表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
131/316

エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 尾張の大虚けと岡ヶ狭間の戦いっ!!7

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城下・足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉管理区画・第12組足軽隊・第12組足軽組頭長屋区画にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




またまた陽菜達は、足軽組頭達が住まう足軽組頭長屋へと集まって居た。


「全く、何でお前と言う奴は、こうも次から次へと騒動を起こすんだ。」と犬千代は、半ば呆れ顔で陽菜に向かって言って居た。



「だっだってええぇぇ・・・・・・・・」としょんぼりとしてしまう陽菜。


「犬千代ちゃん。」


「まぁまぁ、そう怒らないでくれ。陽菜も思う所が在って、信長様に進言をしたのだろう。」


「はぁ~、これなら今川家の松下家とか言う国人衆の家で、ひと悶着が在ったと聞かされた事が納得が出来る。」


 陽菜は真面目が過ぎたせいと、出自の低さから松下家を出て行かなければ成らなかった。


 出会って日が浅いが、陽菜の人と成りを分かり始めた犬千代は、この織田家でも似たような事態に成り兼ねないと危惧してしまう。


「犬千代。今更そんな事を行っても仕方が無い。今度はこの俺まで巻き込まれて居る。」と犬千代と陽菜達の上司に当たる足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉こと、長吉も、和紗から陽菜達の監督をしろとの通達文が来て居るので。半ば諦めていた。


 それと犬千代は、和紗直属の近衛隊長である赤母衣衆であるが、和紗のお供が無い時は、長吉の下に付いて働いて居た。


 犬千代は長屋が隣同士だから手伝ってやれと言われてしまって居るので、これも諦めるしかないと言えた。


 那古野城修繕工事を手伝わなければ、この様な事態は避けれられたかも知れないが、そんな事は今更なので逃げ様が無かった。


「木下、何故、今更ながら織田家や各城内での薪や炭に油と蠟燭と言った燃料物資の無駄遣いを減らすべきなのだ」と長吉は、今の暮らし・・・・武家や庶民達の間でも当たり前として居る燃料費の節約をする必要性に関しての疑問を呈した。



「それは簡単な事です。燃料に使われて居る物資の量を減らせば、その分を別の事につ帰るし、材料の採取場所の負担も減らせるからです。」


「それに余ったお金を違う経費に回す事で織田家の財政負担の減らし、均等に持ち込みめる事にも成ります。」


「・・・・・・・・・」と呆然としてしまう長吉。


(改めて言われてみれば、至極最もな事だ。)


(翌々考えて見れば、織田家や各城内での薪や炭に油と蠟燭と言った燃料物資のお金の出所は、全て織田家が治める尾張国のため三からの租税だっ!)


(それを寒いから、明かりが必要だからと、事さらに湯水の如く使い続ける事は如何なる事なのだろう?)


「こんな当たり前な事に今更ながら、目の前に居座る娘に言われて気が付くとは、恥じ入るばかりだ)


 長吉は改めて気付かなかった織田家のお金、税金の使い道が如何に大切なのかを陽菜の考えから思い知られた事に成った。



「おいおい、考え過ぎじゃなのいか?陽菜の意見をくみ取ると、朝から冷や飯を食い。真昼間の寒さは我慢して、夜には早寝をしろって言って居る様な物だぞ?」


「これじゃ、頃代や恵那達が言う様に、嫌われ者の誹りを受ける事に成り兼ねない。」


「二人が止めるのも納得が行く。」


 この時の犬千代は、金勘定が庶民以下であったので、ケチケチする様な事は嫌われ者と言う考えが根強かった。


 だが、この後に起きるひと騒動でド貧乏を経験した事で、金勘定に煩いドケチな性格を得てしまうのは夢にも思って居らず、その史実が後世に残る程の笑い話と成ってしまう事をまだ知らずに居た。



「犬千代ちゃん、それも塵も積もれば山となると言うからね。小さな事からコツコツとやって行かないと、最後の成果は分からないよ。」


「どうせ、止めてもやるんだうろ?」と言う呆れ顔の犬千代。


「さてと、頃代ちゃん。恵那ちゃん。先ずは手分けして無駄遣いの洗い出しだよ。」


「浅野様は、織田家の経理簿をお願い致します。」


「分かった。やって置く。」


「犬千代ちゃんは、浅野様のほさをお願い。他の人は頃代ちゃんと恵那ちゃんの下で雑用をお願い。」


「さぁ~やるぞーーーっ!!」


 こうして、陽菜のお台所奉行の日々が始まった。




マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 陽菜が主君である和紗から仰せ付かった台所奉行とは、即ち・・・・織田家の雑費家計を預かる職務の事である。


 これは後の歴史書にて、那古野城内及び織田家所領内での予算無駄遣いの取締り隊と言われ、徹底的に領内で身分職務に関わらず、徹底的に厳しく取り仕舞われたと記録に残って居る。


 だが、この時点で・・・・この取締りの真の目的を知る者は居なく、怨まれ役を買って出た馬鹿者と思われる事に成った陽菜の苦難が始まったのであった。




 下準備と予定表が固まった陽菜たち台所奉行隊と称した取締り隊らは、行動を開始日の早朝に成ると、早起きをした上で那古野城の炊事場、竃を使った飯炊きに調理場では、陽菜・頃代・恵那達らは、那古野城炊事番頭である村田侘助と言う町人出身の料理人と言い争いが始まって居た。


「それじゃ、何かっ!必要以上に薪に炭、油を使う成って言うのかっ!」


「はいっ!!今年は特に薪に炭、油等が値上がりする見込みと成って居るので、それらの物質と経費の節約にご協力をお願いします。」と真剣な顔立ちで侘助に言う陽菜。 


「お頭っ!」


「こんな奴の言う事なんかっ!」


「そうですぜっ!!どうせ信長様に取り入って適当な仕事をして居るだけですぜっ!」



 那古野城炊事番組員の者達は、自分達の仕事が取られると猛反発して居た。


 それどころか、新参者である陽菜の事も卑下する程に軽蔑をして居るのであった。


「それと、申し訳ないんですけど・・・・・」


「此方で算出して居る計算の結果、必要以上に貯め込まれて居る薪・炭・油等の物質を管理倉庫に引き取らせ貰う事に成って居る。」


「ですので、私達にそれらの物質を引き渡し貰います。」


「何だとおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」と怒鳴り散らす侘助。


 最早、陽菜達台所奉行隊が、侘助が預かる那古野城炊事番組の職場を意のまま、勝手好き放題にされた事に怒り爆発をしてしまった。



 それで居て、和紗の上意であると言われてしまえば、どの様な立場の者達でさえも、怒り心頭と成ってしまうだろう。


「済みません。これは信長様のお下知でも在りますので・・・・・・」と陽菜が締め括る。


そう言われた侘助は、観念して居な居る。


「ちぃっ!!分かったよっ!!今日から調理物質の節減で、朝からも冷や飯だっ!!」


「お頭っ!!」


「おめえらも、黙って言う事を聞かねえと、あのお方にこう成るぞっ!」と首筋に手を横に切って見せた。


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


 それを言われた那古野城炊事番達等は、押し黙ってしまう。


 そう、あの織田・和紗・信長がやれっ!と言うのだから従わなければ、解雇か死罪は免れない。


 倹約を主命だから諦めろと言うのだ。


 泣く泣く那古野城炊事番達等は節約に努め、それまで城内の者達に作って居た料理の序でに造れられた賄い料理は、冷や飯と化してしまうのであった。



 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・織田・和紗・信長居城・那古野城本丸内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 さて、陽菜達の織田家・台所改革の矛先は、織田家領内と各拠点城内をぐるりと堀と塀を造るが如く、取り囲む様な形で着々と進められて行く。


 その魔の手は那古野城本丸内で働く重臣達にも及ぼうとして居た。  


 この時代の和紗の家臣団の中には、林秀貞・佐久間信盛・森可成と言った著名な武将達が居並んで居た。


 いよいよ本格的な冬を迎えた18月。


 陽菜たち、台所奉行隊の取締りも厳しさを増して居た。


「「「織田家領内倹約っ!ご協力をお願い申し上げまするううううぅぅぅぅぅーーーーーー!!」」」と声を揃えた陽菜は、那古野城本丸西側の執務室で働く3将達の下に現れる。



「何だっ貴様らは?」と林秀貞。


「ああ、噂に聞く台所奉行隊だな?」と佐久間信盛は、陽菜達を冷静に見て居た。


「まさか・・・・こんな所にまで手入れをする積りか?」と森可成は、陽菜達が何をしにやって来たのかを悟った様である。


 

 林秀貞・佐久間信盛・森可成が勤めていた執務室には、びっしり火鉢が6個も有り、3人が寒がらない様に配置してあった。


「重臣の皆々様にはね申し訳ございませんが、火鉢と燃料である炭を半分にさせて頂きます。」と陽菜は、上役である三人らに遠慮せずに、火鉢を一つずつ引き取り、燃料である炭を半分を持ち去って行く。


「ああっ!!」


「それはっ!!!」


「幾ら何でもっ!!」


 三人は、何としてでも火の気を維持しよう食い下がるが、陽菜達は容赦なく持ち去って行く。


「それでは、失礼いたしました」と言って陽菜達は、何事も無かったかのように引き上げて行くのであった。


 残された三名は、凍れる中を少なく成った火の気で耐え忍びながら執務をこなして行くのであった。



そんな中で事件が発生してしまう。


 陽菜が一人で居る所を複数の侍達が暴行に及んだのである。



 幸いな事にそれを偶々見掛けた織田家・和紗直轄の足軽侍大将・浅野・将右衛門・長吉の一人娘である浅野・寧々・長政が、父である長吉と犬千代らに助けを求めると、二人は寧々に頃代と恵那達も呼び付ける様に言い付け、二人は陽菜の救援に向かう。



 そして、暴行に及んで居た者達、30名を捕縛。



そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「きえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」と和紗は叫びながら、陽菜を暴行すると言う計画を思い付き、打ち立て、一味をかき集めたと言う頭目の首を、バッサリと打ち首にしてのけた。


此処は和紗の館で、私室が置かれた庭先で在る。



 其処に前田・利美・利家。丹羽・米実・永秀。浅野・将右衛門・長吉。


 更に更に林秀貞。佐久間信盛。森可成と言った重臣達が居並んで居た。


 事件発生でお台所奉行が軽んじられて居る事を知った和紗は、重臣達を呼び出し、事件を起こした者達を見せしめする事にしたのである。


 事件を巻き起こした他の者達も、ちょっとした出来心で暴行に加担しただけなのだが、和紗は容赦が無かった。


 和紗は冬の予算削減を何としてでもやって見たいと前から思って居たので、陽菜の申し出は渡りに船であり、そんな和紗は自分と全く同じ考えを持って居た陽菜の事に対して、大いに喜んで居たのであった。


 そんな陽菜をボコボコにしようとすれば・・・・・・どうなるのかなんて事は明白であった。


 結果は御覧の通りである。


「俺達はっ!!ぐはっ」と言いかけた男は、その場でバッサリと斬られる。


「ひひいいぃぃーーーっ!!」と怯えて居た男も、その場でバッサリと斬られる。


「俺は、先輩方に脅され、ぐぎゃーーーっ!!」と事情が在りそうな男すらも、その場でバッサリと斬られる。


 事件に関わった武士達は、あれよあれよと言う間に、和紗の部屋先で血祭りに挙げられてしまう。


「犬千代っ!」


「はっ!!」


「この者達の首を那古野城の東西南北の城門先に晒せっ!」


「但しっ!今回の事件に関わりし者達は処罰するが、遺族に類を及ぼすには及ばずっ!」


「その遺族の面倒は俺が見る事を確約するが、それを拒否する様ならば、尾張国からも織田家から、何所ぞに立ち去るのも好きにせよと伝えろっ!!!」


「ははっ!!畏まりました」と犬千代は、遺体の後始末に取り掛かる。



「将右衛門っ!」


「ははっ!!」


「サルめが推し進める台所奉行職の倹約令の一件は、我が意である。」


「サルの言葉は俺の命令だっ!!家が統治支配する全領土内統治を任された家臣達に終始徹底させよっ!!!」


「それに楯突いて逆らえば、如何なるかもなっ!!!」


「ははっ!!」と平伏する長吉。


「はぁ~少々やり過ぎと思いますが、そんなに倹約して何を為さるお積りなのですか?和紗様。」と呆れ顔に成る丹羽・米実は、恐る恐る和紗へと疑問を投げ掛けにがら聞いて見た。


「サルめっ!!思いの外やり居るっ!!7割5分も削減をしおったっ!!流石は今川の国人衆でもまぁまぁな領主と聞く松下家で才を振るって居た事は有るなっ!!」と陽菜の事を褒め称える和紗。



「ふっ!!決まって居るだろうっ!!金や物質を節約すれば、その分を軍備や他の事へと予算が回せるっ!!」


「俺はなっ!!もっともっと金を節約したり、商いを良くして、領内の租税を増やして、更に金を増やすっ!!」


「そうすれば織田家が統治する土地には、莫大な富が集まる場所と成る。」


「俺は何れ織田家当主と成った暁には、市や場所税、市組合を廃止して、均一な制度に纏めて、誰もが自由な商売が出来る商人が集まる街にしたいのだっ!!」と和紗は言い放った。


それを聞いた長吉は、ビックリした顔付に成る。


(あの木下陽菜と同じ事を信長様が考えて居られただと・・・・・・・・」


 長吉は、数日程まえに陽菜と話して居た時に、台所奉行の役目を商人に例えて、必要な事だと言って居た事を思い起こして居た。



「丁度良い。米実っ!!あれを見ろっ!!」と叫んだ和紗は、御付きの小姓達に命じて、一風変わった旗指物を庭先に並べた。


「あれはっ!!銭の紋所の旗指物ですか?」と米実は言う。


「そうだっ!!これが俺の決意だっ!!」



 その旗指物は、黄色の布地に永楽通銭と書かれて居た旗であった。


「これからは広く商売を奨励して、国を富ませた物が世界を牛耳る事に成る。


「俺はなっ!!アマテラス神皇国を商人の国にするべく、その決意を広く世に示さんが為に、この旗を我が織田家の軍備としたいっ!!」



これが世に言う織田家軍旗、永楽通銭旗の始まりと言われて居る。


(此奴はたまげたっ!!木下陽菜と信長様は、既に先の世を見通してて居られる。)


(あの木下だけが、信長様の御心を誰よりも理解しているのだっ!!)



(だから、あの者は臆面もせずに、堂々と正しい事をして居るのだな)



 長吉は理解する。



 この織田家内で、誰よりも和紗の事を理解が出来るのは、木下陽菜だけなのだろうと。


 この一連の一件が、木下陽菜を更なる出世街道へと進める事と成るエピソードの一つと言われて居た。


 この事件と台所奉行での節約改革の功績で、陽菜は和紗の馬廻りの一人成り、御側使え人お役を命じられる事に成る。


 後世の歴史書には、草履取り役と書かれる事に成る。



  陽菜が大公豊臣・陽菜・秀良と呼ばれる日まで、あと数十年。


 彼女の出世街道の苦難はまだまだこれからであった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ