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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第4章 少年王とビクトリナ南洋大戦っ!編
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第33話 少年王と開幕っ!ビクトリナ共和国独立建国と横須賀国際会議っ!1

 マギアンティア世界統一暦・1555年・9月21日・午前9時00分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国・三浦川地方・準独立国特別指定権限保有地方自治州区・キリヤ公国連合国・特別独立地方自治州行政区・ナデシコ地方自治州区・ナデシコ地方自治州区本土・ナデシコ地方自治州区・主都及び州都兼務都市・横須賀市・横須賀国際会議場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 あれから二週間が過ぎたマギアンティア世界統一暦・1555年・9月21日の事である。


 ナデシコ地方自治州区・三浦川地方・州都・横須賀市・横須賀国際会議場には、数百を超える国々の特別大使の外交官。


 それに加え外務大臣らが参加してのビクトリナ共和国問題対策に関する国際会議か開かれ様として居た。



 国際会議の議題は、新たに現れた異界物地域であるビクトリナ共和国の扱いを如何するのかに付いてだ。


 既に世界の9割がキリヤ公国と連合加盟国と、その同盟友好国を合わせた7カ国の意見に、真っ向から反対を主張して居た。


 その理由は、キリヤ公国の異界異物とその地域の権利と利益の独占が許せないと言う事が原因だった。



 キリヤ公国連合国とその軍隊に対して、世界の大半の国々が結託して対抗すれば、流石のキリヤ公国連合国も何も出きないと言う算段から来る強気の姿勢で、反対勢力はキリヤ公国連合国に外交戦し言う名の戦争を挑んで来て居た。



「・・・・・・と言う訳でして、キリヤ公国連合国にだけ、異界から現れたと言う方々のお世話をさせるのは、後々の交易での利益とビクトリナ共和国が保有する技術移転の独占に繋がる事に成る事でしょう。」


「そう言った不公不満の差を解消し、キリヤ公国連合国一カ国の世界制覇と言う侵略を阻止する為にも、是非とも我がゲルニアン帝国の提案に世界各国の皆々様には、是非とも賛成して戴きたいっ!!」



 ヘスター・ダッケン外務大臣の独壇場とも言える演説で、中小国家群の国々は、うんうんとか、正に正にと頷きながら、彼の言葉に聞き入りながら賛同して居た。


 彼はナデシコ地方自治州区をゲルニアン帝国へと取り込もうと画策するが、その帝国覇権主義思想を前面に押し出した交渉を展開した事が、五十鈴達の反感を買ってしまい、追い返されてしまう。


 その事を忌々しく思って居るヘスターは、今度こそはと、仕返しも兼ねて、この国際会議を祖国有利に終わらせようと意気込んで居た。


 そのへスターの演説を聞き入る中には、先の公帝戦争で大損してしまった国々の外交大使の姿が多数見受けられた。



 彼らは先の公帝戦争で被った大損益での損害に対する仕返しを、少しでもキリヤ公国連合国側に対して、仕返しをやり返したかったらしい。


(ふっ、何も言えまい。この会議で少しでも反論を言えば、マギアンティア世界の国々に取っての敵に認定してくれるわっ!)


 国際会議に参加したキリヤ公国宰相リィーゼ・メイルシュルフラッドと外務大臣の結城梅晴は押し黙ったままだった。


 同じくこの問題の当事国の盟主王兼国家元首である勇治も沈黙を保ったまま、黙り込んでいた。


「キリヤ公国連合国の方々は、何も反論が無いご様子。」


「そろそろ議論も出尽くして来た所ですし、この一件の決断は、当事者国であるジェシカ・クローディア総督殿。」


「さぁ、ご選択を、と言っても選ぶまでも無いですがな。」



 ヘスター外務大臣は、この場で既に勝ったと思い。


 嫌らしい笑みを浮かべて勝ち誇った顔をしていた。


 キリヤ公国連合国とその友好国の主張は決して変わらないと、この会議の冒頭で勇治は述べていた。


 それ故に下手な反論は避けて、キリヤ公国連合国の政府首脳陣と連合国加盟国及び同盟友好国の代表団等は、全員が黙り込んを決め込んで居るのである。


 キリヤ公国連合国の加盟国であり、地方自治州区でとしてキリヤ公国に編入した準独立自治国家としての扱いを受けているナデシコ地方自治州区の代表でもある山本五十鈴やナデシコ地方自治州区政府の首脳陣と軍幹部達は、鬼の形相で反対派の国々の代表等を睨み付けていた。


(何が不公平の格差を無くし、平和裏に事を済ませる?)


(相変わらず無礼な物言いねっ!へスターはっ!!)


(どう聞いてもキリヤ公国連合国の独占を防いで、ビクトリナ共和国の土地や技術に利益の山分けをする事で、妥協しただけじゃないっ!!)


(梅さんが対抗策を献じなければ、私達がジェシカ達を守ってた所よっ!!)


(全くですっ!五十鈴さんっ!)


(何か在れば、家(海軍陸戦隊)で殺ますか?)と聞き返す肇は、いざという時に陸戦隊を控えさせて居た。


(・・・・それも良いかもね)と冗談を言う五十鈴。


 普段は穏やかな性格の五十鈴が、何時になく怒り心頭であった。今回の事は本当に腹を立てて居たらしい。


 五十鈴は、キリヤ公国本国とキリヤ公国連合国として、動けないと言うならば、準独立自治国家としての権限を持って居るナデシコ地方自治州区の名の下に、独自に軍事権の発動して、ジェシカ達をビクトリナ共和国の事を守ろうと考えてたくらいであった。


 これはキリヤ公国連合国・国土統治基本法で定められた第3条の最後尾に書かれて居る第三項・第3条・軍事力権の行為に付いてとの項目だ。


 最後に準独立自治国家、独立自治国・地方自治州区政府には、それぞれ防衛兼を含めた独自の軍事行動権利を有して居る。


 準独立自治国家と独立自治国の軍事力権の発動は簡単だ。国家元首が発動を決めれば良いだけと成って居る。


 地方自治州区政府の場合は、地域の国軍と州軍に軍隊の出動要請を発動すれば良いが、状況によっては拒否権を行使される場合が在ると成って居るので、五十鈴は最悪の場合、ナデシコ自治統合軍だけでも援軍を出す積りで居た様だ。


 五十鈴たちナデシコ海軍組が起こって居るのも、ナデシコ地方自治州区を巡ってへスターとひと騒動を巻き起こした事に起因して居る。


 国境紛争にまで発展してしまったへスターの威圧的な砲艦外交は、撫子人達からかなりの恨みを買ってしまって居るのであった。


 それに加えてジェシカの事が気に入って居るし、親友同士にも成りつつある五十鈴らしい覚悟だった。


 しかし、下手をすれば、国防大臣である一輝に止められたら、大人しく引き下がるしかないが、世界情勢と戦況次第では、一輝も見逃す可能性もあった。


 しかしながら、リィーゼと梅晴の二人から、策が在るから早まるなと釘を刺されて居た。


 でなければ、ヒットランの事を毛嫌いして居るナデシコ自治統合軍の顔役であり、今回の一件に力を入れて居る祥子と信代、五十鈴等は我慢が為らないと言って居た様である。


 奥州独立自治王国の代表である伊達・藤枝・政実も、この話をムカついて聞いて居たが、勇治達が何か企んで居る事を事前に説明を聞いて知って居るので、この場は何も言わずに黙って居た。


(・・・・・・・・・・・・・・・)


(ねぇ、ねぇ、影菜叔母上。みんな斬って良い?)


(黙ってろっ!!成美っ!!)


 政実の後ろに控えて会議を聞いて居た成実は、へスターの物言いが流石に我慢が為らなかったらしいが、叔母でありキリヤ公国連合国に伊達家の連合国加盟大使として派遣されて居る留守・影菜・景政に取り抑えられて居た。



 上杉独立自治北陸藩王国も上杉影勝は沈黙を保ったままであった。盟主が何も言わないなら、自分が好き勝手に物を言うのは無礼だと思って居たからだ。


 彼は寡黙の君主と最近は言われて居るが、実は単なる口下手なだけであった。

 


 その傍らには直江・愛華・兼継や大国・七恵・実頼の双子姉妹が補佐をしていた。


 ハキハキとして感じなのが愛華の姉で大人しい性格をして居るのが七恵である。



 見た目の見分け方として、右分けのショートカットのおでこが見えて居る髪型をして居るのが直江愛華。左分けなのが大国七恵である。


(姉さん、何だかとても面倒な事に・・・・・・・・)


(しっ、勇治様達に策が有るらしいから、黙ってて・・・・・・・・)


 寡黙で口下手な君主に代わって、政務の代理を務めている愛華は、事の成り行く先に何が有るのかを知って居た。



 毛利独立自治安芸藩王国の代表団も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(厳しい交渉ね。)


(はい。此処まであからさまに、我がキリヤ公国連合国側の痛い所を突いて来ると言うのは、帰って清々しく感じられます。)


 毛利家新当主にして藩王と成った毛利・輝実・隆宗と毛利家三女の小早川・隆美・影長の二人は、会議の茶番劇を呆れながら見て居た。


 毛利家の成り立ちも似た様な事が多かった為か、怒りと言うより、反対派勢力の狡猾さに感心しつつも馬鹿馬鹿しい事と見ていた。


(・・・・・・もう我慢ならんけんっ!!ぶっ殺しちゃるけぇ!!)


 吉川・春美・隆春が刀を抜きかかった時だった。


(むぐぐぐぐっ!!)


(もごもご・・・・)


「はぁ・・・・・・」


「姉さん。成美殿も・・・・」


「そのようね・・・・・」


 成実と春美の武闘派コンビの二人は、仲良く会議場から密かにキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の隠密衆達等の手によって外へ連れて行かれたらしい。


 フェリス侯爵独立自治領国では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(相変わらず卑怯な手口・・・・・・)


 公帝戦争の敗戦によってゲルニアン帝国から見捨てられ切り捨てられもされたフェリス侯爵家は、その後キリヤ公国連合国に加盟編入された独立自治国家と成った。


 国家名をフェリス侯爵独立自治領国として再出発をし、独立自治領国にして侯爵家の新たな当主と成ったレイチェル・フェリスを国家代表して自国の再建を行って居た。


 肩まである金髪のミディアムロングヘアーの髪型と整ったボディスタイルを持った気が強そうで、赤と黒のラインの入ったドレスを好んで着て居る女の子が元故国の代表団を冷めた目で見て居た。



 そんな両勢力の数多ある各国の席の中には、アマテラス神皇国の関係者はキリヤ公国連合国に加盟して居る国だけしか来て居ない。


 最大勢力の織田家は、外交大使として丹羽・米実・永秀を派遣し、織田・和紗はこの国際会議の事は、中立を通した上で無視を決め込む様にとの命を下して、諸勢力からのロビー活動等の外交駆け引きを仕掛けて来る外交官等の事を一貫して無視を決めて居た。



 そんな策謀渦巻く国際会議の中を当事者国の代表であるジェシカは座って居た席から立ち上がり、決断した事を述べるべく周りを見渡しながら言い放った。


「ふざんけなあああぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」


 ジェシカは、怒りに満ちた表情で声高く叫んだ。


「はっ?今なんと?」


 ヘスター外務大臣は、ジェシカの態度と怒りに満ちた叫び声の真意が分からずに、ポカンとしてしまい。訳が分からなかった。


 それもそうだ彼も含めて、ジェシカとビクトリナ共和国側の要望と意見を無視した提案ばかりを言うからだ。


 この国際会議場内に居る列強国勢力側に付いて居る物は、全員が自国の利益しか見て居ない。


 それに引き換え、キリヤ公国連合国内殆んどの国とビクトリナ共和国は、民主主義制国家である。


 好き勝手な政策を進める覇権主義国家では無い事が、両勢力の温度差として現れて居た。


 そんな中で好き勝手な事ばかり言われたジェシカは、鬼の形相で怒って居たのである。


「だからっ!ふざけんなって言ってんだよっ!!!」


「!?」


 再び怒りの言葉を聞かされ、ヘスター外務大臣は、その気迫に押されて思わず黙り込んでしまう。


「さっきから聞いて居れば、どいつもこいつも、好き勝手に自分達の利益と自己理屈ばかりの主張ばかり言って、私達の立場や境遇に対して、誰も助けると言ってくれて居ないじゃないかっ!」


「勇治とキリヤ公国連合国は、私達に対して、殆んど無償で助けてくれた。」


「なのに、この世界のあんた達は、見返りと土地と技術と労働力を寄越せだ?」


「ふざけんなっ!!世界の9割を相手に戦争して勝てないだろうから従えと言われて、私達は・・・はい、そうですかって言うとでも思ったか?」



「自由と独立、平和と生存権の保障。そんな事すら分からない連中の保障なんて、こっちからお断りだっーのよっ!」


「でででっですが、我々は貴方達の事を想い考え、キリヤ公国連合国の謀略から助けようと必死に・・・・・・・・・・・」


 そう、この場に集まった反キリヤ公国勢力の連中は、ビクトリナ共和国の為にとは、誰一人も、一言も言った事は無い。


 それにビクトリナ共和国の分割統治支配と利益の分配や其処に住まうビクトリナ人の人々を奴隷にする事しか考えて居なかった。


「そんな事を微塵も考えても居ない癖にっ!!!勇治っ!!!」


「忍衆っ!!!」


「はっ!」


 ジェシカと勇治は合図をすると、一斉に服部楓が率いるキリヤ公国秘密工作諜報情報部局の者達が変装を解いて、その姿を現した。



「キリヤ公国秘密工作諜報情報部局の者だっ!!!貴様らの悪事は、この通り・・・・・・・・・・」


 楓は録音再生機器で収集した音声をキリヤ公国連合国民とその友好国内にラジオとテレビ放送を通じて、生配信をしてやった。



 当然ながら当事国であるビクトリナ共和国にも、その内容は流されていた。


 

 ジェシカが「その方がビクトリナ共和国の国民も納得すると」言ったからである。



「やっめろっ!やめろおおおぉぉぉーーっ!」



「見苦しいぞっ!ヘスター・ダッケン外務大臣っ!」


「貴様の主たるヒットラン・アドルフラーとその一味が結託して居た企みは、我れらキリヤ公国秘密工作諜報情報部局が寒波してくれたっ!」


 事が露見してヘスターは大慌てで叫ぶが、だがしかし最早、後の祭りだった。


 会議の情勢は一気にキリヤ公国連合国側に傾いたのである。

 

「おのれっ!おのれっ!おのれっ!おのれっ!おのれえええぇぇぇーーーっ!このままでは済まさんぞっ!」


「その通りだっ!我が国のシェニッアー陛下も黙っては居られない。」


「人間共の諍い等には興味は無いが、我がドラリュウス帝国を虚仮にした事は報告させて貰う。」


「精々後悔する事だなっ!!」


 列強国家達は、呪詛の恨み節を言い放って会議場を退席し、そのまま帰国して行った。


「勇治・・・・・済まない。」



「折角、色々と手を尽くしてくれて居たのに・・・・・・・」


 ジェシカは深々と頭を下げて、危機を救ってくれた事と新たな危険に巻き込んだ事を詫びながら礼を述べていた。


「ジェシカさん。もう、こうなったら覚悟を決めましょう。」


「ああ、侵略して搾取する事しか考えられない連中なんか、信用も宛てにも出きないっ!!」


「それならば、自由の為にも、もう世界を相手に戦う他に無い。」


「済まないが助けて欲しい・・・・・・・」



「ええ、身勝手な列強大国の傲慢な態度を取る奴ら達を一緒に、ぶっん殴ってやりましょう。」



 ジェシカと勇治の二人は、列強大国連合との戦争を覚悟したのだった。



 ビクトリナ南洋大戦の開戦まで、後10日前の出来事であった。


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