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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第5章 少年王と吠える独眼竜っ!!伊達・政実編
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第43話 少年王とヒットラン皇帝の暗躍に奮闘し立ち向かう独眼竜っ!5

マギアンティア世界統一暦・1555年・10月7日・午前5時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部・キリヤ公国連合国・フェリス侯爵独立自治領国・バンドー地方自治州区・北西地方に在るバンドー地方の北部内大陸地方のゲルニアン帝国との国境付近及びバンドー地方州都・クルサレ市付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ゲルニアン帝国軍の中入り奇襲攻撃軍の西部方面隊は、出発準備が整うと、その日の夜、正確には明け方の午前4時前に出発し、朝駆け攻撃を仕掛けようと行動を開始した。


 同じく別働隊の一つであるその名の通り、東部方面隊は東周りバンドー地方自治州区の州都クルサレ市へと攻め入ろうとして居た。



 グデーリアン少将は敵の補給線を絶ち、戦艦が居並ぶ工業湾港を奪おうと目論む。


 如何に強力なキリヤ公国連合艦隊と言えども、陸戦隊が6千人しか居ない状態では、兵力に任せた力攻めで簡単に都市が落とせるし、強力な砲門を有する戦艦は、市民を巻き込んだ戦闘行為が出来ないと言う姑息な手口を使った奇襲攻撃であった。



 先ず最初に動きが見られたのはクルサレ市へと攻め入った東部方面隊は、一万五千人が、5キロほど遠回りをして、クルサレ市の北口の街道から攻め掛かろうと陣形を整える。


「丁度、時刻は午前5時半過ぎか?」


 この世界で有る程度の文明圏の国軍が使用して居るゼンマイ式の持ち運び式時計を見た、フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊の部隊長を拝命したゲルニアン帝国軍の大佐は、時計を見て丁度良い頃合いの時刻だと思いつつ、夜明けの前のクルサレ市を見て居た。


 そのクルサレ市はまだ夜明け前だと言うのに、工房や工場内では、忙しなく煙突から煙が立ち込めて居り、建物の明かりも神々しく明かりが輝いて居た。

 

 フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊の軍勢は、沿岸部沿いに都市へと居並んでの陣形を整え終えると、攻撃命令を今か今かと待ち受けていた。


「ヨシっ!良い頃合いの時間だっ!」


「これよりフェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊は、キリヤ公国連合国に獲られたクルサレ市の奪還すべく、総攻撃を掛ける。」


「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」


 敵はまだ此方の動きには気が付いては居ない筈・・・・・と攻め手の彼らは、そう思って居た時である。


 ズダダダダダッーーーーンッ!!


「銃声だと?!」


「者共おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーっ!!!!一人も逃すんじゃ、無いけんねっ!!!!」


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!




「きっきっ、吉川軍だとっ!?奴らめっ!!何故此処にっ!?」


 フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊の目の前に現れたのは、毛利独立自治安芸藩王国軍の陸軍を統括する吉川家当主、吉川・春美が率いて居る直営軍たる吉川軍だった。


 吉川軍は、春美が毛利家の一介の侍大将だった頃より鍛え上げて来た家臣団が、主軸と成って居る精鋭軍である。


 その総勢は2万人の軍勢で、その全てが、彼女の一言で、出陣が出来る体制と成って居た。


 春美は政実から命令を受けて、毛利本国から引き連れて来て居た精鋭軍団の6千人もの軍勢を率いて、敵軍を待ち伏せをして居たのである。


「ちいっ!!予もやキリヤの軍勢は、此方の動きを読んで居たとでも言うのか!?」


「あの武功だけが取り柄と聞く、武辺者の小娘如きの頭の何所に、そんな知恵がっ!!」


「大佐殿っ!海側をっ!!」


「何っ?!」


 ゲルニアン帝国軍の大佐は、副官の言葉に己が目を疑う光景を見た。



 東側の海岸線には毛利海軍を統括して居る小早川・隆美海軍大将と巡洋艦厳島、駆逐艦宮島を含めた小早川艦隊7隻が現れたのである。


 隆美は、毛利独立自治安芸藩王国が建国されると、勇治から毛利家へと下賜された軍艦を海軍として編成し、旧毛利水軍・小早川水軍・村上水軍・その他傘下に在った瀬戸内水軍らを一つの海軍へと再編し、自身が統括する近代化海軍たる毛利海軍を創設した。


 その彼女は平時は外交官としての立場を持って居るが、国防下での有事には、海軍将校としての立場と成る。


 今回は公帝戦争も終わり、平和に成った事も在って、キリヤ公国本国内での外交仕事も暇に成ったので、ナデシコ海軍の指導の下で、毛利海軍の調練も兼ねて、フェリス侯爵独立自治領国でのPKО(治安維持活動)の手伝いにやって来て居たのである。


 そんな隆美がゲルニアン帝国軍奇襲攻撃軍の侵攻を防ぐと言う政実から命令を受けると、キリヤ公国本国に所属する魔導士隊を使って、透明化魔法イリュージョンを用いて、指揮下に在る小早川艦隊を沿岸部海域にて、待ち伏せをさせて居たのである。


「此方はキリヤ公国連合国加盟国海軍っ!!!毛利独立自治安芸藩王国海軍・第1艦隊・小早川艦隊だっ!!!」


「お前達は、完全に包囲されて居るっ!!大人しく降伏せよっ!!」


 隆美は音声拡張機を用いて、スピーカーから大声で敵に降伏を迫った。


「敵軍は抵抗をする模様っ!!敵の大砲大隊っ!我が艦隊に向かって、多数が砲撃体勢に移行中っ!!」


「此方も応戦態勢に移行するっ!!」


「味方に中てるなっ!!うちーかーた始めっ!!」


ドドッンっ!!ヒュウウウウウ・・・・・ドッカーンッ!!



 小早川艦隊は艦砲射撃を開始した。


「沿岸部の我が方の大砲大隊は、敵に艦砲射撃により全滅っ!!」


「ケホケホっ!ケホケホっ!ナデシコ型戦艦っ!聞きしに勝る砲撃力っ!ええいっ!!退いっ!!退いっ!!」


 大砲第隊で抵抗を試みるも、小早川艦隊の艦砲射撃の威力を思い知ったフェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊は、自国領へと撤退して行く。



「隆美殿、後は任せらよ。」


「了解したわっ!乃為殿。」



「津軽隊の者共っ!これで仕留めるぞおおおぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


 お次は待ち伏せ奇襲で現れた第二武士団は、旧津軽家の家臣団から成る軍団である。


 旧主である乃為と共に、士気旺盛な部下達は伏兵として、敵の背後に周り、武者鎧姿を雑木林の茂みからドッとその姿を露わにした。


「背後に伏兵だと?!」


「あれは第二武士軍団旗です。アマテラス神皇国の牙狼とも称される津軽・信胤の軍勢が現れました。」 


「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」」」」」」


 乃為は長刀を片手に騎馬と共に突撃を仕掛け、第二武士軍団の将兵達共に敵軍へと駆けて行く。



「最早此れまでかっ!!」



 フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊の部隊長を指揮して居たゲルニアン帝国軍の大佐は、第二武士団を率いて居る津軽・乃為の薙刀に斬られて絶命する。



 この戦いに措いてキリヤ公国連合国側は、1万6千人の待ち伏せ兵で、中入り奇襲攻撃隊であるフェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊を打ち破る事に成功したのであった。




 フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・東部方面隊の損害は、実に1万人の被害を出して、キリヤ公国連合国軍に降伏した。



 陸での決着が着いた頃に、今度はバンドー地方の南沿岸地域で待機して居た、ナデシコ自治統合海軍艦隊の第四戦隊旗下の撫子型戦艦・尾張。


 金剛型戦艦・榛名、空母葛城。重巡・古鷹、加古。


 軽巡・夕張、大井、木曾。


 駆逐艦・夕立、睦月、島風等の艦船が北上を開始した。




 ゲルニアン帝国とバンドー地方の沿岸部の沿いの海上国境付近にて、ゲルニアン帝国海軍艦隊を展開して居る地点へと向かい艦隊決戦を挑んだ。


「陛下の敵を殲滅すべしっ!!」


「全艦隊っ撃てええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!


 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!


 第四戦隊・司令官・黒島亀代大佐は、無口で寡黙な人物に見られて居るが、単に口下手なだげである。


 そんな彼女は戦場と成った艦橋では別人の様に活き活きとした顔付きと口調で命令を発して居た。


「北部のベリトランス市港にも航空攻撃を開始っ!直ちに艦載機を発進させよっ!!」



 続けて随伴して居る空母葛城からゼロ戦や96式艦攻を発艦させて、敵の海軍軍港基地の在るベリトランス市港へと徹底的な爆撃攻撃を仕掛ける。


 これを殲滅した所で 第四戦隊は戦闘を終了し、防衛寄港地であるクルサレ市港へと帰還した。



 この戦いでゲルニアン帝国海軍の東部艦隊は、更に制海権を北へと追いやられ、その数を全盛期の7割近くを失った事に成る。


 

 これでユーラシアン大陸東側地域の制海権をキリヤ公国連合国に完全に取られてしまった事と成り、散々な海戦結果と成っしてまった。


 これ以後はゲルニアン帝国の東側沿岸部と海上では、ゲルニアン帝国の大国としての地位が急速に滑落した事が原因で、海賊の動きが活発化してしまう。


 この海域での治安維持の問題が大きな国際問題へと発展して行く事と成り、ゲルニアン帝国はその労力に追われる事に成る。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月7日・午前5時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部・キリヤ公国連合国・フェリス侯爵独立自治領国・バンドー地方自治州区・北西地方に在るバンドー地方の北部内大陸地方のゲルニアン帝国との国境付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ほぼ同じ時間に、フェリス侯爵独立自治領国制圧軍・西部方面隊も西回りで、キリヤ公国連合軍の背後に周るべく闇夜に紛れて進軍を開始して居た。



 明け方近くに成って西側に在った森林地帯の獣道を抜けた西部方面隊は、広い平原へと出て行くと、目の前に広がる光景を見てびっくりしてしまう。


「伊達軍旗だと?!!」


「それに真田軍旗です。」


「敵将は白地に竹に雀と六文銭軍旗。伊達軍の先鋒武将である伊達・実重とキリヤ公国直轄軍の第十武士団の大将である真田・幸昌。」


「あの2将は、先の公帝戦争の戦いに措いて、我がゲルニアン帝国軍を散々痛めつけて追い散らした、手強い武将達です。」


「くっ、まさか・・・あの独眼竜の小娘めが、この奇襲攻撃を読んで居たとでも言うのかっ!?」


「成実殿、後方は私に任せて存分に戦われよ。」


「さっすがはっ!幸恵さんだねっ!話が分かるううぅぅーーっ!それじゃ、みんなっ!!いっくよおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」


「掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」


「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」


 成実の配下である直営隊の伊達軍は、自軍より数倍は在る敵軍の数に怯む事無く一斉に攻め掛かる。


「バカな。寡兵で我が方の軍勢を如何にか出来ると言うのか?」




 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!




 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!




 ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!ズダダダダダッーーーーンッ!!



「左右から発砲っ!!」


「くそっ!!これはっ!!このやり口はっ!!真田の手勢かっ!!」



 真田・幸恵・幸昌は、アマテラス神皇国の信州地方に措いて、表裏卑怯の物と言われる程に、軍略に長けて居る姫武将である。


 そんな彼女と忍びの情報網と近代化装備が加われば、鬼に金棒と言える。


 抜け目のない軍略で、如何なる大軍であろうとも、意図も容易く敵軍を追い詰めて行く。


 真田軍の鉄砲隊は赤備えと呼ばれる真っ赤な軍装の姿を露わにして、多数の鉄砲を撃ち掛けていた。


「ええいっっ!!退いっ!!退いっ!!」


「全軍っ!!追撃だよっ!!一人も逃すもんかーーーーっ!!」


 成実は、更に敵軍を討ち取ろうと追撃戦へと移行して行く。


「伊達軍の先駆け武将と言うのが居ると、大変に戦がやり易く、実に楽が出来て助かりますね。」


「真田隊は500人隊を編成して先回り、成美殿を使って敵軍を追い立てますので、各隊はしっかりと命令に従う様にっ!」


「ははっ!!」


「さぁ、狩りの時間は、これからですよ。」


 真田幸恵の軍略恐るべし、彼女は良い様に成実を扱き使って、敵軍を楽に掃討しようと目論む。


 先陣を切った成美は、只々彼女の手のひらで踊らされて居たのである。



 西側でもゲルニアン帝国軍のフェリス侯爵独立自治領国制圧軍は、壊滅的な打撃を受けて、這う這うの体で逃げて行ったのであった。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月7日・午前7時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部・キリヤ公国連合国・フェリス侯爵独立自治領国・バンドー地方自治州区・北西地方に在るバンドー地方の北部内大陸地方のゲルニアン帝国との国境付にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 グデーリアンは勝利の報せを今か今かと待ち受けていた午前7時5分頃のこと、各戦線の伝令官は敗走の報せを彼に齎して居た。


「何っ!?両方面ともに失敗しただとっ!!」


「はい。何方も待ち伏せ奇襲を受けて惨敗。両軍の部隊長の行方が分かりませぬ。」


「くっ、やはりっ!こうなるのかっ!!」


 グデーリアンも何となく、こうなるのではと、分かって居た。


 キリヤ公国を相手に中途半端な軍勢で、否っ!!戦争事態を仕掛ける事すら無謀な行為で有る事を分かって居る。


 何せ、チート過ぎる位に強過ぎる国軍を有して居るからだ。


「仕方がない。やるだけの事はやった。此処は撤退してっ!!」


 ズドドーーーーン!!


「爆発?!敵からの砲撃か?」


「違いまするっ!!」


「こっ、これはっ!!後方の方からですっ!!」


「将軍閣下っ!!大変ですっ!!」


「後方の補給物資の集積所が、襲われて居りまするっ!!!」


「何だと?!」



 今度はキリヤ公国連合国軍の方から、攻撃を仕掛けて来たらしい。


 その攻撃先は、ゲルニアン帝国軍のフェリス侯爵独立自治領国制圧軍の補給物資集積所に、奇襲攻撃を仕掛けて来たらしいのだ。




 それを仕掛けたのは、公王専属護衛総隊長を務め、近衛近習衆軍特別顧問剣士でも在る塚原・伝江・朴伝が率いて居る2500近衛近習衆軍であった。


 久方ぶりに思いっ切りに暴れ回る塚原・伝江は、生き生きと剣を振り回して、容赦なく敵の将兵達を討ち取り、近衛軍と忍び衆を動かして居た。



「モタモタする出ないぞっ!!奇襲攻撃は拙速を持って遂行すべしっ!!これは戦の常道ぞっ!!」


「甲賀霧隠衆、戸隠侍雷夜衆、風魔党忍軍衆、甲斐稲荷隠密衆の各忍び衆は、敵の撤退時の帰り道で徹底的に嫌がらせをするのじゃっ!!」


「「「「承知っ!!」」」」


 キリヤ公国秘密工作諜報情報部局に所属する各忍者衆達は、それぞれの頭領の下で、敵へと破壊工作や嫌がらせめいた攻撃を次々と仕掛けて行く。



「キリヤ公国連合国軍の忍び衆軍団も現れました。」



「グデーリアン将軍閣下、此処はお急ぎ撤退をばっ!!」


「ええいっ!!次から次へと手の込んだ真似をっ!!」



 グデーリアンは逸早く撤退を決めて、素早く北へと逃げ延びて行くのであった。


「政実様。頃合いです。」


「分かった。喜多は先陣を頼む。ライチェル殿も存分に・・・・・」


「やっと出番ね。でも助かったわ政実殿。流石は独眼竜ね。」


「各隊前進開始つ!!」と全軍に命じた片倉・喜多は、伊達軍の先鋒隊を中心としたキリヤ公国連合国軍を前進開始させた。



 政実は残って居たライチェル率いるフェリス侯爵独立自治領国軍の1万5千人とナデシコ自治統合陸軍の8500人と共に、一斉に総攻撃を仕掛けたのであった。



 こうして、ビクトリナ南洋大戦の終盤戦として後世に知られる。


 バンドー山脈盆地の戦いと呼ばれるこの戦いは、グデーリアンが率いるゲルニアン帝国軍・フェリス侯爵独立自治領国制圧軍に、壊滅的な打撃を受け失敗する事に成る。


 ビクトリナ共和国の独立を巡るこの世界の反キリヤ公国連合国との最初の戦いはキリヤ公国連合国側の大勝利に終わった。




 この後ビクトリナ共和国は、ジェシカ・クローディアを総督と言う元首に据え、キリヤ公国連合国の独立自治権を持った連合加盟国として、高らかにビクトリナ独立自治共和国の建国を宣言し、以後はジェシカを中心としたキリヤ公国連合国の一翼を担う大国の道へと歩んで行く事に成る。


 かくしてビクトリナ南洋大戦は、こうの様にして、終わりを告げたのであった。


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