第38話 少年王と激突っ!ビクトリナ南洋大戦っ!4
マギアンティア世界統一暦・1555年・10月3日・午前9時30分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・マーリーナ海洋海域地方・ビクトリナ共和国・フォーチュン諸島地方・マダデースネ島・東部海岸線にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勇治は空母を潰し終わると、最後に討ち取ろうと考えていた揚陸艦隊へと目をやっていた。
「揚陸が始まったか?」
「五十鈴さん。敵戦艦隊と敵航空隊の残りの始末は、ナデシコ自治統合海軍艦隊とナデシコ自治統合海軍航空隊に任せます。」
「了解っ!そっちは予定通りに勇君に任せるわよっ!」
「私達は引き続き、生き残って居る敵航空隊と敵戦艦隊等を撃滅するわっ!!」
「お願いします。」
五十鈴との交信を終えると、セレジアとマリアの二人に通信を切り替えた。
「二人とも、防戦に入るよ。」
「了解っ!」
「私は棺桶船を潰してばかりで、良い気分がしませんでしたが・・・・・・」
マリアは出撃すら出きずに沈めた敵空母艦隊の船の事を棺桶と証して哀れんで居た。
何も出きないまま海の藻屑と消え逝く戦士たちの事を哀れんで・・・・・・・・・・・・・・・・
「空母を潰すのは近代戦の初歩だよ。」
「本当に卑怯な事さえしなければ、戦争なんてものは駆け引きと戦略が物言うんだ。」
「兵器の違いから来る卑怯は、卑怯とは言い難いと・・・・・言いたい。」
「まぁ、マリアの言いたい気持ちは分かるけどね。」
「いいえ、全て承知して居ます。今のは私個人の騎士道精神から来る気持ちの感傷です」
「分かってるよ。」
「二人とも、急がないと討ち取る数が増えるわよ。」
セレジアは感傷的に成って居たマリアと話し込んで居た二人に対して、長話し過ぎると嗜めた。
勇治の部隊は、マダデースネ島に揚陸して来た敵との白兵戦に移行しようとしていた。
「マギウス・ギアース王国軍揚陸艦隊の上陸部隊を確認。」
「揚陸して来た歩兵部隊を含めた戦闘員140万人っ!魔導機兵の推定数60万機と予想されますっ!」
「キリヤ公国機械化陸上軍団各機各隊へ、射程に入りしだい迎撃開始せよっ!」
「了解っ!各機各車各部隊へ・・・撃ち方よーい・・・・・・撃てえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
モビィーアーマー大隊及び機械化車両大隊は、一斉に上陸して来た敵魔導機兵大隊に向けて、有りっ丈の火力で出迎えてやった。
モビィーアーマーの中長距離支援型タイプのガムキャノンのロングビームライフルと120ミリガムキャノン砲が容赦無く敵を射抜く。
その後ろでは、長距離支援型タイプのガムパンッァーが、履帯走行式でガタガタと走行しながら、両腕に装備された60ミリバルカン砲と肩に備え付けられて居る120ミリ長距離キャノン砲を敵に向かって撃ち込んでいた。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
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ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
また補助戦力として、日本国陸上自衛隊が使用して居る203ミリ自走榴弾砲。
99式自走155ミリ榴弾砲。中距離多目的誘導弾。74年式戦車等車両部隊がロボット兵器部隊の支援に当たって居た。
これ等の兵器達は、勇治が暮らしていた世界の日本で開発されて居た物と同等の性能を持たせて居る。
「キリヤキングコマンドリーダーより各部隊へっ!敵を海岸線から内陸部への侵入を決して許すなっ!」
「我が国と連合加盟国・友好同盟国への侵略行為は、如何なる個人・国家・武装勢力であろとも一切の容赦はしない事を全世界へと示すんだああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
「くそっ!上陸しても有り得ないくらいの性能を有する兵器ばかりだっ!」
「シェニッアー陛下っ!」
「ええいっ!攻め込みもせずに引き下がったと成れば、全世界の諸国の笑いものだっ!」
「せめて敵に一太刀でも浴びせねばっ!我が国と俺の面子の沽券に関わるっ!」
マギウス・ギアース王国軍は、マダデースネ島へと揚陸輸送艦隊2300隻に乗り込んで居る140万人の揚陸部隊と魔導騎兵マギゥスナイト軍団60万機と共に浜辺へと突撃を仕掛けて行く。
「それえええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!」
「小国の田舎の成り上がり小僧の軍隊なんぞっ!!蹴散らしてしまええええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
威勢良く攻めかかるマギウス・ギアース王国軍の重たい鎧を身に着けて居る重装歩兵軍団や魔導師軍団70万人。
その後方には、騎兵軍団10万人と魔導騎兵マギゥスナイト軍団60万機が後に続いて行く。
「各機各隊っ!敵は有象無象の射的の的に過ぎない。」
「我が軍は侵略者に対して、一歩も退く事は有って成らないっ!」
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「そうだっ!俺達はキリヤ公国とその連合加盟国や友好国の平和の為に戦って居るんだっ!!」
「俺達は決して侵略者なんかには負けないんだーーーっ!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
「陛下は俺達の様な貧しい者でも暖かく国に迎えてくれた。」
「そうだっ!!あんな連中に屈するものかっ!!」
「他所では見捨てられて居たか弱い俺達でも、大国に打ち勝つ力に成れるんだあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「俺達の国を守れええぇぇぇーーーっ!!!」
「キリヤ公国連合国っ!!ばんざいーっ!!!」
「キリヤ公国連合国っ!!ばんざいーっ!!!」
「キリヤ公国連合国っ!!ばんざいーっ!!!」
「キリヤ公国連合国っ!!ばんざいーっ!!!」
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!ブオオオオォォォォーーーーッ!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!ダダ-ンッ!!
「何なのだ?」
シェニッアーは、自国の軍勢よりも少数であるキリヤ公国連合国軍に圧倒されて居た。
それも民兵を中心に据えて居る軍隊にだっ!
「彼の国は民兵を中心に構成されて居ます。」
「家柄も身分も出自や種族すら関係なく能力次第で出世し、活躍が出きるとか?」
「バカなっ!民草なんぞっ!兵士にした所でまともに戦える兵なんぞ極限られた数だぞっ?!」
「それがあのような国家に尽くしたい等と叫ぶ者など居る筈が無いっ!!」
彼には信じられなかったが、勇治は善政を強いてて、軍や警察に警備隊に入る制度は全て志願制である。
しかも、それに志願して成りたいと言う応募者が多い。
キリヤ公国は他国よりも民に対して高い水準の優遇処置を取って居る。
国民が国に治める税率は3割で、7割が民の懐に入り、公務に付く者の給与は30万イエン程度の額に抑えられ、職務手当ては1つに付き千イエン程度が上乗せされるだけである。
子供への援助も18歳まで公立学校が無料で、全ての大学では貧乏人と才ある者に補助金が付く制度すら用意されて居るし、60歳から一月16万イエンの年金すら有るのだ。
おまけに、整えられた高度な社会福祉公共医療保険制度に加え、18歳以下の子供は予防接種を含めた医療費用に補助か無料と成って居るし、高齢者も同様である。
公営アパートの家賃が個々の収入によって変えて貰えるので、国民達の皆が何時も何時もニコニコ笑顔であった。
そんな手厚い福祉支援を受けて居る国民から成るキリヤ公国軍の兵士達は、士気が非常に高かったのだった。
敵の上陸を阻止をするべく、キリヤ公国機械化陸上軍団は、敵を圧倒させる程の火力で、鉄壁の守りやって見せつつ、徹底的な敵軍の排除をして除けたのだった。
それでも敵は力尽きるまで、進軍を止め様とはしないだろう。
それは国家としての面子を潰す事に成るからだ。
この世界では国家の体面が何よりも重要だと考える大国が多く、その強さと強大差を頼りに中小国は生き残ろうと必死なのだ。
大きな幹に擦り寄らないと、か弱い者達はいとも簡単に喰われてしまう。
此処はそう言った寒く厳しい世界なのである。
シェニッアーも自分専用の魔導騎兵マギゥスナイトであるカラフルに飾り付けられた機体と大剣を持たせて、護衛の近衛魔導騎兵マギゥスナイト大隊に、守られながら砂浜の中を進軍していた。
そんな派手な護衛に囲まれて居る集団を見付けた勇治は、敵大将だと踏んで上空から襲い掛かろうとセレジアとマリアを率いて攻め掛かった。
「バカなのか、あの集まりは?」
「あれでは総大将が此処に居るぞっ!と宣言している様な物だっ!」
「セレジアっ!マリアっ!敵大将機を見つけたっ!二人は護衛部隊の方を頼むっ!」
「了解っ!」
「姫様は、右からお願いしますっ!」
セレジアとマリアの二人は、シェニッアーの直営部隊に向って空から急降下を仕掛けてた。
真紅のセレジア専用ガムは騎士風の盾に内蔵されて居る長身の剣へと伸びるビームソードで、敵の右側面から切り付けて行く態勢に入る。
灰色に染まった無骨な騎士風マリアの専用ガムは、敵の頭部のメインカメラを潰すべく、腹部は拡散ビーム砲を撃ち放ち黄色い閃光を浴びせる。
セレジアとマリアの二人は、敵が怯んだと見ると、モビィーアーマー空戦専用サポートメカであるジェットボードから飛び降りて、ビームサーベルとビームソードを抜いて同時に斬り掛かった。
「なっ!なぬっ!?」
二人は1機目を真っ二つにすると、常日頃から剣術の鍛錬を生身の状態で身体に叩き込んで慣れ親しんだ剣技をシェニッアー率いるマギウス・ギアース王国軍の近衛部隊へと叩きつけ、その強さと技の冴えを敵に見せ付けた。
「はっ早い?」
「以外と軽いわっ!これっ?」
「ええ、斬って居る感覚は生身と変わらない様です。」
二人はこの戦いでモビィーアーマーを使った戦い方は、主に射撃戦を主軸に戦って居たので、白兵戦はマギウス・ギアース王国軍の近衛部隊と戦うのが初めてだった。
「じゃっ行くわよっ!はあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
「はっ!我こそは、キリヤ公国近衛騎士団長マリアナ・テレジア。」
「土足で我が国の国土と連合加盟国や同盟友好国の土地を荒らす侵略者共よっ!!我が剣の錆びなるが良いっ!!」
二人はシェニッアーを守ろうと突っ込んで来る近衛部隊を次々と切り伏せた。
「何をして居るっ!相手はたったの3機だぞっ!!とっと倒さぬかあああぁぁぁーーーーーーっ!!」
「怒鳴るだけで何もしてないと、頭上がお留守の成るんだよなあああぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」
「何っ!?」
勇治はシェニッアー機に対して、頭部に蹴りを入れた。
「ぐははっ?!」
勇治が喰らわせたキックは、シェニッアーの機体を物凄く吹っ飛ばしたのである。
ロボットゲームをして居た時からの勇治の得意な奇襲戦法であった。
「ゲホゲホっ!なっ何奴っ!?」
「キリヤ公国・公王にして、キリヤ公国連合国の加盟国の盟主国公王っ!桐谷勇治っ!!!」
「人ん家に土足で強盗に入るからには、それなりの報いを受ける覚悟は有るだろうねぇ・・・・・・・・・・・・」
「きっ、きっきっ、貴様が噂の成り上がりのガキだと?!何故こんな所に?!」
シェニッアーは目の前に現れた機体は、彼がそれまで見て来た中でも、全く見た事も無い魔導機兵だと思った。
それに乗る謎の少年王からのドス効いた脅しと共に、前線に現れた事に戸惑う。
シェニッアーは、まさか勇治が最前線に出張って来るとは想定外だった。
勇治に付いての下調べでは、常に後方で彼を慕う女達を侍らせ、その女達に戦いをさせ、常に庇われて居るとの報告記述が散見して見られていた。
まぁ、その話は半分は嘘ではないので、勘違いするのも無理は無い。
今までは勇治が前線に出るだけの理由と、彼個人の軍備と設備が整って居ないだけで、そんな理由から、単にこれまでは出て来なかっただけなのだった。
それに五十鈴やレイラ等のキリヤ公国の重鎮達が、危ないから危険な事はしないでと、彼の事を過保護に可愛がって居る事も、変な噂が立てられて居る事の原因でも有るのだった。
世界中の男の叫びを代弁すると・・・・「ちきしょうおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!綺麗所ばかり侍らせやがつてこのクソガキがっ!!羨まし過ぎるううううううぅぅぅぅぅぅぜっ!!!コノヤロおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」ってな感じに成る。
「何処の誰だかは面倒だし聞かないから、このままとっと帰ってね。」
「じゃないと僕はあんた等の国を攻め滅ぼさないと行けなくなるから・・・・・・・・・・・・・」
「くそっ!この機体は動かんっ!」
「へっ陛下っ!ささっお早くっ!」
シェニッアーは国王機を乗り捨てて、無事な揚陸艦船へと逃げ込んで自国へと撤退して行ったのである。
「勇くん。此方は五十鈴。マギウス・ギアース王国軍の主力戦艦艦隊を先ほど殲滅したわ。」
「残って居る揚陸艦や補給艦は予定通り見逃す方向で良いのよね。」
「はい。どの道、彼の国は何時でも潰せます。」
「それに今国王である彼を潰すと、残った彼の国の民達が家の国を恨んだまま、他国の傘下に置かれる可能性が有ります。」
「そうなると何をされるかは、分からないか・・・・・・・・・・・」
「はい。実に面倒くさい事なんですけどね。」
「それじゃ五十鈴さん。今からジェシカさん達ビクトリナ共和国艦隊の応援に向かいましょう。」
「了解っ!ナデシコ自治統合海軍艦隊は、此れよりビクトリナ共和国艦隊の応援に向かいます。」
いよいよ戦いは最終局面へと向かって行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・