第39話 少年王とヒットラン皇帝の暗躍に奮闘し立ち向かう独眼竜っ!1
マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・マーリーナ海洋海域地方・ビクトリナ共和国・フォーチュン諸島地方・タスマーラン島近海・タスマーラン島近海・ドラリュウス帝国軍艦隊・ビクトリナ共和国艦隊激突地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドラリュウス帝国軍艦隊とビクトリナ共和国艦隊の両軍との激突は、未だに続いて居た。
ビクトリナ共和国艦隊と本島の対艦ミサイルと迎撃ミサイルは、ドラリュウス帝国軍艦隊の頭上から雨の様に降り注ぐ。
ビクトリナ共和国艦隊の127ミリ単装砲も五月雨式に竜人族の戦士達を撃ち倒していた。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
「糞ッがっ!!我らは世界最強の竜人族の戦士ぞっ!!何故こうも・・・ぐぐっ!」
「皇帝陛下っ!そろそろ潮時ですぞっ!」
「何を言う。まだワシは負けては居らんっ!!」
皇帝バランは腹心の臣下の言う事も聞きたくない程に追い詰められ、頭に血が上って居た。
更に其処に追い打ちを掛ける事態が発生する。
「各艦っ!目標っ!ドラリュウス帝国軍艦隊っ!」
「距離一万7千っ!照準合わせええぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」
「照準よしっ!打ち方準備よしっ!」
「各砲っ!うちーかたーはじめっ!」
「了解っ!各砲っ!うちーかたーはじめっ!」
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ヒュウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーー・・・・・・・・・・・
「5・4・3・2・1だんちゃーーーく・・・・・今っ!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!
「目標地点の初弾命中っ!着弾地点修正無しですっ!続けて撃てっ!」
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーン!!!
全艦隊の総指揮を採って居る山本五十鈴は、キリヤ公国海軍艦隊とナデシコ自治統合海軍の二艦隊を、ドラリュウス帝国軍艦隊と奮戦して居るビクトリナ共和国艦隊への援護攻撃を開始する。
次第にドラリュウス帝国軍艦隊は包囲され、キリヤ公国連合国軍艦隊に追い詰められ始めて行く形と成った。
「うぐぐっ、おのれっ!シェニッアーの小僧めっ!もう逃げ帰ったのかっ!」
「皇帝陛下っ!此処は退きのけなければっ!ささっ、お早くっ!」
「おのれっ!キリヤの小僧めがっ!!!この屈辱の借りは必ず返すぞっ!!!」
腹心に言わるが儘に、怒り狂うバランは渋々撤退を決意する。
「全軍に告げるっ!」
「追撃攻撃だっ!奴らにっ!!土足で我が国へと押し入った侵略者共にっ!!有りたっけの砲弾とミサイルやビーム光線を叩き付けろっ!!」
「二度と我が国の領土に踏み入られると思うなっ!と思うくらいになっ!!」
バシュッ!・・・・・ゴオオオオォォォォーーーーーーーーッ!
バシュッ!・・・・・ゴオオオオォォォォーーーーーーーーッ!
バシュッ!・・・・・ゴオオオオォォォォーーーーーーーーッ!
バシュッ!・・・・・ゴオオオオォォォォーーーーーーーーッ!
バシュッ!・・・・・ゴオオオオォォォォーーーーーーーーッ!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!ドドッン!!
ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!
ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!
ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!
ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!ズッキューーーーーーンッ!!
ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!
ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!
ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!
ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!ドッカーンッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
勇治は指揮下に有る艦隊や陸戦・空戦部隊に命じて、バランとドラリュウス帝国軍艦隊に対して、全力で火力攻撃の追撃射撃を喰らわせる。
バランとドラリュウス帝国軍は這う這うの体で、自国へと逃げ帰ったと言う。
この時に皇帝バランは中傷程度の手傷を負って2か月の入院を余儀なくされたのであった。
こうして勇治か関わった二度目の危機で有り、二つ目の転移地域たるビクトリナ共和国と連合を組んで戦ったビクトリナ南洋大戦は幕を閉じたのであった。
一方、ビクトリナ南洋大戦が行われて居る最中のキリヤ公国本土は、とても平穏だった。
たが、そんなキリヤ公国にも危機が迫っていた。
マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前9時15分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・フェリス侯爵独立自治領国・ガントー地方自治州区・首都直轄州地区・チバヤン州・首都キラサラズ市・侯爵王居城・キラサラズ城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その場所とは、ガントー地方・ダンドー地方・バンドー地方を治めているレイチェル・フェリスが治めているフェリス侯爵独立自治領国であった。
レイチェルは、キリヤ公国連合国に降伏し、その傘下に降った。
その後はキリヤ公国侯爵位を拝領し、キリヤ公国との交渉で見事な手腕を見せ付けたレイチェルを当主とする事でフェリス一族の親族一同は、一先ずは落ち着いて居た。
3地方の領地もキリヤ公国式の統治体制へと移行し、領土を一つへと統合された。
統合された地域をフェリス侯爵独立自治領国と命名され、レイチェルを侯爵王位と言う地位を以てして、その領地を治める事と成る。
簡単に言うと、侯爵王位の地位は、王様より一段格下の自治国家元首として扱われる事に成る身分だ。
詰まりレイチェルは、勇治を連合国盟主と仰ぐ地方王を名乗る事が許された形と成ったのだが、この事に関してキリヤ公国連合国中央政府側の立場から見て言うと、ぶつちやけて言えば、直轄地にすると色々と面倒なので、地方領土の政務をレイチェルとフェリス家に全部丸投げしたいのが本音であった。
キリヤ公国中央政府は、急激に増えすぎた国土の維持に苦労して居る為、ゲルニアン帝国から分捕った領土に代官や地方長官を送り込む余裕が無かったのである。
それだけ人材確保には、一苦労して居る状態だった。
物や道具にお金類は無尽蔵にゴッドタブレットで手に入れられるが、人だけは如何にも成らないのが現状である。
勇治は暫くは内政に充実に焦点を当て、人口が少ない土地を他国から編入を特別な理由でもない限りしない方針を固めていた。
そんなフェリス侯爵独立自治領国の北部、ゲルニアン帝国との国境沿いにゲルニアン帝国軍が、軍勢を配置して居るとの報告がレイチェルの下へ入る。
フェリス侯爵独立自治領国の首都直轄州地区として再出発したキラサラズ市は、キリヤ公国本国の支援を受けて目覚ましい発展を遂げていた。
先の公帝戦争にてズタズタと成った港や陸海軍は、再建の途上に在って、国土の防衛には穴が有る状態だった。
その穴埋めとして、毛利独立自治安芸藩王国から派遣されてきた毛利海軍の小早川・隆美と小早川艦隊7隻とナデシコ自治統合海軍艦隊の12隻が、ガントー地方の沿岸部と、その近隣海域であるローレライ大海洋の領海防衛の為に常駐して居た。
小早川・隆美はキリヤ公国の外交大使として来て居たが、無事に毛利家は連合加盟国と成り、暫くは大きな出来事は、毛利家とキリヤ公国本国との間には起こらないとの判断を当主である輝美と話し合いをした上での派遣である。
そんな理由から、毛利家としては近代海軍の強化目的と連合加盟国内の支援外交の一環として、フェリス侯爵独立自治領国へと治安維持支援の為に小早川・隆美を派遣した。
外交官としての仕事を終えたばかりの隆美が、同地に派遣されるのは、毛利海軍は、小早川家の指揮下に置かれて居るからだ。
隆美は海軍大将として、ゲルニアン帝国との国境付近であり、防備に不安が残るとされて居るバンドー地方自治州区州都・クルサレ市へと派遣されて居た。
そして、派遣された陸軍部隊には、毛利陸軍の吉川・春美と伊達陸軍の伊達・成美の凸凹コンビが北方のへの備えと防衛の為、クルサレ市に駐留する定期交代任務に就いて居た。
フェリス侯爵王居城・キラサラズ城でレイチェルは、北方領土であるフェリス侯爵独立自治領国・バンドー地方自治州区を守る妹のライチェルから緊急の電話を受けた。
「姉様っ!大変よっ!」
「如何したのよ、ライチェル?一体、何か有ったの?」
「ゲルニアン帝国軍が国境沿いに軍勢を掻き集めて居るとの報せが、フェリス侯爵独立自治領国の北方国境領の町や要塞、その他の城や砦から次々と入って来て居るの。」
「それに北東部にはゲルニアン帝国の海軍艦船が集まって居るらしいわ。」
「この一件、如何したら良いと思う?姉様・・・・・」
「ヒットランめっ!ユウジ陛下が、南方遠征の留守を狙って、空き巣に入る積りかっ!」
「全く旧主と言え、ロクでも無い事を思い付くっ!!」
「ライチェルっ!私は、このままキリヤ公国本国に向かうわ。」
「キリヤ公国の留守を預かるリィーゼさまと一輝さまに、事の次第を申し上げて、ゲルニアン帝国への対応策を検討するわ。」
「だから国元の防衛は、キリヤ公国連合軍の駐留軍に頼んで置くから、後の事はお願いね。」
「分かったわ。それまでは何とかして見せる。後の事は私に任せてねっ!姉様っ!」
通信を終えたレイチェルは直ちに、キリヤ公国連合国の首都たる公王都キリヤ市 へと政府専用ジェット旅客機で飛んだ。
マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前10時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・キリヤ公国連合国加盟国家・奥州独立自治王国・北アマテラス北方三方列島地方内・北海島国州・海南地方・八雲集落周辺の鉄道建設作業現場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北海島国州知事に任じられて居る元海南地方の大名王だった松前忠邦は、奥州独立自治王国の国王である伊達・藤枝・政実の許可を受けて、北海島国州の国土開発をスムーズにする為の鉄道建設の為に行動開始した。
伊達家は北海島国州の国土開発と鉄道建設に当たって、地元の北海島国州・海南地方に住まうアマテラス人と先住民族であるアイヌル民族達の土地の使用許可を取る事と、北海島国州の海西地方と海中央地方の国土開発と鉄道建設をしない事が条件としていた。
伊達家としては、まだまだ未開の土地に住まうアイヌル民族達を刺激したくは無いらしく、国土開発と鉄道建設が許可されて居るのは、海西地方の南方の境界線の15キロ手前までとして居た。
松前忠邦は館箱市から八雲平原地帯へと線路を伸ばす施設工事を近隣の住人やナデシコ地方自治州区の建設会社の作業員を招いて、順調に着々と進めてられて居た。
その護衛として周辺には、元松前家軍を中心として編成されて居る奥州独立自治王国軍の北海島国州地方軍が鉄道建設の護衛をして居た。
これはアイヌル民族に対する警戒では無く、クマや狼に対する護衛である。
北海島はとても自然が豊かな土地で、様々な野生動物達が暮らして居る所なのだ。
もっとも厄介な事なのが、北海ヒグマと北海オオカミと言う猛獣が人里に降りてトラブルを起こす事が有る事なのだ。
そう言った猛獣から身を守る為に、北海島国州地方軍の3千人の護衛と二千人のナデシコ自治統合陸軍の歩兵中隊が、作業員の保護の為に周辺に目を光らせていた。
しかし、これが余計な誤解をオガルとアイヌル民族解放血盟団の団員たちに与えてしまった。
「作業は順調の様だな。」
「はい。予定では1月後には、貨物列車を走らせる事が可能です。」
「これでようやく長らく手が付けられて居なかった北海島・唐太島・万年島列島の3つの北アマテラス北方三方列島地方は、飛躍的に豊かに成れる。」
「川浪建設の方々には感謝して仕切れない。」
「頭をお上げください忠邦さん。我々は政実さまと勇治陛下からの依頼を受けて、仕事をして居るだけですよ。」
「民間の一企業が、国家プロジェクトの公共事業の一環で、僅かな利益で社会奉仕をする事は、近代化時代の考え方としては、ごく当たり前の事なのですから・・・・・・・・・・・・」
「それでもだ。この地は長らくアマテラス人とアイヌル人達の暮らしの格差と生活文化の違いから衝突が絶えない。」
「この鉄道建設は、アマテラス北方三方列島地方に住まう二つの民達の心と暮らしをきっと良くしてくれる筈た。」
「その事に付いての話は、私達の方でも聞いて居ます。」
「何でもアイヌル民族の人達は、祖先と自分達の文化慣習をとても大事にして居る真面目な人達とか。」
「ですがその反面、他者から学ぼうとも新しい事を進んで始めたり、取り入れたりはしたく無いと聞きます。」
「それはきっと、互いに交流が少ないからですよ。」
「そうなのだ。アマテラス北方三方列島地方は、100年前に起きたアイヌル民族と内戦紛争であるコシュマイン乱の時に、我が祖先が手にして開拓をした海南地方以外では、未開拓の自然が溢れる土地。」
「今だに小さな誤解からアマテラス人に向かって食って掛かる血気盛んな民族解放急進派の者達が多い。」
「そろそろ、お互いにそう言った争いは、我らの世代で終わりにしたいのだ。」
「分かります。その為にも是非、我が社も協力させて頂きますよ。」
「それに陸奥地方と館箱地方を繋ぐ陸館間トンネルもあと数か月で開通します。」
「陸館間トンネルが開通して、鉄道が開通すれば、益々この北海島国とアマテラス東北地方との交流は盤石な物と成るでしょうね。」
「それは私も楽しみにして居る事業の一つです。」
松前忠邦は、海西地方の鉄道建設と土地開発を契機に、二つの民族が盛んに交流し合って争いを無くしたいと言う夢の為に邁進するのであった。
陸館間トンネルとは、北海島国とアマテラス東北地方との間に在る津軽海峡の真下に鉄道用のトンネルを掘って、陸奥地方と館箱地方を繋ぐ大動脈とする伊達家肝いりのプロジェクト。
政実は勇治から故郷の日本国内に在った青函トンネルの話を聞いた時の話を参考に、この計画をナデシコ地方自治州区の企業へと依頼し開通する事に成るのだが、まさか最初の使用が平和利用では無く、アイヌル・シャッコロ・北地の反乱鎮圧の為に使われるとは、夢にも思わなかった。
だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その夢の計画を悪魔の所業だと断じて、誤解の目で見ながら、憎悪をして居る者達が現れ見て居た。
「何という事だ。」
「ああ、酷い。」
「ありゃ八雲平原に周辺の集落の奴らだぁ。」
「アマント人めっ!!南の同胞達を奴隷の如く働かせて・・・・・・・」
それは誤解である。
八雲のアイヌル民族の人達は、キチンとした話し合いと対価を支払って鉄道建設の為に働いて居る。
鉄道建設の目的も利便性も必要性も説明しているし、アマテラス人とアイヌル民族との将来に必要が有ると訴えて、それに関して、彼らは快く賛同してくれて居た。
南部のアイヌル人達は比較的、アマテラス人との交流から都会的な文化に馴染みのある人達で、アマテラス人と盛んに交流する事でお互いに暮らしを良くしようとする事に意欲的だった。
それに奥州独立自治王国の国王たる伊達・政実とキリヤ公国連合国の盟主にして公王である勇治の事たちに付いても南部の人達は、新体制に移行する際の説明で聞いて居るし、キチンと初心の挨拶と言う名のテレビ演説する事で、とても良い名君ではないのか?と彼らは見て居た。
二人は南部の開発をする際の地均しの為に、各集落にテレビを設置させ、何か有れば政府広報を流して居た。
その効果は絶大で、少なくとも南部のアイヌル人達は、キリヤ公国連合国と奥州独立自治王国の事を信用して居た。
そんな彼らの意欲的な行動の背景の大本には、100年前に起きたアマテラス人とアイヌル民族と内戦紛争であるコシュマイン乱を教訓としていた。
コシュマイン乱とは、アイヌル民族のさる猟師の男が、古くからのアイヌル民族とアマテラス人との交易地である館箱市で、刃物の売り買いの時に、店の主人と言い争い起こして、アイヌルの男が喧嘩の際に転んで死亡してしまった事に端を発して居た。
この争いの原因は、単にアイヌルの男が釣銭の計算の間違いして、口喧嘩の果てに、自ら誤って後ろへと転倒し、倒れて頭を強打して即死してしまった事に有る。
要するに少しだけ教養が足りなかった事が、喧嘩の原因と成ってしまう事に成り、果ては民族を上げての敵討ちに発展。
挙句は大規模な内戦紛争へと成ってしまう悲劇の話だった。
アイヌルの人達は文明的に少しだけ遅れて居るせいで、理屈では無く感情的な事を優先させてしまい、理性的に話し合いをする事を怠ってしまう傾向が強かった。
この悲劇の事件から学んだ南部のアイヌル人達は、その事を二度と繰り返すまいとして、積極的にアマテラス人との交流を盛んにして来て居た。
「アマント人の兵隊は何人居たか?」
「3千人から5千人って所だと思う?」
「はぁ?だと思うだぁ?」
「物見の奴らが見て来た話を聞く限り、松前王のセムライにしちゃ見慣れない格好してるんだよ。」
「そりゃ多分キリーヤーズの兵隊だろう。アマント人達を嗾けて、俺達の土地を支配しに来たんだ。」
「じゃ、トロッコを引いて居るのは・・・・・」
「ああ、アマント人達には、そんな技師は居ねえ、キリーヤーズが支援して、やらせて居るんだ。」
「だったら早くしねぇと・・・・」
「同志たちは?」
「8千人は集まった。それにな、例の物を・・・・・・・」
アイヌル民族解放血盟団の団員の一人が何処から輸入した火縄銃の一丁を木箱から取り出して同志たちに見せた。
「それは噂に聞くアレか?」
「ああ、高けえ買い物をしたが、ユーラシアン大陸から南の種谷島に伝わったと言う火縄銃さ。」
「これなら猪戦士に過ぎない奴らをぶっ殺すのにゃ、お誂え向きって訳さ。」
「密貿易でコイツを2千丁をほど仕入れた。」
「そりゃ、頼もしいな。」
「よし、時は来たっ!!今こそ決起し、アマント人達や余所者のキリーヤーズの連中を俺達の土地から叩き出すっ!!」
「俺達が奴らを打ちのめすのに成功すれば、未だに日和見をして居る同胞達も考えを改めるだろうぜっ!!」
「おうさっ!!」
「やってやるぞっ!!」
アイヌル民族解放血盟団は、変な誤解から民族解放の為に決起し、キリヤ公国連合国とその加盟傘下国で地元の統治者である奥州独立自治王国に、アイヌル民族独立解放戦争を仕掛けるのであった。
それから15分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それえええぇぇぇぇーーーっ!!簒奪者どもから土地を取り戻せえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!パパパパパパパーンッ!
鉄道建設の進捗状況の視察に訪れて居た松前忠邦とこの鉄道建設を請け負い、現場監していた督川浪建設の派遣職員の管理を任されて居る部長は、ビックリした顔で何事かと音のする方へと目をやった。
「銃声?」
「報告ーーーっ!!」
暫くすると北海島国州地方軍の護衛隊長が、北海島国州知事である忠邦の下へと大慌てで駆けて現れた。
「どうした?」
「たったったっ大変ですっ!!はっはっ反乱ですっ!!」
「反乱?」
「アイヌル民族独立解放急進派に由る反乱軍です。」
「何だと?!」
「この辺り周辺の地元のアイヌル民族の者達に由れば、此処最近に成ってアマテラス神皇国に政変が起こったらしく。」
「その隙を突いて、アイヌル民族の独立解放しようと言う動きが、活発化して居るとの事です。」
「そんな馬鹿なっ!!その様な話は、私は聞いて居ないぞっ!!」
「はっ?まさか連中の言って居るアマテラス神皇国に政変とは、先の将軍王で在らせれた足柄・宗輝さまの将軍王の引退とキリヤ公国連合国への仕官の話か?」
「どうもその様です。ですがアマテラス神皇国にクーデターが起きたらしい等と言う噂が、アイヌル民族の間で流れて居るらしく。」
「それが反乱を増長させた主な原因と思われます。」
「何と愚かな。事の真意を確かめもせずに、噂話に踊らされるとは・・・・・・・・・・」
「先ほど南部アイヌル民族の者達からの訴えでの話では、如何やらその訴えを起こした者等も誘われしたが、その気は無いし、偶に良く有る過激派の戯言と思って居りました所、まさか本気で反乱しようと思わなかったと申して居ります。」
「それと、彼らはこうも申して居ります。」
「北部の過激派はアマテラス神皇国内で起きてる実状とキリヤ公国連合国と言う国家の事を理解しては居ないのでは無いかと・・・・・・・・」
「ぐっ、又もや誤解して、我らに敵対し、争いたくない者達を盛大に巻き込んでアマテラス人をこの地から追い払おうと兵を上げて、南部へと攻め入って来て居るのか?」
「はい。如何やらそのようです・・・・・・」
「くっ、私の代でも同じような悲劇は繰り返すと言うのか?」
「こうなれば仕方が無い。」
「急いで非戦闘員を避難させろっ!!ナデシコ自治統合陸軍と北海島国州地方軍は、速やかに反乱軍を撃退せよっ!」
「はっ!!」
「くっ、政実さまがキリヤ公国本土に、ご用事が有ると言って、公王都キリヤ市へとお出かけになられて居るこの時に、まさかこの様なトンデモない事態に成ろうとは・・・・・・・・・・・・・」
政実は南方への遠征で勇治が留守にして居るキリヤ公国の本土を守ろうと、最小限の軍勢で、公王都キリヤ市へと上洛しに向かって自国を留守にして居た。
その政実もアイヌル民族独立解放急進派に由る反乱は予測外の出来事であった。
彼女もまさか武装が貧弱なアイヌル民族独立解放急進派が、アマテラス神皇国の政権交代と臨時政府状態であり、キリヤ公国連合国と関わりで一部地方が独立して居たこの状況下。
それに加えて、北アマテラス北方三方列島地方が、ホンのチョットだけ不安定だった隙を突かれてしまうと言う事態は、有り得ないと考えて居たのだ。
この鉄道建設を阻止に成功してたアイヌル民族独立解放急進派、アイヌル民族解放血盟団は、日和見で居る同胞達にアマント人達を追い払って奴らの侵略計画を阻止したと言い触らして回り、勢力拡大に成功した。
アイヌル民族解放血盟団による北アマテラス北方三方列島地方の大反乱は更なる拡大の一途を辿る事に成って行く。