第0話 n番目の最後の日
よよっちです。新作を書いてみました。時々更新しに来ます。
空を見あげた。雲が少しずつ移動している。
水滴が頬を伝う。水滴はそのまま地面に落ちていった。
いつからだっただろうか。自分は特別な人間だと思い込んだのは。そう言ってくれる周りの声を素直に信じれていたのはいつまでだっただろうか。
そんなことはない。そうわかっていたはずなのに少し結果を残せば「やっぱりそうなんじゃないか」と思っていた。
その自分の中に湧き出てくる謎の自信が俺の中の正義感を奮い立たせた。
そして、何度も、何度も繰り返した。失敗を。
「成功した」と思ったこともあった。でもやり直してみればちょっと種類が違うだけの同じ「失敗」だった。
だから俺はあきらめた。どうしようもないことだってありふれてるのだ。なんらおかしいことではない。
ノートを閉じた。これは余りにも安すぎるこの地獄の対価。
「そうだ」
1人呟いて再度ノートを開く。そこにこう書きこんだ
13582周目
次の2週間からはその世界を一生分楽しむ。
ノートを閉じる。ノートは消えてなくなった。
この世界が終わるまであと十秒。
俺はその十秒を流れる雲を見て過ごした。