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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第5章 少年王と吠える独眼竜っ!!伊達・政実編
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第40話 少年王とヒットラン皇帝の暗躍に奮闘し立ち向かう独眼竜っ!2

マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前11時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国・キリヤ地方・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府及びキリヤ公国・公王執務官邸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 勇治の居ないキリヤ公国本国を預かるメイルシュルフラッド独立自治公国の女公王にしてキリヤ公国宰相でもあるリィーゼ。


 彼女は本国を信用が置ける家臣を摂政とした政務体制を取りながら、第二婚約者と言う立場から、勇治の信頼を得てキリヤ公国中央政界へと進出。


 将来はキリヤ公国連合国の第二正妃と成り、メイルシュルフラッド独立自治公国は桐谷公王一族の親族王族家が統治する自治国家の一つと成るのだ。


 それとキリヤ公国・近衛近習衆軍の筆頭大将にして国防大臣を務める足柄・一輝。


 この二人が中央政府と公王の代理の政務を預かり、何事も無くキリヤ公国連合国の本土、キリヤ公国の首都たる公王都・キリヤ市に在る勇治の居城キリヤ城で、勇治の留守中の代理公務に勤しんでいた。


 本来なら公王である勇治の最終採決の判とサインが居る書類に目を通して、サインと判を押す作業を宰相のリィーゼが代理で行って居た。


 まだまだ若いリィーゼの相談役として、国防大臣を務める一輝も、元将軍王と言う立場で在った経験を活かして、彼女に助言をしながら政務に取り組んで居た。


 二人は勇治の公王執務官邸の二階に在る公王執務室のテラスのベランダで、職務休憩の一時をお茶を飲みながら一息を入れて居る時だった。


 キリヤ城の東側には、公王都・キリヤ市の中心街が広がるキリヤ大通りが通っており、その小高い丘に在るキリヤ城内の景色は、キリヤ公国・公王執務官邸からも良く見えて居り、 それが何処まで見えて居るのかと言うと、公王都キリヤ市の出入り口まで見えて居た。


 勇治か首都区画整理を進める際に、折角ならキリヤ城から正門まで見えて居る大通りは、国の顔として綺麗に真っ直ぐ、誰の顔でも、どの国の行列である事が見える方が良いと言って、街並みを整えて居る様にして整備を進めて来て居た。


 それがどれくらい良く見えるかと言と、公王都・キリヤ市に上洛しにやって来る加盟国の行列や外交大使の行列が、裸眼であったもくっきり、ハッキリと良く見える程である。


 その大通りを東正門から突き進む一団を一輝は目にする。


「ん??キリヤ公国連合旗を掲げた軍勢の行列だと?」


「何所の者だ?暫くは何所の連合加盟自治国も地方軍も、この公王都への上洛予定も無い筈だと記憶して居たが・・・・・・・・・・」


「むっ?!キリヤ大通りを北へと向かうか・・・あの通りの向こう側は確かキリヤ公国連合加盟国の国王・国家元首長公邸区画街町。」


「むむっ?!あの旗は竹に雀の伊達家紋所だな。」


「と言う事はだ、あれは伊達家だな。おい、リィーゼっ!伊達の小娘が上洛して来た様だ。」


「あれ?政実殿は、確か奥州統一が済んで間もないから、暫くは領国経営に専念するとの連合加盟統一省・総合内務庁に届出が出て居た筈よね。」


「たがら公王都には、暫くは出仕が出来ないと言って居たのに・・・・何故、今になって?」


「ふっ、と言う事は、あの小娘は勇治の事を気に掛けて少数の軍勢で、もしもの為の防備を固める為に来た様だな。」


「ああ、なるほど、あの子らしいわ。」


 そんな話をして居る所に北から大型ジャンボ旅客機が現れ、公王都の南に建設されたキリヤ公国・公王都キリヤ市総合国際空港に着陸態勢に入った機体が見えた。


 カラーリングは白と赤の二色で塗られて居る機体で、この色は政府関係者の専用旅客機として使われて居る機体である。


 その機体には、帆船に麦と鍬の紋章旗の家紋が描かれ、この家紋はフェリス侯爵領自治国とフェリス侯爵王家の御旗家紋として使われて居る絵柄である。


「帆船に麦と鍬の紋章旗だと?今度はフェリス侯爵領自治国の家紋国旗だな。」


「一輝。今の時期にレイチェルが、公王都に来る理由に心当たりが有るかしら?」


「無いな。いや、さっきまで無かったと言うべきだろう。」


「はぁ~、すると今になって厄介事が舞い込んで来た様ね。」


「ああ、伊達の小娘の感と嗅覚も満更では無いな。」


「私はレイチェルを出迎えるから、一輝は政実殿の出迎えをお願い。」


「ちょっと叱る程度の事は、言っても良いけど、責めてはダメよ。」


「分かって居る。奴目の独眼竜としての先読みの才覚は、実に中々のものだ。」


「大方政実の奴は、勇治か帰る直前には、自国領に引き揚げる積りなのだろう。」


「それにこの私が、この公王都を離れ難い事も見越して居る。」


「癪に障る小娘だが、その様な気遣いも出きる若造は嫌いではない。」


「落ち合う場所は・・・・・そうね。キリヤ城のキリヤ公国宰相内閣府・第一会議室で良いわね。」


「分かった。」


 二人は公王執務官邸の二階に在る公王執務室を後にして、キリヤ公国連合国の重要な首脳国の加盟国家元首を出迎えるべく動き出したのであった。



マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前12時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国・公王都キリヤ市内北区・キリヤ公国連合国国王・国家元首長公邸及び関係官僚宿官舎指定地区・伊達奥州王家・公王都キリヤ公邸屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 奥州独立自治王国の国王である伊達・藤枝・政実は、ビクトリナ南洋大戦の様子が気に成りつつ、万が一の大事に備えてキリヤ公国・公王都キリヤ市の公邸宅へとやって来ていた。


 彼女は余計な心配と感じつつも、奥州独立自治王国海軍の旗艦・巡洋艦・仙台と駆逐艦4隻に加え、輸送艦隊5隻と三千人の精兵と供に上洛して来ていた。



 勿論、勝手な振る舞いに近いと怒鳴り込んで来そうなキリヤ公国の国防を預かる足柄・一輝に叱られるのを覚悟しての公王都への上洛である。



「政実様。」


「どうした?」


 本国から離れたとは言え、書類仕事をするくらいは出来るので、国事に関する書類決済の類はキリヤ公国連合国関係国の政府専用輸送船の定期便を使ってやり取りをして居るし、必要な事は無線通信でやり取りも行って居る。



 そんな彼女が伊達奥州王家・公王都キリヤ公邸屋敷内の執務室で仕事をして居ると、取次の従者が入って来たので、何かの報せを持って来たと察した政実。


「はい。キリヤ公国連合国・国防大臣で在らせられる足柄・宗輝様が、政実様を訪ねて来られて居ります。」



「一輝様がか?やっぱり来てしまうのか。大方私の上洛に付いて咎めるか、他に何か有ったのかと見るべきだな。」


「分かった。一輝様は客間に通して居るな?」


「はい。」


「分かった直ぐに行くとお伝えするんだ。」


「ははっ!!」


 政実は叱られるのを覚悟で一輝に会う事にした。



 屋敷の畳部屋の客間で待って居た一輝は、仙台名物とされて居るずんだ餅を大福を茶菓子として出して居た。


 そのずんだ大福と一緒に出したお茶は、渋い苦みと僅かな甘みが在る旨味とのコラボレーションが良い仙台産の緑茶が出されて待たされて居た。


「お待たせしました。」


 政実は畳に敷かれた座布団に座り、高そうな作りのするテーブルを挟んで向かい合う。


「・・・・・・・・」


 政実の心に緊張が走る・・・・・・・・・・・・・・



「ふっ、まあ、そう身構えて固く成るな。」


「・・・・・・」


「叱られるのを覚悟で来た奴を叱る趣味を私は持ち合わせて居ない。」


「それに勇治の奴が、南方に遠征に出で居る状況で、悪さをする輩が現れると見込んで、今の時期にわざわざ此処に来たのだろう?」


「はい・・・・・・・・・」


「其れならば、この私からはお前に仕事の依頼だ。」


「詳細はキリヤ城で詰める事に成る。」


「奥州独立自治王国・国王伊達・藤枝・政実殿っ!!」


「はいっ!!」


「キリヤ城に登城し、キリヤ公国連合国に関わる大事に付いて話したい。供に参られるか?」


「はっ!!喜んでっ!!」


 政実はキリヤ公国本土に迫る危機を話し合うべく。

 

 キリヤ城にへと向かったのであった。



マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前12時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国 公王都キリヤ市から南へ7キロの地点・キリヤ公国・公王都キリヤ市総合国際空港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 レイチェルは、地球世界のアメリカ合衆国の某有名な航空機工業会社が作り上げた大型ジャンボ旅客機に良く似た機体に乗って、公帝戦争後の事後処理以来、久しぶりに公王都キリヤ市を訪れて居た。


 祖国とキリヤ公国本国との距離間は、例えを上げれば、東京から北海道の稚内市に行くような距離に当たる。


 遠くも無いが近い訳でもない飛距離を飛んで来た彼女は、成れない空の旅に少々疲れて居たが、新しく出発をした祖国の為と思い、飛行機から空港内へと向かう迎えのバスへと乗り継いで、公王都キリヤ市総合空港のターミナル施設へと入り、身体検査を受ける。


 これは基本原則的な規則である。



 国外や連合加盟国領内を船や飛行機、又は車両で行き来する場合は、誰でも身体検査と機体や船体を検査するのが決まりである。


 それが敵対国や同盟友好国であっても同じと成って居た。



 レイチェルは法と規則通りに検査を終わらせると、空港内の一般ターミナル区画で、レイチェルとは年齢が一つ違いでああるリィーゼ・メイルシュルフラッドが立って居た。


 二人は知り合ってから年の違いが1つしか変わらず、家柄も違うが国家元首と言う共通の立場も在ってか、下の名前で呼び合う仲と成って居た。


「いらっしゃい、レイチェル。」


「此処はお帰りなさいでは、無いかしら?」


「それもそうね。」


「もうゲルニアン帝国とは縁を切ったんだから、この国は私の家も同然と言ってくれたのは勇治の方よ。それなら私は遠慮なく居座らせて貰うわ。」


「うふふっ!そうね。」


「リィーゼっ!今直ぐでも、聞いて欲しいお話が有るわっ!」


「察しは付いて居るわ。」


「それなら話が早いわ。」


「続きはキリヤ城で昼食も兼ねて・・・・・・・・・」


「それは素敵ね。」


 二人は黒塗りの公用車でキリヤ城へと向かった。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前13時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府・第一会議室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 キリヤ公国・近衛近習衆軍の筆頭大将にして国防大臣を務める足柄・一輝・宗輝。



 キリヤ公国本国を預かるメイルシュルフラッド独立自治公国の女公王にして、キリヤ公国宰相でもあるリィーゼ・メイルシュルフラッド。


 アマテラス神皇国の東北地方である奥州地方及び北関東地方を統一した独立王国・奥州独立自治王国として、キリヤ公国連合国の加盟国と成った独眼竜と呼ばれる若き国王たる奥州王伊達・藤枝・政実。


 先のゲルニアン帝国とキリヤ公国連合国との大戦争である公帝戦争と成った際に主戦場と成った地であるフェリス侯爵領。


 その戦後にはゲルニアン帝国が放棄したガントー地方・ダンドー地方・バンドー地方と言う3地方の国土をキリヤ公国連合国中央政府が国内へと編入再編して、出来たフェリス侯爵独立自治領国。


 その領主王として、再出発した貴族系お嬢様にして、才女たるレイチェル・フェリス。




 この4人が公王都キリヤ市・キリヤ城に集まったのは、それぞの思惑と偶然と必然が重なり合った結果と言えた。



 第一会議室の大きなな長方形のテーブルを挟んで4人は、お昼ご飯がまだったので、4人はテーブルを囲んでの昼食を終えると、食後のお茶を囲んでの会議が、始まろうとして居た。


「先ずは予定外の突然の公王都への訪問の無礼をお許しください。リィーゼさま。一輝さま。」とレイチェルは、先ず初めに、アボ無しで突然の公王都への公式訪問をしにやって来た無礼をキリヤ公国宰相内閣府に名を連ねる二人に詫びた。


「いや、構わない。」


「ええ、空港でも言ったけれど、大方の察しは付いて居るわ。」


「はい。その事に付いてのご相談の為に、公王都に参った次第なのですが、まさか政実殿も来られ居るとは・・・・・・・・・・」


「ああ、コイツは要らん気遣いで、国元を勝手に離れて居るだけだ。」


「本来なら軽く叱り付ける所だが、案外とこの独眼竜の片目は、見えて居ない何かを見通す事には、良く長けて居るらしい。」


「小賢しい事だがな。」


「・・・・・・・・・・」


 一輝に悪態混じりの皮肉めいた冗談を言いつつも、とても良く褒められて居る事が分かって居るので、思わず顔を赤くして居る政実。


 先の将軍王に褒められると言うのは、それだけ名誉な事である事から、恥ずかしがって居る政実であった。


「レイチェル。貴女がわざわざ勇治が居ないこの時期に、この公王都へとやって来たのは、ゲルニアン帝国とヒットラン皇帝が動いた様ね。」


「どうせ、ロンデル大元帥やヘスター外務大臣の辺りが、今回の一件への嫌がらせか、又は勇治とキリヤ公国本国軍及びキリヤ連合公国統合軍の主要戦力が、ビクトリナ共和国への遠征へと行って居る留守を狙って、何かを仕掛け様として居るんだろう?」


「お二人の仰る通りです。」


「私の妹であるライチェルが治めて居るフェリス侯爵独立自治領国・北西地方に在るバンドー地方。」


「その北部内陸地方に在る我が自治領国とゲルニアン帝国との国境付近で、ゲルニアン帝国軍が軍勢を搔き集めて居るとの報せが、今から3時間ほど前に入りましたわ。」  



「ヒットラン皇帝めっ!!あれだけ我がキリヤ公国連合国に負けて置いて、その上っ!休戦講和条約を結んだ舌の根の乾かぬ内に戦を仕掛けるとは・・・・卑怯にして卑劣な。」


「勇治が今は南方で出陣して居る最中、この報せに対応できる軍はそう多くは無いと言うのに・・・・・・・・」と憤慨した政実は、冷静にキリヤ公国連合国を取り巻く情勢下を分析した私見を述べた。


「政実の言うとおりだ。今は五十鈴を含めたキリヤ公国本国軍とキリヤ連合国軍本隊が、南洋遠征の真っ最中で、居残った主力軍は下手に動けない。」


「隣国のセレジアさまの故郷であるガリアナ王国とオルトランタ商業連合国と言った2カ国の同盟国は、我が国の軍事力を頼みとして、ゲルニアン帝国と対峙して居るし、ナデシコ軍の一部は、軍事教練と支援の為に駐留して居る。」


「それ故にナデシコ軍は、五十鈴旗下の海軍以外では、別の戦線への迂闊な派遣は出来ない。」


「それに我が国も、キリヤ公国連合国の国土も守らなければ成らないし、その中には僻地と言えそうな所も在る。」



「それに毛利家・上杉家・そして伊達家も、先の遠征での戦後処理での国軍内の整理が終わって居ない。」と一輝は国内外の外交情勢下の説明を締め括る


「今回は勇治個人の力で、無理やりに遠征して居る様な物よ。」


「ユウジのあの力を秘匿する意味も兼ねて、国内外へのキリヤ公国連合国軍の遠征費用に付いての公式見解は、対外的には国家予算の予備費を投じて居ると言っては居るけど、其処に本土防衛の為の軍を動かすのは・・・・・・・」とリィーゼは困り顔と成ってしまう。


「それに我がフェリス侯爵独立自治領国も、先の公帝戦争で受けた領国軍の被害の立て直しの為に、領国軍の再建の真っ最中ですの。」


「迎撃に出せる領国軍は、精々1万5千人がやっとですから、我がフェリス侯爵独立自治領国としては、盟主国であるキリヤ公国本国に、何とかして貰うしか・・・・・・本当に何とか成らないでしょうか?」


「「「はぁ・・・・・・」」」と溜息をつくのはリィーゼと一輝とレイチェル3人である。


 勇治とキリヤ公国連合国軍本隊軍が居ないと、この一件に付いては、実に困り果ててしまう懸案と言えた。


「何を弱気な事を言って居られるのです。無いなら知恵を絞って事に当たるしか有りません。」


「最近は勇治の力で、便利に慣れ切って居る為に忘れがちですが、元来の我々は、戦では駆け引きと謀略と策略を以てして、何後も事に当たって来たでは有りませんかっ!!」


「でしたら、この伊達・政実にお任せあれ、この難題をきっと解決してご覧に入れます。」


「しかし、相手はゲルニアン帝国だぞっ!我が国に、この前大負けしたとは言え、その大兵力はまだまだ健在っ!」


  

「フェリス侯爵独立自治領国は落とす事は出来ないが、国境付近の地図を多少は塗り替えるくらいの事は、やれるかも知れんのだぞっ!!」


「一輝さまの仰る通りですわ。ヒットラン皇帝の狙いは、もしかしたら、その辺りが本命かも知れませんもの。」


「要するに、どんな形でも良いから、この前の会議と公帝戦争時の仕返しがしたいのね。」


「ホンと大人気の無いチョビ髭おじ様ですね。」


 全く面倒だわと言うリィーゼは、ヒットラン皇帝達の仕返しの仕方に、とても呆れてしまう。



「どの道、公王都で政務と国家中枢を動かして居る私達二人は動けん。この一件を頼めるか政実?」


「はい。」


「ではこれから政実殿は、キリヤ公国宰相として、私から臨時の将軍職、北方防衛将軍職に任じて、貴女が今直ぐに連れて行ける軍勢と手透きの武将に参集を命じて置きます。」


「序でだ、居残って居る近衛やキリヤ公国本軍からも将や兵が出せそうな部署からも出陣させよう。」


「有難う御座います。」


「そう、多くは無いがな。政実、後はお前の才覚しだいだ。励めよ。」


「はいっ!!」


「と言う訳だから、レイチェルは飛行機で一足先に領国に戻って居て、数日中には伊達軍を中心とした連合国軍の派遣を間に合わせるから。」


「分かりましたわ。噂の独眼竜の采配を楽しみにして居ます。お昼のランチ、美味しいです。ご馳走さまでしたわ。」と言いつつ、レイチェルは席を立ちあがる。


 因みに今日のランチは洋食だった。


 キリヤ公国連合国内で洋食と言うと、特定の国の事を指しては居ない。


 日本国に入って来た西側諸国形式に近い、海外風の日本国料理と言う意味に成って居る。


 そのメニューは、メンチカツとサラダ。スープはコンソメスープかわかめの味噌汁から選べ、主食はパンかご飯を選べるよう成って居たが、今日に限って全員がご飯が良いと言い切って居る。


 何故かと言うと、勇治が食べて居る日本国形式の食べ方が流行って居るからであった。


 更に言うのならば、とんかつソースとウスターソースを半々づつに掛けて食べると言うのが、流行って居た。


 流行ってしまった切っ掛けは、勇治が美味しそうに食べて居るのを見かけて事が切っ掛けに成って居たから、それが口コミで広がって居るからであった。


 それはさて置き・・・・こうして、ゲルニアン帝国軍とヒットラン皇帝の魔の手に対しての迎撃作戦は、アマテラス神皇国の独眼竜である伊達・藤枝・政実が対処する事と成った。


 政実は臨時の司令官職である北方防衛将軍として、北部方面に展開して居るキリヤ公国本国軍とキリヤ連合公国軍は北へと向かった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・10月6日・午前10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・キリヤ公国連合国加盟国家・奥州独立自治王国・北アマテラス北方三方列島地方内・北海島国州・海中央地方・シャッコロ平原・アイヌル民族集落・シャッコロ集落村にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 最初の反乱から三日後・・・・・・・・・北海島国州の中央に在る海中央地方のシャッコロ平原に在る大きなアイヌル民族集落たるシャッコロ集落村でアイヌル族長連合会が開かれて居た。


「困った事に成った。」


「ああ、血気に流行るバカ共が、噂に聞く少年王が治めると言う大国。」


「キリーヤーズ公国連合国とその連合加盟国たる奥州独立自治王国と伊達王家に戦を仕掛けよった。」


「あの者共はアマント島国と外の国の事を何もわかって居らんっ!!」


「その通りだ。北海島の一歩外に出てしまえば、我らの常識なんぞ、誰にも通じんと言うのに・・・・・・・・・・・・・・・・」


「それで如何するのだ?」


「暫くは放って置くしかあるまい。」


「我らとて連中よりも少しばかり情報が有るだけで、伊達王家とキリーヤーズ公国王家が、我らが土地を強引に手に入れんとする噂が、嘘か真かの見極めすら出来んのだ。」


「下手に動けば事態の収集が付かなくなる。」


「コシュマイン乱の悲劇の再来か・・・・・我らはアマント人と争って多くの事を学んだのに、又もやそれを活かせんとはな。」


「我らは土着の民。異民族の民達とは相容れんし、同胞同士で纏まるには異民族との戦いでしか無いのだっ!」


「故に我ら民族には、国と言う物が出来んかった。」


「最早、我らには時間が無い。今度こそ、我らを纏める象徴が必要だ。」


「其れが何処の誰であろうとな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 アイヌル族長連合会では、キリヤ公国連合国と奥州独立自治王国と如何相対するかを決め兼ねていた。


 それは長老達穏健派や中立派閥達が、絶対の強者たるキリヤ公国連合国か同胞達が独立運動の為に組織したアイヌル民族解放血盟団と何方かに付いてしまうと、大変な事に成ってしまうからだ。



 そうなると彼ら民族達が、独立派と恭順派の二大派閥に分かれて、真っ二つに割れてしまう血で血を洗うほど大問題に発展してしまうからだった。



 部族長達は時が来るまでの間、アイヌル民族解放血盟団とキリヤ公国連合国との内戦状態を静観する事と成ったのだった。


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