エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 大公立志伝っ!立身出世への旅立ちっ! 11
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・美濃国・稲葉山城内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
季節は廻りマギアンティア世界は春を半ばに迎えた4月のこと・・・・・・・・・・
アマテラス神皇国内は相変わらずの戦国乱世であり、国内全土で戦が繰り広げられて居た。
だがしかし、尾張国・美濃国ではひと騒動が終り、一時の平和を謳歌して居た。
そんな中で木下・陽菜・秀良は、主である和紗から美濃国の斎藤家へとお使いの使者として使わされて居た。
先の内乱を手伝ってくれた返礼品を届ける為である。
和紗は機内の和泉国・境市を通じて、近隣地域で一番の大陸であるユーラシアン大陸各国から取り寄せた特産物・特産品を義父である道三へと届けさせた。
アマテラス神皇国内では物珍しいユーラシアン大陸諸国のアンティークや特産物を20台もの荷馬車に乗せて稲葉山城へと送られる。
道三は、織田家からの使者として訪れた陽菜達一行と面会する。
「その方が木下陽菜か?」
「はいっ!!」
「其方の噂話は、我が娘である帰蝶や明智家の明智・十華・光秀。その叔父である明智光安らから聞いて居る。」
「百姓上りながら、様々な活躍をして居るとな。」
「それに尾張国・蜂須賀村国人衆たる川浪衆の蜂須賀家の蜂須賀・頃代・正勝。」
「それに尾張国・前野村馬借衆頭領家の前野・恵那・康長。」
「二人も良く働いて居ると聞き及んで居る。」
「「はいっ!!何時も実家が御贔屓をして頂き、お世話になって居ります。」」と言う頃代と恵那は、実家の家が何かと取引の在る大名王家の一つである斉藤道三とも取引関係に在るので、軽く営業挨拶を交わすのも当然の成り行きである。
「三人ともあの虚け義娘の事を頼むでな。」とにこやかに言う道三の姿は、陽菜達に取って忘れられない姿と成った。
陽菜達は歓迎の宴を受け、一晩ほど稲葉山城下町の井ノ口市に泊まり帰国の途に着いた帰り道の事である。
陽菜達が井ノ口市から15キロ地点の街道沿いをのんびりと歩いて居た時の事である。
お使いを済ませた荷車は空で、残って居るとすれば、帰り道の飲食用の食料と水に加えて、3・4日分のお金くらいだろう。
帰りは楽だと言わんばかりに陽菜達は暫しの平和を謳歌する筈であった・・・・・・・・・・・・・・
「その方達っ!!止まれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と斎藤家に関わり合いの在る武士に呼び止められる陽菜達。
「あの・・・・・・これは一体、如何言った事なのでしょうか?」
「その前に貴様らは何処の誰だ?何処から何処に行こうとして居る。」と言う武士は、足軽大将の身分であるらしく、複数の武士身分の家来と自領地で徴兵した足軽兵らと共に、街道を封鎖して居る様子。
その兵数は数にして、20名前後と見られた。
「あっ!はいっ!!我らは織田・信長様にお使いを頼まれた津田商会の主である津田正生さまの奉公人です。」と陽菜は咄嗟に機転を利かして誤魔化した。
井ノ口市へと向かう二日前には、この様な検問所たる関所は無く、役人も兵士も関所も全く無かった筈である。
これは明らかに異常事態であると考えた陽菜は、適当にはぐらかす事にしたのである。
「この旗は何だ?」
「如何見ても織田家の木瓜旗印にしか見えんが?」
「それもそうでしょう。何せ信長様から道三様への貢物です。織田家の御旗を立てて、向かうのはごく自然の事と思いまする。」
「それにこれを・・・・・・・・・」恵那が差し出したのは、通行身分手形証である。
不測の事態を想定して、津田商会の主である津田正生がバックアップをして居り、万が一の場合は陽菜達は津田商会の奉公人と言う事に成って居た。
「何々、この者達・・・尾張国・中村出身者で、津田商会の奉公人成り、その身分証を津田港商会・会合衆が保証する者成り・・・・・・」と読み終える足軽大将。
「・・・・・見たところ。 通行身分手形証は本物の様だ。前に何度か津田商会重役者らと津田正生殿の署名押印を見た事が在る。」
「従って、お主達らは行って良し。」
「あっ!!はい。」
「あの・・・・それでこの検問は如何なる騒ぎなのですか?数日前までは無かったと記憶します。野党や盗賊でも出たのでしょうか?」と聞く陽菜。
怪しまれ無い範囲で、少しでも騒ぎに関する情報を聞き出そうとする為である。
「特に言う必要も無いが、旅商人の使いであるならば気に成るだろうから忠告して置く。」
「間も無く美濃では戦が始まる。」
「だから暫くの間は近づく事は止めて置く事だな。」
「えっ!?道三様がですか?」
「違うっ!!義竜様が・・・・」
「殿っ!!それ以上はっ!!」と止めに入る部下は、主である足軽大将に忠告をする。
「兎に角だっ!巻き込まれる前に早々に立ち去れっ!」と言うとしっしっと言う感じに手を振り、陽菜達を追い払った。
陽菜達もそそくさとその場を立ち去り、国境である木曾川を超え終えると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「「たたたっ!!大変だああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」
「直ぐに信長様にお報せをしないと、道三様がああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」と大慌てで、和紗が新たに本拠地と定めた清須城へと向かう陽菜達は、美濃国・斎藤家の異変を報せるべく大急ぎで駆けて行ったのであった。
ギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長新居城地・清州市・清州城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから1日ほど経った頃の事である。
道三への使節団として向かった陽菜達は、荷車隊と騎馬隊に別れ、急報を報せる為に陽菜達が指揮する騎馬隊だけを先行して駆けて来たのである。
「「「はぁはぁはぁはぁ・・・・・ぷはっ!!」」」
「陽菜ちゃん。」
「陽菜は早くっ!早く信長様の元へっ!」
「はぁはぁはぁはぁ・・・・うんっ!」と陽菜達を含めた騎馬隊の者達は、精魂疲れ果てた言う状態であったが、頃代と恵那が部隊仲間達の事は任せろと言い切ったので、陽菜は和紗の元へと駆けて行く。
今の和紗は、先代当主である信秀が使って居た清須館に引っ越しをしたはがり。
今も近習達と共に、政務と書類整理に追われて居た。
其処へドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタドダドタと大きな足音を立てて陽菜が和紗の執務室へと入り込んだ。
「うるさいぞっ!!サル如何したのだ?」
「はいっ!!美濃で道三様との謁見の任を終えた帰りの事です。」
「どうも・・・・・義竜様がご謀反を起こされるとの事・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・何いいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」と大声で怒鳴る和紗は、鬼の形相で驚く。
「サルっ!!」
「はいっ!!」
「陣触れを下知せよっ!直ぐに米実と朱里の二人に戦支度を急がせろっ!!!」
和紗は、すぐさま軍事責任者でも在る丹羽・米実・永秀と柴田・朱里・勝家の二人に出陣の命令を下す。
「ははっ!!」と再びかけて行く陽菜。
「くそっ!!糞親父がくたばって、ようやく尾張国が落ち着いたと言うのに、今度はマムシがっ!!」と地団駄を踏む和紗であった。
それから直ぐに和紗は、8千人の軍勢と共に道三の元へと援軍に向かうのであった。
マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・美濃国・稲葉山城内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
季節は廻りマギアンティア世界は春を半ばに迎えた4月のこと・・・・・・・・・・
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
ズダダダダダーーーーンッ!!ズダダダダダーーーンッ!!ズダダダダダーーーーンッ!!
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「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
美濃国では銃声と怒号が飛び交う戦場と化して居た。
斎藤義竜は、今川家の今川義本と太原雪斎から支援を受ける決断を下し、十分な物資の集積準備と道三に反目して居る国人衆や美濃国守護大名王であった土岐頼純の旧臣勢力を取り込みつつ美濃国の実権と居城である稲葉山城を我が物にせんと反乱を巻き起こした。
美濃北東部地方と東美濃地方に根を張る国人衆は、道三の考える先進的な政策は、革新過ぎてしまって居る故に、旧態依然の体制下に在る領主達には不利益なめんが多く在ったので、大きな不満を抱えて居た。
更には織田・和紗・信長と言う奇才・天才と言うべき者の味方をする事すら理解できないとも考えて居り、今川義本と太原雪斎らの裏工作も功を奏した事で、不満と言う導火線に火が点く事は容易な事であったのであった。
其処に各地に散らばって惨めな暮らしをして居た土岐頼純の旧臣勢力も、かつて道三にコテンパンに打ちのめされた恨みを返さんと二つ返事で美濃国のクーデターに参加してしまう要因と成って居た。
特に美濃北東部地方と東美濃地方に根を張る国人衆と浪人と成ってしまった土岐頼純の旧臣勢力達は、道三を討てば我が世の春を取り戻せると奮起する。
義竜軍の大将を命じられた斎藤飛騨守秀成と副将の日根野弘就らは、稲葉山城の半分程度を乗っ取った所で本格的な反乱の狼煙を立ち上げた。
これには流石の道三も、対応する事が敵わず、必死な抵抗を試みて居た。
「道三さま。」
「道空か!!」
「はっ!!美濃三人衆、竹中家・明智家・妻木家らは、援軍を派遣するも義竜軍に阻まれて身動きが取れずっ!!」
「ええいっ!!抜かったわっ!!」
「それと・・・信長様が・・・・」
「絶対に来るなっ!!と言って置けっ!!」
「しかしっ!!」
「美濃三人衆、竹中家・明智家・妻木家を始めとする諸将・国衆達に伝えいっ!!」
「この美濃国と道三の為を思うのならばっ!!義娘の元へと参じっ!!義竜を討てっ!!とな。」
「・・・・・・」
「この美濃国の跡取りは、我が義娘たる織田・和紗・信長であるっ!!」
「あの虚け姫こそっ!!この斉藤道三っ!!真の後継者であるっ!!」
「ははっ!!」と堀田道空は、伝令兵に道三の命令を伝えるべくその場を後にする。
道三は、稲葉山城で10日間粘ったが、義竜軍に押されてしまい。やむ負えず稲葉山城の北西部に位置する大桑城へと撤退する。
後世に措いて、長良川の戦いと呼ばれる凄惨な戦いは、織田・和紗・信長が成長する切っ掛けと成るエピソードの一つとして長く語られる悲劇の幕開けは、この様にして始まったのであった。