四話
「仕方ないか…」
俺は頭の中に術式を思い浮かべ、まだ切り取られていない左手首に魔法陣を展開する。
「野望の剣、エドガルド。召喚…!」
そう呟いた次の瞬間には、俺の左手には緑のラインが3本入ったサーベルが握られていた。
このサーベルは、術者の身体能力を極限まで上昇させることで、空気を蹴り、空を飛ぶこともできるようになるほどの能力を持っている。
「そ、それはッ!?エドガルドさまのッ!?」
プシュー!ユージの首から血が吹き出る。
「ユージ、遅いな。はっきり見えるようになった」
ユージが天井から落ちる。天井の付近を高速で飛び回っていたようだ。狭いのによくやるぜ。
「グッウウ!!」
呻き声が聞こえるが、気にしない。俺は、何千回と最も近くで断末魔を聞いてきた。
「!?」
俺が服をちぎって切り取られた右腕部分に巻いていると、左腕に重さを感じた。
ユージが最後の力を振り絞ってサーベルを握ったのだ。
「エドガルド様ッ!すみません!」
ユージが、謝りながら、サーベルをより強く握った。
(まさか…!)
バキッという音とともに、エドガルドが折れた。
「なんてことをしやがる!」
俺は、エドガルドを手放して、左拳に魔力を全集中させる。俺は勢いをつけて、ユージの頭部にその拳を叩きつけた。何度も何度も。30秒もすると、ユージには頭がなくなっていた。