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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第6章 少年王とスーパーロボットと神風を呼ぶ女っ!神宮寺舞華参上っ!編
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第47話 少年王とスーパーロボットと神風を呼ぶ女 3

 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月21日・午前10時20分・時空振動爆弾の爆発から五日後・・・・・・・・旧日本国・新トウキョウ湾岸海洋都市・ユーラシアン大陸東方地域から南東600キロメートルのローレライ大海洋の沖合にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 パワーメカ馬鹿のゴルクガング博士が、何故か突然に閃いただけで、造り出された時空振動爆弾の大爆発から5日後のこと。


 日本国防衛治安維持組織であるブレイブ・ガード・フォース。


 通称BGFと言う国家特務施設防衛組織は、見事に多くの人達を守り抜く事に成功した。


 ・・・・・・・・・・のだが、その代償は余りにも高く付いて居てしまった。


 その代償とは、時空振動爆弾の影響で、日本の関東甲信越東海地方が異世界マギアンティアへと異世界へと転移してしまった事だった。


 仮に転移して来た日本の関東甲信越東海地方の総称を東方日本地域と呼称する。


 今、東方日本地域は、やや混乱の只中に在るのだった。


「ううっ・・・・はっ?」


「おおっ、目覚めらましたか舞華お嬢様。」


 日本国を救った英雄たる神宮寺舞華は、時空振動爆弾の爆発からの衝撃波の影響で、マイカ・カイザーのコクピット内で気絶してしまったらしい。


 肝心のマイカ・カイザーも頭脳たる人工知能超AIは無事だった。



 だがしかし、爆発の衝撃波で、機体の一部に不具合が発生してまった為に、何とかカイザー自身が、九十九里浜に緊急不時着するが精一杯だった。


 そんなマイカ・カイザーと舞華の回収をしたのは、神宮寺重工業と日本国国防軍が行い、気絶した舞華は国防軍のヘリコプターで、新トウキョウ湾岸海洋都市内に在る神宮寺記念総合病院へと救急搬送されて居た。


 気絶して眠り続けて居た舞華を世話をして居たのは、神宮寺家の執事である赤木仁之助が、病床で目覚めた舞華を見て安堵の言葉を口にして居た。


「赤木さん?此処は?」


「此処は新トウキョウ湾岸海洋都市内に在る神宮寺重工業グループ系列が、出資して居る神宮寺記念総合病院です。」


「ああ、そうだった。僕は時空振動爆弾の被害を止める為に・・・・・・・・・・・・・・」

 

「はい。お嬢様は見事にやり遂げられました。ですが・・・・・・・・・・・・・」


「そうか、僕の身体は・・・・・・・」


 舞華は自分の健康的な身体と引き換えに多くの人々を守れた思って、自分はもう二度と立ち上がれない身体にでも・・・・・・成ったのだと悟った。


「いいえ、舞華お嬢様のお身体は、ご健康その物です。」


「あれ?さっきの言い様だと、大怪我を負って立ち上がれない様な身体に成っちゃったと思ったけれど・・・・・・・違うの?」


「説明するよりは、見て頂いたほうが早いでしょうな。」


 赤木仁之助と言う初老執事は、リモコンでテレビのスイッチを付けると、国営テレビであるJHKテレビのチャンネルに合わせて、今の国内で起きて居る情勢をテレビニュースを通じて、舞華に見せようとして居た。


「此方は日本国国防海軍の軍港の在る縦須賀市の縦須賀基地総監部です。」


「五日前に起こったテロリストによる特殊型爆弾である時空振動爆弾による被害は、国家特務施設防衛組織であるブレイブ・ガード・フォースの手によって見事に防がれましたが、その代償は計り知れない物と成りました。」


「この映像をご覧ください。」


 画面はレポーターの女性から、今の日本各地と繋がれたカメラの中継映像である。


 その映像は長野県と栃木県、それに愛知県を映し出して居た。


「ぽっかりと空いた西と東の大地には、関西・北陸地方を含む西側地域と北海道・東北地方へと続く筈の東側地域の陸地が在りませんっ!!」


「その原因に付いては、現時点に措いて日本政府は、まだ調査中として居ますが、更なる事実が判明して居ます。」


 次に映し出されたのは、縦須賀市に在る日本国国防軍の国防海軍・第一国防海軍艦隊群の本拠地たる縦須賀基地の軍港沖の映像だった。


「ええっ?!何で155年も前に太平洋戦争中に、沈んだ筈の戦艦大和が、縦須賀基地に?!」


 舞華はテレビに映し出された大和級戦艦を見て、驚きの声を上げて居た。


 舞華たちが居た地球世界は西暦で言えば2100年の年に当たる。


 その世界の日本国の人達が、テレビニュースの中継映像で見た物は、キリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍・ナデシコ自治統合海軍の第四戦隊旗艦・撫子型戦艦・尾張だった。


「このテレビ中継をご覧頂いて居る視聴者の皆さんは、大変に驚いていらっしゃると思います。」


「目の前に広がる湾内の中でも一際目立つこの船は、155年前の太平洋戦争時代に、奄美諸島沖で沈んだ筈の紛れも無く戦艦大和です。」


 どうやらこの異世界マギアンティアに転移した日本国の歴史上の世界線では、若干歴史の流れの内容が勇治の居た世界の日本とは違うらしい。


 勇治の居た世界線での史実では、鹿児島県の西に在る坊ノ岬沖で、アメリカ合衆国軍の海軍艦載機による大空襲を受けて、撃沈されて居る。


「敗戦の象徴たる大和が、現代に蘇ったと思うかも知れませんが、実は違うのです。」


「この大和は、実は他国で建造・運営されて居るの船なのです。」


「他国だって?」とテレビを食い入るように見て居た舞華は、首を傾げて居た。


「あの大和型戦艦に、掲げられて居る国旗を良く見える様に、表記しましたボートを番組スタッフが用意しましたので、そちらをご覧ください。」


 カメラマンは、女性アナウンサーが、手に取って居るボートにカメラを向けた。


 其処には、転移して来た日本国民も、テレビを見て居る舞華ですら知らない国旗が、映し出されて居た。


「此処に描かれている国旗は二つ有ります。一つは赤に丸の白地に鎌と鉄鎚と鳩と桐の花が描かれて居る国旗です。」


「此方はキリヤ公国連合国と言う公王国制を敷いて居る国家で、公王を中心に多数の国体制度を持った国々が、キリヤ公国を盟主国とした連合に加盟する連合国の国旗です。」


「そして二つ目は、ナデシコ地方自治州区と言うキリヤ公国連合国内の地方自治州区で、此処はキリヤ公王から準独立国の権利を認められた特別独立自治州行政区の地方自治州区旗なのだそうです。」


「そしてあの艦隊は、キリヤ公国連合国内の特別独立自治州行政区に区分されて居るナデシコ地方自治州区が、独自に保持して居る第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍から派遣されて来た海軍艦隊なんですね。」


「そして、彼の艦隊が我が国に現れたのは、我が国を調査する為にやって来たと、彼らは主張して居るんです。」


「そのキリヤ公国連合国の軍艦隊が、我々の下へやって来た、その理由とは、我が国が異世界から現れたからだと、彼らは言って来て居り、その様子を調査と保護を目的として居ると主張して居ます。」


「そう、我が国は地球から大地ごと異世界へと次元転移して来てしまい、彼らの主張通りならば、今は孤立状態に在ると思われます。」


「えええええぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!そんなっ!!」


 このテレビでの中継は、舞華も東方日本地域の日本国民達も、びっくり仰天のニュースだった。


「異世界だって?!」


「お嬢様、残念ながら、これは事実なのです。」


「でも・・・・・・・」


「最初は誰も信じようとはしませんでした。ですが、那須市や愛知県の西側や長野県の西側の北アルプス山脈の向こう側は海なのです。」


「その事を日本政府が確認するまでに、三日は掛かりました。」


「現地の映像撮影による中継放送や、人をやって調査団による直接的な確認もして居ります。」


「どうなるのこれから?」


「気絶中の状態であってもお嬢様のご健康には、問題は無いとの話を主治医の先生から伺って居りますので、目覚められた今なら、直ぐにでも退院し、お屋敷で待機。」


「中泉純一郎総理の要請が有り次第、縦須賀市へとマイカ・カイザーと共に来て欲しいとの事です。」


「僕達BGFは、日本政府の要人の護衛と彼らの見張りなの?」


「その通りです。幾ら此処が異世界でも、彼らの主張通りの言い分を聞く必要は、有りません。」


「いざと言う時には、叩きだす事も辞さないとの覚悟を日本政府は決めて居ます。」


「分かったよ赤木さん。直ぐに退院の手続きに入って、マイカ・カイザーの整備が出来しだい、縦須賀市に行くよ。」


「畏まりました。」


 こうして舞華と転移した東方日本地域の日本政府は、キリヤ公国連合国との初の外交会談に臨む事にした。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月21日・午前10時20分・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ローレライ大海洋海域・旧日本国(仮呼称東方日本地域)・神奈川県・縦須賀市の日本国国防海軍・縦須賀基地総監部基地・湾港内周辺海域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ナデシコ自治統合海軍・第四戦隊は、撫子型戦艦・尾張を縦須賀市の軍港に付けると、神奈川県沖の相模湾いっぱいに艦隊を停泊させた。


 神奈川県の海岸一帯には、一目ナデシコ自治統合海軍の艦隊を見ようと見物人達が、ごった返してしまって居た。


「スゲーなっ!!」


「軍艦コレクション・軍コレで知ってたけど、やっぱ本物は、迫力とスケールが違ぇやっ!!」


 その手の様々なマニア達が、東方日本地域の各地から集まり、カメラを船に向けて居た。


 警備の警察官達もピリピリとしながら、海岸線の全域で人通りの整理をして居た。


 お陰で神奈川県県警は、いい迷惑をしていた。


 其処へ別の何かが、南方の海の彼方と空から果てから、現れ始めて居た。


 それはキリヤ連合公国軍に属し、第二連合自治方面軍・第二統合連合艦隊・ビクトリナ共和独立自治国統合海軍艦隊と成ったビクトリナ共和独立自治国統合軍の派遣部隊である。


 ビクトリナ共和独立自治国から新たに現れた転移して来た東方日本地域の調査保護の為に派遣された艦隊は、横須賀に本拠地を置くキリヤ公国連合国軍・総司令部から命令で、現地へと直接乗り込むべく、毛利独立自治安芸藩王国の萩市港を経由して、遠路はるばるやって来た居た。 



 第二艦隊・旗艦・アーク級2番艦・機動兵器空母ベルダン・マーグを中心とした艦隊は、先行偵察隊を派遣する。


 今日の停泊地を何処にするのかを見定めようと、東方日本地域の南側地区上空を偵察飛行させて居た。


「こちら先遣偵察隊、日本国・神奈川県を確認した。相模湾沖はナデシコ海軍・第四戦隊が停泊中。」


「先発のナデシコ自治統合海軍・第四戦隊が、一番良い停泊スペースを陣取って居ますわね。」


「此処は仕方ありませんわ。私達は・・・・・・ねえ、第二艦隊の皆さんは、今夜のディナーは、何が宜しいでしょうか?」


「「「「「タカアシガニっ!!」」」」」


「良いですわね。序でなのでタイとマグロのお寿司でのディナーと行きましょうか。」


「では我がビクトリナ共和独立自治国統合海軍・第二艦隊は、静岡県・駿河湾沖へと停泊すると致しましょう。」


「この事をナデシコ自治統合海軍・第四戦隊・司令官の黒島亀代さんと現地の日本政府にお伝え下さいませっ!!」


「了解っ!!」


「今夜は本場の和食ざんまいだーーーーーっ!!」


「イエーイっ!!」


「ヒヤッホーっ!!」


 ビクトリナ共和独立自治国統合海軍艦隊の第二艦隊司令官を指揮して居るミレディ・アルファードという民間系の商社ご令嬢出身の軍人で、大変なお金持ちである。


 転移して来た日本政府との交渉と転移地域の保護の為に引き連れてやって来た艦隊を何所に停泊するのか決めるのに、食材の美味い地域の在る所で、何所にしたいのかを部下に決めさせてしまった。


 しかも、司令官のポケットマネーでので奢りだから、第二艦隊の将兵達は大喜び。



 キリヤ公国本国とナデシコ地方自治州区にも和食は在るが、本場からすればちょっと物足りないかも知れない。


 ナデシコ地方自治州区は現代文明時代と味を比べたら、若干は見劣りをする事も有り得る。


 ビクトリナ共和独立自治国から遥々やって来た将兵達は、故郷の世界に在った本場・日本国の和食の味が食べられ事に、大興奮して大喜びだったと言う。


「ミレディ司令官。第四戦隊司令官の黒島大佐殿からです。」


「あら、亀代さんから?言伝ならもう済んで居る筈ですのに・・・・何かしら?」


「ミー、相変わらずの散財振り・・・・・・」


「あら、部下を労うのにパーティーは、必要な経費ですわよ。」


「それよりも陛下・・・・勇治は・・・何時頃こっちに来れるの?」


「そうてずわね、勇さまは、確か今夜までには、此方に来れそうだと、聞いて居りますわ。」


「先方様には、明日以降なら何時でも首脳会談が可能だとお伝え下さいまし。」


「分かった。羽目を外すのも程々にね。」


「お気遣い感謝しますわ。亀代さん。」


 通信は切れた。


 実はこの2人は、キリヤ公国連合国の中央司令部であるキリヤ公国連合国軍・総司令部・横須賀鎮守府へと顔出す時に、良く食事に出かける仲に成って居る者同士であった。


 キリヤ公国連合国に属して居る軍の幹部将校と佐官級幹部は、定期的に中央に顔出して、分配されて居る中央軍部の書類仕事や軍のミーティングに、参加する事が法律で定められて居る。


 特に司令官級は、総司令部で良く顔を会わせて、ミーティングを行う事が決められて居るのだ。


 二人が良く話す切っ掛けと成ったのは、ミレディが初めて横須賀市に出て来た時の事である。



 横須賀鎮守府に向かう途中で、道に迷って居た所を亀代が助けた事が、キッカケに成って居た。


 その時に亀代は、お礼に食事に誘われ、一緒だった同僚の草鹿美佐枝と共に、ミレディの金銭感覚の違い過ぎる金遣いの非常識振りに、呆れ果て居たと言う。



 無口とご令嬢、一見すると反りが合わない者同士と思われる。


 この二人は取り分けて、お互いに気を使わなくて良い相手同士だと感じた為か、二人は気が向いた時だけ、一緒に居る関係が出来上がって居た。


 そんなやり取りが行われたのとは別に、神奈川県の海岸線で、ナデシコ海軍の艦隊を見物しにやって来ていた者達は、驚きの声を上げていた。


「おいおい、見たかよっ!!」


「ああ、たくさんのロボットが空を飛んで来たぞっ!!」


「もしかして、キリヤ公国連合国って言うのは、物凄い国なのかも。」


「それでも我が日本国には、ブレイブ・ガード・フォースとマイカ・カイザーが在るっ!!」


「どんな奴らにも負けないさっ!!」


 神奈川県の海岸線に集まったミリタリーマニア達は、日本政府がテロリスト対策で立ち上げた特別国家施設防衛組織ブレイブ・ガード・フォースとマイカ・カイザーに絶大な信頼を置いて居る。


 其れとは別に、彼らから見たキリヤ公国連合国の事をおもちゃ箱の様な国だと、口コミでもネット中で話題と成り大興奮して居たのだった。



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