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六話
俺の右手から黒い一閃が走る。
その太刀筋は、確実に相手の首を刈れるはずだった。
しかし、キトは俺の動きを見てからでも、余裕でかわしてみせた。
(凄まじい反射神経だ…)
直後、俺はキトの鋭い爪が胸にめがけて、素早く迫るのを確認する。
防げない…!
俺はとっさに、攻撃によって伸ばしきった右腕を爪の軌道の向かうところに曲げて、受けた。
身体能力を魔法によってあげている…エドガルドがあれば、反応もできるんだが!
できないことを考えても意味がないと思いながら、爪が刺さった右腕を、左側に引っ張って相手の体勢を崩す。
そして、再生の剣によって心臓を突き刺した。
「ウッ」
キトが、血を吐く。
再生の剣によって、心拍を加速させたのだ。
キトの血管はその勢いに耐えきれず、全身から出血。後に死に至るであろう。
この攻撃は、再生の剣が持つ最大の火力を誇る。
キトの再生魔法でも、全身の血管を常に再生し続けることは不可能なのだ。つまり、必死の一撃。
悪魔、また1人殺した。
「…」
キトは、最後の言葉を遺すこともなく、事切れた。




