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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 大公立志伝っ!立身出世への旅立ちっ! 2

 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・美濃国境周辺地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


聖徳寺での織田・和紗・信長と斉藤道三との会談は無事に終わった。


 和紗が率いる織田軍は、富田宿を無事に通り過ぎつつ、長閑な農村地域の街道を那古野城城下へと向かって居た時である。


「信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」


「信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」



「信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」


「信長さまああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」と大声で叫ぶ一人の少女が、和紗が率いて居る軍勢の行列を呼び止めて駆けて来る。



「止まれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と槍を持って制止させるのは、和紗の馬周り衆として仕えて居る前田・利美・利家であった。



「何者だっ!!」


「ハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・んはっ!!ハァハァハァハァハァハァハァ・・・・はっ!はいっ!!私は尾張国・中村で、百姓をして居る木下家の木下・陽菜と言います。是非とも信長様ご家来に成りたくて来ましたっ!!」


「帰れ帰れ帰れっ!!今は仕官募集はして居らんっ!!」と追い払おうとする前田・利美。


 和紗も陽菜の顔付きを見ると冷たい言い放つ。


「貴様は戦どころか、武士には向いては居らん。畑を耕すか商家にもで奉公していた方が向いて居る。」


「その格好を見たところ、どこぞで手に入れて来た、高そうな大小の刀二つを腰に下げて居るが分不相応にしか見えん。」


「・・・・・ですが、どうしても信長様の家来に成りたいんですっ!!道三様との会談や富田宿場町の行列を見て、只者では無いと悟り、こうして馳せ参じて参った次第なのです。如何かっ!!お願い申し上げますっ!!」と地面に頭を擦り付ける様にして頼み込む陽菜。



其処に後ろから大声で後を追う一団が現れる。


「おーいっ!!」


「陽菜あああああぁぁぁぁぁーーーっ!!」


 現れたのは、蜂須賀・頃代と前野・恵那を先頭にして駆けて来た幼馴染み達や陽菜の呼び掛けに応じた様々な階層の者達であった。



「ハァハァハァハァ・・・・・・待ってよ。陽菜ちゃんっ!」


「幾ら何でも、急ぎ・・・・はっ!!」と前野・恵那は和紗の顔を見ると慌てて平伏する。


 それに続けて蜂須賀・頃代と100名近くの仕事仲間達が平服した。


 陽菜の織田家への仕官は既に仲間たちの間で結論が出て居るので、この場に居る仲間達中には、異論を唱える者達は居なかった。


「貴様らは、其処のサル娘の仲間か?」と和紗は尋ねる。


「はっ!!はいっ!!尾張国・美濃国等を股に掛けて積み荷の運搬業や傭兵仕事を請け負って居ります蜂須賀党を率いて居ます。蜂須賀家・長女、蜂須賀・頃代と言います。」


「馬借衆と川浪衆を生業として居る前野家・長女の前野・恵那です。」



「・・・・・・・くくくくくっ!!アハハハハハハっ!!面白いっ!!」


「犬千代っ!!」


「はっ!!」


「この者達を足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉の下に付ける。」


「召し抱えるのですか?」


「こやつは使える。たったの一声で付き従うか、味方に付きたいと言う輩が現れるのは、このサルの才能だっ!!」


「ですがっ!!」と犬千代は言う。


 其処に陽菜は、和紗に自らのセールスポイントを必死の言葉で、売り込みを訴えた。


「私はっ!!一年前から今年に至るまで、今川家・遠江国の国人衆である松下・佳代・之綱さまに仕えて居ました。」


「この腰に差して居る大小の刀は、松下家を去る際に、之綱様から餞別にと頂きました。」


「だ、そうだ。サルっ!!松下は何故、才が有る貴様を家中に留め置かなかったっ!?」


「無宿人である事と農家の出である事が、家中の武士と奉公人達に疎んじられた為と分かって居りましたので、夜半にコッソリと自分から出て行こうとした所。」


「之綱様に呼び止められ、その場で私に誤って、送り出して下さいました。」


「それは勿体無い事をしたな。今川も松下も、サルを召し抱えて居れば、この俺の首を討ち取れたやもしれんのになっ!」と不敵に笑いながら言う和紗。



「!?」


(まさか、この村娘にそれだけの価値が有るのか?」と首を傾げる前田・利美は、和紗の一言に衝撃を覚える。


 陽菜に何らかの才有る事が、敵味方の優劣さえも決められる才能を秘めている事に・・・・・・・・・・・・・


「サルっ!!因みに、この俺が給金を全額持つから人を集めろと言ったら、何人くらい集まるのだ。無論、性別・出自は問わん。」


「・・・・・・・そうですね。私と頃代と恵那の伝手を使えば、ざっと500人は呼び掛けられるかと、日数と資金がおればもっともっと集められます。」と言い切る陽菜。


「くくくくくっ!!アハハハハハハっ!!そうかっ!そうかっ!出来るか?」


「為らばもう少し色々とサルと話がしたい。他の者共は、浅野・将右衛門の下で練兵の訓練やサルから沙汰を待って居ろっ!」


「サルには暫く、その才に見合った仕事を振る為に、試用期間の間だけ草履取りを命じるっ!」と言うと、和紗は馬上を切り替え居城地である尾張国・那古野城へと行列を進発させた。


「えっ?」和紗が取り決めた破格の待遇・・・・それも近習に近い供回り成れとの言葉に呆然としてしまう陽菜。


「おいっ!!良かったな。下手をすれば首をバッサリだったぞっ!」と言う犬千代こと、前田・利美。


「やっ!!やったああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!陽菜っ!お供を致しまするうううううぅぅぅぅぅーーーーーーーっ!」と駆けて行く。


 その後ろには、呆然として居た頃代と恵那達。


それは歴史を・・・・人生を変えた始まりでもあった事に、驚きを隠せずに啞然としたまま、歩みだす。


「おいおい、嘘でしょうっ!!」


「陽菜、やったのね・・・・」


 他の者達も織田家へと纏めて仕官が出来る事に大喜びで行列に続いて行くのであった。


 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城下・足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉管理区画・第12組足軽隊・第12組足軽長屋区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 そして・・・・・陽菜は那古野城城下へと入ると、和紗と別れ、犬千代こと前田・利美・利家の案内で、足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉が統括責任者をして居る足軽組頭長屋へと案内された。


「此処が浅野家が管理をして居る足軽長屋だ。木下、足軽組頭長屋の方は後で私が案内してやるが、お前の仲間達はボロ屋だが、5棟を改修して使うようにとのお達しだ。」


「まぁ、無いよりましだよね。」


「確かに、陽菜が押し掛け奉公しなければ、此処はゆっくりと改修する予定だったんだろうけどな。」と頃代と恵那は、用意されたボロボロ長屋を見てそう思った。


「分かって居るなら話が早い。数日中には直す様にと言われて居る。道具と資材は浅野殿に言えば、手配して貰えるだろうが、お前達の世話役を仰せ使って居るこの私と浅野殿の迷惑には為らない様にっ!!」


「分からない事が在れば、この辺りの区画で一番に大きい屋敷である浅野足軽大将屋敷へと申し出るか、この私に言いにくると言い。」


「木下、お前はこっちだ。」と犬千代は、陽菜を住まいに在んないするべく、足軽組頭長屋へと向かう。


「じゃ、みみっ、みんな後でね・」と言って陽菜は、足軽屋敷に住まう事に成った頃代と恵那達と別れた。



 ギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城下・足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉管理区画・第12組足軽隊・第12組足軽組頭長屋区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 陽菜は犬千代の案内で、足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉管理区画・第12組足軽隊・第12組足軽組頭長屋へとやって来た。


「此処だ。私の隣がお前の家と成る。」


「こっちは新しいんだね。」


「それはそうだ。直したのは2月前だからな。」


「所で私はこの後、何をすれば良いの?」


「ああ、そうか。先ずは足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉殿に挨拶だな。」


「その後は、お前の仲間達に宛がったボロ屋の第12組足軽長屋を如何にかしないとな。」


「そうなんだね。それじゃ、早速浅野様の所にご挨拶に行かなきゃね。」


「待て待て、向こうにも都合が有るだろうから、私が確認を取って置く。それまでは手荷物なんかの荷解きや、夕飯の買い出しにでも言って来ると良い。」


「分かったよ。前田さん。」


「ああ、それとだな。木下、お前の都市は幾つだ?」


「今年で14歳だけど?」


「何だ同じ歳なのか?」


「えっ!そうなんだ?」


「為らば通称呼びで構わない。苗字呼びだと色々他人行儀だからな。あの信長様が認められた人材だ。」


「そう簡単には逃げ出したりすまい。」


「そんな事はしないよっ!!」


「あのお方に付いて行くなんて事は並み大抵の事ではないからな。」


「逃げ出したりする輩は珍しくない。」


「それが悪い噂の源にも成って居るしな。」


「ああ、そうなんだ。」


「どうせ長い付き合いにも成りそうだしな。同じ歳なら通称名での呼びで構わない。それにお前も農民の出だからな。こっちも偉ぶった呼び方をされっぱなしなのは嫌いだからな。」


「うん分かったよ犬千代ちゃんっ!!」


「おいっ!!それは私の幼名だっ!!信長様が呼び方を直さないから、周囲の皆が犬千代が私の通称名だと、思われて居るんだっ!!」


「えっ!違うのっ!!」


「そうだっ!!利美が通称名だ。」


「ええ~犬千代ちゃんて名前の方が可愛いのに~っ!!」


「いい加減に幼名は卒業したいんだよっ!!それで一部の連中からは笑われて居るんだからなっ!!」



 犬千代はぷんすかと怒るが、これが一生の間、犬千代が通称名と化してしまうのは、主君である和紗と親友である陽菜のせいであると、後年に書かれた日記や歴史書等の記録には書かれて居た。


 二人の出世物語は、此処から始まったと言えるエピソードであった。



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