、今川軍の反撃をする機会が得られるまで静かに時を待つ事にした様だ。


一方、その頃。


 先の内乱騒ぎで、敵方である信勝軍に付き従って居た柴田・朱里・勝家は、その武威の高さと軍の統率力に優れて居る事から、反乱軍に加わった事を差し許し、 筆頭家老に取り立てられ、この岡ヶ狭間の戦いに参戦する事に成る。 


 和紗は柴田・朱里を始めとする者達中でも積極的に反乱軍参加をして居なかったり、又は渋々参加をして居たり、何らかの事情を抱えて居る者達に限って、恩赦を出して居た。


 そんな経緯の在る柴田・朱里は、清州城・謁見大広間で、丹羽・米実・永秀と相対しつつ、佐々・海未・成政と金森・近恵・長近。 


 前田・利美・利家と滝川・咲枝・一益と言った錚々たる織田軍の主力幹部諸将らが集まり、今後今川軍との決戦は如何するかと詰め寄られて居た。  

 

「だーかーらーっ!!こんな一大事に信長様は何を為さって居らるのだっ!!」


「はぁ~、朱里。悪いが今は、その時では無いと、信長様のお考えが・・・・・・」


「それでは遅いのだっ!!戦うなら戦うっ!!講和するなにするで、ハッキリとした態度を示さないと、織田家の進退に関わる存亡の危機なのだぞっ!!」


「あのお方は何を考えて居らるのだっ!!」



(柴田さまの仰って居られる事は・・・・)


(最もなんだけど・・・・・・)


(なぁ、咲枝。)


(貴女と同じで、私に聞いても無駄よ。)


(最近に成って織田家に仕官したばかりなのだから、あの信長様が変わり者と言う事以外は、ホンとさっぱりだわ。)と言う滝川・咲枝・一益。


 彼女は最近に成って甲賀地方から移住して来た滝川家の跡取り娘で、織田家の更なる人員不足を解消するべく、織田家領内に広く呼び掛けていた仕官募集をして居た事を聞きつけて、滝川家一家総出で清洲市へとやって来て居た。


 甲賀地方を治めている六角家内の滝川一族は、それなりの土地を持った名家であったが、景気の悪さと飢饉が2年ほど続いた為に、滝川・咲枝の一家は景気が良い事と仕官募集をして居るとの噂の在る尾張国へと移住を決意して来た者達であった。


 そんな滝川・咲枝は、清洲市に移住して来たばかりな上に、和紗の下へとやって来てばかりなので、それほど織田家の内情には詳しくない。


 それに相対する金森・近恵・長近も、近江国野洲郡金森地方から一旗を上げようと、滝川・咲枝と似たような理由で、職を求めて清洲市へと移り住んで来たばかりなので、そんな彼女が和紗がどの様な人物なのかは、噂で聞く程度であった。

  


 他の織田家譜代の諸将らも似たような感じに不安と怒りと焦りに満ちた顔付きで、和紗の直臣である丹羽・米実に詰め寄って居た。


(織田家を取り仕切る評定衆に参加する者達らが、不安に成るのは分かるが、この私にあの方の御心の全てが分かる筈も無い。)


(だがしかし、大軍で迫る今川軍に降伏の沙汰を・・・・いや、降伏をする気が無いのは確かだ。)


(和紗様は何かを企んで居られる。)


(それも直臣と馬廻り衆である犬千代と海未の二人にすら何も教えて居ないのも気に掛かる。)


(唯一、知って居るのは、あの木下陽菜とその一党らだけ、和紗様はあの者らに、一体何をさせようと居られるのだ?)


 丹羽・米実は、和紗が何かを企んで居る事を察し、必死に織田家幹部らを説得しつつも、時が来る。


 即ち織田・和紗・信長が動き出すまでの時間を稼ぐ事に重視する。


 織田家幹部らは、丹羽・米実なら何かを知って居る又は、如何にかしてくれるのでは無いのか?と躍起に成り、詰め寄りながらも風雲急を告げる織田家最大の危機と言う事態を如何にかして、動かそうと対峙し続けるのであった。



 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・清洲地方・清州市・清州城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 マギアンティア世界統一暦・1545年・6月6日。


 織田・今川両軍が開戦してから更に時が過ぎ去り、22日が経とうとして居た。


 両軍の攻防戦は一進一退を繰り返し、尾張国と三河国の国境付近で激しい戦闘が繰り広げられて居た。


 特に守りに入った織田軍は神出鬼没なゲリラ戦を繰り返す事で、今川軍を手こずらせて居た。


 それに加勢しようとする斎藤義竜は、未だに斉藤道三を主と仰ぎ、その後継者は織田・和紗・信長であると主張し続けて居る敵対勢力に阻まれ、尾張国へと進軍が出来ずに居た。


そんな情勢下で、その報せは遂にやって来た。


 時刻は夜の19時を回った辺りである。


一人の姫武士が、馬で清州城へと駆け戻って来て居た。


「信長様あああぁぁぁーーーっ!!」と大きな足音を響かせながらも、和紗の私室へと駆けて入って来たのは、木下陽菜であった。


「サルかっ!?」


「はいっ!!」


「首尾は?」


「今川義本が率いる今川軍本隊は、前線軍の不甲斐なさに苛立ち、遂に岡崎城を出発っ!!」


「明日のの昼過ぎくらいには、 岡ヶ狭間山近くの 岡ヶ狭間盆地へと至ると、頃代ちゃんと恵那ちゃん達から報告が入って居ますっ!!」


「サルっ!!良くやったあああぁぁぁーーーーっ!!!」


「帰蝶っ!!!聞いて居たな?鎧を出せっ!出陣だっ!!!」


「そのお言葉を待ってましたわっ!!お姉様っ!!!」と言うと帰蝶は、近くで予め用意して在った和紗の鎧を持ち出す。


 それに着替えた和紗は、景気づけと言って武踊舞いと言う歌と踊りを合わせたアマテラス神皇国地方に伝わる演舞を舞う。


「人間五十年~下天の内をくらぶれば~っ!夢幻のごとくなり~っ!一度生を得て滅せぬ者のあるべきかああ~あああ~ ・・・・・・・・・・・・・・・」と敦盛成る人物の最後を歌った舞歌を人差し舞うと、透かさず大声で叫ぶ。


「出陣いいいいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーんんっ!!」


「城内に居る全員は、熱田神宮へと集まれええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!」と叫びながら馬で駆けて行く。



 和紗の呼び声に驚いた城内者達は、和紗が僅かな供回りの者達と共に馬で駆けて行く姿を見送ってしまった。


「和紗さまああああああぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」と叫んで慌てるのは、丹羽・米実・永秀である。


 丹羽家の将兵達も予め待機させて居たので、後は兜をかぶるだけ。

 数十名の者達と共に大慌てで織田家幹部ら居並ぶ評定所から馬屋へと向かい。


 素早く馬に跨ると、そのまま城門へと駆けて行く。


 その動きに慌てたのは、馬廻り衆である前田・利美・利家と佐々・海未・成政の二人。 


 お互いの赤母衣と赤鎧を着込んで、、丹羽・米実の後を追いかけた。


「しまったっ!出遅れた。」


「犬千代っ!急がなければ、和紗様に叱れるだけでは済まないぞっ!」


「分かって居るっ!」と馬を走らせた犬千代。


(くっ!!陽菜からは、和紗様は今川軍とは戦うと聞いて居たのにっ!いざと言うこの時にっ!!和紗様が出陣される時に出遅れるとは不覚っ!!!)


 犬千代は陽菜とは、長屋住まいも隣同士で、陽菜が和紗に仕官してから何かと面倒を見て居た事から懐かれてしまい。


 今や親友の様な間からと成って居た。



 滝川・咲枝の金森・近恵の二人らも、黒母衣を身に着けた黒鎧を着込んで、前田と佐々の二人に出遅れること5分。


「これが信長様かっ!!」


「噂に聞いて居たが、此処まで気まぐれとはっ!」


「だがしかし、戦とは速さっ!」


「その通りっ!咲枝っ!!」


「承知っ!!滝川隊っ!!織田家での初陣だっ!!信長様に遅れるなああああああぁぁぁぁぁーーーーーー!!」


「金森隊も武功を立てるぞっ!!」


「「「「「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 滝川隊と金森隊は、丹羽隊・前田隊・佐々対の後を追う様にして、出陣を開始。


そして・・・・・・・・・・・・


「しまったっ!!信長様が敵味方の不意を突く様なお方で在る事は知って居た筈なのにっ!!」


「譜代衆である我らがっ!!馬廻り衆と新参者の者達に出遅れるとはっ!!」


「急げっ!!織田家の趨勢を決める大一番の戦で、新参者らよりも出遅れ過ぎると末代までの恥と成るぞっ!!」

 

「「「「「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」」」」」


 筆頭家老・柴田・朱里・勝家を中心とした織田家本隊軍は、直臣衆と馬廻り衆らに出遅れること10分。


 清州城を出陣して行く。 



 アマテラス神皇国地方・第4次内戦たる第四次戦国時代末期に、厳島の戦い・川越城夜戦とも並び評される程に名高い、三大奇襲戦と謳われる岡ヶ狭間の戦いの決戦が始まろうとして居た。





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