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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 大公立志伝っ!立身出世への旅立ちっ! 5

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城下・足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉管理区画・第12組足軽隊・第12組足軽組頭長屋区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




またまた陽菜達は、足軽組頭達が住まう足軽組頭長屋へと集まって居た。


「全く、何でお前と言う奴は、こうも次から次へと騒動を起こすんだ。」と犬千代は、半ば呆れ顔で陽菜に向かって言って居た。



「だっだってええぇぇ・・・・・・・・」としょんぼりとしてしまう陽菜。


「犬千代ちゃん。」


「まぁまぁ、そう怒らないでくれ。陽菜も思う所が在って、信長様に進言をしたのだろう。」


「はぁ~、これなら今川家の松下家とか言う国人衆の家で、ひと悶着が在ったと聞かされた事が納得が出来る。」


 陽菜は真面目が過ぎたせいと、出自の低さから松下家を出て行かなければ成らなかった。


 出会って日が浅いが、陽菜の人と成りを分かり始めた犬千代は、この織田家でも似たような事態に成り兼ねないと危惧してしまう。


「犬千代。今更そんな事を行っても仕方が無い。今度はこの俺まで巻き込まれて居る。」と犬千代と陽菜達の上司に当たる足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉こと、長吉も、和紗から陽菜達の監督をしろとの通達文が来て居るので。半ば諦めていた。


 それと犬千代は、和紗直属の近衛隊長である赤母衣衆であるが、和紗のお供が無い時は、長吉の下に付いて働いて居た。


 犬千代は長屋が隣同士だから手伝ってやれと言われてしまって居るので、これも諦めるしかないと言えた。


 那古野城修繕工事を手伝わなければ、この様な事態は避けれられたかも知れないが、そんな事は今更なので逃げ様が無かった。


「木下、何故、今更ながら織田家や各城内での薪や炭に油と蠟燭と言った燃料物資の無駄遣いを減らすべきなのだ」と長吉は、今の暮らし・・・・武家や庶民達の間でも当たり前として居る燃料費の節約をする必要性に関しての疑問を呈した。



「それは簡単な事です。燃料に使われて居る物資の量を減らせば、その分を別の事につ帰るし、材料の採取場所の負担も減らせるからです。」


「それに余ったお金を違う経費に回す事で織田家の財政負担の減らし、均等に持ち込みめる事にも成ります。」


「・・・・・・・・・」と呆然としてしまう長吉。


(改めて言われてみれば、至極最もな事だ。)


(翌々考えて見れば、織田家や各城内での薪や炭に油と蠟燭と言った燃料物資のお金の出所は、全て織田家が治める尾張国のため三からの租税だっ!)


(それを寒いから、明かりが必要だからと、事さらに湯水の如く使い続ける事は如何なる事なのだろう?)


「こんな当たり前な事に今更ながら、目の前に居座る娘に言われて気が付くとは、恥じ入るばかりだ)


 長吉は改めて気付かなかった織田家のお金、税金の使い道が如何に大切なのかを陽菜の考えから思い知られた事に成った。



「おいおい、考え過ぎじゃなのいか?陽菜の意見をくみ取ると、朝から冷や飯を食い。真昼間の寒さは我慢して、夜には早寝をしろって言って居る様な物だぞ?」


「これじゃ、頃代や恵那達が言う様に、嫌われ者の誹りを受ける事に成り兼ねない。」


「二人が止めるのも納得が行く。」


 この時の犬千代は、金勘定が庶民以下であったので、ケチケチする様な事は嫌われ者と言う考えが根強かった。


 だが、この後に起きるひと騒動でド貧乏を経験した事で、金勘定に煩いドケチな性格を得てしまうのは夢にも思って居らず、その史実が後世に残る程の笑い話と成ってしまう事をまだ知らずに居た。



「犬千代ちゃん、それも塵も積もれば山となると言うからね。小さな事からコツコツとやって行かないと、最後の成果は分からないよ。」


「どうせ、止めてもやるんだうろ?」と言う呆れ顔の犬千代。


「さてと、頃代ちゃん。恵那ちゃん。先ずは手分けして無駄遣いの洗い出しだよ。」


「浅野様は、織田家の経理簿をお願い致します。」


「分かった。やって置く。」


「犬千代ちゃんは、浅野様のほさをお願い。他の人は頃代ちゃんと恵那ちゃんの下で雑用をお願い。」


「さぁ~やるぞーーーっ!!」


 こうして、陽菜のお台所奉行の日々が始まった。




マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 陽菜が主君である和紗から仰せ付かった台所奉行とは、即ち・・・・織田家の雑費家計を預かる職務の事である。


 これは後の歴史書にて、那古野城内及び織田家所領内での予算無駄遣いの取締り隊と言われ、徹底的に領内で身分職務に関わらず、徹底的に厳しく取り仕舞われたと記録に残って居る。


 だが、この時点で・・・・この取締りの真の目的を知る者は居なく、怨まれ役を買って出た馬鹿者と思われる事に成った陽菜の苦難が始まったのであった。




 下準備と予定表が固まった陽菜たち台所奉行隊と称した取締り隊らは、行動を開始日の早朝に成ると、早起きをした上で那古野城の炊事場、竃を使った飯炊きに調理場では、陽菜・頃代・恵那達らは、那古野城炊事番頭である村田侘助と言う町人出身の料理人と言い争いが始まって居た。


「それじゃ、何かっ!必要以上に薪に炭、油を使う成って言うのかっ!」


「はいっ!!今年は特に薪に炭、油等が値上がりする見込みと成って居るので、それらの物質と経費の節約にご協力をお願いします。」と真剣な顔立ちで侘助に言う陽菜。 


「お頭っ!」


「こんな奴の言う事なんかっ!」


「そうですぜっ!!どうせ信長様に取り入って適当な仕事をして居るだけですぜっ!」



 那古野城炊事番組員の者達は、自分達の仕事が取られると猛反発して居た。


 それどころか、新参者である陽菜の事も卑下する程に軽蔑をして居るのであった。


「それと、申し訳ないんですけど・・・・・」


「此方で算出して居る計算の結果、必要以上に貯め込まれて居る薪・炭・油等の物質を管理倉庫に引き取らせ貰う事に成って居る。」


「ですので、私達にそれらの物質を引き渡し貰います。」


「何だとおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」と怒鳴り散らす侘助。


 最早、陽菜達台所奉行隊が、侘助が預かる那古野城炊事番組の職場を意のまま、勝手好き放題にされた事に怒り爆発をしてしまった。



 それで居て、和紗の上意であると言われてしまえば、どの様な立場の者達でさえも、怒り心頭と成ってしまうだろう。


「済みません。これは信長様のお下知でも在りますので・・・・・・」と陽菜が締め括る。


そう言われた侘助は、観念して居な居る。


「ちぃっ!!分かったよっ!!今日から調理物質の節減で、朝からも冷や飯だっ!!」


「お頭っ!!」


「おめえらも、黙って言う事を聞かねえと、あのお方にこう成るぞっ!」と首筋に手を横に切って見せた。


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


 それを言われた那古野城炊事番達等は、押し黙ってしまう。


 そう、あの織田・和紗・信長がやれっ!と言うのだから従わなければ、解雇か死罪は免れない。


 倹約を主命だから諦めろと言うのだ。


 泣く泣く那古野城炊事番達等は節約に努め、それまで城内の者達に作って居た料理の序でに造れられた賄い料理は、冷や飯と化してしまうのであった。



 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城本丸内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 さて、陽菜達の織田家・台所改革の矛先は、織田家領内と各拠点城内をぐるりと堀と塀を造るが如く、取り囲む様な形で着々と進められて行く。


 その魔の手は那古野城本丸内で働く重臣達にも及ぼうとして居た。  


 この時代の和紗の家臣団の中には、林秀貞・佐久間信盛・森可成と言った著名な武将達が居並んで居た。


 いよいよ本格的な冬を迎えた18月。


 陽菜たち、台所奉行隊の取締りも厳しさを増して居た。


「「「織田家領内倹約っ!ご協力をお願い申し上げまするううううぅぅぅぅぅーーーーーー!!」」」と声を揃えた陽菜は、那古野城本丸西側の執務室で働く3将達の下に現れる。



「何だっ貴様らは?」と林秀貞。


「ああ、噂に聞く台所奉行隊だな?」と佐久間信盛は、陽菜達を冷静に見て居た。


「まさか・・・・こんな所にまで手入れをする積りか?」と森可成は、陽菜達が何をしにやって来たのかを悟った様である。


 

 林秀貞・佐久間信盛・森可成が勤めていた執務室には、びっしり火鉢が6個も有り、3人が寒がらない様に配置してあった。


「重臣の皆々様にはね申し訳ございませんが、火鉢と燃料である炭を半分にさせて頂きます。」と陽菜は、上役である三人らに遠慮せずに、火鉢を一つずつ引き取り、燃料である炭を半分を持ち去って行く。


「ああっ!!」


「それはっ!!!」


「幾ら何でもっ!!」


 三人は、何としてでも火の気を維持しよう食い下がるが、陽菜達は容赦なく持ち去って行く。


「それでは、失礼いたしました」と言って陽菜達は、何事も無かったかのように引き上げて行くのであった。


 残された三名は、凍れる中を少なく成った火の気で耐え忍びながら執務をこなして行くのであった。



マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城・三の丸・那古野城備蓄倉庫・管理詰所内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 陽菜の台所奉行職の仕事は、順調に進んで居た。


 三の丸・那古野城備蓄倉庫・管理詰所には、台所奉行の詰所とし宛がわれ、頃代・恵那・犬千代と言ったメンツが入れ替わり立ち替わりに行き来して居た。


 ある日のこと、足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉と一人娘である浅野・寧々・長政の二人は、陽菜の仕事を手伝う為に詰所を訪れていた時の事である。


「木下、随分と派手に取り締まって居る様だな。」


「そんな人聞き悪いですよぉ・・・・・」と長吉に皮肉を交えた上段を言われて、苦笑する陽菜。


「ついさっき、帳簿を見て見たが、全体の5割5分を取り締まったらしいな?」


「まぁ、そうですね。」


「そろそろ良い頃合いだろう。これ以上をやると、不満が爆発する。ここら辺が引き時だ。」


「いいえっ!!もうちょっとだけ取り締まった方が良いです。せめて6割5分は引き締めたい所です。」


「おいおい、重臣達なら致し方無いと諦めるが、小者仕事をして居る者達や中堅階級の家臣達すら似たような取締りをすれば・・・・・・」


「ですが、皆が同じ様に平等にやらないと効果がありません。」


「お前だって下級層からの這い上がりだぞっ!!」


「それが信長様に目を掛けられて、その職務をして居るのだ。少しくらい大目に見たって・・・・・・」と長吉は言う。


「はぁ~分かっては居ますが、ダメですっ!!」


「これらの物資は織田家が管理して居る大事な品々なのです。」


「織田家領内に住まう農民・商人・町人達が汗水を垂らして治めた租税なのですよっ!!」


「それを湯水の如く使うなんて事は有っては成らないのですっ!!」


「大名王家とは、市井に例える為らば、言わば商人で商店を開いて居る大店主人。」


「その家臣達は、言わばその主人に仕えて給金を貰う奉公人です。」


「陽菜お姉ちゃんっ!!幾ら何でもその例えは信長様に失礼って言われちゃうよっ!!」と寧々は、陽菜を窘める為に言う。


「まぁまぁ、寧々ちゃん。此処だけの話だよ。あくまで例え話。」


「その奉公人達は、主の商店を盛り上げ様と汗水垂らして働き、決して店の物を無駄遣いや損壊をしようとは致しません。」


「それどころか、店の物をもっともっともっと節約して、店を盛り上げようと奮闘し、余ったお金を別の所へと投資して、自分達の給金に繫栄させようとする筈ですよっ!!」



「信長様は、そんな視点が有るからこそ、私の提案している事にご興味とご賛同をしてくれたんだと思います。」と締め括る。


「そんな馬鹿な話が・・・・・」と長吉は言うが、これ以上の問答は、この一仕事を終えて見れば分かる事だと思い。


 長吉は押し黙る事にした。


そんな中で事件が発生してしまう。


 城内のとある場所で、下級家臣と中堅家臣達が集まり、昨今の冬の生活物資取締りに不満と憤慨を爆発させて居た者達が30名ほど集まって居た。



「それにしてもあの木下陽菜めっ!!」


「そうだっ!!そうだっ!!」


「何だってっ!!この寒空の下で冷えた飯に糞寒い部屋を我慢せねば為らんのだっ!!」


「如何やって信長様に取り入ったか知らないが、好き放題しやがって!!」



「だが、このままではイカンっ!!」


「そうだなっ!!如何にかせんと、あの新参者に思うが儘なのは気に入らんっ!!」


「やるかっ!!」


「そうだっ!!」


「やるぞっ!!!」


 台所奉行の行いに不平不満を持った武士や小者達は、木下陽菜を弾劾するべく、襲撃計画を実行する事にした。



 


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