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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第6章 少年王とスーパーロボットと神風を呼ぶ女っ!神宮寺舞華参上っ!編
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第46話 少年王とスーパーロボットと神風を呼ぶ女 2

マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時25分頃 マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・ローレライ大海洋海域・キリヤ公国連合国・ナデシコ地方自治州管区・ナデシコ第二地方地域・アジアン地方自治州区地域・ガラオ・マラック諸島自治区・フィリーピン諸島自治区・ユーラシアン大陸東方地域から南東600キロメートルのローレライ大海洋の沖合にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 アジアン地方自治州区地域は、地球で言う所の東南アジアに、近い地形を持った地方地域であり、現在はローレライ大海洋西部中央よりの南の海域に位置して居る。


 その最も北に位置して居るフィリーピン諸島自治区は、地球世界のフィリピンと良く似た島の形を持った諸島地域である。


 その西にはガラオ・マラック諸島自治区の島々が点在して居てて、キリヤ公国連合国とナデシコ地方自治州区に取って、最も重要な拠点と成って居た。


 特にフィリーピン諸島自治区は、アマテラス神皇国との連絡中継地点と成って居て、キリヤ公国連合国との領海接続地域が、複雑に入り組んだ形で接して居る。


 

 アマテラス神皇国とキリヤ公国連合国との今現在の領海の接点の境目は、ローレライ大海洋を東周りで、大笠原諸島地域と言う群諸島の領海を通じて、奥州独立自治王国と繋がる事で、辛うじて保たれて居た。


その距離は凡そ300キロ以上である。


 其処から北東へとグルリと回る様にして、アマテラス神皇国のローレライ大海洋北部へと至り、上杉独立自治北陸藩王国が支配する領海が、キリヤ公国連合国が実質的に直接支配して居るアマテラス神皇国との海続き支配地域と成って居た。


 今の所、毛利独立自治安芸藩王国だけが飛び地状態と成って居るが、織田家やその他大名王家が如何出て来るのか次第では、キリヤ公国の事を盟主国と仰ぐかも知れないが、今の所は不確定であった。


 さて、ナデシコ第二地方地域・アジアン地方自治州区地域から、アマテラス神皇国地方までを方面軍として置かれて居るのが、キリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍。


 ナデシコ自治統合海軍の第四戦隊と第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍・ナデシコ自治統合陸軍の第四師団である。


 この二つの陸海統合軍は、アマテラス神皇国地方とアジアン地方自治州区地域・ガラオ・マラック諸島自治区・フィリーピン諸島自治区を含むキリヤ公国連合国の北東部海洋地域を攻勢と防備を担当する方面軍。


 そして、キリヤ公国連合国の北東部方面からの脅威に対して、常に備えて居る軍勢なのだ。


 マラック諸島自治区に在るマラック岩礁諸島基地に、連合海軍とナデシコ自治統合海軍の基地が置かれ、フィリーピン諸島自治区の主都・マニラナ市に、マニラナ陸軍基地が設置されて居る。


 其れとは別の敷地に東南アジアン地方自治州区管区方面軍司令本部庁の庁舎が設置して居る。




 第四戦隊・撫子型戦艦・尾張。扶桑型戦艦・扶桑、山城。金剛型戦艦・榛名、霧島。空母葛城、天城、飛鷹。


 重巡・古鷹、加古、鈴谷 熊野。


 軽巡・夕張、大井、木曾、能代。


 駆逐艦・夕立、睦月、島風、夕風、太刀風から成る艦隊は、定期哨戒任務で、ゲルニアン帝国との国境付近の領海に措いて、複数艦隊で睨みを利かせる様にして、パトロールをして居た。



「・・・・・・・時化て来た。」



「そうだな。」



 30分前まで空は、青く雲一つ無く、太陽が輝くほどに晴晴れ渡って居たのだが、急に曇りと風が強くなり始めた。



「黒島大佐、草鹿大佐。」



「何か?」


「はい。つい先ほどからなのですが、レーダーや無線機に異常発生っ!!」


「・・・・・・・・神災、時空転移?」


「おいおい、今度は僕たちが当たりなのかい?」


「・・・・・・そうなのだろうな。」


「勇治が予見し、女神ユイテルシアからご神託、祥子と信代達が遭遇した神災の前触れの様だ。」


「直ぐに伝令の哨戒機を発艦させ、各艦隊の状況の連絡と全艦隊を南のマラック諸島に集結をさせるように伝えろっ!!その後で暫しローレライ大海洋の様子を見る。」


「万が一に備え、我が第四戦隊が神災に由る何某かの要因で、全滅したとしても構わない様に、ナデシコ第二地方地域・東南アジアン地方自治州区管区方面軍司令部にも臨戦態勢とキリヤ公国本国への伝令を飛ばせっ!!


「了解っ!!」



 異変を察知した第四戦隊は、集結地点を戦隊本拠地であるマラック諸島自治区に在るマラック岩礁諸島基地へと集結させ、ローレライ大海洋での異変に対応する事にした。



 それから1時間が経過した。ローレライ大海洋では時空地震が起きた影響なのか、嵐が吹き荒れていた頃には、ナデシコ自治統合海軍・第四戦隊の艦隊は、マラック諸島の港へと終結し終えて居た為、難を逃れていた。



 それも次第に止み始め、更に一時間が過ぎる頃には、今までの嵐が嘘の様に晴れ模様を見せていた。



「通信機やレーダー装置等の各機器は、正常値を取り戻しました。」



「キリヤ公国連合国軍・総司令部・横須賀鎮守府並びにナデシコ自治統合軍司令本部を通じて、キリヤ公国連合国・国防総省へと連絡し、事の次第を報せろっ!」


「これより我がナデシコ自治統合海軍・第四戦隊は、ローレライ大海洋で起きた異変の威力偵察調査を開始する。」


「さてさて、何が飛び出てくらるのやら・・・・・・・・・・」


 亀代と美佐枝の凸凹コンビは、時空地震で何が起きるのか分からない海域へと踏み入るので、気を引き締めて掛かる想いで艦隊を向かわせるのであった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国・三浦川地方・準独立国特別指定権限保有地方自治州区・ナデシコ地方自治州区・州都・横須賀市・横須賀港・キリヤ公国連合国軍・総司令部庁及び、第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍横須賀鎮守府・総司令長官執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 キリヤ公国連合国軍・総司令本部とは、キリヤ公国連合国防総省のすぐ下に位置する司令本部組織である。


 横須賀市内のキリヤ公国連合国軍の総司令部は、第一方面軍司令部・横須賀鎮守府の直ぐお隣に設置されて居る第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合軍の総司令部も併せた施設庁舎の事である。



 両組織の本部が置かれて居るのは、元々撫子皇国海軍の横須賀鎮守府が置かれて居た為であり、キリヤ公国連合国軍として出発とした際に、ナデシコ自治統合軍をキリヤ公国連合国軍のトップ方面軍組織と定めた慣例に基づいて居る。


 これにより常にナデシコ自治統合軍を中心としたキリヤ公国連合国軍の軍勢が、何時でも連携を取りながら、国外遠征が出来る体制が、整えられる様に成って居るのだ。



 ナデシコ地方自治州区がキリヤ公国へと編入されて以来、ナデシコ自治統合軍はキリヤ公国本国軍の次に主力軍とされて居る実働軍隊。


 キリヤ公国本国軍が、本土を守る盾ならナデシコ自治統合軍は、国外に向けた力強い矛だと言いたいが、実質的には移動砲台と言った方が良いかも知れない。


 そのキリヤ公国連合国軍の総司令官を任されて居る山本五十鈴は、第二連合自治方面軍司令長官に就任したジェシカ・クローディアを新しい相棒として迎えた。


 南と東の守りに余裕が出きた事で、キリヤ公国本土やナデシコ領の北部防備やその他の万が一の場合に措いて、国外への外征に専念が出来る事と、本来の職務の一つである中央軍部の事務仕事に、精を出す事が出来て居た。



「ジェシカが来てくれてから、キリヤ公国連合国軍の総司令部の事務仕事に専念が出きて助かったわ。」


「ああ、私もだ。この世界に転移して以来、この所ずっと戦争続きで、書類仕事が溜まって居たしな。」


「本当に丁度良い、タイミングだった。」


 キリヤ公国連合国軍・総司令官の山本五十鈴と副司令官の板垣妙子の二人は、公帝戦争以前から、キリヤ公国関連の軍部関連の書類仕事が、溜まってしまって居た。


 やっと平常を取り戻したキリヤ公国連合国・国防大臣の足柄・一輝と共に、軍部関連の各種書類や会議等の日々の仕事に追われる毎日を過ごして居た。



 そんな二人に、又もや騒動と成る報せが舞い込んだ。


「山本総司令官っ!!ナデシコ自治統合海軍の第四戦隊の黒島大佐と草鹿大佐から緊急通信です。」


「黒島と草鹿の二人から?」


「何が有った?」


「はっ、非常事態発生、懸案は特別異界物転移事案法に基づく対処の必要性があり、我が艦隊はこれより転移した思われる地域への偵察活動を開始するとの事です。」



 因みに此処で出て来る特別異界物転移事案法とは、新米世界神ユイテルシアが、誤って地球の入っている玉を落としてしまい、その球が転がり落ちて、複数の世界と衝突した事に由り発生した、神災級災害に対処する特別法律の事だ。



 元は転移物対処法であり、ランク付けしてある形で、軍部主導で対処する事に成って居た法案を公帝戦争とビクトリナ南洋大戦を通じて、強引な手段で異界物や異界地域を手にせんとする列強国家や、その他の敵性組織に対処する改正法案を制定施行させて居る。




 その内容としては、転移物並びに転移地域を火急的に速やかに、キリヤ公国連合国の管理下に置くか、保護する為に必要な処置を取るとして居る。


 その真実に関しては国内外では、転移災害によって起きた自然現象として居るが、キリヤ公国連合国の中央政府並びに、連合国加盟地域の国家元首並びに幹部クラスの高官等だけが、勇治の出生と世界に起きて居る神災級災害に付いての真実を知って居る事を付け加えて置く。


「ああっ!!又かっ!やっと落ち着けると思って居たのにな。」


「妙子、どうする?」


「やるしか無いだろう?」


「おい、直ぐに、アマテラス神皇国地方の連合国加盟地域各国に警戒態勢を通達。」


「キリヤ公国連合国軍は、直ちに遠征軍の編成と召集軍部隊を速やかに横須賀市へと召集し、召集部隊は同地に可及的速やかに集合せよっ!」


「はぁ~折角、ビクトリナ南洋大戦に片が付いたと思ったのに・・・・・・」


「早々、我々を休ませてくれん様だな。」


「仕方がない。私は勇くんに報せて来るから、妙子は、キリヤ公国連合国軍の外征遠征軍の編成をお願い。」


「分かった。所でジェシカの第二連合自治方面軍は、如何するか?」


「うーん、南東の守りもして貰いたいけど、ロボット軍と高性能航空隊の力は捨てがたいから、一個艦隊の派遣をお願いして置いてくれるかしら?」


「分かった。伝えて置く。」




 五十鈴と妙子の二人は、束の間の平和が終わり、新たな動乱が始まったと、半ば呆れつつも、事態の収集に務めるべく動き出して行くのであった。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・キリヤ公国連合国・アマテラス神皇国地方・東北地方・奥州独立自治王国・首都仙台市・仙台城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 アマテラス神皇国の東北地方を含めた東アマテラス地方に奥州独立自治王国を建国し、その王族と成った伊達家。


 その領国である唐太島国・万年島列島地方国・北海島国。


 東北地方を含めた各地域。


 そして、下野国・常陸国・上総国を治めて居る小王国と成った祖国を近代化の道へと突き進んで居た。


 そんな中でアイヌル民族独立解放急進派の者達による大規模な反乱が、唐太島国・万年島列島地方国・北海島国の3地域で活発化して居た。


 キリヤ公国連合国の中央政府と奥州独立自治王国の奥州王である独眼竜・伊達・政実の活躍も有って、如何にか抑えて居る状態である。


 まぁ、キリヤ公国連合国軍が連合軍を組んだ上で、総出でPKО部隊を派遣して居るのだから早々負ける事は無い。



 また、伊達家と同じく隣国で、キリヤ公国連合国加盟国である上杉独立自治北陸藩王国とは陸続きで、鉄道と船や航空機で物や人の流れが活発に成って居た。


 キリヤ公国連合国に取っては飛び地である毛利安芸藩王独立自治国も船舶での繋がりから交流も盛んであった。


 アマテラス神皇国地方では、この3カ国だけが、第4次アマテラス戦国時代から脱却する事に成功し、他の地域に先んじて太平の世を謳歌して居た。


 公帝戦争やビクトリナ南洋大戦での直接的な被害も無く、戦死者も少数であったアマテラス神皇国地方のキリヤ公国連合国加盟各国。


 当面の間はアイヌル民族の反乱問題以外では、軍隊の出番が無いだろうと故国の内政に精を出して居た。


 そん中で彼らに無関係ではない大事件が発生した。


「何だって?異世界から何かが現れたかも知れないだとっ!?」


 奥州独立自治王国の国王である伊達・藤枝・政実は、先の二つの大戦を乗り越え、出来て間もない新国家である奥州独立自治王国を立派に治めて居た。


 先の公帝戦争とビクトリナ南洋大戦での功労者として、勇治から様々な恩賞や厚遇を受ける事に成功して居た。


 国内では鉄道・主要街道・主要港等の整備に加え、輸送船30隻、鉄道各車両が50両、旅客機5機、陸運送関連の車両が500両が送られ、国内は開発ラッシュの真っ最中。


 特に最新の農作道具や農作機械に耕運機等を積極的に取り入れて、アマテラス神皇国東北地方を立派な米所にしようと頑張って居た。


 勇治も日本人で在るので、故郷の味であるお米や味噌・醤油を含めた各種調味料、その他和食系の山海珍味の収穫を楽しみにして居ると3カ国に伝えていた。


 特に政実は、味噌と酒造りには煩いらしく。


 独自に蔵を造らせて王国の特産品産業にしようと画策して居るとの話である。


 そんな経済発展が著しい奥州独立自治王国の近くに、アイヌル民族問題以外でも、碌でも無い騒動が巻き起ころうとして居る事に、嫌な予感がしてならない政実。


 その一連の最新の情勢を報告して居るのは、片目の喜多と呼ばれて居るお姉さん、片倉・喜多・影綱であった。



「はっ!先ほどキリヤ公国連合国政府間長距離電話回線を通じて、キリヤ公国連合国軍・総司令部・横須賀鎮守府に居られる山本五十鈴総司令官殿から緊急通信が入りました。」


「それで、今度は何処に、何が現れたんだ?」


「はい。それを発見したナデシコ自治統合海軍の第四戦隊の報告では、このアマテラス神皇国地方から北西に500キロ海上らしいとの事です。」



「ナデシコ自治統合海軍・第四戦隊が、出張って居るのなら取り敢えずは安心だ。」


「それで五十鈴殿は、我が国には、何と言って来て居られるのだ?」


「はい。続報が入るまでは、現場に近いキリヤ公国連合国加盟各国には、第3警戒態勢を取って、自国の防備を固める様にとの事です。」


「そうか。成らば羽後国州知事の安東季愛殿を中心に防備を固めさせ、毛利家と上杉家とも緊密な連携が取れる様に、指示を出す事にしよう。」


「はい。ではその様に手配を致します。」


「どの道、我らはアイヌル民族問題で大きな兵力を割けられんからな。」


 伊達家は、アマテラス神皇国内のキリヤ公国連合国加盟各国と防備を固める事にした。


 アイヌル民族の反乱問題を抱えて居る現状では、迂闊に動けない状況に在るから伊達軍は簡単には動けない状態。


 伊達家としては、当面は防備と治安維持に努める事に専念する方針として居た。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時20分・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・キリヤ公国連合国・アマテラス神皇国地方・上杉独立自治北陸藩王国・春日山市・春日山城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 越後・越中・能登・加賀の4カ国と出羽庄内地方を国土とする藩王国である上杉独立自治北陸藩王国。


 此処は夏でもやや涼しい気候を有し、この地方で取れる米は群を抜いて甘味の在る米として、アマテラス神皇国地方内と国外でも高値で取引されて居る代物である。


 また、一年を通して海産物が良く取れる地域であり、近海に浮かぶ佐土島から送られて来る海産物も高値が付くとの評判を良く聞く土地柄であった。


 そんな郷の幸と海の幸に恵まれた藩王国にも、中央政府であるキリヤ公国本国から報せが入る。


「・・・・・・又もや異世界から何かが転移して来るとな?」


「はい。」


 無口な藩王と評判の上杉景勝は、重臣たる直江・愛華・兼継と大国・七恵・実頼の双子姉妹から、キリヤ公国連合国中央政府からの緊急通信の報せからの報告を聞かされていた。


「景勝さま、取り敢えずは、アマテラス神皇国内のキリヤ公国連合国加盟国である伊達家と毛利家と協力して、防備を固め。」


「当面の間は、事の成り行きの情勢を見極める必要が有ります。」


「それに加え、アイヌル民族の反乱問題の支援も有ります。」と大国・七恵は主景勝に、事の次第と当面の対策と意見を説明して居た。


「ホンとこの所、面倒で厄介な事が多いよね。」と嫌な顔付きをして居る直江・愛華は、キリヤ公国連合国へと加盟して以来、騒動が多いと嘆く。


 その直江・愛華が曰く『だって、仕事が増えて、増えて大変なんだもんっ!!』ってな感じであった。


「分かった。中央政府から追加で何か報せが有るまでは、伊達と毛利と協力して防備を固めながら、様子を伺う事にする。」


「詳細は二人に任せる。」


「「はい、畏まりました。」」


上杉家は新たな転移現象に対して、警戒態勢に移行する事にした。



マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時22分・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・キリヤ公国連合国・アマテラス神皇国地方・毛利独立自治安芸藩王国・中津国地方・安芸国州・首都広嶋市・広嶋城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 伊達家に次いでアマテラス皇国地方内に措いて、大国の一つである毛利独立自治安芸藩王国の藩王家である毛利家。


 その毛利家でも、新しく異世界から転移して来た未確認地帯や異界物に対する警戒態勢が敷かれようとして居た。


「今回、我が毛利家と毛利独立自治安芸藩王国が、転移災害の現場に、一番に近いわ。」



 毛利独立自治安芸藩王国の若きの藩王と成った毛利・輝実・隆宗は、警戒態勢を取りつつ、 万が一の場合はキリヤ公国連合国軍やナデシコ自治統合海軍の補給や物資集積地点として、領国内の港を全て開放する事を決定して居た。


「其処で我が国は、国内全ての各港をナデシコ自治統合軍に開放する事にしたわ。」


「それが妥当だと思います、姉さん。」


「折角フェリス侯爵独立自治領国での治安維持活動の任を終えて、春美と隆美の二人が帰国したと言うのに・・・・・・・・・」


「まぁ、あの坊主と関わるとロクな事が無いけんね。」


「春美、その対価は十分に貰って居るでしょう。」とこわーい、顔付きをする輝美は、冗談でも実の妹が勇治の事を悪く言い過ぎる事を良しとしては居なかった。


 少なくとも毛利家内では、輝実は勇治の事を弟の様に可愛がり、隆美は勇治に片思い中で、次女の春美は、ツンデレさんが、仲直りをした相手に対して、どう相手をしたら良いのかが判らず、ツイツイ悪態を吐いてしまう困ったちゃんに成って居た。


「姉じゃ、ちょっと冗談を言っただけじゃっ!そう睨まんでも・・・・・・」


「まぁ、良いわ。」


「それよりも帰って早々だけど、毛利領の北側の守りをお願い。」


「それに南の・・・・九州地方の雄である島津家にも不穏な動きが、この所は続いて居ると聞くわ。」


「噂ではアマテラス列島で唯一の独立国だった竜珠王国を従属させたとの情報も入って居るわね。」


「隆美、大友家から何か言って来たら直ぐに報せ頂戴ねっ!!」


「分かりました。九州地方の動きに注視しつつ、呉で小早川艦隊の出撃態勢の準備に入ります。」


「ウチは毛利領北側の各陸軍駐屯城塞基地に、警戒態勢を命じて置くじゃけんね。」


 毛利家も新しい動きに警戒を強めて行くのであった。


 それに九州地方では、きな臭い動きが在ると言う。


 その動きにも警戒して行く毛利家は、国家運営に措いて、難しい舵取りをして行く事と成って行くのであった。



マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時17分・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国・フェリス侯爵領自治国・ガントー地方自治州区・首都直轄州地区・チバヤン州・首都キラサラズ市・侯爵王居城・キラサラズ城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 公帝戦争の傷から脱し、戦後復興が著しい此処フェリス侯爵領自治国にも、キリヤ公国連合国中央政府から、新たな異世界の土地か異界物が現れたかも知れないと報せが入って居た。


「うーん。今回は近いと言えば近いけど、キリヤ公国本国に最も近い我が国は、特に関わり合いが無さそうね。」


「そうね、取り敢えずは、キリヤ本国とアマテラス神皇国地方への後方支援が出来る様に手配する事と、この機に乗じてゲルニアン帝国が、何かして来ないとも限らないわ。」


「攻め入られない様に北側を厳重に警戒して置きましょうか。」



 フェリス侯爵独立自治領国を動かして居る侯爵王のレイチェルとその姉であり、フェリス侯爵独立自治領国宰相であるロイチェル・フェリスの二人は、今回の騒動には、間接的な支援をする事で、キリヤ公国本国へと貢献しようと動き出した。



マギアンティア世界統一暦・1555年・10月16日・午前10時30分・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・マーリーナ海洋海域地方・キリヤ公国連合国・ビクトリナ独立自治共和国・フォーチュン諸島・ニュジェンーランド本島地方自治州区・首都トリントンシティ・ビクトリナ独立自治共和国総督府官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ジェシカ達がビクトリナ独立自治共和国を建国し、キリヤ公国連合国に加盟してから1月が過ぎて居た。


 ビクトリナ独立自治共和国総督とキリヤ公国連合国軍・第二連合自治方面軍司令長官を務める事に成ったジェシカ・クローディアは、キリヤ公国連合国の南東に位置して居るこの地を守り、発展させるべく職務に励んで居た。


「ジェシカ総督、キリヤ公国連合国中央政府とキリヤ公国連合国軍・総司令本部、山本五十鈴総司令長官殿から緊急のメール通信です。」


「如何したと言いたいが、わざわざ総司令部と名乗って五十鈴の奴が、我が自治政府に通信を寄こすと言うのは、余程の事態なんだろう。」


「その通りです。」


「大方の察しは付いて居る。どうせ家と似た様な事が起きたんだろう?」


「・・・・はい。」


「それで五十鈴は、何と言ってるんだ?」


「五十鈴総司令官殿は、我が国に1個艦隊の派遣を頼みたいとの事です。」


「分かった集結地は、横須賀市か?」


「いいえ、我が軍はキリヤ公国連合国内でも、地理的に一番に遠いので、毛利安芸藩王独立自治国の萩市港で、補給の為に寄港後は、直接現地に向かえとの事です。」


「了解したと、総司令部と中央政府に伝えろっ!!」


「はっ!」


 キリヤ公国連合国軍・第二連合自治方面軍副司令官となり、ビクトリナ独立自治共和国軍中将と成ったネイレスは、キリヤ公国連合国軍の中央軍からの要請に対する返事をすべく直ぐに総督執務室から出て行った。



 こうして、新たな転移事象が発生した事で、キリヤ公国連合国内での動きが活発となり、周辺国も次第に争いの渦が産まれ様としていた。


 後にこの新たな異世界転移事件の事を新トウキョウ転移事変と呼ばれ、この異世界マギアンティアを新たな争いへと誘う始まりであった。



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