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キリヤ公国英雄戦記物語  作者: 伊達教宗
第4章 少年王とビクトリナ南洋大戦っ!編
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第30話 少年王とビクトリナ共和国の独立を巡る世界の策謀 2

 マギアンティア世界統一暦・1555年・8月27日・午前11時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸南部地方・キリヤ公国連合国本国・キリヤ公国・キリヤ地方・公王都キリヤ市・キリヤ城・キリヤ公国宰相内閣府内・外交会議室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 翌日の午前11時、ジェシカと付き添いの30名の軍人や地方政府官僚達は、勇治との謁見の為にキリヤ城へと登城して来ていた。


 待ち合わせ場所である外交上の大広間へと皆が集合すると、其処で簡単な挨拶を済ませ合うと、会談場所である近くの外交会議室へと向った。


「それではジェシカさん。貴女方のこれからの事に付いて、決意した事をお聞きしたいと思います。」


 ジェシカは席から立ち上がると、地方領自治政府としての公式な文章を読み上げた。


「この国にやって来る間に、船内の首脳会議に置いて、再三に渡って我々は話し合った。」


「その結果、貴国の支援を受けながら、この異世界でビクトリナ共和国として、独立国の建国を目指す事に決した。」


「やはり、我々はビクトリナ王国人としての誇りと歴史を大事にして行きたい。」


「異世界転移と言う天災に遭い本国と永遠に切り離されてしまったこの状況に措いて、願いが叶うのならば、自主独立を維持した形でビクトリナ共和国として再出発をして行く事をやって行きたい。」


「其処で新政府・ビクトリナ共和国政府は、勇治陛下とキリヤ公国連合国中央政府及び連合加盟各国には、我が国に対して手厚い保護と支援とその協力を求めたい。」



 ジェシカ達は独立国を目指す選択肢を選んだらしい。


 まぁ、これは極自然な流れだろう。


 異界の祖国とは絶縁状態に陥り、新世界では孤立無援の状態と成って居る。



 それに他国の支配下や統治下に入るのも、何と無く嫌だなぁーと考える者達が居ると言うのは、どんな世界、どんな国でも居るのは当たり前のこんなのだろう。


 だが、異世界で何処の国の支援も受けない儘に、国の独立が出きると思えない。


 だから信用が出きるキリヤ公国連合国の保護を受けると言う妥協をする事で、ビクトリナ王国・フォーチュン諸島領地方政府と各領内の政治派閥に対して、バランスを取った形と成ったのである。



「それがビクトリナ王国・フォーチュン諸島領地方政府の公式見解としての決断ですね。」


「ええ、そう成るわ。」


「では我がキリヤ公国連合国中央政府は、全力でビクトリナ共和国政府を中心としたビクトリナ共和国と言う独立国を建国して行く事に対して、全面的な支援を行い。」


「貴国を守り抜いて行く事を宣言し、貴国の自主独立を承認をします。」


「また、キリヤ公国連合加盟各国と付き合いの有る友好国に対しても、支援や独立国承認の認可をして欲しいと呼び掛ける事も、併せてお約束を致します。」


「勇治公王陛下の寛大なるご配慮に対して、全国民を代表して御礼と感謝申し上げる。」


 勇治は立ち上がり、ジェシカと握手を交わした。


「頑張って下さい。出きる限りのお力添えしますので・・・・・」


「ええ、期待してるぞっ!」


「五十鈴や祥子が言って居た通りに、お前の事は、何だか信用が出来そうだと思えたからな・・・・・・・・・」


 こうして、ビクトリナ王国・フォーチュン諸島領地方政府は、キリヤ公国連合国の支援を受けて、ビクトリナ共和国の建国を異世界マギアンティア世界の世界各国に向て宣言をするのであった。


 ビクトリナ共和国の建国したジェシカ達は早速、ビクトリナ共和国内の行政改革と人事の取り決めを行った。


 国家元首の総称を総統し、総統は政務の最高代表と軍務の最高司令官をも兼務する形で、戦場に立つ際の呼び名は総司令官とする事とした。


 ジェシカはキリヤ公国連合国との交渉を纏め上げた事で、ビクトリナ共和国政府首脳と議会議員、国民達から絶大な支持を得る事に成り、臨時総督からビクトリナ共和国総統へと就任。


 引き続き国政を任せて貰える事に成った。


 他の軍や官僚の者達もそれぞれ地位に応じた昇進をしたり、部署の人事異動などが行われて行くのだった。



 キリヤ公国連合国中央政府は、世界各国に働き掛けて、この異界から新たに現れた国家を承認と支援を呼びかけた。



 だが・・・・・・・・その事を面白く思わない者達が多く居たのである。




 マギアンティア世界統一暦・1555年・9月4日・午前10時13分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ゲルニアン帝国・帝都ベルリナ市・ベルリナ帝城宮殿・皇帝執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 キリヤ公国連合国が、ビクトリナ共和国の存在を異世界マギアンティアの全世界に向けて公表し、独立国としての承認と支援を求める声明が発せられてから1週間が過ぎ去って居た。


 ゲルニアン帝国のヒットラン皇帝と政府幹部らの両者は、新たに現れた異界の異物に興味を示す物の、余りにも遠い土地であり、又もやキリヤ公国の影響下に在ると考えると、一瞬で興味が覚めてしまっていた。

 


 ヒットラン皇帝は、ロンデル元帥と新たに現れたと言うビクトリナ共和国政府に付いての対策を模索していた。


「ロンデルよ、ビクトリナとやらが、あの小僧の影響下、又はその傘下に入る事は何としてでも防がねば成らんぞっ!」


「ですが皇帝陛下、かの土地は我が帝国のある中央世界ユーラシアン大陸から7千キロ以上も離れた南方の海洋の地に御座います。」


「積極的な介入は、些か難しゅう御座います。」


「其処なのだ。一体どうやったら小僧の思惑を邪魔が出きると思う?」


「そうですな・・・・・・」


 皇帝の無理難題に対して、暫し沈黙しながら考えを巡らすロンデル元帥。



「では、この様な手立て如何でしょう?」


「何か思い付いたか?」


「はっ、南方のドラリュウス帝国、東方の大国であるマギウス・ギアース王国等の列強大国を含む世界中の各国と結託して、ビクトリナ共和国の支援と保護を目的に駐留軍や技師達を派遣させると申し出るのです。」



「ほう・・・・・成るほど、考えたな。」


「確かにな。それら成らば小僧とビクトリナも断る事は、難しいであろうな。」


「はっ、その反対理由の名目として、キリヤ公国連合国は、既にナデシコ領を保護して領土に組み込んだと、彼の国と世界に対して禍根を残すと物言いをし、今度も独占するのかと世界中から文句を言ってやるのです。」

  

「例え交渉会議の席がご破算となり、後に戦と成っても、キリヤ公国連合国は世界中を相手に戦争どころか、本土や離島防衛に加え、伊達や毛利と言ったキリヤ公国連合国に加盟傘下と成った独立自治国の国々をも守らなければ成らなくなって居りますゆえ・・・・・・・・」


「がはははっ!悪知恵が利くのうロンデル。」


「領土が大きく成り過ぎた小僧の国は、ビクトリナの土地を含めて、多くの自領を助けたくても助けに行けなく成るかも知れぬのだな?」


「はい。後は頃合を見計らってキリヤ公国連合国とその同盟国に対して、我が帝国軍を含む、多国籍連合軍を派遣すれば・・・・・・・・・」


「四面楚歌と言う訳よな。がははははははーーーーーーーーーっ!!」



 二人は早速、キリヤ公国連合国とジェシカ達ビクトリナ共和国の行動を妨害しようとする企みを実行しようと行動開始したのだった。



 この事が新たな戦争の火種と成る事は、必然と成ってしまったのであった。


 勇治とジェシカが的確に動いて、争いの種を除いたのに、又もやこの異世界の覇権を巡る裏社会や列強覇権国家のとの駆け引きで、新たな争いの火種が生まれてしまう因果は、天災の産物の様な物なのかも知れないと言えたのだった。


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