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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第4章 少年王とビクトリナ南洋大戦っ!編
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第34話 少年王と開幕っ!ビクトリナ共和国独立建国と横須賀国際会議っ!2

マギアンティア世界統一暦・1555年・9月24日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ゲルニアン帝国 帝都ベルリナ・ベルリナ帝城宮殿・皇帝執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「それで、貴様はおめおめと逃げ帰って来たと言うのか?」


「はっ、まさか・・・あの様な考えと対抗策で、両者が共謀して居ようとは・・・・・・」


「真に申し訳御座いませぬっ!」



 ヘスター外務大臣は、キリヤ公国連合国がビクトリナ共和国と共に世界を相手取って戦う道を選ぶとは想定外で有ったらしい。


 それもその筈、彼らは専制君主制の帝国社会主義国家である為に、立君君主制の民主主義であるキリヤ公国連合国と、民主主義体制であるビクトリナ共和国とは相容れない考えを持って居たからだ。



 だから自由の平和と生存する権利と自主独立を守る為に、世界の覇権列強国を相手取って戦争を挑む者など絶対に有り得ない出来事と考えて居た。


 これは異世界との文化思想体系の違いから来る、すれ違いでも有るのだった。


「まぁ良い。これであの小僧は、窮地である事に変わりはあるまい。」


「ロンデルよ。差し当たって、これからどうすれば良い?」


「ははっ!残念ながら我が帝国は、帝公戦争と最近では呼ばれ、国外では公帝戦争と呼ばれ始めて居る先の大戦で、キリヤ公国連合国と戦争をしたはがりです。」


「軍の再編制も、まだまだ終わって居ません。」


「今再び戦いを挑めば、以前よりも簡単に敗れるのは必然でしょう。」


「それに戦後間もない為に、外交的な配慮が足りないと言われ、殺り合って3ヶ月程度で、また戦争をするのか?と世界中の国々から言われる事にもしまいます。」


 因みにゲルニアン帝国では公帝戦争の事を帝公戦争と呼んで居る。


 これは日本史で例えて言えば、源平合戦と源氏が勝ったから源平と呼んで居るのであって、平氏が勝ったら平源合戦と呼んで居たかも知れないからだ。


 そんな理由から敗戦した列強国たるゲルニアン帝国風の呼び方だ。


 此処にゲルニアン帝国の意地がこの呼び方に現れて居る。



「それでは我が国の諸外国からの信用に関わり、国家的な体裁面から見ても、決して宜しくない無い事かと・・・・・・」



「其処で主戦場をビクトリナ共和国の在る南方の地にさせ、マギウス・ギアース王国とドラリュウス帝国の二カ国に、ビクトリナ共和国を攻めさせるのです。」


「ほう、それは面白いな。」


「だがマギウス・ギアース王国の小僧は、恥を掻かされたと言って、この戦の共謀の誘いに乗って来るだろうが、ドラリュウス帝国の化物は、気まぐれの武闘派だ。」


「それにアレは龍人族種族至上主義の考えで動く化け物でもある。」


「迂闊な事を言えば、我らとて危ういぞ?」


「陛下、この度の根回しは、既に済んで居ります。」


「彼の皇帝は異界物の道具には興味を示しませんが、敵対し、その力が脅威、又は面白い物と判断をさせれられば、我々の誘いに乗る可能性が十分に御座います。」 


「後は二カ国に任せて、我らはユーラシアン大陸南部地方の国境沿いに軍を配備し、攻めるフリだけをして置いて、南方の主戦場から入る吉報を待ってから攻め込んでも遅くは有りませぬ。」


「万が一連中が負けて、我らは何をして居たのだと言われても、キリヤ公国本土とその同盟国軍を牽制して抑えて居たとでも言えば、それ以上は何も言えますまい。」


「それともう一手として、アマテラス神皇国の北部地方に在る北海島に住まう原住民族たるアイヌル民族にも反乱を起こさせます。」


「ほう・・・・稀に聞く僻地の蛮族だな。ワシですら名前を言わねば思い出す事も無い者達だ。」


「はい。過去にアマテラス神皇国の歴代の将軍王政権に対して、自分達の意を通そうと反乱を度々起こして居りますが、事在る毎にアマテラス神皇国のサムライ共に叩き潰されてしまい。仕方なく従って居る様子。」


「今はあの足柄幕府将軍王を辞意した13代将軍王・足柄・宗輝が、キリヤ公国連合国に仕官した事で、アマテラス神皇国の統治権者の席が空位と成って居ます。」


「だが、それは表向き話だ。」


「今のアマテラス神皇国の中央を押えて居るのは、あの織田の虚け娘だ。」


「奴は己が時期将軍王と成るべく、着々と地固めをして居る。」


「奴めはのらりくらりとワシのからの要請を無視しおって、忌々しい虚け娘がっ!」


「ですが陛下、それはアマテラス神皇国の全体の隅々まで目が届いて居ないとも言えます。」



「今やアマテラス神皇国の3割五分程度の国土は、キリヤ公国連合国に加盟して居る他国として独立しており、万が一アイヌル民族が反乱を起こしたとしても、彼の織田の虚け娘には預かり知らぬ外国の出来事。」


「精々困るのは上杉の無口な役立たずの小僧と独眼竜と大層な異名持つだけの小国王の小娘が困るくらいかと・・・・・・・・」


「それにキリヤの少年王は、無垢な民を巻き込んだ戦や反乱に措いて、無差別な武力鎮圧をする訳がないので・・・・・・」


「確かにな。先の帝公戦争では、フェリス侯爵領を制圧するのに、わざわざ攻撃地点を報せて来るお人好しだ。」


「ふっ、流石はロンデルだ。面白い事を思い付く。直ぐにその策を実行に移せっ!」


「御意っ!!」


 ヒットラン皇帝の野望と策謀は世界を巻き込んで暗躍する。


 ロンデルはキリヤ公国連合国を窮地に追い込もうと動くのであった。

 



 マギアンティア世界統一暦・1555年・9月25日・午前10時00分頃・マギアンティア世界・東方世界地域・第二文明圏・アメリナ大陸・マギウス・ギアース王国 王都マギナス市にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 国際会議の策謀が失敗に終わったとの報告を受けていたシェニッアーは激怒した。


「くそっ、舐めた事を言いおってっ!」


「ヒューズっ!直ぐに生意気な小僧と女を討ち取って参れっ!」


「宣戦布告だっ!俺自ら大軍を率いて出陣し、あの小生意気な小僧共をぶちのめしてやるっ!」



「ははっ!」




 数日後、マギウス・ギアース王国は、キリヤ公国連合国とビクトリナ共和国の二カ国に対して宣戦布告を出し、同時にマギウス・ギアース王国軍勢を差し向けたのだった。




マギアンティア世界統一暦・1555年・9月25日・午前11時07分頃・マギアンティア世界・南東部世界地域・第四文明圏・ドラゴ大陸・ドラリュウス帝国・龍帝都ドラゴ市・龍帝城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ふっ、ふははははははははーーーーーーーーーーっ!!!」



 国際会議での顛末の報告を聞いたバランは清々しく小気味よい事を言い放った生意気な少年王と異世界人達が、自分達龍人族を相手取って戦争をして戦っても怖く無いと言われて、可笑しく成り、大笑いをしてしまった。


「こっ、こっ皇帝陛下!?」


「下等で矮小な国家の愚か者共が揃って、この世界最強種族たる龍人族を相手取って戦うとほざくか・・・・・・・何ともバカな輩だっ!」


「思わず小気味よい可笑しい話であったので、大笑いしてしまったぞっ!!」



 国際会議の結果を聞いたバランは、珍しく高笑いをしていた。


 そう、世界の意思決定に逆らう者達と言う輩は、滅多に居ないし、自分達くらいからだと思って居たからだった。


 そして、自分達龍人族の力にも屈しないと豪語して居た事にも小気味良い気分を得られたからでも有ったからだった。


「其処まで自信が有るのなら、このワシ自らその力を試してやろう。」


「我がドラリュウス帝国軍を第一文明圏辺境の東方地方の小島へと向わせろっ!」


「はっ、はぁ・・・?ははっ!!」


「我が軍を含めた連合軍に負ける様なら、そのままキリヤ公国連合国の本土とユーラシアン大陸南部地方も我がドラリュウス帝国の版図に・・・・・・・・・・・いや、今回の不首尾を招いたゲルニアン帝国にも懲罰を与えてやろうっ!!」


「このわしに恥を掻かせたとの理由を付けてな。」



「御意に・・・・・・・・・・」



 異世界マギアンティアでも最大の軍事力を持った龍人族の帝国が動き出そうとして居たと同時にヒットラン皇帝の謀略は、世界勢力地図を書き換える動きをこの時には、孕んで居たのであった。


 


 こうして、キリヤ公国に、二回目の国家存亡の危機が迫って居た。



 ビクトリナ南洋大戦の開戦まで、あと5日を切って居た。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・9月31日・午前8時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・マーリーナ海洋海域地方・ビクトリナ共和国・フォーチュン諸島・トリントンシティ・ビクトリナ共和国総督府にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 世界有数の列強国との戦争をする覚悟を決めた勇治は、キリヤ公国本国と連合加盟国の事を宰相であるリィーゼと国防大臣である足柄一輝を二人を中心に任せ、近代化国軍を率いてビクトリナ共和国にやって来ていた。



 勇治の直属の軍隊であるキリヤ公国海軍艦隊は、特戦空母・出雲・諏訪・飛鳥・熱田を中心にして、イージス艦七隻、ミサイル巡洋艦七隻、21世紀時代型駆逐艦12隻、同時代式の潜水艦が14隻等をゴッドタブレッドで作り上げた地下秘密基地から引っ張り出して来て居る。


 各艦の操縦も殆んどが自動化それていて、管制している人間は席に座ってマニュアル通りの事をするだけで良いと言う夢の様な仕組みと成って居た。


 しかも空母に格納させてあるのは、勇治が作り上げた汎用人型量産兵器であるモビィーアーマーと言う名のロボット兵器で、その数は130機。



 空母に格納したり輸送艦で運んで来た中には、勇治専用常機体としてガルダム。


 量産機体であるガムと高性能戦闘機たるジェットファイターを100機ほど格納してある。


 また、キリヤ公国連合国軍としてナデシコ自治統合海軍を主軸に軍を派遣、陸軍は主に74式戦車を特別に200両と各種滞空関係装備の車両と対艦誘導弾関連の発射台車両を300両も運び込んでいた。

 

 遠征にやって来て居る全てのキリヤ公国連合国軍の総指揮は、勿論この人。


 キリヤ公国連合国軍・第一連合自治方面軍・ナデシコ自治統合海軍・第一戦隊司令官であり、キリヤ公国連合国軍の総司令官でもある山本五十鈴提督(大将)である。


 その旗下には第一戦隊副司令官・烏柿肇大佐。 



 第一戦隊・撫子型戦艦・1番艦・撫子 長門、伊勢、重巡・高雄、愛宕。空母・赤城、加賀。軽巡・川内、神通、那珂、矢矧。駆逐艦・吹雪、白雪、初雪、深雪、松風。


 第三戦隊司令官・角田晴海中将。第三戦隊副司令官・山口多美少将。


 第三戦隊・戦艦・大和、日向。空母・蒼龍、飛龍。重巡・利根、筑摩。軽巡・阿賀野、香取 名取、大井。駆逐艦・東雲、白雲 磯波 春風、朝風。



 第五戦隊司令官・渡辺祥子大佐。第五戦隊副司令官・近藤信代大佐。


 第五戦隊・戦艦・信濃、金剛、比叡。空母・雲竜、大鳳、瑞鳳。重巡・鳥海、青葉、衣笠。軽巡・天龍、龍田、鬼怒、大淀。駆逐艦・暁、響、雷、電、凪風。


 等々と錚々たるナデシコ自治統合海軍の第一線幹部将校と海軍艦隊を引き連れて同地へとやって来ていた。


 総督府で対面した勇治とジェシカは作戦会議に入った。


「事は単純です。各個撃破すれば良い。」


「・・・・・・勇治、お前は我が領内と領海で連中を全て誘い込んだ上で殲滅作戦で敵全軍を叩く気なのか?」



 ジェシカは自国周辺の地図を見て、勇治の作戦の意図を読んでいた。



「その通りです。此方は短期決戦で戦うのがベストです。ズルズルと戦を長引かせる事は、あのヒットランを喜ばせるだけです。」



「其処で軍を二つに分けます。」


「北東の方向からやって来るマダデースネ島へと迫るマギウス・ギアース王国軍勢に対しては、我がキリヤ公国連合国軍が迎撃します。」


「艦隊は艦隊同士で、上陸して来ると予想される魔導騎兵マギゥスナイト軍団は、我が国のモビィーアーマー部隊が相手をします。」



「ジェシカさん達はビクトリナ共和国軍は、東南方面側から迫るドラリュウス帝国軍を相手にして下さい。」



「なるほど、マギウス・ギアース王国軍の人型兵器は、陸戦兵器主体だとキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の局長である楓から聞いて居る。」


「一方のドラリュウス帝国の龍人族は巨大なドラゴンに変身するらしいな。」


「済みません。空中戦を想定したロボットの作製は、まだだった物で、ビクトリナ共和国軍のモビル・アイゼンは、パーツ換装方式で陸海空と戦場が自由に戦えるらしいとか、それならば、この部隊配置は適材適所だと言えます。」



「分かった、東南方向からの敵は我々に任せろ。」


「龍人族はパワーに優れて居ると聞きます。中近距離戦でケリを付けないとジリ貧に成る思われるので、十分に注意をして下さい。」


「分かった。」


「では作戦は、こうです。」


「最初に空母機動部隊の空爆と各発射台からのミサイルによる攻撃で、敵をてぎるだけ減らしつつ、迎撃地点に誘導し、人型機動兵器による白兵決戦と艦砲射撃による艦隊決戦を行います。」


「撃退して逃げ延びる敵軍は、追撃には及ばずと言う形にしたいです。」


「必要以上に連中の怨みは買いたく無いからな。敵わないと見れば逃げ帰るだろうな。」


「はい。あくまで連中の今回の戦争での目的は、自分達の面目を保つ事だけですからね。」



 国際会議で赤っ恥を搔かされたと思っている連中は、虚仮にされた事を逆恨みして軍隊を派遣している。


 力の差を見せ付ければ、無理攻めはして来ないとの算段から追い払うだけの作戦とした。


 勇治とジェシカは、互いの軍幹部らと共に、決戦に備え作戦と演習訓練を念入りにして行くのであった。


 決戦の日取りは、間じかに迫って居た・・・・・・・・・・・・・・・・・・



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