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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第7章 少年王と魔王織田・和紗・信長との対峙とアイヌル民族解放血盟団の反乱の終焉編
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エピソードブラス・アマテラス神皇国・戦国無双・萌将伝 尾張の大虚けと岡ヶ狭間の戦いっ!!3

マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・美濃国境周辺地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



聖徳寺へと向かう少し前のこと。


 和紗は、聖徳寺の5キロ手前付近で軍勢を止めさせ、聖徳寺周辺地域の様子を探らせてみる事にした。


 和紗は、彼女の近衛旗本隊として組織した赤母衣衆筆頭隊長・前田・利美・利家を近衛旗本隊一番隊として部隊を聖徳寺へと先行偵察をさせつつ、その街道沿いの安全確認の報告をさせて居た。


 前田・利美は 尾張国・南西地域・荒子郡の荒子城の出身者で、和紗の馬周り衆として取り立てられて以来、出世を続ける人物で、槍の利美と言われる猛者。


ベリーショートヘアースタイルで、とても真面目そうな風貌を持った長身のスポーツウーマンタイプの姫武将。


 後に岡ヶ狭間の戦いのチョッと前にヘマをして、織田家本家である古渡城の家臣達と刃傷沙汰に成るほどの諍いに巻き込まれてしまう。


 その理由は、和紗の赤母衣衆と織田家本家軍とが道を譲る譲らないとの押し問答が原因であった。


 和紗は一時的に、利美をお役目を罷免し、領内から放逐されてしまい、ド貧乏な生活に陥ってしまう。


 そのせいか、金勘定には煩く成るほどのドケチに成ったと言うエピソードが残ってしまう。



「和紗さまっ!先行偵察隊からの報せでは、聖徳寺周辺地域は、斎藤家の手勢が警備の為に待ち受けて居ること以外では、異常無しとの事です。」


「そうか・・・・・・」


「それよりも犬千代、道三が見て居るぞっ!」


「は?」と幼名である犬千代と呼ばれた前田・利美は、和紗の唐突な言葉に、思わずポカンとした顔を晒してしまう。


「この馬鹿者がっ!!この俺が道三の糞親父ならば、必ずそうすると言うのだっ!!!」


「まさか・・・・・・・」


「まぁ、良い。」


「それ為らば、こっちは見られて居ると想定して、動くまでだ。」


「米実っ!アレは用意して在るな?」


 近くで控えて居た丹羽・米実は、直ぐに答えた。


「はっ!姫様に言われた通りの衣装をご用意して居ります。少々値は張りましたが・・・・・・・」と言って米実は、厳重に扱って居る葛篭に目をやった。


 丹羽・米実・永秀とは、その見姿は背丈が167センチくらいで、ロングヘアーに細い紐のリボンを4カ所に付けて居るヘアースタイル。


 スタイル抜群のお姉さんで、様々な事に気が回り、米の様に使える人物と言われて居る。


 そんな彼女は、幼い頃から和紗の付き人として仕えて居る人物の一人でも在るのだ。


「構わんっ!どうせ、あのマムシ親父の事だ。この俺の事を値踏みでもして居る事だろう。」


「だったら、安値を付けて居る事を対面の席で後悔させてやるっ!」


 和紗は、斎藤家家臣達と道三らが、己が人物像を値踏みして居る事を想定し、その度肝を抜いてやろうと企む事にした。


和紗は完全に着飾った姫武士用の・・・・上位階級の家柄の娘が着る最高級の織物で、作られた紅葉色の晴着姿を道三に見せ付ける事を企むのであった。



 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・尾張国・美濃国境地域・富田宿周辺地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 さて、話は和紗が富田宿場町を通過する少し前の所まで戻る事に成る。


 遠江国の東部・中部地域に在る頭陀寺地方を治める松下・佳代・之綱の雑用使用人として働いて居た木下・陽菜は、旧来の家臣と地元出身の使用人達との折り合いが悪く成り、松下・佳代の元を去る事にした。


 餞別として貰ったのは、鎧一式が入った鎧籠と銭が詰まった革袋に、大小の刀である太刀と小太刀。


 それと水筒と御握りのお弁当であった。


 アマテラス神皇国・東海地方東側には、居場所が無いと考えた陽菜は、松下家での経験を活かして、今度は美濃国の斎藤家に仕官をして見ようと思い至る。


 地元の織田家では、虚け姫と噂される織田・和紗・信長が跡取りであるので、とても将来には期待が持てそうに無いと陽菜は故郷に居た時から、色々と和紗の悪い噂を聞いて居たからでもあった。


 取り敢えず陽菜は、地元の幼馴染みに声を掛けて、松下・佳代から貰った退職金を元手に、萬屋業商売稼業と傭兵稼業を開業する事にした。



 蜂須賀・頃代・正勝の家は、代々船輸送を生業として居る川浪衆で、ショートヘアースタイルの右サイドポニーテールで結った可愛らしい風貌を持った女の子。


 前野・恵那・康長の家は、代々馬借業を生業として居る馬借衆で、ベリーショートヘアースタイルの凛々しい顔立ちをしたスボーテイスタイルの身体付きをした女の子である。


 二人の家々は、今風に言えば、宅配運送業と送迎サービス業を担って居ると言って良いだろう。


馬借業は陸運の運送業者の事で、川浪衆とは河川での船舶運送業者の事である


 その殆んどが中立に近い立場を取るか、勝ち馬に乗る様な傭兵稼業も副業として居る事も在ったと言う。


 属に野武士とも言われる非公認の傭兵侍業者の事でも在るのだ。


 陽菜は幼馴染み達を引き連れ、尾張・美濃との国境での仕事探しを始めた。


 そんな中で陽菜達は、富田宿で和紗が率いる織田軍の行列を見る事に成る。


「あーあー、行列に引っ掛かちゃった。」と蜂須賀・頃代は残念そうに言って居た。


 富田宿に織田・和紗・信長の行列が来る前に、斎藤家に売り込み行こうと考えて居たからである。


 その売り込み先として、美濃国でも飛ぶ鳥を落とす勢いと噂されて居る斉藤家と斉藤道三に、仕事が無いか?仕官が出来ないかと陽菜達は聞く積りで居た。


「仕方が無いだろう?」


「まさか、噂の虚け姫を見たさに、この富田宿で、此処までの見物客で溢れかえって居るとはな。」とベリーショートヘアースタイルの凛々しい顔立ちをした前野・恵那は、皮肉った言い回しで言う。


「ねえ、二人とも。私が尾張に帰って来るまでの間、何か有ったのか知って居る?」


 その質問に対して、蜂須賀・頃代が答えた。


「そりゃさ、陽菜ちゃんが、ついこの間に成って、帰って来る前の話だよ。稲葉山城と揖斐川の戦いで、織田軍を中心とした連合軍が斉藤道三様が率いる軍勢と戦って大負けしたんだ。」


「だけどね。その撤退戦であの虚け姫と言われれる織田・和紗・信長様が、何んとっ!道三様を打ち負かしたって言うんだよ。」


「とてもじゃないけど、信じられない事だよねーーーっ!!」と両手を上げて言う蜂須賀・頃代。


「私もさ、だがな。この話は事実らしい。」


「私達の実家の稼業での情報からも得た情報でもある真実。」


「何でも尾張・美濃周辺地域の馬借衆と川浪衆の情報網ですら、この事に関しては、確実な筋からの情報で裏付けされて居るから、尚更さ。」前野・恵那と補足する。



「何だか変な話。ついこの間まで虚け姫、虚け姫と小馬鹿にして来たのに、チョッと活躍するだけで、手のひら返しなんだもの。」と陽菜は呆れ顔で言う。


 如何やら陽菜は、稲葉山城と揖斐川の戦いで和紗が活躍したと言う話は、話半分程度の尾ひれが付いたデマと思ったらしい。


中世時代くらいのアマテラス神皇国内では、無理もない話である。



 そんな話をして居ると、陽菜達にも黄色い旗指物に織田木瓜の家紋が翻ると共に、最近に成って和紗が考案した旗印を指して居る織田軍が見えて来た。


「あっ!?陽菜ちゃんっ!来たみたいだよ。」


「どれどれ?」


 陽菜・頃代・恵那の二人は、仲間達と共に噂の織田・和紗・信長が率いる織田軍を見ようと身を乗り出して見る。


 そんな彼女達が目にしたのは、和紗が言うには「これからの世は商売で一番に大儲けをして居る国が、強大な大国へと伸し上げるのだ」と言う願いを込めて、永楽通銭の旗印を織田軍の飾り軍旗の一つとして掲げて居る軍旗を掲げていた。


 飾り軍旗とは、一目でどこの誰なのかを示した旗印の事で、アマテラス神皇国内でも、特に名の在る大名王が掲げる事の多い旗印の一つ。


 これが在る事で当主が如何に優れて、目立った人物なのかを示している事を誇示する為の旗印でも在るのだ。


「・・・・・・・アレが虚け姫の軍勢なの?」と陽菜は、それまで聞いて来て居た噂とは、全くの別物だと言う事に目を丸くしてしまう。


「噓でしょ?」と頃代は信じられ無いと織田軍の勇壮ぶりに見入ってしまう。


「これは・・・・・」と絶句する恵那は、余りにも練度と装備面でのクオリティの高さに言葉を詰まらせる。


 そんな陽菜達が噂とは違う虚け姫と酷評されて居た織田・和紗・信長が率いる軍勢が目の前を続々と通り過ぎて行く。


 やがて織田軍の行列は中軍に差し掛かると、8.2メートルもの長柄槍と呼ばれる長槍を持った部隊が、続々とズラリと並び歩いて居た。


 普通サイズの槍は精々3メートル以上が相場で、馬上槍は橙1.5メートル前後。


 人によっての特注品も在るが、そんなに長いやり何て物は、馬上で振り回すのは使い辛い代物なのだ。


 映画等では、見栄えの良い物が使われて居るので、見て居る側からすれば長く見得るので、勘違いをしてしまう事も有るだろうが、実際には違う。


 だから馬上で使う槍は、短い物が使われて居る。


「何て物凄い長槍なんだっ!!」と松下家に武家奉公をして居た陽菜は、常識では在り得ない槍だと驚愕して居た。


「ハッタリじゃないの?アレだと使い勝手が悪いよ。」と頃代は言う。


「いや、槍歩兵部隊の改良に勤めて居ると聞く彼の斉藤道三様も、5メートルから6メートルくらいが的確であるとして槍の改良して居るらしいが、どうやら信長様は、その2倍もの長さを求めた様だな。」と分析をした恵那。


「発想の転換と言う訳なんだ?」


「恐らくは周辺諸国の槍兵が使って居る槍を調査と見聞し、相手よりも有利な戦い方をする事を目的とする為だけに、改良に改良を加えた結果なんだろう。」


「それに・・・・あの長さだ、あの長槍に一突きに突かれれば、その一突きで胴体を串刺しにしたり、振り下ろす事で相手の頭を袋叩きにも出来るだろう。」


「全くトンデモナイ事を思い付く虚け姫様だよ!」と恵那は補足説明をする。


そうして居る間にも、織田軍の行軍はまだまだ続いて居た。


「それにしても長い行列だね。恐らくは斎藤家に負けまいと、金に物を言わせて、無理矢理にかき集めたのかも知れないね?」と頃代は当てずっぽうに言う。


「確かにね。何せ織田家は尾張国の守護大名・家老職の家柄にしては、大金持ちだからね」と呆れる陽菜と頃代の二人。


「おっ!!次は鉄砲隊だぞ。」と恵那は言う。


 和紗が率いる織田軍の中には、夥しい数の鉄砲隊が行進して来て居た。


 その数は500人であった。


この宿場町を通って居る織田軍の総数は4000人である。



 その中で四分の一の部隊に、鉄砲隊を取り入れて居るのだから、この時期のアマテラス神皇国内の大名王家諸国の他国からすれば、それは絶対に在り得ない事であある。


 この時期のアマテラス神皇国内では、鉄砲の事を種谷島と呼んで居た。


 ユーラシアン大陸を経て島津家の領土てある種谷島に伝わったとされる火縄式の鉄砲。


 アマテラス神皇国内では、種谷島式火縄銃または普通に火縄銃とも言われるマスケット銃の事だが、ゲルニアン帝国を含めた一部の技術立国で製造と流通が為され始めて居る最新武器とされて居る遠距離式の火器型武具。


 この10年後の時代には、キリヤ公国の建国と勇治の登場で、連射式銃が登場する事で、旧式武器へと追いやらる運命と成ってしまう事が待って居る代物だが、この時代では新兵器として扱われて居た。



「何時の間に、アレだけの鉄砲の数をどやって揃えたんだろう?」


「ふむ。確か彼の斎藤家でも鉄砲を買い漁っては居るらしいが、精々50丁が良い所と聞くぞっ!!」と恵那は噂話から聞く事を言う。


 丁度その頃、陽菜達の北向かい側に在る建物。


 富田宿場町のメインストリート沿いの中心地の一画に在った古惚けた居酒屋の二階から「五月蠅いぞっ!!」と言う叫び声が聞こえた。


 どうやらそれは斉藤道三の様だった。


 外からも内からも要らぬ事を言われたり、聞いてしまった弾みで道空に対して、大きな声で思わず、ツッコミを入れてしまったらしい。


「はっ!!申し訳ございませんっ!!」と堀田道空は、迂闊な発言をした事を謝る声すら聞こえていた。


「・・・・・・今鉄砲隊の数をざっくりと数えたが、凡そ500丁は在るぞっ!!」と恵那は和紗が揃えていた鉄砲の数に驚いてしまう。


「確か鉄砲って一丁あたりが、機内の境市で作られて居る値段が250万両(日本円で250万円)もするって聞くね。」と頃代は、此れまで聞いて居た鉄砲に付いての知識見解述べて居た。


「そんバカ高い武具を大量に買い揃えられる財力を持って居るなんて、織田家は凄いとは思うけど、流石にこれは、今の織田家の発想じゃ無いよね?」と陽菜は言う。


「多分、そうだと思うよ。」頃代は言う。



「津田港が在るから、其処からの税金を使って、色々と揃えられるのだろうが、彼の虚け姫様は銭の使い方と集め方を心得て居る様にも見受けられる!!」と恵那は和紗に付いての認識が一変するかも知れないと言うに等しい事を述べて居た。



 和紗が率いる織田軍の行列を見て、噂に伯虚け姫と言われし織田・和紗・信長と言う人物の人と成りに付いて段々と、どの様な人物なのかが、分かり始めた様である。











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